就活準備

「粘り強さ」を武器にした自己PRの作成ポイントと注意点【例文付き】

粘り強さ 自己PR_アイキャッチ

「粘り強さ」は企業が期待する資質のひとつであり、自己PRでアピールするのは効果的です。粘り強さとは、失敗しても諦めずに根気よく取り組む姿勢を指します。

仕事はうまくいくこともあれば、失敗や困難もあるため、粘り強く取り組めることをアピールすると、印象に残りやすいかもしれません。粘り強さで自己PRを作成するときのポイントを紹介します。

また、粘り強さは使い方によっては短所の意味が強くなる可能性があるため、注意点も確認して、効果的な自己PRを作成してみてください。

この記事でわかること

  • 粘り強さは企業が期待している資質のひとつである
  • 粘り強さともうひとつ能力を加えてアピールすると効果的である
  • アピール方法によっては短所が強調されるため注意が必要である

「粘り強さ」とは?意味を正しく理解しよう

そもそも粘り強さとは、「物事を簡単に諦めず、根気よく取り組む性質や姿勢」といった意味があります。困難や逆境に直面しても、自分の目標や目的を達成するために努力を続けることが特徴です。

例えば、研究で何度失敗してもデータを見直して地道に取り組む姿勢、スポーツの試合で逆転が難しい状況でも最後まで諦めずに戦う姿勢などが考えられます。

仕事では成功するときもあれば、うまくいかないときもあります。うまくいかないときに粘り強く取り組むことができるのは、さまざまなシーンで活かせる強みです。

粘り強さが企業で重視される理由

粘り強さは、仕事の現場で課題を乗り越え、目標を達成するために大切な資質のひとつです。ビジネスでは常に計画通りに進むとは限らず、困難や不測の事態が起こることもあるでしょう。そんな場面で、途中で諦めることなく問題解決に向けて粘り強く取り組む姿勢は、組織にとって大切です。

また、ほかの社員や同業他社との競争があるなかで成功を収めるためには、短期間で成果を出すだけでなく、長期的な視点で物事を進める能力が必要です。

粘り強さは「失敗した経験から学び、次に活かせる性質」ともいえます。コツコツと努力できる能力であり、失敗しても諦めずに挑戦し続ける姿勢は、企業が重視するでしょう。

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自己PRで粘り強さをアピールするときのポイント

自己PRで粘り強さをアピールする際は、次のポイントを意識して考えてみてください。

結論を先に述べる

自己PRでは「自分の強みは粘り強さ」という結論を最初に伝えることが重要です。例えば「私はどんな困難にも立ち向かい、最後まで諦めずに目標を達成する粘り強さを持っています」といったように簡潔な一文で始めます。

結論を冒頭に伝えると、何をアピールしたいのかが明確になり、相手が話を理解しやすくなります。「粘り強い」という言葉を補足する形で、より具体的なニュアンスを伝える表現を使うのもおすすめです。

粘り強さを補足する表現例

  • 柔軟に工夫しながら取り組む粘り強さ
  • 最後まで責任を持ってやりきる粘り強さ
  • 困難な状況でも冷静に対応する粘り強さ

粘り強さを発揮した具体的なエピソードを伝える

粘り強さを説明する際に「粘り強いです」と伝えるだけでは説得力が弱くなります。具体的な状況や行動をエピソードとして盛り込むことで、オリジナリティが生まれ、説得力が増します。

エピソードを伝える構成例

1.困難な状況:どんな課題や問題に直面したかを明確に伝える
例:「大学のゼミで、データ収集が進まず研究の進行が止まってしまいました」

2.行動:問題に対してどのように取り組んだか、行動を具体的に伝える
例:「毎日3時間かけてデータを再収集し、関連文献を精査して解決策を探りました」

3.結果: 行動の成果を伝える。結果が数値化できる場合は、数値を含めると説得力が増す
例:「その結果、研究を予定通り進めることができ、学会での発表が実現しました」

ほかのスキルと組み合わせてアピールする

粘り強さだけでも十分なアピールになりますが、ほかのスキルと組み合わせることでより魅力的にアピールできます。採用担当者は、粘り強さをどのように仕事で発揮できるかをイメージしやすくなるため、ほかにアピールできるスキルも探してみましょう。

組み合わせの例

  • リーダーシップ:「粘り強さ」と「リーダーシップ」を組み合わせ、チーム全体を巻き込んで課題解決に向けた努力を続けたエピソードを伝える
  • 計画力:粘り強さを発揮するために立てた具体的な計画や戦略を強調する
  • 柔軟性:「状況に応じた柔軟な対応力」を加えることで、ただ一途に粘るだけでなく、効率よく取り組む姿勢を伝える など

成果を数値や結果で示す

粘り強さのアピールでは、努力の成果を具体的な形で伝えることが重要です。成果が明確であればあるほど、説得力が高まります。

成果の示し方の例

  • 売上や成績、時間短縮などの具体的な数値:「営業成績が前年比120%を達成しました」
  • プロジェクトの成功、コンペでの受賞など:「部活動で初めて全国大会に出場しました」
  • 周囲からの評価:「上司や同僚から『あなたの粘り強さがチームの成功につながった』と評価されました」

応募先企業でどう活かせるかを伝える

最後に、粘り強さが応募先企業でどのように役立つかを具体的に説明します。企業の求めるスキルや価値観にマッチしていることを伝えることで、説得力がさらに高まります。

  • 営業職の場合:「粘り強さを活かして、お客様の課題を深く理解し、長期的な信頼関係を築くことができます」
  • 企画職の場合:「新しいアイデアの実現に向け、課題があっても諦めずに提案を続け、実行まで導けると考えています」

応募先企業の仕事内容や求める人物像を事前にリサーチし、それに合わせて粘り強さをどのように活かせるかを説明すると効果的です。企業のミッションや価値観と自分の粘り強さが関連付いていることをアピールしましょう

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自己PRで粘り強さを伝えるときの注意点

自己PRで粘り強さを伝える際は、次のような注意点もあります。

人事

粘り強さを効果的にアピールするためにも、注意点を確認しておきましょう。

「ただ粘っただけ」と思われないようにする

粘り強さをアピールする際は、具体的な成果につながったことを添えて伝えましょう。「粘り強い」の一言で完結してしまうと、根拠がわからず、納得されにくいためです。

例えば、目標達成やチームで活躍したなどの成功体験をつけ加えることで、粘り強さがアピールしやすくなります。

成功体験を添えた例文

毎日地道にデータ収集を続けた結果、プロジェクトの成功率が30%向上しました

また、粘り強さを発揮した場面で、工夫や戦略を取り入れたことをアピールするのも有効です。

工夫や戦略を添えた例文

自分の方法に固執せず、ほかチームの成功事例を参考に改善を重ね、最終的に〇〇の成果を上げました

粘り強い性格からイメージされやすい短所もある

粘り強さはポジティブなポイントとしてアピールできますが、場合によっては短所として伝わる可能性があります。強調されすぎると、「頑固」「柔軟性がない」「周囲の意見を聞かない」などのイメージを与えるかもしれません。

自己PRでは、状況に応じて柔軟に対応した経験も交えてアピールすると効果的です。

柔軟に対応した例文

「最初は自分のやり方にこだわっていましたが、友人のアドバイスを取り入れることで、より効率的な方法を見つけることができました」

人事

相手を困らせたり、迷惑をかけたりするほどの粘り強さは「頑固」というイメージを持たれる可能性があります。粘り強さと柔軟性のバランスを考えるのがおすすめです。

粘り強さを別の表現に言い換えるのも有効!

「粘り強さ」を別の表現に言い換えると、自分の粘り強さの具体的な性質が伝えやすくなります。粘り強さのなかにも「諦めずに努力し続ける」「ストレスに打たれ強い」「失敗を次につなげるポジティブ精神がある」など、伝え方がさまざまあります。

粘り強さの言い換え例

  • 継続力:長期間にわたって努力を続け、地道に成果を積み重ねる力を強調する表現
  • 忍耐力:困難やストレスに直面しても冷静に取り組み、問題を解決する力を示す表現
  • 目標達成力:粘り強さを基盤に、具体的な目標を達成する能力を強調する表現
  • 根気強い:ひとつの目標に対して粘り強く取り組み、諦めない特徴をアピールする表現
  • 向上心:自分をよりよく成長させようとする意欲や挑戦する姿勢を強調する表現
  • 挑戦心:難しい課題に積極的に向き合い、新しいことに挑戦する姿勢を表現する言葉
  • 成長意欲:自らのスキルや知識を磨き続けようとする姿勢をアピールする表現
  • 責任感がある:責任感を持ちつつ、最後まで諦めずにやり遂げる力を表す表現 など

このように、ほかの言い換えを使用して粘り強さを表現することで具体性が増し、粘り強さを効果的に伝えることができます。

自己PRで粘り強さを伝えるエピソードがない場合はどうする?

自己PRで粘り強さのエピソードが思い浮かばない場合は、次の点を振り返って当てはまるエピソードがあるか考えてみましょう。

長く継続したことを振り返る

粘り強さをアピールするうえで、長期間にわたって続けたことは大きな強みになります。どんなに小さなことでも、継続するためには努力や工夫が必要であるため、粘り強さにつながります。

長く継続したエピソード例

  • 部活動や習い事を長期間続けた経験
  • アルバイトを継続して取り組み、信頼を得た経験
  • 趣味や学習で一定の成果を上げた経験

計画的に取り組んだことを振り返る

計画的に取り組んだことは、粘り強さにつながりやすいです。粘り強さは、計画的な取り組みと結びつけて説明することで、より説得力が増します。目標達成に向けたステップやプロセスを具体的に伝えてみましょう。

計画的に取り組んだ例

  • 試験勉強や資格取得に向けた努力
  • イベントやプロジェクトの計画と実行
  • 目標を立ててスキルや能力を向上させた経験

粘り強さをアピールする自己PRの例文

粘り強さをアピールする自己PRの例文をエピソードごとに紹介します。

学業

例文

私は大学での微生物研究を通じて、粘り強さと問題解決能力を培ってきました。研究を開始した当初は、データの収集や分析に困難を感じていました。文献を調べたり教授に相談したりして新しい解析方法を勉強し、試行錯誤を繰り返しました。結果、私が研究している微生物に適した解析方法を確立し、研究に取り組むことができました。また、データ解析を通して問題が発生したときに、原因を特定し解決方法を見つけ出したことで、問題解決能力も身につけることができたと思っています。

入社後は粘り強さと問題解決能力を活かして、困難な状況になっても諦めずに取り組んでいきたいと考えています。

ポイント

  • 粘り強さと問題解決能力という2つの能力を組み合わせてアピールしている
  • 専門性の高い内容だが、その分野を知らない人でもわかりやすくまとめられている
  • 微生物の研究にフォーカスし、具体的な内容が述べられている

ゼミ活動

例文

私は大学でのゼミ活動を通じて、粘り強さと協調性の重要性を学びました。ゼミ活動では、地方創生をテーマに情報収集やデータ分析を行ってきました。活動開始当初は、ゼミ仲間とのコミュニケーションがうまく図れず、意見の対立で雰囲気が悪くなってしまったり、ゼミ活動の認識が異なっていたりと、活動が進みませんでした。私は、対立する仲間の話を聞いたり、メンバーの活動に対する認識を確認したりしました。最初は声をかけても曖昧な返事がかえってくることも多かったですが、積極的に挨拶をしたり、雑談したりと粘り強く声をかけ続け、徐々にメンバーから話をしてくれるようになりました。ゼミ内の雰囲気も明るくなり、無事にゼミ活動を終え、発表後に教授から高評価をいただきました。

入社後は粘り強さと協調性を活かして、良好な対人関係を築き、協力して業務に取り組んでいきたいと考えています。

ポイント

  • 粘り強さと協調性の2つに能力をかけ合わせてアピールしている
  • ゼミ活動の内容が具体的に明記されている
  • 入社後に能力をどのように活かしたいかが明記されている

部活動・サークル

例文

私は大学のバドミントン部に所属し、粘り強さとリーダーシップを学びました。3年生ではキャプテンを務め、地元の大きな大会で優勝することを目標に練習していました。しかし、練習中にエースだった学生がけがをしてしまい、大会への出場が難しくなりました。メンバーはエースが不在になったことで動揺し、モチベーションが低下してしまいました。私は大会に出場する選手を考え直し、選手の個々の能力や特徴をふまえた個別メニューを考案し、チーム内に伝えました。はじめは私が考えた練習メニューに難色を示す選手もいましたが、私自身も練習に取り組んだり、「一緒にやろう」と声をかけたり、粘り強く声をかけ続けました。結果、難色を示していた選手も練習に取り組んでくれるようになりました。控えのメンバーには選手のサポートをお願いし、部員全員で優勝を目指そうと士気が上がりました。大会の結果は準優勝でしたが、エース不在のなか大健闘だったと監督から声をかけていただきました。

入社後は粘り強さとリーダーシップを活かして、メンバーの一員としてプロジェクトに取り組んでいきたいです。

ポイント

  • 粘り強さとリーダーシップの2つの能力をアピールしている
  • 困難な場面を乗り越えるための工夫が記載されている
  • 準優勝という具体的な成果が記載されている

アルバイト

例文

私はアルバイトを通じて、粘り強さとコミュニケーション能力の重要性を学びました。夫婦で経営されている喫茶店でアルバイトをしており、新メニューの売上が思うように伸びないのが課題でした。私は試食させていただき、レシピの改良を提案したり、お客様の年齢層や性別、注文数の多いメニューなどを調査したりして、どんなメニューならお客様に「食べてみたい」と思ってもらえるのかを試行錯誤しました。改良を重ねてリニューアルした新メニューは、多くのお客様に注文していただき、月間売上が前年比で15%増加し、看板メニューになりました。お客様の声を聞くために、コミュニケーション能力も欠かせないスキルであると認識しました。

入社後は粘り強さとコミュニケーション能力を活かして、メンバーと協力し合いながらプロジェクトに取り組んでいきたいです。

ポイント

  • 粘り強さとコミュニケーション能力の2つの能力を組み合わせてアピールしている
  • 課題に対してどのように取り組んだのかが明記されている
  • 具体的な数字で成果を示している

ボランティア活動

例文

私は大学時代に参加したボランティア活動を通じて、粘り強さと対話力を身につけました。地域の環境保護プロジェクトのため、毎月1回清掃活動を行っていました。当初はボランティアサークルのメンバーを含め、5名での活動でした。人数不足で清掃活動が行き届かない面もあり、参加者を募ることにしました。大学の掲示板や地域の広報誌など、さまざまなところにアプローチし、各所の許可を得て広告を掲示しました。結果、参加者が20名に増え、毎月の清掃活動が活発になりました。ここで参加者の意見を聞き、活動内容を改善することでプロジェクトの認知度が向上し、地域の環境保護意識の向上につながり、ゴミ袋の数が10袋から8袋へ減少しました。

入社後は粘り強さと対話力を活かして、お客様との対話を通してニーズを把握し、プロジェクトに取り込んでいきたいと考えています。

ポイント

  • 粘り強さと対話力の2つの能力をかけ合わせてアピールしている
  • 具体的な数字で成果を示している
  • 強みを入社後にどのように活かすかが明記されている

よくある質問

粘り強さを自己PRでアピールするポイントは何ですか?

粘り強さをアピールする際は、次のポイントを確認して作成してみてください。

  • 結論を先に述べる
  • 粘り強さを発揮した具体的なエピソードを伝える
  • ほかのスキルと組み合わせてアピールする
  • 成果を数値や結果で示す
  • 応募先企業でどう活かせるかを伝える

詳しくは「自己PRで粘り強さをアピールするときのポイント」をご確認ください

粘り強い人の特徴は?

粘り強い人には、次の特徴があります。

  • 目標達成に向けて努力を続ける継続力がある
  • 困難やストレスにも冷静に対応できる忍耐力がある
  • 失敗しても諦めず再挑戦する など

自己PRで粘り強さを伝えるエピソードがない場合、どうすればいいですか?

過去の経験を振り返り、小さな成功体験や努力した過程を探してみましょう。部活動、アルバイト、学業などでの困難や工夫した経験を具体的に掘り下げると見えてくるかもしれません。それでも難しい場合は「向上心」や「継続力」に焦点を当て、日々努力を積み重ねている姿勢を伝えてみましょう。

詳しくは「自己PRで粘り強さを伝えるエピソードがない場合はどうする?」をご確認ください。

粘り強さの英語表現は?

perseverance、patienceなどが挙げられます。

  • perseverance:努力や根性、熱心さなど、目標を達成する意味合いが強い
  • patience:「忍耐」「我慢」など、精神的な忍耐力を意味するときに使用される

粘り強さを活かせる職種は何ですか?

営業職、研究・開発職、カスタマーサポート、教育職やプロジェクトマネージャーなどが挙げられます。営業職では、顧客との信頼関係を築くために長期的な交渉や提案が必要な場面があり、粘り強さが大切です。研究・開発職では、試行錯誤を繰り返しながら新しい技術や製品を生み出す力が重要です。

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