「OB・OG訪問」は、企業のWebサイトや求人情報、企業説明会では得られないリアルな情報を得られる貴重な機会です。OB・OG訪問を通じて、志望動機を明確にできたり、就活のアドバイスをもらえたりするメリットもあるので、積極的に参加することがおすすめです。
この記事では、OB・OG訪問のメリットや訪問先の探し方、訪問時に気をつけたいマナーや注意点などを詳しく解説します。
訪問時に役立つ質問リストも紹介していますので、これからOB・OG訪問を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 質問リストを作成しておくことで、限られた時間を有効に活用できる
- 訪問時はビジネスマナーに沿った言葉遣いや、清潔感のある服装を意識することが重要
- 訪問後は早めにお礼メールを送り、感謝の気持ちを伝えることが大切
監修者からのコメント
就活の準備を進めるなかで、「OB・OG訪問はいつ行うべきか」「何を聞いたら良いのか」など悩む人もいるでしょう。必ず行かなければいけないものではありませんが、先輩社員の話を聞くことで企業への理解がより深まります。どのようにOB・OG訪問に取り組んでいけばよいか、見ていきましょう。
OB・OG訪問とは:企業で働く卒業生に学生が訪問する機会
就活における「OB・OG訪問」とは、志望する業界・企業で実際に働いている先輩や卒業生(OB・OG)を訪問し、企業や仕事に関する話を聞くことを指します。
OB・OGの意味
- OB=Old boys(男性卒業生)
- OG=Old girls(女性卒業生)
OB・OG訪問は、企業の雰囲気や仕事内容、入社後の実体験など、求人情報や企業説明会では得られないリアルな情報を直接聞ける貴重な機会です。就活において重要な情報収集手段であり、志望企業を絞り込んだり、志望動機を明確にしたりする際に役立ちます。
約4分の1の学生が就活でOB・OG訪問をしている
マイナビの「2025年卒 学生就職モニター調査 5月の活動状況」によると、調査に参加した2025年卒の学生のうち、OB・OG訪問をした割合は全体で26.5%です。つまり、約4分の1の学生がOB・OG訪問を経験しているということです。
また、OB・OG訪問を通じて「次のステップに進みたいと感じたことがある」と答えた学生は76.2%であることから、志望度を高める効果も期待できます。
一方で、OB・OG訪問をしていない学生に理由を聞くと、「必要性を感じないから」が最も多い回答でした。これは、自発的なOB・OG訪問の実施は、一部の学生に限られることを示しています。
OB・OG訪問で知りたいこととしては、「社内の人間関係や雰囲気(43.6%)」「具体的な仕事内容(43.5%)」「入社を決めた理由(42.7%)」などの回答が多くありました。
※調査期間:2024年5月25日~5月31日
調査対象:2025年卒業予定の全国大学4年生及び院2年生(調査時点)
N=1,524名
OB・OG訪問をする時期
OB・OG訪問を行う時期は、就活の進行状況や自身の目的に応じて異なります。リクナビのアンケートによると、OB・OG訪問の実施時期として最も多いのが卒業前年度の3月、続いて2月、5月となっています。
本格的なエントリーや選考が始まる前後にOB・OG訪問を行うケースが多いですが、OB・OG訪問専用のWebサービスやアプリは、学年や時期に関係なく、いつでも利用可能です。
※調査期間: 2022年9月13日~9月16日
調査対象:2023年3月に卒業予定の大学生、大学院生、短大生、専門学校生
N=300人
OB・OG訪問に参加するメリット
OB・OG訪問には、次のようなメリットがあります。
リアルな職場の雰囲気がわかる
企業の公式Webサイトや企業説明会では、企業の魅力や強みなどがアピールされていますが、実際の職場の雰囲気や働き方は伝わりにくいかもしれません。
OB・OG訪問では、職場の人間関係、仕事の進め方、残業やワークライフバランスの実情など、よりリアルな情報を得ることが可能です。入社後のイメージが具体的になることで、企業選びの判断材料が増え、自分にマッチする企業を選びやすくなるでしょう。
志望動機を深められる
実際に企業で働くOB・OGの体験談を聞くことで、その企業での働きがいや、実際の業務内容を具体的に把握できます。これにより、その企業で働くイメージがわき、志望動機をより明確にできるでしょう。
また、実際の選考過程で志望理由を伝える際に、OB・OG訪問で得た具体的なエピソードを盛り込むことで、説得力を高めることもできます。
人脈作りができる
OB・OG訪問を通してOB・OGと良好な関係を築けた場合、その後の就活をサポートしてもらえる可能性があります。例えば、就活に関する質問をすることで、具体的なアドバイスを受けられるかもしれません。
もし将来的に同じ職場で働くことになれば、先輩後輩としての関係も生まれます。OB・OG訪問を通してよりよい人脈作りができれば、就活中だけでなく、就職後の心強さにもつながるでしょう。
選考対策のヒントが得られる
すでにその企業の採用プロセスを経験しているOB・OGは、面接での質問内容や、企業が求める人物像などを把握しているため、その企業ならではの選考対策のヒントを得られることがあります。
自信を持って選考に臨むためにも、志望企業のOB・OG訪問は積極的に行っておくことがおすすめです。
OB・OG訪問の流れ
ここでは、OB・OG訪問の一般的な流れを見ていきましょう。
1. 訪問依頼をする
OB・OG訪問を実施するために、まずは訪問するOB・OGを探します。具体的な探し方は「OB・OG訪問先の探し方」でも紹介していますが、学校のキャリア支援センターや専用のOB・OG訪問サービスなどを利用して、OB・OGにアポイントを取ります。
アポイントの際は、自己紹介と訪問をお願いした理由や目的、知りたい情報を明確に伝えることがポイントです。そして、相手の都合に合わせて日時や場所を決めましょう。訪問場所は、オフィス近くのカフェなどが多いようです。
訪問依頼のやり方は、「OB・OG訪問の依頼メールの送り方【例文】」で詳しく解説しています。
2. 事前準備をする
OB・OG訪問当日にスムーズに話を進めるためには、事前準備をしっかり行うことが重要です。
訪問日の前日までに、企業の基本情報や業界の動向、OB・OGの所属部署の業務内容についてリサーチしておきましょう。質問リストの作成や、清潔感のある服装を準備しておくことも忘れずに。
事前準備については「OB・OG訪問の前にやっておきたい事前準備」で詳しく解説しています。
3. 訪問する
訪問先には10分前には到着し、相手が来るまで待ちましょう。訪問当日は時間厳守など、社会人としてのマナーを意識して行動することが大切です。第一印象が重要ですので、失礼のない言葉遣いや行動に気を配りましょう。
OB・OGと会ったら丁寧に挨拶し、自己紹介をします。「本日はお忙しいなか、貴重なお時間をいただきありがとうございます。〇〇大学の〇〇と申します」といった形で、感謝の気持ちを伝えましょう。
その後は、用意しておいた質問にもとづいて会話を進めます。一方的に質問し続けるのではなく、会話を通して相手が話しやすい雰囲気を作ることが大切です。適切に相槌を打ち、必要に応じてメモを取ることもポイントです。
訪問時のマナーや注意点は「OB・OG訪問で気をつけたいマナーと注意点」で詳しく解説しています。
4. お礼メールを送る
訪問後は感謝の気持ちを再度伝えるために、お礼のメールを送ることがおすすめです。訪問当日か、遅くとも翌日までにお礼のメールを送るのが理想的です。
メール本文には「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」といった感謝の言葉に加え、訪問で得た知識や感じたことを簡潔にまとめましょう。
具体的な例文は「OB・OG訪問後に送るお礼メール例文」で解説しています。
OB・OG訪問先の探し方
OB・OG訪問先ってどうやって探せばいいの?
OB・OG訪問先を探す手段は、次の4つがあります。
キャリア支援センターや就職課へ相談
多くの学校のキャリア支援センターや就職課には、先輩や卒業生の連絡先リストがあります。学校のネットワークを活用することで、志望する業界や企業で働いているOB・OGを紹介してもらうことが可能です。
OB・OG訪問を受けてもよいという卒業生のリストなので、信頼性が高く、コンタクトも容易にできます。キャリア支援センターに訪問するか、メールで問い合わせて、希望する企業や業界、OB・OG訪問の目的を伝えることで、適切な人物を紹介してもらえます。
友人や先輩からの紹介
友人や先輩から、興味のある業界や企業で働くOB・OGを紹介してもらう方法です。すでに信頼関係がある友人や先輩から紹介であれば連絡が取りやすく、共通の知り合いがいることで会話を進めやすいといったメリットがあります。紹介を受けた後は、自分から丁寧に連絡を取ることが大切です。
紹介を受けたOB・OGから、さらに紹介を受けることで、OB・OG訪問の機会を広げることもできるでしょう。
OB・OG訪問専用のサービスやアプリの利用
就活に関するサービスやアプリのなかには、OB・OGとの訪問をマッチングする専用サービスもあります。これらのサービスを利用すれば、卒業生以外の訪問先を見つけることが可能です。
代表的なサービスの例
利用する際は、各サービスのWebサイトに登録して自分のプロフィールを整えた後、希望する業界や企業で働くOB・OGにメッセージを送ります。
SNSやビジネスネットワークの利用
近年は、SNSやビジネスネットワークを通じて、OB・OGの訪問先を見つける方もいます。例えば、LinkedInやWantedlyなどのビジネス系SNSでは、企業の社員に直接コンタクトを取ることが可能です。
OB・OGと直接的なつながりがなくてもコンタクトを取れるため、業界や企業を限定せずに幅広い選択肢を持てるでしょう。
OB・OG訪問の依頼メールの送り方【例文】
OB・OG訪問では、社会人に対して失礼のないようビジネスマナーに沿ったメールを送ることが大切です。
ここでは、OB・OG訪問で「アポイントを取るとき」と「日程調整をするとき」の2パターンの例文を紹介します。
アポイントを取るとき
ポイント
- 件名:学校名・氏名・内容を入れる
- 宛名:企業名・部署名・名前を入れる
- 本文:伝える内容を簡潔にまとめる
- メール末尾に署名を入れる
OB・OG訪問でどんな内容を質問する予定なのかも記載しておきましょう!
日程調整をするとき
ポイント
- 件名:返信のときはメールの件名を変更しない
- 本文:複数日程の候補を出す
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OB・OG訪問の前にやっておきたい事前準備
OB・OG訪問は事前準備が重要です。訪問日の前日までに、次の3つを行っておきましょう。
質問リストを作成する
まずは、OB・OG訪問で質問したい内容をまとめたリストを作成しておきましょう。質問内容を明確にしたうえで、「特に聞きたいこと」「時間があれば聞きたいこと」などの優先順位をつけることで、限られた時間を有効に活用できます。
質問を考える際には「なぜこれを聞きたいのか」「自分はどこまで理解しているか」ということも聞かれたら話せるようにしておきましょう。
OB・OG訪問で聞くことのできる具体的な質問内容は「OB・OG訪問で聞きたい質問リスト」で紹介しています。
業界研究・企業研究をする
より具体的な質問内容にするために、事前に企業や業界、相手のプロフィールについてリサーチしておくことも大切です。企業のWebサイトや新卒採用ページなどで、企業理念やミッション、ビジョンを確認しておきましょう。これにより、その企業の方向性や相手の価値観を事前に把握できます。
企業のIR情報やプレスリリース、会社四季報などを見て、企業の業績や新規事業の動向を把握しておくことも重要です。特に、同業他社との違いや強みを理解しておくと、より明確な志望動機が見えてきます。
事前準備をしっかり行うことで、あなたの真剣さも伝わります。
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自己分析を深める
OB・OG訪問では、OB・OGから就活に関するアドバイスをもらえることがあります。自己分析を通じて、自分の強みや弱み、就活における目標を整理しておくことで、的確なアドバイスを受けやすくなります。
また、就活について悩んでいることがあれば、それを言語化しておくことで、より具体的な話し合いができるでしょう。
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OB・OG訪問で聞きたい質問リスト
OB・OG訪問は、企業の雰囲気や実際の仕事内容について、リアルな話を聞ける貴重な機会です。限られた時間をより充実させるためには、聞きたい内容を事前に考えておくことが重要です。
ここでは、OB・OG訪問で役立つ質問リストを、次の内容別に紹介します。
仕事内容についての質問
質問例
- 1日の業務の流れを教えてください。
- 具体的な仕事内容や担当業務を教えてください。
- 入社1〜3年目のときに、どのような業務を任されましたか?
- チームでの仕事の進め方や、他部署との連携について、工夫されていることはありますか?
- 現在の業務でやりがいを感じる点、逆に難しいと感じる点は何ですか?
- 業務を進めるうえで、大切にしている価値観や姿勢はありますか?
- 入社前と入社後で、仕事に対するイメージにギャップはありましたか?
業界についての質問
質問例
- この業界で働く魅力や楽しみは何ですか?
- この業界の目標は何だと思いますか?
- この業界で長く働くために、大切なことは何だと思いますか?
- この業界における今後のトレンドや注目している技術やサービスはありますか?
- この業界の課題や将来性についてどのように考えますか?
- この業界で働くうえで、苦労した点や改善すべき点は何だと思いますか?
- 業界のなかでも、この企業がどのようなポジションに位置しているのか教えてください。
企業の雰囲気・職場環境についての質問
質問例
- 職場の雰囲気はどうですか?
- 社内で大事にされている価値観や文化は何ですか?
- 社員同士のコミュニケーションはどのように取られていますか?
- 社内の人間関係や、上司とのコミュニケーションの取り方について教えてください。
- ワークライフバランスはどのように保っていますか?
- 社員同士の交流を目的としたイベントなどはありますか?
キャリアパスや将来の展望についての質問
質問例
- 入社後のキャリアパスについて教えてください。
- 異動や転勤の可能性はありますか?
- 社員のスキルアップや研修制度は充実していますか?
- どのような経験やスキルが将来のキャリアアップに役立つと思いますか?
- リーダーやマネージャーになるために必要な要素は何だと思いますか?
- 産休、育休後の働き方やキャリアアップのチャンスについてどのように感じていますか?
就活や選考対策についての質問
質問例
- なぜこの企業を選んだのですか?決め手になったポイントを教えてください。
- 面接で特に重視されたポイントや、聞かれた質問にはどのようなものがありましたか?
- 就活時にやっておけばよかったと感じる準備は何かありますか?
- 入社後に役立つスキルや知識があれば教えてください。
- 選考過程で意外だった点や、難しいと感じたことはありましたか?
ライフスタイル・プライベートとの両立についての質問
質問例
- 休日の過ごし方や、趣味とのバランスはどのように取っていますか?
- 残業はどのくらいありますか?繁忙期と通常期では働き方はどのように変わりますか?
- 育児や介護など、ライフステージに応じた制度の利用しやすさはどう感じていますか?
ライフスタイルやプライベートに関する質問は、あくまで「仕事との両立」といった観点で質問内容を考えることが大切です。ビジネスの場での適切な距離感を保つためにも、プライベートに踏み込みすぎる質問は避けましょう。
OB・OG訪問で気をつけたいマナーと注意点
OB・OG訪問では、社会人としてのマナーを意識して行動することが大切です。ここでは、OB・OG訪問に参加する前に知っておきたいマナーや注意したいポイントを紹介します。
- 時間を厳守する
- 清潔感のある服装と身だしなみを意識する
- 丁寧な言葉遣い・正しい敬語を使う
- 相手の話をしっかり聞く
- 質問内容・話題に気をつける
- 相手が費用を負担する場合は感謝の言葉を伝える
- 名刺をもらった場合はすぐにしまわない
- 個人情報やプライバシーに配慮する
時間を厳守する
OB・OG訪問当日は、10分前に到着するのが理想です。早く到着し過ぎた場合は、近くで時間を調整し、訪問先に迷惑をかけないよう配慮します。遅刻は信頼を損なう原因となるため、十分に注意しましょう。
万が一、交通機関の遅延などで遅れる場合は、すぐに連絡を入れます。その際には、謝罪とともに遅れる理由、そして到着予定時間を具体的に伝えましょう。
清潔感のある服装と身だしなみを意識する
OB・OG訪問の服装はスーツが無難です。相手や場所によってはビジネスカジュアルも選択肢になります。例えば、もとから親交のある先輩や卒業生と会う場合や、カフェなどリラックスした雰囲気での訪問の場合、ビジネスカジュアルが適していることもあります。服装に関する指示があれば、それに従いましょう。
不安な場合は、事前に相手に服装の指示を確認することもおすすめです。
清潔感があり、TPOに合った服装を心がけることが大切です。髪型やシューズ、爪など、細かい部分もチェックし、清潔感のある身だしなみを意識しましょう。
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丁寧な言葉遣い・正しい敬語を使う
OB・OG訪問の相手は年上の社会人なので、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。「です・ます調」で話すことはもちろん、「よろしければ」「差し支えなければ」などのクッション言葉を添えることで、より丁寧な印象になります。
また、相手への敬意を示すために、正しい敬語を使うことも重要です。
正しい敬語の例
- 相手のことは「御社」と表現する
- 同意を示すときは「かしこまりました」「承知いたしました」を使う
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相手の話をしっかり聞く
面談中は、自分が話す時間よりも相手の話を聞く時間を意識することが大切です。相手が話している間は適度に相槌を打ち、表情やジェスチャーで積極的に反応することで、相手も話しやすい環境が作られます。
相手の話を聞きながら、重要なポイントやアドバイスをメモすることもおすすめです。
話したいことや質問したいことが多くても、相手が話している途中で割り込むことは避けましょう。相手が話し終わってから、自分の質問やコメントを伝えます。
質問内容・話題に気をつける
OB・OG訪問では、さまざまな話を聞いたり、自分の考えを伝えたりする機会が得られますが、質問内容や話題には一定の配慮が必要です。例えば、現在の就活がうまくいっていない場合でも、それを愚痴や悩み相談のように伝えるのではなく、ポジティブな姿勢を保ちながら話を進めることが大切です。
給料や福利厚生に関する情報は、Webサイトなどに記載されていることもあるので、質問する前にまずは自分で調べてみましょう。よりリアルな情報が知りたい場合は「働き方」や「1日の流れ」などの質問をしてみることがおすすめです。
相手が費用を負担する場合は感謝の言葉を伝える
オフィスではなくカフェなどでOB・OG訪問を行う場合、相手がドリンク代などの費用を出してくれることもあります。その場合でも、まずはお財布を出し、自分で支払う姿勢を示しましょう。
そのうえで、支払ってもらった場合は「ごちそうさまでした」「ありがとうございました」といった感謝の言葉を述べることが大切です。
名刺をもらった場合はすぐにしまわない
相手から名刺を受け取る際は、両手で丁寧に受け取り、相手の名前を確認しながら「頂戴いたします。ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えましょう。
受け取った名刺は、その場ですぐにしまうのではなく、面談中は机の上に置いておきます。面談が終わった後に、名刺入れやファイルに丁寧にしまいましょう。
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学生でも名刺は必要?正しい受け取り方やマナーを紹介
就活やインターンシップでは企業担当者から名刺を受け取る機会があります。学生の場合、名刺の用意は必須ではありませんが、名刺の受け取り方のマナーを押さえておくことは大切です。この記事では、名刺の受け取り方を学生向けにわかりやすく解説します。
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個人情報やプライバシーに配慮する
訪問先で得た情報を、SNSや会話などでほかの人にシェアすることは避けましょう。許可なく情報を公開することはトラブルの原因になりかねません。
相手から連絡先を教えてもらった場合、過度にプライベートなやり取りをしないようにすることも大切です。訪問後の感謝メールや必要な連絡に留めましょう。
OB・OGの方が親身になって話を聞かせてくれたとしても、後日重ねて何度も相談することのないよう、一度の面談を充実させることを意識しましょう。また、特にお世話になった方には就職活動が終わったときに、改めてお礼と進路について報告すると、仕事のご縁につながるかもしれませんね。
注意!OB・OG訪問でトラブルにならないための心得
OB・OG訪問は、OB・OGが勤務するオフィスや職場、店舗など指定された場所、もしくはカフェなどの公の場で日中に訪問することが基本です。20時以降などの遅い時間の訪問や、カラオケルームや自宅などのプライベートな場所での面談は、トラブルの原因となる可能性があるため避けましょう。
また、訪問時にアルコールを伴う飲食の場も避ける必要があります。アルコールが入ることで、気を緩めすぎてしまい、ビジネスの範囲を超えた発言や行動が発生する恐れがあるためです。
個人的な質問や連絡先の交換には、必ずしも応じる必要はありません。無理に踏み込むことをせず、適切な距離感を保ちましょう。
OB・OG訪問後に送るお礼メール例文
OB・OG訪問を終えたら、当日もしくは翌日までにお礼のメールを送ることがおすすめです。お礼メールは必須ではありませんが、感謝の気持ちに加え、訪問時に得た学びや感想を共有することで、丁寧な印象を与えられます。
お礼メールのポイント
- 件名:「OB・OG訪問のお礼(◯◯大学 △△)」などと簡潔に書く。
- 挨拶:企業名・部署名・相手の名前の後に敬称「様」を書く。
- 感謝の言葉:訪問の機会をいただいたことに対する感謝を述べる。
- 内容:訪問で得た学びや印象的な話題、感想などを簡潔に述べる。
- 締めの言葉:今後の抱負やお礼を再度述べる。
お礼メールの例文
【宛名】◯◯株式会社 △△部 ◯◯××様 xxx_xxx@xxxx.com
【件名】OB・OG訪問のお礼(◯◯学校 青山太郎)
◯◯株式会社 △△部 ◯◯××様
お世話になっております。
◯◯学校の青山太郎です。
本日はお忙しいなかお話を伺わせていただき、
誠にありがとうございました。
お話を通じて、御社での具体的な業務内容や職場の雰囲気について
深く知ることができ、とても有意義な時間となりました。
また、〇〇様からのアドバイスを通じて、業界の現状や仕事に対する姿勢について学び、
自分自身の就職活動に活かしていきたいと強く感じております。
今後とも、ぜひご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
メールにて恐縮ですが、感謝の気持ちをお伝えさせていただきました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
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青山 太郎(あおやま たろう)
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科
メールアドレス:aoyama_tarou@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
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よくある質問
OB・OG訪問とは何ですか?
OB・OG訪問は、興味のある企業で実際に働いているOB・OGを訪問し、企業や仕事に関する話を聞く機会です。企業の雰囲気や仕事内容などを直接聞けるため、就活において貴重な情報収集手段のひとつです。
OB・OG訪問で聞くことは?
OB・OG訪問では、企業の雰囲気、仕事の具体的な内容、1日の業務の流れ、キャリアプラン、職場の環境などを聞くことがおすすめです。Webサイトや求人情報などでは知ることのできない、リアルな情報を得られるでしょう。
OB・OG訪問の服装は何がいいですか?
OB・OG訪問の服装はスーツが無難です。カジュアルな雰囲気の場や業界によっては、ビジネスカジュアルも選択肢になります。TPOを考慮し、訪問先や業界・企業の雰囲気に応じて、清潔感を意識した服装を選びましょう。不安な場合は、事前に相手に服装の指示を確認することもおすすめです。
OB・OG訪問のアプリには何がありますか?
OB・OG訪問をサポートするアプリには、「ビズリーチ・キャンパス」や「Matcher」などがあります。これらのアプリは卒業生とのマッチングを提供しているため、学生が簡単にOB・OGとつながり、訪問を申し込むことが可能です。
OB・OG訪問で手土産は必要ですか?
手土産は必要ありません。OB・OG訪問は、あくまで学生の就活の一環として行われるもので、面接や正式なビジネスミーティングとは異なるためです。また、企業によっては学生からの手土産などの物品の受け取ることを禁止している企業があります。 重要なのは、誠実さや感謝の気持ちを伝えることです。訪問後に感謝のメールを送るなど、適切なフォローをすることが望ましいでしょう。
監修者情報
監修者:遠藤 美穂子さん
新卒で東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行、営業店・本部にて法人営業に携わるほか、新人研修講師、採用面接官も経験。
現在はキャリアコンサルタントとして大学での就活支援、キャリア系講義、社会人向けのビジネスマナーやキャリア開発研修などを行っている。
資格:国家資格キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士