就活の準備は、早めに行うことで余裕をもって進められます。卒業前年度の4~6月頃にスタートするのがおすすめです。
企業説明会などの広報活動開始日が3月1日、企業へのエントリー開始日は6月1日とする企業が多く、これらの日から逆算して準備するのもいいかもしれません。
就活の準備を開始する時期が、早い・遅いに関わらず着実に準備を進めていきましょう。
この記事でわかること
- 卒業前年度の春~夏までに就活の準備を進める人が多い
- 企業によって採用活動の実施時期が異なる
- 採用活動の早期化により、内定獲得のタイミングが早い学生もいる
就活はいつから始めるべき?
株式会社リクルートの就職みらい研究所が2023年に発表した「就職白書2023」のデータによると、2023年卒の学生の就活開始時期は、卒業前年度6月以前と答えた人が約4割、同年9月までに開始した人が約6割という結果になりました。
6月にはインターンシップやオープン・カンパニー、企業説明会などのイベントの応募がスタートする時期であることから、それまでに自己分析や業界研究を進める学生が多いとわかります。
企業の「優秀な人材を確保したい」などの理由から就活の早期化が進んでいることを踏まえ、早めに準備する学生もいます。しかし、遅いスタートになっても焦らず着実にやることを進めていきましょう。
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おもにこのようなスケジュールで進めていきますが、エントリーする企業などにより時期が前後する可能性があります。ここでは、時期ごとに行うことの一般的な流れを見ていきましょう。
卒業前年度4月〜:自己分析や業界研究・企業研究を行う
自己分析と業界研究・企業研究は、選考が本格的にスタートする前から行っておきたいことのひとつです。自己分析と並行して、業界研究・企業研究を行うことで、就活の軸や、業界や職種に対する向き・不向きを明確にしやすくなります。
自己分析、業界研究・企業研究は早期に開始して、じっくりと準備を進めるのもおすすめです。必ずしも卒業前年度の4月から始める必要はなく、自分のペースに合わせてその前からスタートしても問題ありません。
就活に関する準備は「就活に向けてやっておきたい準備内容」で詳しく紹介しています。
卒業前年度6月〜:インターンシップに参加する
インターンシップとは、就業体験を通じて、企業とのマッチング度合いや、自分の実力を確かめるためのプログラムです。希望する企業で自分の力を試すことができるため、知識や技術の向上につながります。
インターンシップは年間通して募集されていることが多いです。卒業前年度の夏以外にも、例えば大学1年生や2年生を対象とした長期のプログラムも実施されているため、学業との両立を考えながら参加するのがおすすめです。就活生の多くは、卒業前年度の夏季休暇を利用して、興味のある企業のインターンシップに参加する傾向があります。
インターンシップは、自分の適性や能力の見極めを中心としたプログラム(汎用的能力活用型)では5日間以上、専門活用型では2週間以上といった期間が定められています。
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卒業前年度6月〜:オープン・カンパニーに参加する
オープン・カンパニーとは、業界や企業の情報提供・PRを目的としたイベントです。新卒の募集を実施する企業や就活情報企業、学校のキャリア支援センターが主催するイベントであり、半日~1日の短期間のプログラムを指します。
オープン・カンパニーは「1Day仕事体験」といわれることもあり、企業によっては「インターンシップ」として募集されることもあります。
座学による事業や業務内容の説明、先輩や卒業生の講演会、座談会、職場見学が実施されます。
卒業前年度10月〜:説明会に参加する
合同説明会や企業説明会は通年実施されていますが、新卒の場合、卒業前年度の秋頃から参加する学生が多いでしょう。
合同説明会とは
ひとつの会場にさまざまな企業ブースが出展し、自社の説明を行うイベントです。業界や企業に関する情報のほかにも、インターンシップや早期選考に関する情報を得られることもあります。
企業説明会とは
企業が自社を知ってもらうために社内で開催する説明会を指します。選考に関する情報や、Webサイト上ではわからない情報を得たり、実際に質問したりできる点がメリットです。
合同説明会のなかには、採用の選考に向けたものだけでなく、インターンシップやオープンカンパニーに参加する学生に向けたイベントが開催されていることもあります。
本選考に繋がる説明会は卒業前年度の10月に開始される傾向がありますが、就活情報が解禁される3月以降に行われることも少なくありません。エントリーしたい企業の説明会が実施される時期を確認しておきましょう。
昨今、説明会はオンラインで実施されることもあるため、会場や企業へ足を運ぶよりも多くのイベントに参加できそうですね。
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卒業前年度3月〜:エントリー・選考が開始する
経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)が要請するスケジュールでは、3月1日に選考情報の解禁、企業へのエントリーを開始、同年6月1日に選考を開始するようにしています。
これにより、多くの企業が3月1日よりエントリーを開始しますが、昨今はより早い段階でエントリーや選考を開始するケースもあります。エントリーしたい企業の情報を確認しましょう。
エントリーの際は、ES(エントリーシート)や履歴書の提出が必要になるため、準備が必要です。提出書類を作成するにあたり、自己分析や業界研究・企業研究を参考にするほか、志望する企業のOB・OG訪問をしてみるのもおすすめです。
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6.卒業年度3月〜:内定獲得
内定を獲得するまでの時期は人により異なりますが、株式会社リクルートの就職みらい研究所が2023年に発表した、「就職プロセス調査(2023年卒)」のデータによると、初めて内定を獲得した時期で最も多いのが3月、次いで4月という結果になりました。
画像引用:就職プロセス調査(2023年卒)「2023年3月度(卒業時点) 内定状況」
※調査期間:2023年3月15日~3月17日
※回答者数:2023年卒の大学生902人、大学院生264人(計1,166人)
通常よりも早期で選考を実施している企業もあり、早い人では卒業前年度の10月、11月時点ですでに内定を獲得しているケースもあります。ただ、内定を獲得したあとも就活を続ける選択肢もあり、その場合は卒業年度の7~8月頃まで行うようです。
学生が「初めて内定を取得した時期」と、「就職確定先から内定を取得した時期」は異なる結果も出ています。就職確定先から内定を得た時期のピークは6〜7月という結果になりました。
周囲の学生と比べすぎず、自分のペースで焦らずに就活を進めましょう。
企業によって就活選考の開始時期は異なる!
経団連は、3月1日に選考情報の解禁、企業へのエントリーを開始、同年6月1日というスケジュールを要請していますが、独自の日程で選考を進める企業も存在します。
25卒以降は、採用に直結するインターンシップが正式に開催され、従来より多くの早期選考がスタートする可能性もあります。
実際の状況は年々変わることもあるため、常に最新の情報を確認することが大切です。
就活選考はいつから始まる?目安の時期【企業別】
就活の選考開始時期は、企業により異なる場合があります。企業ごとの目安時期を見ていきましょう。
経団連に加盟している企業
経団連に加盟する企業は、要請されたスケジュールに従って採用活動を実施しています。
経団連が要請するスケジュールは、以下のとおりです。
- 企業説明会などの広報活動:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
- 採用選考活動開始時期:卒業・修了年度の6月1日以降
- 正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降
経団連に加盟している企業は、経団連Webサイトの「会員一覧」から確認できます。
経団連に加盟していない企業(中小企業・ベンチャー・スタートアップなど)
経団連に加盟していない企業では、要請するスケジュールよりも早い時期から採用活動をスタートし、内定を出す傾向があります。
例えば、夏のインターンシップを開催後、すぐに企業説明会を開催し選考を行うこともあります。
外資系企業
経団連に非加盟の外資系企業も、経団連に加盟している企業より早いスケジュールで採用活動を実施することがあります。近年では、通年採用を行う外資系企業もあり、選考の開始時期は企業により異なります。
就活に向けてやっておきたい準備内容
就活が本格化する前に、やっておきたい準備を把握しておきましょう。就活で何をすべきかを把握することで、準備に取りかかりやすくなります。
1. 自己分析
自己分析では、過去の経験などから自分自身を客観的に見つめ直し、強みや弱み、価値観、興味を抱いている分野などを整理し分析します。
自己分析を進めることで、自分にはどんな仕事が向いているか、どんな職場環境がマッチするかなどを判断しやすくなります。
幼少期から現在までの自分を振り返り、いつどんなできごとがあったのかを書き出してみましょう。その経験を通じて、自分の価値観がどう変わったかなどを書いていくと、今まで気づけなかった自分を深掘りすることができます。
自己分析の詳しいやり方と手順は、こちらの記事で紹介しています。
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2. 業界研究
業界研究は、特定の業界について理解を深めていくことです。業界研究の際は、このような内容を調べるのがおすすめです。
- 業界の動向:業界全体の成長率、最新のトピックス、将来性などの調査
- 就業環境:業界特有の労働条件や文化、環境を調査
- 業界と関連するスキルや知識:業界で働くにあたり必要なスキルや知識の調査
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業界研究のやり方|今すぐ取り組めるポイントや注意点を解説!
業界研究とは、業界の特徴を調査することであり、就活の初期段階で欠かせない準備のひとつです。業界研究は、次のステップである企業研究の材料であり、ESや面接の志望動機の設定にも役立ちます。
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3. 職種研究
職種研究とは、自分が興味をもつ職種について理解を深めるための研究です。
職種とは業務内容の種類であり、「営業職」「開発職」などに分類されます。業界とは、企業が属する事業の種類であり、業界は違っても同じ職種は存在します。
職種ごとに携わる業務や必要となるスキル・経験・知識は異なるため、自己分析の結果から、自分の強みが活かせるか、企業に貢献できるかを判断していきましょう。
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4. 企業研究
企業研究とは、自分が志望する企業を深く理解するための研究です。
Webサイトや就活情報サイト、SNSなどのコンテンツを通して、企業のビジョンや文化、製品、サービスについて深掘りをします。さらに、同業他社となる存在はどの企業なのか、どういった点で差別化しているのかなども調べていきましょう。
自己分析の結果と重ね、自分の就活の軸と描いたキャリア、企業の方針が、業務内容や社風とどう合うのかを確認することで、企業選びのミスマッチを防ぎやすくなります。
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5. 書類選考の対策
書類選考では、ESの提出が求められます。
ESには、志望動機や自己PR、長所・短所をはじめとした、企業が把握したい質問が記載されています。これらの項目は、十分な自己分析や企業研究をすることで充実した書類が作成できるため、入念に準備しておきましょう。
提出が求められる書類は、企業により異なることがあります。
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6. 筆記試験の対策
企業によっては、選考の際に筆記試験が実施されることがあります。筆記試験の内容は、適性検査やテーマに沿った作文などです。
適性検査とは、学生の知識や能力、性格、価値観といった個性や人柄を測定するための検査であり、「SPI」や「玉手箱」といった名称の検査があります。
適性検査の種類や受検形式は企業により異なるため、志望する企業が行う適性検査の種類に合わせた対策が必要です。
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7. 面接選考の対策
書類選考の通過後、面接での選考が実施されます。
面接では、企業の採用担当者に自己アピールをし、入社への熱意を伝えられる機会であるため、より入念に準備をして臨みましょう。
最近では、一次面接、二次面接をオンラインで実施するケースも増えています。そのため、パソコンやスマートフォンの前で行うオンライン形式の面接にも慣れておくことが大切です。
面接では、これらのような質問が頻出します。
- 志望動機
- 学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
- 長所・短所
- 趣味・特技
- 自己PR
- 逆質問(何か質問はありますか?)
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よくある質問
就活準備はいつから始めるべきですか?
就活に向けたインターンシップは夏に開催することが多く、それまでに準備を進めておきたいことから、卒業前年度の4月頃までにはスタートしておくのがおすすめです。
25卒の就活スケジュールを教えてください
経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)が要請しているスケジュールでは、企業説明会などの広報活動を「卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降」、面接などの選考活動は「卒業・修了年度の6月1日以降」としています。
ただし、企業によってはこの日程より早く採用活動を実施するケースもあるため、早めの就活準備がおすすめです。
就活はいつから忙しくなりますか?
夏に開催されるインターンシップに参加する場合、インターンシップへの応募や、自己分析、企業研究なども行うことから、卒業前年度の夏から忙しくなることが予想されます。
インターンシップに参加しない場合は、企業へのエントリーが解禁される卒業年度直前の3月から忙しくなるでしょう。