「都合が悪い」という表現は、相手からの依頼や予定に応じられない場合に用いられますが、直接的に伝えると相手に対して失礼な印象を与える可能性があります。特に、就活やビジネスといったフォーマルな場面では、丁寧な敬語に言い換えて伝えることが大切です。
この記事では、「都合が悪い」の正しい意味や、敬語に言い換える際に適した表現や、日程変更を依頼する際のポイントなどを詳しく解説します。具体的なメール例文も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ビジネスの場において、一般的に「都合が悪い」という直接的な表現は使用しない
- 「都合が悪い」を別の言葉に言い換えたうえで、クッション言葉を添えると丁寧な印象になる
- 日程変更が必要な場合は、都合が悪いとわかった時点で早めに相手に連絡することが大切
「都合が悪い」の正しい意味
「都合が悪い」とは、予定や状況、事情によって何かを行うことが難しい、あるいはタイミングが適切ではないことを指す表現です。おもに相手の依頼や予定に応じられない場合に用いられます。
しかし、「都合が悪いです」という表現はやや直接的で、相手に失礼な印象を与えることがあります。ビジネスやフォーマルな場面においては「都合をつけられない」「都合をつけるのが難しい」といった表現を使うことが一般的です。
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「都合が悪い」を敬語に言い換える表現
「都合が悪い」は、次の4つの表現に言い換えることができます。
「都合がつかない」
「都合がつかないため」は、スケジュールの調整が難しい状況を穏やかに伝えたい場合に便利な表現です。「都合が悪いです」と直接断るよりも、「都合がつかない」という表現にすることで、「やむを得ない状況」であることを柔らかく伝えられます。
例
恐れ入りますが〇日は都合がつかないため、別の日程をご調整いただけませんでしょうか。
敬語では「都合」を「ご都合」と表現することもありますが、自分の都合について述べる際には、「ご」をつけないことが正しい敬語表現です。
「所用がある」
「所用」は「用事」の丁寧な言い方です。「所用がありまして」という表現は、直接的な理由を避けつつ、予定が埋まっていることを間接的に伝えたい場合に適しています。具体的な理由に触れない表現のため、相手が無理に詳細を尋ねることなく、自然に理解してもらいやすくなります。
例
恐れ入りますが、〇月〇日は所用があり、参加が難しい状況です。別の日程をご調整いただけますと幸いです。
「予定が入っている」
すでに予定があることを明確に伝えながら、丁寧に断る方法も有効です。日程変更の要望やスケジュールの調整を依頼する場面に適しています。理由を深く追求されず、相手に自然に受け入れてもらいやすい印象を与えます。
例
〇日は予定が入っているため、別の日程でお願いできますでしょうか。
「調整が難しい状況で」
スケジュールの都合を理由に断る際に適した表現です。個人的な都合を持ち出さず、「調整が難しい状況で」と表現することで、理由を追求される可能性が低くなり、相手に理解してもらいやすくなります。
例
〇日の調整が難しい状況です。大変恐縮ですが、◯日または◯日でご調整いただくことは可能でしょうか。
「調整が難しい状況で」だけで終えるのではなく、続けて別の日程を提案すると、その後の調整がスムーズに進みます。
「都合が悪い」をより丁寧に伝えるクッション言葉
クッション言葉とは、相手に伝えたい内容を、柔らかくするために使う言葉です。「都合が悪い」を伝える際も、次のようなクッション言葉を用いると、相手への配慮が伝わる表現になります。
「恐れ入りますが」
「恐れ入りますが」は、日程変更や依頼をする際に、控えめで丁寧な印象を与えるクッション言葉です。謙虚さや恐縮している気持ちが伝わり、依頼内容を受け入れてもらいやすくなります。
例
〇日は所用があり、調整が難しい状況です。恐れ入りますが、別の日程でご調整いただけますでしょうか。
「申し訳ありませんが」
「申し訳ありませんが」は、相手への迷惑や手間を配慮し、謝罪の気持ちを込めて断る場合に適した表現です。相手に負担をかけていることを示しながら、理由を柔らかく伝えることができます。
例
申し訳ありませんが、〇日は別件が入っており調整が難しい状況です。
「大変恐縮ですが」
「大変恐縮ですが」は、特に重要な場面での断りや依頼に適しており、相手の立場や時間を尊重していることが感じられる表現です。控えめに理由を伝えることで、配慮が伝わります。
例
大変恐縮ですが、〇日にお伺いすることが難しい状況です。
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「都合が悪い」を伝えるメール例文【シーン別】
就活の場面でも、「都合が悪い」と伝える必要が出てくる場合があります。ここでは、5つのシーン別に「都合が悪い」を丁寧に伝えるメール例文を紹介します。
面接の日程変更をお願いする場合
メール例文
〇〇株式会社 採用担当者様
お世話になっております。
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科 の青山です。
この度は面接日程のご案内をいただき、誠にありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、ご案内いただいた〇月〇日の面接について、
都合がつかず、お伺いすることが難しい状況です。
大変恐縮ではございますが、〇月〇日以降で再度ご調整いただくことは可能でしょうか。
ご迷惑をおかけしまして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
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青山 太郎(あおやま たろう)
◯◯学校 △△学部 ✕✕学科
メールアドレス:aoyama_tarou@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
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面接の時間変更をお願いする場合
メール例文
〇〇株式会社 採用担当者様
お世話になっております。
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科 の青山です。
この度は面接の機会をいただき、誠にありがとうございます。
恐れ入りますが、いただいた時間帯での調整が難しく、
〇時以降でご調整いただくことは可能でしょうか。
お手数をおかけし申し訳ございませんが、再度ご調整いただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
---------------------------------------
青山 太郎(あおやま たろう)
◯◯学校 △△学部 ✕✕学科
メールアドレス:aoyama_tarou@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
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面接当日の急な変更を依頼する場合
メール例文
〇〇株式会社 採用担当者様
お世話になっております。
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科 の青山です。
本日予定されている面接に関しまして、大変申し訳ございませんが、
急な事情により、指定のお時間に伺うことが難しい状況となりました。
大変恐縮ですが、可能であれば別の日時で再調整いただけますと幸いです。
ご迷惑をおかけしまして申し訳ございませんが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
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青山 太郎(あおやま たろう)
◯◯学校 △△学部 ✕✕学科
メールアドレス:aoyama_tarou@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
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複数日程から選ぶ際に、都合の悪い日を伝える場合
メール例文
〇〇株式会社 採用担当者様
お世話になっております。
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科 の青山です。
ご案内いただいた日程のうち、〇月〇日と〇日はあいにく都合がつかず、
〇月〇日でご調整いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐縮ではございますが、ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
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青山 太郎(あおやま たろう)
◯◯学校 △△学部 ✕✕学科
メールアドレス:aoyama_tarou@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
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企業説明会への参加が難しい場合
メール例文
〇〇株式会社 採用担当者様
お世話になっております。
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科 の青山です。
大変恐縮ですが、〇月〇日の説明会に関しては、別の予定があり参加が難しい状況です。
また別の機会がございましたら、ぜひ参加させていただきたいと存じます。
お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
---------------------------------------
青山 太郎(あおやま たろう)
◯◯学校 △△学部 ✕✕学科
メールアドレス:aoyama_tarou@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
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面接の日程変更メールの送り方!お礼や返信のポイントを例文付きで紹介
面接の日程変更に関する連絡は、メールで行っても構いません。メールでは、変更に関する謝罪、リスケの候補日時を伝えましょう。面接の前日や当日に行けなくなったときは、まず電話で「行けなくなった」と担当者に伝えましょう。
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都合が悪いときに日程変更を依頼する際のポイント
都合が悪いときに日程変更をお願いする際は、相手に配慮した対応を心がけることが重要です。具体的には、次の5つのポイントを意識してみましょう。
都合が悪いことがわかった時点で早めに連絡する
都合が悪いことがわかり次第、できるだけ早めに連絡することが大切です。直前の連絡では、相手が何かしらの準備を始めている可能性もあるため、遅くとも数日前までには連絡を入れましょう。
相手が新たな日程を提示してくれた場合は、すぐに返信し、スムーズに調整を進めることを心がけます。
前日や当日の変更なら電話で連絡する
もし前日や当日に変更が必要になった場合は、メールではなく電話で連絡を入れましょう。当日はメールを確認してもらえない可能性があるため、電話のほうが確実です。
急な変更に対して直接連絡をすることで、誠実な印象を与え、相手に迅速な対応を促せます。電話では、当日の連絡になってしまったことを謝罪し、状況を簡潔に伝えたうえで、調整可能な日程を提案しましょう。
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感謝とお詫びの言葉を添える
日程変更の依頼を受けてもらったら、「お忙しいなかご対応いただきありがとうございます」「お時間を頂戴しているのに申し訳ございません」といった感謝とお詫びの言葉を添えましょう。こうした言葉を添えることで、相手に敬意と配慮が伝わり、気持ちよく応じてもらいやすくなります。
理由は簡潔に述べる
変更の理由は、できるだけ簡潔に伝えることがポイントです。具体的な事情や詳細な説明は不要で、「予定があるため」や「やむを得ない事情で」といった一般的な表現を使うことで、相手に不快感を与えずに済みます。相手が安心して対応できるように、無駄な情報は省きつつ、丁寧さを意識しましょう。
代替日程を提案する
日程変更をお願いする際は、提示された日程での調整が難しいことを伝えたうえで、いくつかの代替日程を提案しましょう。これにより、相手がスケジュールを調整しやすくなります。
例えば、「〇月〇日か〇日はいかがでしょうか?」と具体的な日付を提示することで、相手に負担を感じさせず、調整がスムーズに進みやすくなります。
細かい日付の指定が必要ない場合は、「平日の日中であれば調整可能です」や「〇月〇日以降であればいつでも構いません」と、大まかなスケジュールを伝えるのもおすすめです。
よくある質問
「都合が悪い」を敬語に言い換えるなら?
「都合が悪い」を敬語で表現するには、「都合がつかないので」「所用がありまして」「予定が入っておりまして」「どうしても外せない用事がございまして」などが適しています。
「「都合が悪い」を敬語に言い換える表現」で詳しく解説しています。
「都合がつかない」の丁寧語は?
「都合がつかない」を丁寧に言い換える場合、「都合がつきかねまして」や「調整が難しい状況で」といった表現があります。また、「恐れ入りますが」「大変恐縮ですが」といったクッション言葉を添えると、より柔らかな印象になります。
都合が悪くて予定をキャンセルしたいとき、メールでの断り方を教えてください。
都合が悪い旨を伝えるメールでは、まず感謝を述べ、続いて「先約がありまして」や「調整が難しく」と都合を伝えましょう。最後に代替日程の提案やお詫びの一文を加え、「お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします」といった文で締めくくります。
「ご都合が悪いようでしたら」の言い換えは?
「ご都合が悪いようでしたら」は、次の表現に言い換えることが可能です。