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2024.09.13

「いまのわたし、最強にかわいい!」

「いまのわたし、最強にかわいい!」
#5 村重杏奈さん(タレント/YouTuber)
かつてはHKT48のアイドルとして10年にわたり活動。そして現在はテレビのバラエティ番組への出演や洋服のモデルなど、さまざまなフィールドで活躍する村重杏奈さん。2024年6月にはストレスフリーでバストケアができるブラ「TOLEETY」を、ナイトブラ販売メーカーと共同でプロデュース。これまでのキャリアやファッションをどう捉え、どんな未来の姿をイメージしているのかについて、お話を伺いました。

「人に会うことがとにかく好きで。毎日楽しくやってます」と、太陽のような笑顔で語るのは村重さん。振り切れたテンションと明るいキャラクターで人気の村重さんは、アイドルとして過ごした10年間を経て、2022年からは一人の女性としてキャリアを歩み始めました。ファッション雑誌のモデルとしても活躍する村重さんが語る、キャリアとファッションの話とは?

Q1. 最近取り組まれていることを教えてください。

「明るさが一番です」

テレビのお仕事をメインでさせてもらっていて、あとはモデル業、最近はプロデュース業も始めて、という感じでしょうか。でも取り組んでいること……、明るさ!これが今、一番取り組んでいることですね。

Q2. 普段、スーツを着る機会はありますか?

「着る機会は全く無いですけど、すっごい憧れます」

仕事に行く日でも、カジュアルな服を着ることが主なのでスーツを着る機会がないんです。でも、朝とか、駅ですれ違う女性がヒールの音をカツカツ響かせながらスーツを着て歩いている姿って、賢そうに見えるし、キリっとしててカッコいいじゃないですか。「今日も日本を動かすぞ!」みたいな。そういう雰囲気は自分にはないなって思っているので、すっごい憧れますね。

あっ、でもジャケットを着ることはあります。賢そうな人が多いような現場に行くこともあるので、そういうときは。ジャケットを着るだけで「あれ?なんか村重今日大人っぽいかも!?」って思ったりもするし、言葉遣いも敬語が自然に出てきたりします。

Q3. ファッションで意識されていることやこだわりを教えて下さい。

「ちょうどいま壁にぶち当たってて、葛藤しています」

もともとメンズライクなファッションが大好きで。デニムパンツにTシャツとか、それもリラックスしたシルエットのものが好きだったんですけど、年齢を重ねるにつれてちょっと子供っぽいかなって感じる場面もあったりして。そういうファッションだけでどこでも行けるかっていったら違うじゃないですか。たとえばちょっと小綺麗なレストランに行くとか。

なので、最近はメンズライクな服でもそこに女性らしさをプラスするというのが自分のなかですっごいトレンドで。パンツはゆったりしていてもトップスにタイトなTシャツを着てみるとか、甘辛、みたいな感じのバランスをとることを意識しています。

でも最近、壁にぶち当たっている感じもあるんですよ。いままでは興味を持てなかった大人ブランドも気になり始めていて。でもそれって自分が持っていた好きなアイテムとは全然合わなかったりするんです。自分の気持ちとしてはそっちに行きたいのに、でもいままで好きだったものも捨てられないし……。そんな葛藤をしているところです。

Q4. アイドル時代には様々な衣装を着こなしていたと思いますが、衣装がご自身に与える影響などはありましたか?

「すっごい楽しかったです。プリキュアが変身したときみたい」

私は元気いっぱいなキャラだったんですけど、そのイメージに合うオレンジ色だったり、自分にピッタリの衣装を用意してもらえるのですっごい楽しかったです。

なんだろう、プリキュアみたいな気持ちでした(笑)。プリキュアも戦闘態勢のときって変身するじゃないですか。他のメンバーもそうでしたよ。楽屋でワイワイ話していた子が、衣装を着るとアイドルよりの笑顔になったり。変わるんですよ。うん、自分もプリキュアだったし、周りもすごくプリキュアだったなって思います。スーパープリキュアだらけでした。

一番好きだった衣装は「メロンジュース」という曲で着ていたものです。スカートが切り刻まれていたり、アクセもトゲトゲしていたりして、いつものかわいいアイドルの服とは違う、ロックなイメージでテンションが上がった覚えがあります。

Q5. 大きな転機となった「アクション」を教えて下さい。

「やっぱりアイドルの卒業ですね」

アイドルは10年という区切りで卒業、って決めていたんですけど、その先どうするかは決められていなくて。そのまま芸能界やめちゃおうかな、みたいな気持ちもあったくらいなんです。48(フォーティーエイト)っていう看板がなくなったときに自分はどうやって生きていくんだろう?って悩んで。

モデル業はもともとやりたかったんですよ。だから辞めた後はモデルでやっていきます、ってある打ち合わせのときに言ったら周りの反応がいやいや……みたいな雰囲気で。実際、当時の自分って垢抜けてなかったですし。その帰り道ですね、マネージャーさんと「期待されてないあの感じって悔しいよね」という話をして、そこからですね、芸能界で頑張っていこうってなったのは。

Q6. テレビ他“観られる”時のファッションで意識していることはありますか?

「マインドコントロールですね」

用意していただいた衣装を見たときに「自分が着こなせるかな?」って不安になることがあるんです。お仕事ではいろいろな衣装を着るわけで、自分では選べないことも多いから。でも、やっぱり内面から出るものって、見られ方に影響するじゃないですか。だから自信があるような表情でいることはいつも意識しています。自分にマインドコントロール。「いまのわたし最強にかわいい!」って思い込みます。そうしたら、見てくださるみんなもそう思ってくれるだろうなって思っているんです。

Q7. 理想の自分に近づくために、普段から意識していることはありますか?

「心を折らないことです。無理矢理でも」

いつでも最強大先生の村重なんですけど、そんな私でもやっぱり普通の人間なんです。全然疲れるし、眠いときだってあります。で、1回心が折れちゃうと全部投げ出したくなる性格なのは自分でわかってるんです。だから、無理矢理でも心は折らない。そうしていると気持ちが前向きになっていく気がするんですよ。無理だなって思ったら何もできないので、無理じゃない!って。なぜならば私は最強大先生だからだ!みたいな(笑)。

Q8. 今後、ファッションで挑戦したいことを教えてください。

「もっとファッションのことを知りたいです」

ファッションが好きな人ってブランドの歴史とか、デザイナーさんの生い立ちまで知ってたりするじゃないですか。そういうこともきちんと語れる、深みのある人になりたいんですよ。内面も外見も、もっともっと磨いて。

そのうえで、たとえば胸元が大きく空いたドレスを誰に着させる?ってブランドの方が考えたときに、胸元がきれいな村重じゃない?って、みんながピンと来るような人になりたいなと思います。

Q9.「キャリア」と「ファッション」で大切にしていることを教えてください。

「村重が着ることでその服がもっとよくなるような自分になりたい」

自分がお仕事をいただいているうえで、この仕事だから村重に任せたっていう、起用してくださった方の気持ちを汲み取ったうえで自分らしさを出したいっていうのが、仕事についての村重の考えなんです。与えられた仕事をきちんとやって100点、そこに村重の良さを足して150点!そんな仕事をして最高だったと思われて帰りたいタイプなんです。

お洋服もそういうものなんじゃないかって思うんです。デザイナーさんが、こんな人にこんなイメージで着てもらいたいって作った服があって、その服を村重が着ることでもっと良くなるような自分になりたいなって思うんです。

そのためには、服に着られているような薄っぺらい見え方にならないように、村重自身がお仕事をもっと頑張って成長していかないといけないって思います。

Q+1. どうしてファッションに対してそんなに熱い気持ちになれるんですか?

「ファッションが自分の背中を押してくれるから」

26歳の誕生日に買ったバッグがあるんですけど、買うまで3ヶ月迷ったんです。

もともと村重はブラックコーデが好きなんですけど、そのバッグは大人ピンクなんです。だから買ってもいままでの自分の服には合わないかもしれないし、いまの自分に使いこなせるのかな、買っても使わなかったら意味ないし、あのバッグに見合う自分になるには時間がかかるかなと思って、それで3ヶ月も迷ったんです。

でも、最終的にはこのバッグを機会に新しい大人な自分に切り替えていこうと思って買ったんです。そうしたら、まるでバッグが自分の背中を押してくれるみたいに、選ぶ服も大人っぽいものに変わってきて。

これからもちょっとずつ大人になっていくなかで、心が折れそうになったときとかに、自分が成長のために悩んで悩んで買ったバッグを見て、初心に帰って奮い立つ気持ちになれるのかなとか、そんなことも思ったんです。

ファッションって、自分のことを変えていってくれる、背中を押してくれる力があるんだなって実感しましたし、ファッションのそんなところが好きなんです。

テレビ、YouTube、ファッション雑誌、さらにブランドのプロデュースと、活躍のフィールドをどんどん広げている村重さん。これからも次々に新しいことに挑戦するんですかと尋ねると、“最強大先生”の村重さんは「ひとつひとつのことをしっかり学んでから次に進んでいきたいんです、不器用なので」と落ち着いて答えてくれた。ひとつひとつキャリアを積み上げた村重さんは、どんな素敵なファッションを見せてくれるのだろう。

編集・文:青山鼓 写真:高柳健

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