マインドマップは、アイデアを出して整理するときに役立つツールです。就活では自己分析だけではなく、志望動機や自己PRの作成にも利用できます。
マインドマップを作成するための、特別な知識やルールは必要ありません。自分の長所や短所が見つからないときや企業選びに迷ったとき、なりたい自分が思い浮かばないときは、マインドマップを活用してみましょう。
この記事でわかること
- マインドマップで自己分析をすると、今まで気づけなかった自分の特徴を発見できる
- 紙とペンさえあればマインドマップを作成できるので、いつでも自己分析できる
- マインドマップで自己分析をするときは、自由により多くのアイデアを出すことを優先する
自己分析に役立つ「マインドマップ」とは
マインドマップとは、中心に置いたテーマから連想する言葉やアイデアをつなぎ、放射線状に作成する樹形図です。アイデア出しや目標設定などで利用することの多いマインドマップですが、就活の自己分析にも活用できる汎用性の高いツールです。
マインドマップを使って自己分析をすることで、自分の強みや弱み、価値観、興味を抱いていることを整理し、可視化できます。
自己分析にマインドマップを活用するメリット
マインドマップを使って自己分析をするメリットは、こちらの4つです。
気軽に自己分析できるだけではなく、今まで気づけなかった自分を見つけられるのがマインドマップの特徴です。
紙とペンがあればいつでも作成できる
マインドマップの魅力は、紙とペンさえあればタイミングや場所を問わず自己分析できる手軽さです。
考えたいテーマを中心に置いて、おもに単語で回答するため、誰でも簡単に実践できます。
自分の思考を視覚的に整理できる
マインドマップは考えていることを可視化できるツールであり、自己分析においてたくさんの情報を整理するのに役立ちます。
例えば、マインドマップを使って志望する業界・職種を絞るとき、自分のスキルや経験、得意なことや苦手なことを文字にしながら整理できます。これにより、業界や職種の向き不向きを自分で理解でき、就活のステップを進められるでしょう。
漏れなく総合的に分析できる
マインドマップは、中心に置いたテーマから関連するキーワードを枝分かれさせ書き足していくため、さまざまな視点から物事を考えることができます。
このことから、想像したことをもれなく可視化できるため、自分自身を総合的に分析できるでしょう。
何も可視化されていない状態から頭のなかで自分を振り返る自己分析よりも、アイデアを出しやすいはずです。自己分析をしても手ごたえを感じられなかった方は、マインドマップを使って再度挑戦してみましょう。
特別なルールに縛られず自由に楽しく作成できる
マインドマップを作成する際に難しいルールはありません。中心にテーマを置き、そこから連想する言葉を自由に書き足していきましょう。前向きに楽しく作成するほうが、多くの言葉を思い浮かべやすくなります。
最初は思うように書き出せなくても、いくつか言葉を書いていくことで次々とキーワードが浮かんでくるはずです。後日マインドマップを見て、書き足したいことが思い浮かんだら追加して、自分自身をより深く追求することもできます。
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マインドマップを活用した自己分析がおすすめの人
マインドマップを使った自己分析がおすすめなのは、このような方です。
- 就活の軸や業界・企業選びに悩んでいる人
- 自分の強みや弱みがわからずアピール内容が決まらない人
この2つに当てはまらなくても、マインドマップを活用することで、思わぬ発見があるかもしれませんよ!
就活の軸や業界・企業選びに悩んでいる人
どんな企業に就職したいか、どんな業界に適性があるのかわからない方は、マインドマップを活用することで、自身の方向性を明確にできるでしょう。
企業選びで迷っている方の場合、自分の興味や関心を抱いていること、経験やスキル、ビジョンがぼんやりとしか想像できていない可能性があります。これらをマインドマップで可視化することで、就活の軸や就職した自分のイメージを整理し、方向性を決定できるでしょう。
自分の強みや弱みがわからずアピール内容が決まらない人
自分の強みや弱みを把握できていないときや、志望動機や自己PR、ガクチカを思うように作成できないときも、マインドマップで自己分析するのがおすすめです。
自分のことをうまく言語化できないときは、自分自身を理解しきれていない可能性があります。
マインドマップを使い、自分の得意なことや苦手なことなどを文字にすることで、具体的な志望動機などを作成できるでしょう。
マインドマップの書き方・作り方【6ステップ】
マインドマップを作るときは、このような手順で行います。
- 紙とペンを用意する
- 真ん中にテーマ「自分」を書く
- テーマから派生される項目(キーワード)を設定する
- 派生した項目をさらに深掘りする
- 完成した図を俯瞰(ふかん)して色や矢印、マークなどを描き込む
- マインドマップで浮き彫りになった自分の特徴を分析する
難しく考えず、まずは挑戦してみましょう!
1.紙とペンを用意する
まずは紙とペンを用意します。
紙に罫線や柄があると思考の妨げになるため、無地の紙を使用するのがおすすめです。アイデアを書き足していけるよう、A4用紙など大きめの紙を用意するとより書き進めやすいでしょう。横長になるように用紙を置いたら、マインドマップを作成する準備は完了です。
マインドマップは、パソコンやタブレットでも作成できます。紙以外で作成するときは「マインドマップのおすすめツール」を参考に、自分に合うアプリやツールを探してみましょう。
2.真ん中にテーマ「自分」を書く
今回は自己分析を行うため、中心にテーマである「自分」を書きます。
特定の期間を設定して自己分析をしたいのであれば「◯◯時代の自分」、就活の軸について考えるのであれば「自分の大切なこと」など、テーマを絞ってみましょう。
3.テーマから派生される項目(キーワード)を設定する
中心に書いた「自分」からキーワードを書き、項目を作成します。中心のキーワードから派生する項目が多すぎると、マインドマップが見づらくなるため、5~6個がおすすめです。
最初に設定する項目は自由ですが、導き出したい答えに関連する内容にすると自己分析の答えに近づきやすくなります。例えば、自分の強みを知りたい方は、成功体験や得意なことを派生する項目に設定してみましょう。
マインドマップに書く項目の一覧
自分から派生させる項目の例として、このようなものがあります。
項目一覧
- 成功体験
- 失敗体験
- 得意なこと
- 苦手なこと
- 大切なこと
- 趣味
- 特技
- バイト
- サークル
- 将来の夢
- ガクチカ など
項目に迷ったときは、これらのなかから5~6個設定してみましょう。
4.派生した項目をさらに深掘りする
自分から派生した項目に、「なぜ」を問いかけてさらに深掘りしましょう。
例えば、自分から派生した「苦手なこと」を考えるとき、なぜそれが苦手なのか、具体的にどんなことが苦手なのかを考えて言葉を入れていきます。
■苦手なことの例
一方、特技や得意なこと、ガクチカを探すために「成功体験」を考えるのであれば、嬉しかったこと、成し遂げたことを作成し、そのとき何を感じたか、何が成功のもとになったかを考えてみてください。
■成功体験の例
どんな言葉やアイデアにつながるかは人それぞれです。「なぜ」の疑問がなくなるまで自分に問いかけ、無意識に考えていること、行動の裏にある心理や価値観を探っていきましょう。
5.完成した図を俯瞰(ふかん)して色や矢印、マークなどを描き込む
アイデアを出し尽くしたら、一度作成したマインドマップ全体を確認します。そうすると、離れた項目同士の関連性が見つかったり、新たな発想を見つけられたりできます。
そして、出したアイデアの整理や関連性を見つけるために、マインドマップに色やラインを追加してみましょう。視覚的に情報を把握する効果が高まり、自己分析の結果が記憶に残りやすくなります。
マインドマップ作成後は、このような工夫をするのがおすすめです。
- カラーペンやマーカーを使い項目ごとに色分けする
- 自分が特に大切だと思う項目や言葉に、マークや記号をつけて目立たせる
- アイデア同士に関連性を見つけたら、線で結ぶ
- アイデアに関連する画像を挿入する(デジタルツールを使用している場合)
6.マインドマップで浮き彫りになった自分の特徴を分析する
最後にもう一度マインドマップ全体を見て、広がったアイデアのなかから、知りたかったことをピックアップします。自分の強みや弱み、価値観、就活の軸になりそうなことをノートや紙にまとめると、企業選びや志望動機、面接対策に役立ちます。
作成したマインドマップは今後も見返せるよう、保管しておくのがおすすめです。
マインドマップを書くときのポイントと注意点
マインドマップを作成するときは、これらのポイントに注意しましょう。
自由に作成できるマインドマップですが、自己分析の効果を発揮するためには、注意点を知ることも大切です。
1枚の紙におさめる
マインドマップは、中心に置くひとつのキーワードからイメージを膨らませることで、思考の流れや関連性を見つけられます。そのため、1枚の用紙でマインドマップを完結させることがおすすめです。
アイデアがたくさん出ると、書くスペースが不足する可能性があるため、項目同士をつなげる枝は短めに書きましょう。
最初に書く中心の「自分」から派生させる項目は、5〜6個程度までにすることで、1枚の用紙に収まりやすくなります。
文章ではなくキーワードで書く
マインドマップは、文章ではなくキーワードを書きましょう。思いついたキーワードをできるだけ多く書くほうがよいため、単語で書き込んでいきます。
マインドマップを作成するうえで大切なのは、発想を優先しアイデアを次々書くことです。無理に文章にする必要はなく、難しく考える必要もないため、まずは思いついたキーワードを可視化してみましょう。
形や図のきれいさや書いた内容にこだわらず楽しんで作成する
マインドマップに文字を書くとき、「前後につながりがない」「形がきれいではない」といったことを気にする必要はありません。図としての美しさよりも、自由で柔軟な発想を重視し、思い浮かんだことを書くよう意識してみてください。
マインドマップは、作成することで思考が整理されたり、知らなかった自分を見つけられたりするため、作る過程も重要です。そのため、書いた内容よりも、マインドマップ作りを楽しみ、自分自身を振り返る意識をしてみてください。
マインドマップを書いたらどう活かすかを考える
マインドマップを作成していると、図の完成が目的となってしまうケースも少なくありません。しかし、マインドマップを作成する目的は完成後に活用することです。
自己分析に活かすには、完成後に「自分が知りたかったことを見つけられたか」「志望動機や自己PRの作成につながるヒントを得られたか」などを振り返りましょう。
就活に活かす!マインドマップの活用方法
マインドマップで自己分析をしたら、就活にどのように活かすか具体的に考えてみましょう。
マインドマップの活用方法を把握することで、就活のさまざまな場面でヒントを得られる重要なツールになるでしょう。
就活の軸を見つけるのに活かす場合
企業選び、業界選びにおける価値観である「就活の軸」を考えるとき、このような項目を設定してみましょう。
- 理想の自分
- 大切なこと
- 得意なこと
- 苦手なこと
- やりたいこと
- やりたくないこと
やりたいこと・やりたくないこと、大切にしていることからは、自分自身の価値観を可視化できます。これらは就活の軸を設定する手がかりとなるため、自己分析を行うことで就活の軸の設定もしやすくなるでしょう。
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長所と短所を導き出す場合
自分の長所や短所を見つけたいときは、このような項目を設定してみましょう。
- 得意なこと
- 苦手なこと
- 興味のあること
- やりたいこと
- やりたくないこと
- 成功体験
- 失敗体験
例えば、得意なことややりたいこと、成功体験からは、ポジティブなキーワードを連想できるため、自分の長所となるヒントが見つかります。各項目で関連性があることをピックアップすると、自分の長所を見つけられるはずです。
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自己PRの内容を導き出す場合
自己PRを考えたいときは「強み」になる項目を設定し、派生させてアイデアを出していきましょう。
- コミュニケーション能力
- リーダーシップ
- 問題解決力
- 向上心
- 協調性
上記は、自己PRとなる「強み」の一であるため、そのほかの項目を設定しても構いません!
例えば、コミュニケーション能力について考えてみたいときは、「コミュニケーション能力を発揮したシーン」を想定してみましょう。サークル活動から考えたとき、「他校の生徒と交流を深めた」「地域の人と協力した」など、経験を書き込んでみてください。
マインドマップに書き出して整理した内容をもとに、自己PRを作成してみましょう。各キーワードに書き出した経験をより具体的にして、文章になるよう仕上げていきます。
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マインドマップのおすすめツール3選【無料】
マインドマップは紙とペンだけでも作成できますが、パソコンやタブレットのアプリを使用する方法もあります。アイデアを書き出せるスペースは紙よりも広く、文字サイズや美しさを気にする必要はないでしょう。
ここでは、無料でも利用できるマインドマップのアプリ・ツールを3つ紹介します。
XMind
XMindは、個人・法人を問わず利用されている、知名度の高いマインドマップツールです。
無料版でも豊富なテンプレートから選択して、マインドマップを作成できます。ほかにも、画像やピクトグラムの挿入もできるため、自己分析だけではなくアイデア出しなどさまざまシーンで活用できる利便性の高さが特徴です。
対応OS
- パソコン:Windows、Mac、Linux
- モバイル:iOS、Android
MindMeister
画像引用:MindMeisterによるマインドマップ作成 - MindMeister
MindMeisterは、世界中で利用されているマインドマップツールです。操作はシンプルで使いやすいことが特徴で、直感的にマインドマップを作成しやすいでしょう。
図形やライン、文字の色分けができるのはもちろん、無料版でもテンプレートを利用でき、アイコン・画像の挿入もできるため、初めての作業でも楽しみながら作成できます。
無料版では3枚のマインドマップを作成でき、ほかのユーザーへの共有、お互いのコメントの挿入も可能です。
対応OS
- パソコン:Windows、Mac、Linux
- モバイル:iOS、Android
EdrawMind
画像引用:大人気のマインド マップ作成ソフト ーWindows/Mac/Linuxに対応
EdrawMindは、無料版でも枚数に制限なくマインドマップを作成できるツールです。
マインドマップのテンプレートが豊富であることに加え、時系列を作成できるタイムライン、バブルチャートなどもあり、自己分析以外にも活用できます。
使いやすさが魅力で、思い浮かんだキーワードを文字にしやすくきれいに整えられることから、初めてでも見栄えのよいマインドマップを作成できるでしょう。
対応OS
- パソコン:Windows、Mac、Linux
- モバイル:Android
よくある質問
マインドマップとは何ですか?
マインドマップとは、中心に置いたテーマから言葉をつなぎ、放射線状に作成する図のことです。
自己分析、アイデア出し、物事の計画などさまざまなシーンで活用できます。
マインドマップを使用した自己分析のやり方を教えてください。
マインドマップは、このような手順で作成します。
- 紙とペンを用意する
- 真ん中にテーマ「自分」を書く
- テーマから派生される項目(キーワード)を設定する
- 派生した項目をさらに深掘りする
- 完成した図を俯瞰して色や矢印、マークなどを描き込む
- マインドマップで浮き彫りになった自分の特徴を分析する
詳しい作成方法は「マインドマップの書き方・作り方【6ステップ】」で紹介しています。
自己分析で使用するマインドマップとメモリーツリーの違いは何ですか?
メモリーツリーとはマインドマップから派生したもので、勉強法や記憶法として利用されています。
マインドマップのようにテーマを中心におき、放射線状に関連する知識や単語を置き、覚えたいことを頭に入れていきます。
マインドマップ以外にも、自己分析におすすめの方法はありますか?
自己分析の手段としては、このようなものがあります。
- 自分史:自分の人生を振り返った年表
- ジョハリの窓:自分から見た自分、他者から見た自分を分析するフレームワーク
- 他己分析:他者から見た自分の評価、およびその分析
- モチベーショングラフ:過去のできごと、体験を振り返り作成するグラフ
どんな方法でも自己分析は可能です。さまざまな方法を実践してみて、自分に合う方法を探してみましょう。
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自己分析のやり方7選|簡単にできる診断ツールや注意点を解説【就活】
自己分析とは、過去を振り返って自分を理解し言語化することです。この記事では、自己分析の方法7選や注意点、行き詰まったときの対処法などを解説します。無料で利用できる自己分析ツール5選も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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