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2024.09.06

可愛いものが好きだからこそ、仕事のときはかっこいい系を選ぶ

可愛いものが好きだからこそ、仕事のときはかっこいい系を選ぶ
#3 須黒清華(アナウンサー)
「ワールドビジネスサテライト」「出没!アド街ック天国」「冬季オリンピックキャスター」など、報道からバラエティまで幅広く活躍してこられたアナウンサーの須黒清華さん。テレビ東京を退社したばかりですが、すでに新たな挑戦も始まっているようです。そんな彼女に、これまでのキャリアやファッションについて、さらにはその裏側にある思いを語ってもらいました。

親しみやすく明るい表情で、周囲をパッと華やかな雰囲気に変えてしまうアナウンサーの須黒清華さん。「私がファッションについて語っていいのかな~」「写真は苦手なので緊張します」と笑いながらも、読者のためになる話をたくさんしてくれました。テレビ東京を2024年6月末に退社し、新たな船出を漕ぎ始めた須黒さんが語るキャリアとファッションにまつわる話とは?

Q1. 最近取り組まれていることを教えてください。

「これまでのスキルを生かして スタートアップのお手伝い」

アナウンサーとしてラジオやイベント、配信などに出演するだけでなく、スタートアップ2社のお手伝いをしています。オウンドメディアの立ち上げや、イベントのMCはもちろん企画や広報も一緒に考えるなど、新しいことに挑戦しているんです。だからか、退社したのが昔のことのようにも感じています。

局アナを辞めるきっかけは、他の仕事もやってみたいと思ったから。ゼロイチで何かを作ったり、今の世の中に必要なものを考えることが面白そうだなと思ったんです。それが叶えられて、今はすごく楽しいです。唯一の問題は、エクセルやワードといった社会人の基礎といえるスキルが私にないこと。勉強中です(笑)。

Q2. 普段、スーツを着る機会はありますか?

「仕事モードのときは、ほぼ必ずジャケットを着ます」

仕事モードのときはほぼ必ずジャケットかスーツですね。「よし、やるぞ!」と気持ちを奮い立たせてくれる、スイッチを入れてくれるものです。

局アナの場合、テレビ番組はスタイリストさんが用意してくれるのですが、司会や記者会見の際は自前なんです。一般的に、戦争や災害などのニュースが多いときは大きなアクセサリーを控えたり、落ち着いた色味のものにしたり。あと、出演者の方とかぶらないように一番最後に色を決めることが多いです。

Q3. 仕事時のファッションで意識されていることやこだわりを教えてください。

「TPOに合わせながらも、今後は自分らしさを出していきたい」

アナウンサーは周囲の引き立て役なので、華美にならず親しみを持ってもらえるよう心がけています。あと、野外ロケであれば髪が乱れないように結んだり、バラエティなら少し遊んでみたり。報道であれば口紅の色を抑えたりと、TPOに合わせるようにしています。

今はテレビ局を辞めたので、自分らしさも出していかなければと感じています。控えめにしつつも自分を売っていくような……。いつか、「須黒と言えばコレ」というスタイルができたらいいですね。

Q4. ご自身の仕事の中で大きな転換となった「アクション」を教えてください。

「楽しみながら一所懸命に仕事をすれば、周囲の評価が変わる」

入社4年目から3年間、競馬番組をやらせていただいたんです。90分の生放送を自分が仕切る番組。取材に行って、企画も出して、ときに海外取材もあってと毎週楽しみながらも一所懸命にやっていました。そうしたら、周囲の評価が変わり始めたんです。

「出没!アド街ック天国」に抜擢してもらえたり、ずっと行きたいと話していた「冬季オリンピック」にキャスターとして行けることになったり。そのとき、与えられた仕事を精一杯頑張っていたら、その姿を見てくれている人がいて、結果的に夢に近づけることを実感しました。

Q5. 仕事の変化とともに、ファッションは変わりましたか?

「可愛いものよりも、かっこいいものを選ぶようになった」

どんなときでも、どんな人に会っても恥ずかしくない格好を意識するようになりました。取材に行くときは私服なのですが、そのままテレビに映っても問題ない服装を心がけたり。

本来、私は大きな花柄とか可愛いものが好きでスカートが多いんです。でも、仕事のときはパンツにすることが増えましたね。可愛いものが好きだからこそ、気を引き締めるときにはかっこいい系にする。それで気持ちのスイッチを入れ替えるみたいな。

Q6. プライベートのファッションで意識されていることや、こだわりについて教えてください。

「子どもができてからは、気軽に洗濯できる服ばかりです(笑)」

子どもが生まれる前は、花柄のワンピースが好きだったり、ピンクとか明るい色が好きだったんです。

でも、今はまだ子どもが3歳なので、足もとはぺたんこ靴。洋服も洗濯機で気軽に洗えるラクなかっこうばかりになっています(笑)。でも、少しはオシャレを楽しみたいので、どうやって可愛い要素を入れるかを日々研究しています。

Q7. これからチャレンジしてみたい、新しい仕事があれば教えてください。

「苦手としてきたインタビューの仕事を突き詰めたい」

いろいろなことに挑戦したいと思っています。でも、これまで自分が苦手としていたインタビューの仕事を突き詰めてみたいです。

例えば、オリンピックで競技を終えたばかりの選手に、どう聞けば最高の答えをもらえるのか。また、先輩たちからはよく、ビジネス系ならあえて少し意地悪な質問を投げろと教えられたのですが、自分がイヤな人になりきれなかったり……。黒柳徹子さんや阿川佐和子さんなど、インタビューを生涯の仕事にしている方に憧れるんです。仕事を通じて、いろいろな分野の方とお話をしてみたいです。

Q8. 今後、ファッションで挑戦したいことを教えてください。

「3つのシチュエーションで自分らしさを表現したい」

挑戦していきたいのは、自分らしい3つのスタイルを見つけることなんです。ひとつめは、子どもと遊ぶときのカジュアルだけどオシャレなファッション。ふたつめが、スーツやジャケットをかっこよく着こなす仕事のファッション。

そして、夫や友だちと素敵なレストランに行くような女性らしく可愛いファッション。最後の部分がとくに弱いので、頑張っていきたいと思っています。

Q9.「キャリア×ファッション」で悩んでいる方にアドバイスをお願いします。

「自分の好きなもの、自分らしさとは何かを考える時間を持とう」

気持ちのスイッチが入る服を、ひとつやふたつ持っておくのは大事だと思います。それは仕事服だけでなくてプライベートでも。お気に入りの服を着るだけで気分が変わったり、違う自分になれたりすると思うんです。

最近はどんなファッションでも、「個性」として受け入れられる時代になってきた。そう考えると、自分の「好き」を大事にしていいのかなって。会社員だと縛られる面もあると思いますが、自分の好きなもの、自分らしさとは何かを一度ゆっくり考えてみるのもおすすめです。私は名前に「黒」が入っていることもあってか、黒を着ると気持ちが引き締まるんです。だから今日も黒いジャケットを選びました。

Q+1. 忙しい毎日の中で、大切にしている時間を教えてください。

「夫とゆっくりお酒を飲む時間を大切にしています」

夫とお酒を飲む時間です。子どもが中心の生活になるとどうしてもお互いのことを話す時間は減ってしまう。夫も会社員から独立したタイプなので、そういった意味では師匠みたいな存在。結構、厳しいアドバイスをしてくるんですよ(笑)。

そんなこともあって、近況報告や仕事の話をしながら、美味しいものを食べて、お酒を飲む時間を大切にしています。

会社を辞めると周囲に報告すると、すぐに起業している友人などから「それなら手伝ってよ!」と声がかかったという須黒さん。親しみやすい性格やフットワークの軽さ、そしてなにより彼女が培ってきたキャリアが、現在の状況を生んだのだろう。仕事、家庭、自分の時間、そのすべてを輝かせようと毎日楽しんでいる彼女のさらなる活躍が楽しみだ。

編集・文:富山英三郎 写真:高柳健

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