就活の適性検査は「Webテスト」の形式が採用されることがあります。Webテストはパソコンで受検するため、参考書の問題を解くだけでなく、パソコン操作に慣れ、時間内にスピーディーに解答する対策も必要です。
この記事では、Webテストの概要や具体的な対策方法、おすすめの参考書・アプリなどを紹介します。Webテストは本番を意識した対策が重要となるので、今回の内容を参考に、効率的に対策していきましょう。
この記事でわかること
- Webテストの合格基準は企業がより異なるが7〜8割超えを目指して勉強するのがおすすめ
- Webテストでは短時間で大量の問題を解くため時間を意識した対策が重要
- 就活では面接や履歴書の内容も重視されるのでWebテスト対策に時間をかけすぎないように注意
Webテストとは:Web上で受検する適性検査のこと
Webテストとは、Web上で受検する適性検査の一種です。新卒採用やインターンシップの選考で実施されることが多いため、就職活動をしていると受検する可能性が高いです。
Webテスト形式で実施される適性検査は、おもに「能力検査」と「性格検査」に分けられます。一部の企業では、構造的把握力や英語力を測る検査を、別途Webテストとして実施することもあります。
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Webテストを実施する目的
Webテストを実施する目的は企業によってさまざまですが、一般的には学生の基礎学力と性格を確認し、応募者を絞り込むために実施されます。
能力検査では、計算や文章読解などの基礎学力を測定し、性格検査では応募者の人物像や企業が求める人物像や方向性と合っているかどうかを判断できます。
インターンシップの選考では、実際に参加する学生を絞り込むために、就活の選考では、次の選考に進む学生を絞り込む目的でWebテストが行われる傾向があります。
Webテストの種類
Webテストの対策を行う前に、まずは自分が受けるWebテストの特徴を以下の表で確認してみましょう。代表的なWebテスト5種類を以下の表で紹介します。
種類 | 概要 | 出題内容 |
---|---|---|
SPI (SPI3) | 多くの企業が 新卒採用で利用する 適性検査。 SPI3は性格検査が 含まれる | 【能力検査】 言語:語句の文法、多義語、空間補充、長文読解 非言語:四則計算、推論、部分集合 (包含関係)など 【性格検査】 自分の性格に当てはまる項目を選択 |
玉手箱III | 「知的能力」と 「パーソナリティ」の 両面から測定する 総合的性診断テスト | 言語(国語):論理的読解、趣旨判定、趣旨把握 計数(数学):四則逆算、図表読取、表推測 英語:論理的読解、長文読解 パーソナリティ+モチベーションリソース |
TG-Web | 外資系企業を中心に 大手企業で利用されている Webテスト型の適性検査 | 【能力検査】 言語:語句の文法、多義語、空間補充、長文読解 非言語:四則計算、推論、部分集合 (包含関係)など 【英語問題】 従来型:言い換え問題、空欄補充、長文読解 新型:同義語、対義語、ことわざ 【性格検査】 自分の性格に当てはまる項目を選択 |
GAB/ C-GAB | 日本SHL社が 作成している テストセンター形式の 適性検査 | GAB:言語、計算、パーソナリティ C-GAB:言語、計算、英語、パーソナリティ |
CAB | 日本SHL社が提供する コンピュータ職向けの 適性検査 | 【能力検査】 言語:四則演算、法則性、命令表、暗号 【性格検査】 自分の性格に当てはまる項目を選択 |
このように、一言にWebテストといっても種類によって出題内容はさまざまです。
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Webテストの合格基準
Webテストでは「何割正解すれば選考を通過できる」といった明確な基準は公開されておらず、企業が求める基準もさまざまです。一般的な対策の目安としては、7〜8割以上を目指すとよいとされています。
ただし、就活における合否や選考通過はWebテストの結果だけで決まるわけではありません。面接や履歴書・ES(エントリーシート)など、ほかの要素も重視されるので、Webテスト対策だけに時間をかけすぎないように注意しましょう。
Webテストの受検場所
Webテストを受検する場所は以下の3つに分けられます。
- 自宅など(Webテスティング)
- テストセンター(Webテストを提供する企業が用意した会場)
- インハウスCBT(応募先企業が用意した会場)
Webテスティングは自宅だけでなく、学校やカフェなどのインターネット環境があれば受検可能です。
Webテストに集中できる場所を選ぶのがおすすめです!
どの場所でも「パソコンで受検する」という点は共通します。どの場所で受検するかは企業から指定されるので、案内された方法に従いましょう。
Webテスト対策4ステップ
Webテスト対策としてやっておきたいことを以下の4ステップで紹介します。
1. 参考書などで問題を解いて、問題の傾向を知る
まずは参考書やアプリなどを活用して問題を解いてみて、出題内容の傾向を掴みましょう。
Webテストの問題はある程度パターン化されているため、特定の問題タイプや頻出のパターンに対する解き方を知っておくと、スムーズに解答しやすくなります。
おすすめの参考書やアプリは「Webテスト対策におすすめの参考書・本」「Webテスト対策におすすめのアプリ」で紹介しています。
2. 繰り返し問題を解いて、問題に慣れる
Webテストの対策では、複数の参考書で問題を解くのではなく、特定の参考書を用いて繰り返し問題を解く方法がおすすめです。
出題数の多いWebテストでは、効率的かつ正確に解答することが求められます。繰り返し解くことで解答の仕方にも慣れるため、スムーズに解き進められるようになります。
また、繰り返し解くなかで自分の得意・不得意を把握し、苦手なジャンルに重点を置いて勉強することで、全体的な力を伸ばすことができるでしょう。
アプリを用いて毎日短時間だけ練習するのもおすすめです!
3. 時間を計って問題を解く
ある程度問題に慣れてきたら、実際の受検シーンを想定して時間を計りながら問題を解く練習を行いましょう。
実際のテストと同じ時間制限を設けて解いたり、短時間で多くの問題を処理したりするのがおすすめです。
Webテストは短時間で大量の問題を解くため、解答スピードが重要です。正確に解答できても、各問題に時間をかけすぎると、多くの問題に解答することができません。時間を意識して練習することが有効な対策となるでしょう。
4. パソコンで模擬テストを受ける
パソコンで模擬テストを受けられるサービスは数多くあり、利用することでより実践的にWebテストに慣れることができます。
ポイント
- マイナビ:適性検査対策Webテスト
- CareerMine:SPI対策模擬
- キャリタス就活:キャリタス模試
など
これらの模擬テストでは、より本番に近い緊張感・形式で練習ができるため、一度受けておくと役立つでしょう。
普段あまりパソコンを使わない方は、パソコン操作や回答方法に慣れる対策としても有効です。
Webテスト対策におすすめの参考書・本
ここでは、Webテスト対策におすすめの参考書を紹介します。
2023最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集
「2024最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集」は、SPIとテストセンター対策におすすめの参考書です。最新頻出問題の解説に加え、30秒~1分で問題を解くためのメモの取り方や計算方法など、役立つ内容が書かれています。
時間を意識した実戦トレーニング問題や、40分で合格レベルが判定できる本番さながらの模擬テストも収録され、能力検査はもちろん、性格検査までカバーされています。
練習問題、模擬試験の解答が別冊になっているので、答え合わせしやすい点もポイントです。
これが本当のSPI3だ! 2024年度版
「これが本当のSPI3だ! 2024年度版」は、SPIの主要3方式(テストセンター、ペーパーテスト、Webテスティング)に対応した業界最大ボリュームの参考書です。
各方式の出題範囲と傾向を踏まえた再現度の高い問題集で、効果的に学習できます。出題範囲表があるので、方式ごとの出題範囲が一目でわかります。
問題と解説が見開きで展開されいてるため使いやすく、初めて受検する人にもおすすめの一冊です。
2024年度版 SPI3&テストセンター出るとこだけ! 完全対策
「SPI3&テストセンター 出るとこだけ! 完全対策 2024年度」は、テストセンター特有の問題や「長文の読み取り」の再現問題を含む、効率的な学習をサポートする参考書です。頻出問題に絞り込まれた内容で、短期間でも効率よく対策を行えます。
数学や国語が苦手な人向けに、丁寧な解説が提供されているので、基礎からの復習にも有効です。見開き完結方式なので電車内などでも読みやすく、忙しい学生にも最適な一冊です。
Webテスト対策におすすめのアプリ
Webテスト対策にアプリを活用するのもおすすめです。通学中の電車などのすき間時間も有効に活用していきましょう。
時事問題・一般常識 一問一答
「時事問題・一般常識 一問一答」は、隙間時間を利用して時事問題と一般常識を効率的に学習できるアプリです。
500問以上の問題が収録されており、最新の情報に更新されるため、常に最新の動向を学べます。進捗管理機能もあり、手軽に短時間で学習できるのが魅力です。
問題はランダムに表示され、短時間でも効果的な学習が可能です。また、解答後には解説も表示されるので、知識をより深めることができるでしょう。
SPI言語・非言語対策問題集 就活/転職対策アプリ
「SPI言語・非言語対策問題集 就活/転職対策アプリ」はSPI3対策が行えるアプリです。
500問以上の豊富な問題を収録し、定期的な更新で最新の傾向に対応しています。問題解答後に詳細な解説を閲覧できる機能や、弱点を特定して効率的に学習できる機能などを搭載しているので、効率的に学習できます。
進捗管理機能で学習の進捗も一目でわかり、効率的に対策が進められるでしょう。
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【問題別】Webテストの対策
Webテスト形式で実施される適性検査は、おもに「能力検査」「性格検査」に分けられます。能力検査は「言語」「非言語」に分けられるので、概要を理解したうえで対策するのがおすすめです。
能力検査「言語」の対策
能力検査の言語は「言語・読解系」の問題が出題され、「言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できるかどうか」が確認されます。
出題内容
- 語句の文法
- 多義語
- 空間補充
- 長文読解
能力検査の具体的な問題例をご紹介します。以下は就職支援サービス「キャリタス就活」で紹介されている「お試し!Webテスト」の能力検査(言語編)の一例です。
問題例
以下の5つの熟語の成り立ち方として、該当するものをA~Dの中から1つずつ選びなさい。
設問1. 立身
設問2. 波及
設問3. 入念
設問4. 散在
設問5. 清濁
A:反対の意味を持つ漢字を重ねた
B:前の漢字が後の漢字を修飾した
C:動詞の後に目的語をおいた
D:A~Cのどれにも当てはまらない
参考:適性検査 | お試し!Webテスト | キャリタス就活成功ガイド
能力検査「言語」の対策
- 文章をできるだけスピーディに読むことに慣れておく
- 熟語の成り立ちや類義語・対義語を調べる癖をつける
能力検査「非言語」の対策
能力検査の非言語は「非言語・計数系」の問題が出題され、「数的な処理ができるか・論理的思考力があるかどうか」が確認されます。
出題内容
- 四則計算
- 推論
- 部分集合(包含関係)
など
能力検査の具体的な問題例をご紹介します。以下は就職支援サービス「キャリタス就活」で紹介されている「お試し!Webテスト」の能力検査(非言語編)の一例です。
問題例
X、Y、Zは1から9までの整数のいずれかで、X+Y=14、Y+Z=13である。
【問い】X、Y、Zはいくつか。
条件ア:3つのうち最も大きい数字はXである
条件イ:X、Y、Zは異なる数字である
A:アだけで分かるが、イだけでは分からない
B:イだけで分かるが、アだけでは分からない
C:アとイの両方で分かるが、片方では分からない
D:アだけでも、イだけでも分かる
E:アとイの両方があっても分からない
参考:適性検査 | お試し!Webテスト | キャリタス就活成功ガイド
能力検査「非言語」の対策
- 基本的な公式を覚えて、問題を解けるようにする
- 計算スピードを上げる
- 電卓を素早く使えるようにする(電卓を使えるテストの場合のみ)
- 手元で計算し、画面上で解答する練習をする
性格検査の対策
性格検査とは、性格的な特徴を把握するための検査のことです。思考や言動に関する質問に回答し、統計的に処理をすることで、仕事内容や組織に対する向き・不向きや、性格・特徴などを判断します。
以下はSPIを提供する株式会社リクルートマネジメントソリューソンズで紹介されている性格検査の一例です。
質問 以下の質問はあなたの日常や考えにどの程度あてはまりますか。 最も近い選択肢を1つ選んでください。 |
選択肢 | |
1 | いろいろなところに出かけるのが好きだ | 1. あてはまる 2. どちらかといえばあてはまる 3. どちらかといえばあてはまらない 4 . あてはまらない |
2 | 何ごとも継続が大切だ | |
3 | あまり欲がないほうだ | |
4 | 立ち直りは早いほうだ | |
5 | 新しいものは何でも試してみたい |
性格検査の対策
- 自己分析をして自分の特徴や性格を理解する
- スピーディーに対応できるようWebでの回答に慣れる
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性格検査とは、さまざまな質問に答え、思考や行動を把握するためのもので、適性検査の一種です。企業が採用する人材の特徴を把握するための材料になり、能力検査とともに実施されるケースがあります。事前に問題例や回答方法を把握し、時間内にすべて回答できるように対策しておきましょう。
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Webテスト対策をする際の注意点
Webテスト対策をする際は、以下の注意点を認識しておきましょう。
Web形式の解答に慣れる
参考書やアプリで問題を解くのは対策として有効ですが、本番とは解答形式が異なります。Webテストではパソコンの画面上で解答するので、本番でもスムーズに解答するためにはパソコン操作に慣れる必要があります。
例えば能力検査(非言語)の場合、「手元で計算をし、画面上で解答する」といった本番同様の動きをイメージし、パソコンを使った模擬テストやタイマーを設定しての練習を重ねることも大切です。
時間配分を意識する
SPIなどのWebテストでは、多くの問題を短時間で解かなければなりません。
そのため、最初から難易度の高い問題に時間をかけすぎてしまうと、得意な問題が時間切れで解けなくなる可能性があります。
Webテストの問題傾向や出題の流れを掴んだうえで、得意問題を優先して解く戦略を立てましょう。
Webテスト対策だけに時間をかけすぎない
就活ではWebテストだけでなく、面接や履歴書・ESなどを総合的に採用や選考通過を判断されます。そのため、Webテストのみに時間をかけすぎないように注意が必要です。
Webテストの対策をしていると、自分にとって難しい問題と簡単に解ける問題がわかってきます。対策に労力をかけるべき分野とそうでない分野を見極め、効率的な対策を心がけましょう。
よくある質問
就活で実施するWebテストの種類を教えてください。
SPI、玉手箱、TG-Web、GAB、CABなどがあります。企業によりますが、就活ではSPIが実施されることが多いです。
それぞれの特徴は「Webテストの種類」で詳しく解説しています。
Webテストの対策はいつからやればいいですか?
Webテストの対策は早めに実施しても問題ないですが、1カ月ほど前から少しずつ参考書の問題を解き始めるのがおすすめです。
WebテストとSPIの違いは何ですか?
「Webテスト」は適性検査の受検方法のひとつで、Webで受検する適性検査のことを指します。「SPI」は適性検査の種類のひとつです。SPIはWebテスト形式で実施されることが多いです。
Webテストは対策なしで挑んでもいいですか?
Webテストの対策をしないと、勉強不足やスピード不足で選考を通過できない可能性があります。また、パソコンでの受検に慣れていないと、解答に手間取ったり、混乱したりすることもあるでしょう。
落ち着いて本番に取り組むためには、模擬テストの実施やタイマーを使った練習などを通じて、Webテストの環境や出題パターンに慣れることが重要です。
具体的な対策方法は「Webテスト対策4ステップ」で紹介しています。