ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」の略です。就活ではESや面接で定番の質問であり、本選考だけではなくインターンの参加を検討している方も対策が必要になるでしょう。
ガクチカを聞かれる理由は、採用担当者にとって学生の人柄やスキルを把握する材料となるからです。学校内外でのできごとから、自信を持って「学生時代に力を入れたこと」「自分が成長できた」といえる経験があるかを振り返りながら、選考に通過するためのガクチカを考えていきましょう。
この記事でわかること
- ガクチカからは、学歴やスキルだけではない人間性や人柄も把握できる
- ガクチカは「結論」「背景」「目標・課題」「行動」「成果」「学び・強み」の6つから組み立てる
- 学生生活をテーマにした8つのガクチカの例文
「ガクチカ」とは:学生時代に力を入れたことの略語
ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」の略です。ゼミやサークルも含めた学校生活のほかにも、アルバイトやボランティアの経験から得たこと、困難を乗り越えたエピソードなどが、ガクチカの回答となることがあります。
例えば大学生の就活の場合、高校生活について答えるのもよいですが、現時点から近いエピソードのほうが自分の人となりが伝わりやすくなります。
ガクチカは面接の質問でもよく聞かれるため、ES(エントリーシート)と面接の両方で対策しておくことが大切です。
ガクチカと自己PRの違い
ガクチカと混同しやすいのが「自己PR」です。自分の強みをアピールするのは共通点ですが、ガクチカでは「学生時代に力を入れた経験」をもとに、自分の人柄や仕事をするにあたりモチベーションを感じるポイントなどをアピールします。
一方自己PRでは、「年代・立場に関係なく協力できる『協調性』がある」「どんな状況でも前向きに捉えて努力できる『ポジティブ思考』が長所」など、自分の能力をアピールします。
このように、自己PRでは長所や強みを伝えながら、自分が企業にどれだけマッチする人材であるか、入社への熱意をアピールするため、伝え方が大きな違いといえるでしょう。
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なぜ就活の選考で「ガクチカ」が聞かれるのか
ガクチカは、学生の人物像を把握するために欠かせない要素のひとつです。質問される理由は企業によって異なりますが、おもにこちらが考えられます。
学歴や筆記試験などではわからない、物事に取り組む姿勢を把握して、応募者が将来どんな活躍をするかをイメージするために聞かれるケースがあるでしょう。
応募者の人間性や人柄を把握するため
ガクチカを聞くことで、学生の人間性(その人がもつ人間らしさ)や人柄(他者から見たときのその人の性質)を掴みたいと考えています。
「なぜそれを学びたいと思ったのか」「何を努力したのか」「挫折からどう乗り越えたのか」といったエピソードからは、その人の人間性や人柄が出ます。
特に、困難や課題に直面したとき、どう考えどう対応するのかを知りたいと考えているでしょう。
企業が求める人物像とマッチするかを確かめるため
学生と企業が、どれくらいマッチしているかを確かめるためにもガクチカのエピソードが役立ちます。
採用担当者は、学生の内面やスキル、今後の成長力などを含めた要素を見ながら、自社と相性がよい人材を採用したいと考えているはずです。企業により求める人材は異なりますが、新卒採用ではこちらの3つを期待していると考えられます。
- 良好な人間関係を築き、意思疎通を図れる「コミュニケーション能力」
- 自らの意志をもち、積極的に問題に取り組む「主体性」
- 自分とは異なる意見、立場をもつ人と協力し合える「協調性」
企業の特色と学生の人柄の間にミスマッチが起こると、入社しても早期で退職する可能性があり、これはお互いにとってデメリットです。ミスマッチによる早期の退職を避けるためにも、お互いを正しく理解しあうことが大切です。
ガクチカでは輝かしい結果や派手な経験がなくても問題ない!
ガクチカを考えるとき、「試験で高得点をとった」「大会で入賞した」「リーダーを務めた」などの特徴的な実績がないと悩む方もいますが、必ずしもそのようなエピソードは必要ありません。
重要なのは、「物事にどう取り組んだか、どう工夫したか」「何を得たのか」です。何を考えながらどう行動したのかが具体的に伝えられれば、エピソードのテーマはどんなものでも構いません。
バイト、サークル、ゼミといったガクチカの定番エピソードを伝えることもできます。代表的なテーマであっても、どう頑張ったのか、どんな課題がありどう乗り越えたのかは人により異なるため、ほかの学生との違いを出せるでしょう。
就活でアピールするガクチカの見つけ方
ガクチカの見つけ方は、こちらのとおりです。
目標をもって取り組んだ経験を振り返る
「英検準一級の合格に向けて勉強した」「試合でスターティングメンバーに選ばれるよう毎日練習した」など、目標をもって取り組んだことはガクチカとしてアピールできる経験です。
これまでの学生生活で頑張ったこと、努力したことを振り返ってみましょう。
失敗や課題を乗り越えた経験を振り返る
失敗や課題を乗り越えた経験も、ガクチカでアピールできます。失敗をどう乗り越えたのか、課題をどう克服したのかは学生の思考・行動が現れるものであり、具体的に知りたいと考える採用担当者はいるでしょう。
失敗を乗り越えるまでの過程、工夫したこと、仲間と協力したことなどを具体的なエピソードにすることで、人間性や人柄が伝わります。
褒められた経験を振り返る
自分では当たり前にこなしていたことで、友人や先輩・後輩、家族、教授などから褒められた経験も、ガクチカとして伝えられます。
例えば、アルバイト先で「どんなことでも物怖じせず挑戦していてすごい」と褒められたことがある方は、「行動力」「好奇心」がガクチカにつながる長所といえるでしょう。過去の経験から自分の特長や長所を見つけていく手段は、自己分析でも行った方はいるはずです。
学内やアルバイト先、家族のなかで起こったできごとを今一度振り返り、周囲の人から言われたことを振り返ってみましょう。そしてそのできごとをノートに書き出す、スマートフォンやパソコンにメモをするなどして、ガクチカのエピソードとして作成してみてください。
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ガクチカを書くときの基本的な構成
ガクチカを書くときは、6つの項目から構成を組み立てましょう。
1. 力を入れた経験の「結論」
まずは「何を頑張ったか」から伝えましょう。
ガクチカに限らず自己PRや長所・短所などでも同様ですが、相手に物事を伝えるとき結論から始めることで、話の全体がわかりやすくなります。
起承転結のように、エピソードの背景から話すと結論までの時間が長くなり、「学生時代に何を頑張ったのか」が伝わりづらくなる可能性があります。
結論から伝える例
- 「私は入学後すぐ居酒屋のアルバイトを始めて、ホールでの接客に力を注ぎました」
- 「私はバドミントンサークルで代表を務め、サークル初の大会出場を目標に活動しました」
- 「私が学生時代に力を入れたのは、◯◯の資格取得です」
2. 結論に至った「背景・動機」
次に、結論である「頑張ったこと」に尽力した背景・動機を伝えます。
例えば、アルバイトのエピソードを書くなら、アルバイトを始めたきっかけを簡単にまとめます。背景や動機は簡潔にまとめ、エピソードの「行動」がメインになるよう伝えましょう。
3. 経験するなかでの「目標・課題」
続いて、掲げた目標や直面した課題を書きます。
例えば、資格取得のための目標なら「TOEIC◯点以上をとる」「スコアを◯点伸ばす」、研究活動での課題であれば「グループ研究だったが、メンバーのモチベーションに差がありスムーズに進まなかった」などです。
目標や課題を伝えるときは、状況が想像できるようわかりやすく書くことがポイントです。
4. 目標や課題を乗り越えるための「行動」
ガクチカのなかで特に大切な「行動」は、目標や課題に向けて考えたこと、行動したことを書きます。
目標を達成、課題を解決するためにどのように行動したのかは、採用担当者が特に気になるポイントです。
「努力した」といった抽象的な表現よりも、具体的な行動や工夫の内容を伝えましょう。
5. 結果的に得た「成果」
得た成果を伝えるとき、必ずしも大きな成果、成功したことがなくてもかまいません。
思った成果が出なかった、大成功とはいえなかった内容でも、努力・工夫の過程を適切に伝えればエピソードの厚みを出せます。
6. 一連の経験から得た「学びと自分の強み」
最後は、この経験から学んだことや強みを伝えます。
例えば「計画的に進めることの重要性を理解した」「団結力を強めるためのリーダーシップを培った」などです。学びと自分の強みの内容は、企業が求める人材に関連したことだと、マッチ度の高さを表現できるでしょう。
ガクチカの書き方のポイント
ガクチカの書き方のポイントは、こちらの4つです。
内容にオリジナル性・具体性をもたせる
ガクチカの内容やテーマはほかの学生とかぶることがあるため、オリジナル性や具体性で差をつけましょう。
オリジナル性や具体性を出すためには、成果を数字で表すなど、聞く相手が話す内容をイメージできる表現をしてみてください。
具体性が薄い例
- 「客席にお客様の目を引くポップを作成し、ひと月あたり過去最大の売上を達成しました」
- 「店舗のSNSの更新をアルバイトスタッフで行い、お店の宣伝にも力を入れてきました」
具体性をもたせた例
- 「客席にお客様の目を引く手書きのポップを作成し、1.5倍の売上を達成しました」
- 「客層が20~30代と若いことから、宣伝効果が期待できるSNSの更新をアルバイトスタッフ主体でスタートしました。フードメニューの写真を撮影したり、クーポンを作成したりして宣伝にも力を入れています」
上記の例であれば、1.5倍の売上を達成したことに加えて、ポップを作成した経緯やアルバイト仲間、先輩と協力した経験を具体的に記載したことがポイントです。
採用担当者は、応募者が学業やアルバイト、サークルを「頑張った」ということだけでなく、どう頑張って何を得たのかを知りたいケースが多いです。
ほかの学生よりも深みがあり、経験から得た学びが多いエピソードにすると、さらに話を聞いてみたい存在になるでしょう。
自己PRとの違いを明確にする
ガクチカを考えているとき、何をどう伝えたいのかがわからなくなり「力を入れたこと」からずれて「自己PR」になるケースがあります。自己PRとは、長所・強みのアピールであり、企業にどれだけマッチする人材であるかを採用担当者に伝える項目です。
ガクチカで伝えること
- 学生時代に力を入れた経験をもとに、人柄や仕事のモチベーションを感じるポイントをアピールする
自己PRで伝えること
- 「協調性を重視してサークル活動を行った」「ポジティブな性格が強み」のように自分の能力をアピールする
自分の強みをアピールするのはガクチカも自己PRも同じですが、伝え方が異なります。採用担当者に自分の強みをもれなく伝えるためにも、ガクチカと自己PRが混同しないよう整理してみましょう。
企業側が求める人物像を意識する
採用担当者の興味を引くガクチカを考えるためは、企業が求める人物像を知る必要があります。
企業が求める人物像を知るためには、経営理念や企業理念を理解することが重要です。「理念」を知るだけではなく、企業研究や業界研究も行い、企業がなぜその人物を求めているのかという背景まで把握してみてください。
自分の長所や強みが、企業が求めている人物像にマッチするかも見極めるためには、入念な自己分析も欠かせません。自己分析が不十分で長所や短所などが把握できていないと、入社後のミスマッチが起きる可能性があります。
「この学生は自社に合わない」と伝わると、選考が思うように進められないかもしれません。就活の序盤で行う、自己分析・業界研究・企業研究は十分に行い、これまでに行った内容を今一度見直してみることも大切です。
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事実を書く
ガクチカを伝えるにあたり、「行動」や「結果」を誇張して伝えたくなるかもしれませんが、あくまで事実のみを伝えるようにしましょう。
ESで選考を通過しても、面接でガクチカを深掘りされることがあります。事実と異なる内容を書いた場合、深掘りする質問をされたときにうまく答えられず、不審に思われるかもしれません。
大きな成果を得ていない出来事でも、努力した内容を詳しく記載し、長所や強みにつなげることができれば、立派なガクチカになります!
ガクチカの内容は、企業によって変えるべき?
すでに作成したガクチカと、企業が求める人物像が大きく異なる場合、内容を変更したほうがよいケースもあります。
同じエピソードであっても、長所や強みが業務でどう活かせるかを変化させると、将来どんな活躍をするかのイメージを伝えることができるでしょう。
ガクチカの例文集【内容別】
ここでは、8つのテーマごとのガクチカの例文を紹介します。
アルバイト
飲食店で接客のアルバイト経験をもとにした、ガクチカの例を紹介します。
【アルバイト】ガクチカの例文
私は、大学1年生から続けている居酒屋のアルバイトで、売上や集客アップに力を入れてきました。
働いている店舗の近くに、安さが魅力の居酒屋チェーン店がオープンしたことにより、売上が前年の平均の7割程度に落ち込んだ時期がありました。
チェーン店と比較すると安さでは勝てませんが、料理のおいしさやお客様のニーズをすぐに反映できる点は、何よりも強みだと感じています。
アルバイト仲間や店長と協力しながら、これまで提供していなかったSNS映えするメニューや、アンケート結果を反映させた創作料理の提供をスタートしました。さらにSNSで宣伝を始めたことにより、前年の平均から1.3倍もの売上を達成しました。
大きな変化を望まない店長でしたが、仲間と協力をして新しいメニューの提案やSNSの更新について話し合い受け入れてもらえただけではなく、結果として売上にも反映され結果が出たことは大きな喜びです。
この経験を通じて、チームで協力することと積極的な提案の大切さを学べました。
ポイント
- どれくらい売上をアップさせたか、具体的な数値を出している
- 売上や集客をアップさせる具体的な対策を紹介している
- 一連の経験から「協調性」と「積極性」をアピールしている
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【例文5選】ガクチカでアルバイト経験をアピールするには?回答のポイントを解説
アルバイト経験は、ガクチカのエピソードとして効果的です。魅力的で伝わりやすい内容にするためには、経験の具体性が欠かせません。例文とともに、ESや面接でアピールできるガクチカの作り方と注意点を見ていきましょう。
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ゼミ・研究室
学内のゼミで「食育活動」をテーマに研究した経験をもとに、ガクチカの例を紹介します。
【ゼミ】ガクチカの例文
私は管理栄養士を目指しており、学内のゼミで食育活動の研究に力を入れています。
学校の近くに付属の幼稚園があり月に1度、園児たちと料理を作ったり、紙芝居や人形劇で食べ物や食事マナーについて学んだりしています。
初めて子どもたちに会ったとき、保護者や先生以外の大人と関わることに緊張していた子は多く、交流をしていても集中できない子どもが多かったです。
「どうすれば食に興味を持ってくれるか」と考えたとき、子どもたちの間で今はやっているアニメのキャラクターの話を交えてみました。例えば「にんじんを食べると、◯◯(キャラクター名)みたいにかっこよくなれるよ!」と声かけをすると、少しだけ食べてくれたことがありました。
大人が一方的に「食べてみよう」「お行儀よくしよう」と言っても子どもには響きません。しかし、子どもと同じ目線になることで、心の距離が近づき一歩ずつ前へ進み、今では子どもたちから挨拶をしてくれるほど親交を深めました。
この経験を通じて、相手の立場になり物事を考えることの重要性を学べました。
ポイント
- 子どもたちに興味をもってもらうための具体的な対策を紹介している
- 学生と子どもたちが交流する様子が具体的で、イメージがしやすい
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ガクチカでゼミ活動のアピールは有効?差別化のポイントや例文を解説
ゼミでの活動や経験は、ガクチカのアピールとして効果的です。ゼミで経験したことやテーマはさまざまであるため、ほかの学生のエピソードと差別化しやすいというメリットがあります。 ゼミでの活動や経験に関するガ ...
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学業
学業に尽力した経験をもとに、ガクチカの例を紹介します。
【学業】ガクチカの例
私は、成績評価であるGPA3.0以上を獲得できるよう学業に取り組みました。
大学1年時のGPAは2.5であったこともあり、焦りを覚えました。大学に通っている意味を見いだし、それを目に見える結果として示すため、GPA3.0以上を目標として学業にいそしむことを決意しました。
GPA3.0以上を獲得するためにやったことは、これまで以上に講義内容を理解するためのノート作成と、当日中の復習、暗記が必要なものは友人と問題を出し合うなどしてアウトプットを繰り返しました。ほかにも、苦手な分野がなくなるよう、その分野が得意な友人に「覚えるコツ」「考え方」をヒアリングし、同じように実践したこともあります。
反復練習、アウトプット、友人の協力を重ねていき、約2年後のGPAでは3.3を獲得することができました。GPAを向上させた経験を通じて、年月をかけて努力を積み重ねることの大切さ、苦手な分野に取り組むつらさと楽しさを学べました。
ポイント
- 具体的な数値を出し、どれくらい成績が上昇しているかがわかりやすい
- 学生の本業のひとつである「学業」をテーマにしており、採用担当者もエピソードをイメージしやすい
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ガクチカで学業を効果的にアピールしよう!書き方のコツと例文を紹介
ガクチカでは学業をアピールすることも有効です。ただし、成績などの数値や結果だけでなく、目標や課題達成に向けた行動過程などを具体的に伝えることが大切です。この記事では、ガクチカで学業をアピールする際のポイントや具体的な例文を紹介します。
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ボランティア
ボランティアサークルへ所属し、活動をしたことをもとにガクチカの例を紹介します。
【ボランティア】ガクチカの例文
私は、大学のボランティアサークルに入り、川の清掃に力を入れています。
サークルは設立から30年以上の歴史がありますが、私が代表を務めた時期から活動の幅を広げ、地元企業から支援をいただけることになりました。
当初、学生だけで清掃をしていましたが、活動範囲が広がるにつれてゴミ袋などの備品や集積トラックの手配が必要になり、資金面で限界を感じていました。
教員と相談をした結果、私のサークルと同様のボランティアをしていた地元企業から支援を受け、協力をしながら学校周辺エリアの清掃活動の幅を広げることができました。
企業の方と交流を深めるだけではなく、近隣の住民の方と一緒に清掃活動ができたことが、ボランティアならではのつながりだと感じています。
この経験を通じて、学内外の仲間と協力をすること、地域社会との共生の重要性について学べました。
ポイント
- ボランティアへの参加だけではアピールとして弱いため、エピソードの深みが必要
- ボランティアをガクチカのテーマに挙げる学生は少なくないため、経験で得たことが重要となる
- ボランティア経験が少なく、深堀りして質問があったときに回答が難しそうであれば、異なるテーマを選びたい
インターン
過去に参加したインターンの経験をもとに、ガクチカの例を紹介します。
【インターン】ガクチカの例文
私は大学2年生の夏休みを利用して、出版社の美容に関するWebコンテンツ制作のインターンに参加しました。
インターンへ参加したきっかけは、私自身SNSで情報発信を行っており、培ってきたスキルを発揮できると感じたからです。
同時に参加した2人の学生と3人でグループになり、研修と実務を進めました。そして、社内で初めて企画を提案したとき資料に最後まで目を通してもらうことができませんでした。理由は「独自性が欠けているから」でした。
3人で協力をして、制作に携わったサイトの過去記事と他社の記事をリサーチ、先輩にもヒアリングをしながら過去にない「◯◯」をテーマに企画書を作り直しました。
企画書の制作が得意な先輩にアドバイスをもらい、読みやすさとデザインにもこだわり「通る企画書」作りに励みました。
新たなテーマで再度作成した企画書は最後まで見てもらうことができ、無事コンテンツの制作へと進めることができました。
インターンの経験を通して、悔しさから這い上がる方法を身につけるとともに、思考の柔軟性、仲間や先輩を交えて協力することの重要性を学びました。
ポイント
- オープンカンパニーやキャリア教育といった短期のプログラムは、エピソードとして薄くなりがち。長期インターンのほうが、ほかの学生と差をつけやすい
- エピソードのテーマは、希望業界・職種とマッチする内容であるとより望ましい
- インターンで得たことや見つけ出した強みが、企業が求めている人物像がマッチすると働く姿をイメージしてもらいやすい
留学
海外へ語学留学をした経験をもとに、ガクチカの例を紹介します。
【留学】ガクチカの例文
私は1年間カナダのバンクーバーへ留学し、現地の学生たちと共に学びシェアハウスで過ごしました。
バンクーバーへの留学を選んだ理由は、私の父が学生時代に同じカナダへ留学して、仲間と素晴らしい時間を過ごし今でも交流があると聞き感銘を受けたからです。
留学してからすぐは授業についていくのがやっとで、唯一いた日本の留学生だけと交流していた時期もありました。しかしその友人から「せっかく留学しているのなら、英語だけで話してみたら」と言われ、同じコースの友人を紹介してもらい、積極的に英語でコミュニケーションをとるようになりました。
カナダの友人と意思疎通をするとき、「自己開示」「表情とジェスチャー」を特に意識しました。不明点があればすぐに質問をして、聞き逃さないことを心がけました。日本人独特の曖昧な表現を控えることで、話したいことがスムーズに理解してもらえるようになったときは、本当に嬉しかったです。
留学中にディスカッションなどのコミュニケーションを重ねたこともあり、今では英語でグループワークやプレゼンもできるようになりました。
バンクーバーへの留学経験を通じて、英語力やコミュニケーション能力が向上しただけではなく、心の開き方や文化の違いの受け入れ方も学びました。
ポイント
- 海外への留学経験のある人は少なく、ほかのエピソードと比較するとオリジナル性を出しやすい
- 語学だけであれば国内でも勉強できるため、語学以外の面で学んだ点を強みにできるとよい
- 海外への留学経験は、語学力に期待されるケースが考えられる。特に長期の滞在の場合は、文化に対する理解やビジネスで活用できるネイティブなコミュニケーションがあればアピールする
資格の取得
TOEICでスコアを伸ばすことに尽力した経験をもとに、ガクチカの例を紹介します。
【資格取得】ガクチカの例文
私はTOEICを中心に英語学習に力を入れています。高校生の頃は450点でしたが、大学へ進学し勉強を続けて850点までスコアを伸ばすことができました。
TOEICに力を入れた理由は、高校時代の友人と何気なく勝負を始めたことです。どちらがTOEICでよいスコアを出せるか勝負をした結果、100点差をつけられて負けてしまいました。
負けず嫌いな性格の私は、結果が出た日からTOEICの勉強を本格的にスタートして少しずつ点数を上げて、今年のTOEICでは850点を取得しています。
最初から英語が得意だったわけではないため、特に文法には苦労しました。約4年勉強を続けてきたことで、英語が好きになれた喜びがあります。
この経験を通じて、英語を理解できるようになっただけではなく、努力を続けること、仲間と競い合うことの素晴らしさを学べました。
ポイント
- 海外での営業や、グローバルな展開をする企業への入社を希望する場合、TOEICをテーマにしたガクチカが有利に働くことがある
- TOEICのスコアを出して、成長したことをわかりやすく解説している(スコアが著しく低いときは出さなくてもよい)
- TOEICでよいスコアを出したことだけでは自己PRとなるため、ガクチカになるよう得たことや強みを重視する
日常生活
趣味である読書をもとに、ガクチカの例を紹介します。
【日常生活】ガクチカの例文
私は、これまでの大学生活の約3年間でたくさんの本を読みました。読書を始めた理由は、新型コロナウイルス感染症により、外出やアルバイトができなくなったこと、友人と遊ぶ機会が減ったことです。
まずは、1年間で50冊を読むことを目標にしました。読書を始めた理由はネガティブなものですが、この3年間で小説、ビジネス書などさまざまな作家、ジャンルの本を読み、文字に対する苦手意識が減りました。同時に、本を読まなければ得られなかった知識が増えたこと、語彙が豊富になったと実感したこと、集中力が増したことなど、さまざまなメリットを享受できました。
最初は読書に慣れておらず、1冊の小説を読むのに10日ほどかかったこともありました。大学2年生からの1年では、1年間で80冊の本を読めるようになりました。
読んだ本の感想をSNSに書き込むことで、自分の考えを整理できたり、自分とは違う他者の視点を学びコミュニケーションが生まれたりと、思いがけない学びもありました。
読書を通じて、「外出できない」というネガティブなできごとがきっかけでも、楽しみと学びを見つけられること、本から得た知識と、長時間没頭できる集中力が身につけられました。
ポイント
- 日常に関するシンプルなテーマでも、はじめたきっかけ、学んだことを具体的にすると、立派なガクチカになる
- サークルに加入していない、アルバイト経験が少ない方にもガクチカを作成しやすいテーマ
- 趣味をテーマにするときは、専門用語の解説を入れる、または専門用語を使わず一般的な言葉を使用する
ガクチカはESと面接で同じでいい?
ガクチカは、ESと面接で同じ内容であっても問題ありません。
ただし、ESで書いたガクチカは書き言葉であり、丸暗記してそのまま話すと不自然になる可能性があるため、注意しましょう。面接では話す相手がいることを意識して伝えてみてください。ESで書いた内容に加えて、具体性や自分の考えを加えてみるのもおすすめです。
面接の際は、面接官がESを見ながら質問することもあります。アピール内容に一貫性をもたせるためにガクチカの軸は変えないようにしましょう。
面接では、ESに書いたエピソードを深掘りさせる可能性もあるため、ガクチカの内容を覚えておくことも大切です。
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よくある質問
ガクチカとは何ですか?
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略語です。就活では、ESや面接で頻出する質問のひとつです。
ガクチカと自己PRは同じ内容でもいいですか?
ガクチカは「学生時代に力を入れたことをもとに、人柄や活かせる強みなどを紹介すること」であり、自己PRとは異なります。
自己PRは自分の能力をアピールすることであるため、「リーダーシップがある」「協調性が強み」などと伝え、入社への熱意やマッチ度を伝えましょう。
ガクチカの内容は、企業によって変えるべきですか?
すでに作成したガクチカの内容と、企業が求める人物像が噛み合っていないときは、ガクチカの内容を変えるという選択肢もあります。
エピソードが同じであっても、経験から得たこと、挫折を乗り越えた経験を、企業の特色にあわせて変更することで、異なるガクチカを作成できます。
ガクチカの文字数はどれくらいですか?
ガクチカの文字数は、300~400文字が一般的です。企業によっては文字数を指示されることもあるため、その際は従いましょう。特に指定がないときは、ESの欄に収まる文字数にする方法もあります。
Wordなどのソフトを使うと、文字数をカウントすることができます。
そのほか書類作成、面接対策をしたい方は「ユニキャリ公式LINEアカウント」をチェックしてみてください。
ガクチカ以外にも、自己PRや長所・短所、志望動機などの書き方も紹介しています!