ビジネスメールでは、宛名や書き出しの挨拶と並んで、締めの言葉を使うことが重要です。締めの言葉には「よろしくお願いいたします」のような一般的な表現以外にも、さまざまなバリエーションがあります。メールの内容にあわせた締めの言葉を使うことで、より丁寧な印象を与え、相手への配慮も伝わるでしょう。
この記事では、ビジネスメールにおける締めの言葉の必要性や、内容別の例文、使い方のポイントなどを詳しく解説します。状況にあわせて適切な締めの言葉を使えるように確認していきましょう。
この記事でわかること
- メールの場合はどんな内容でも締めの言葉を使用する
- 相手との関係性や立場に応じた適切な締めの言葉を使うことも大切
- 締めの言葉はクッション言葉を用いることでより丁寧な印象になる
ビジネスメールでは締めの言葉まで重要!
ビジネスメールは用件だけで終わらせるのではなく、締めの言葉を添えることが重要です。メールの締め方によって、相手に与える印象は変わってきます。適切な締めの言葉を使うことで、相手に対して礼儀正しく、丁寧な印象を与えることができるでしょう。
また、締めの言葉によっては、相手にメールの目的や意図を再確認してもらうことができます。例えば、確認や返信を求める場合は、締めの言葉で「ご確認をお願いいたします」「ご返信をいただけますと幸いです」と明確に伝えることで、相手が次のアクションを取りやすくなります。
どんなメールの内容でも締めの言葉は必要?
やりとりが何度か続いている場合や、メールの内容が短い場合など、締めの言葉を入れたほうがいいか迷うかもしれません。しかし、どんな内容でも締めの言葉を入れることがおすすめです。
チャットツールの場合は要件だけで問題ないこともありますが、メールはマナーや形式が重要視される傾向があります。また、用件だけのメールは素っ気ない印象になりがちです。メールでは、相手への気遣いを意識して、適切な締めの言葉を使いましょう。
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ビジネスメールで使える締めの言葉の例文【内容別】
締めの言葉は、メールの内容によって変わります。ここでは、ビジネスメールで使える締めの言葉を内容別で紹介します。
どんなシーンでも使える締めの言葉
ビジネスメールにおいて、シーンを問わず頻繁に使われている締めの言葉です。「よろしくお願いいたします」以外にも、さまざまな表現があります。
例文
- よろしくお願い申し上げます。
- 何卒よろしくお願いいたします。
- 引き続き、よろしくお願いいたします。
- 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
- お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
- ご多忙のところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
上司や取引先に対してはより丁寧な表現にするなど、相手によっても使い分けてみましょう。
お願いや依頼をするメール
添付資料を確認してほしいときや、質問に答えてほしいときなど、何か依頼やお願いがある場合の締めの言葉です。お願いや依頼の内容をさりげなく伝えることで、相手に次のアクションを促すことができます。
例文
- お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
- お手数をおかけいたしますが、ご回答いただけますと幸いです。
- お力添えのほど、よろしくお願いいたします。
- お手数ですが、ご対応のほどよろしくお願いいたします。
- ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
- お忙しいところ大変恐縮ですが、ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。
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お詫び・謝罪をするメール
お詫びや謝罪をするメールでは、締めの言葉でも改めて謝罪の言葉を述べます。「すみません」はカジュアルな言い回しとなるため、ビジネスメールでは「申し訳ございません」などの丁寧な表現を使いましょう。
例文
- この度は、ご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。
- ご迷惑をおかけしましたことを深く反省しております。
- 多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
- ご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます。
- この度はご迷惑をおかけしましたことを、重ねてお詫び申し上げます。
感謝・お礼を伝えるメール
感謝やお礼を伝える場合、相手への感謝の気持ちを本文で伝えるのに加え、締めの言葉でも伝えましょう。
例文
- ご協力いただき、誠にありがとうございます。
- いつもお力添えをいただき、ありがとうございます。
- この度の件につきまして、謹んでお礼申し上げます。
- お忙しいなか、ご対応いただき感謝申し上げます。
- この度はご支援を賜り、誠にありがとうございました。
- この度は迅速なご対応、誠にありがとうございました。
- 重ねてお礼申し上げます。
お礼の言葉のあとに「今後ともよろしくお願いいたします」といった言葉を添えることもおすすめです。
お断りを伝えるメール
お断りのメールでは、相手への配慮と丁寧さが求められます。伝え方によっては冷たい印象になりやすいため、できるだけ丁寧に断ることを意識してみましょう。
例文
- またの機会がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
- またの機会にご縁がございましたら、どうぞよろしくお願い申し上げます。
- ご期待に応えられず誠に申し訳ございません。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
- この度はご期待に沿えず心苦しい限りですが、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
- この度はご期待に沿えず申し訳ございません。今後とも変わらぬご愛顧をお願い申し上げます。
お断りの言葉は感謝の気持ちとあわせて伝えることで、相手への配慮を示せます。
返信を求めるメール
返信を求めるメールの締めの言葉は、相手に対する敬意を保ちながらも、具体的に返信をお願いすると、相手に伝わりやすくなります。
例文
- ご返信をお待ちしております。
- ご返信を心よりお待ち申し上げます。
- お返事をいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
- お手数をおかけしますが、ご返事お待ちしております。
- お忙しいところ恐縮ですが、ご回答のほどよろしくお願い申し上げます。
- お忙しいところ恐れ入りますが、何卒ご返信のほどよろしくお願い申し上げます。
返信不要メール
返信不要を伝える締めの言葉は、相手に伝えておきたい情報があるものの、返信が必須ではないときに、相手に返信する労力をかけさせないための配慮として使用できます。ただし、「返信不要です」のみなど、伝え方によっては冷たい印象になるため、できるだけ丁寧な表現を心がけましょう。
例文
- ご確認いただければ、ご返信には及びません。
- 何か問題やご不明点がございましたら、遠慮なくお知らせくださいませ。
- 本件に関して、特にご返信の必要はございません。ご不明点などございましたら、いつでもご連絡ください。
相手を気遣うメール
相手を気遣う締めの言葉を用いることで、相手に対する思いやりや優しさが伝わり、心地よい印象を与えることができます。
例文
- お体にお気をつけてお過ごしください。
- ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
- 末筆ながら、皆様のご健康をお祈りいたしております。
「ご自愛ください」は、体調が整っている人に使用する言葉であり、体調が優れない方への使用は、不適切なため注意が必要です。
例文(体調が悪い人を気遣う場合)
- お大事になさってください。
- どうか十分にご静養なさってください。
- 取り急ぎメールにて、お見舞い申し上げます。
ビジネスメールで締めの言葉を書くときのポイント
ここでは、ビジネスメールで締めの言葉を書く際に、覚えておきたいポイントを紹介します。
相手との関係性や立場に応じた言葉を使う
相手との関係性や立場に応じた適切な締めの言葉を使うことで、相手との関係性を良好に保ち、ビジネスや個人のコミュニケーションを円滑に進めることができます。
関係性や立場ごとの例文を見ていきましょう。
上司・目上の人・先生・面接官など
上司や目上の人には、敬意を示す表現を使うことが求められます。より丁寧な表現を心がけましょう。
例文
- お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
- ご多忙のところご対応いただき、誠にありがとうございます。
同僚・社内の他部署の人など
同僚や社内の他部署の人には少しカジュアルな表現でも問題ない場合があります。ただし、ビジネスの場であることを忘れずに、適切な言葉を選びましょう。
例文
- ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
- お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
クライアント・取引先など
クライアントや取引先には、プロフェッショナルかつ丁寧な表現を心がけましょう。
例文
- 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
- 何卒ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
クッション言葉を使う
クッション言葉とは、直接的な表現を和らげ、相手に対して柔らかく丁寧な印象を与える言葉のことです。特にビジネスメールでは、クッション言葉を用いることでより丁寧な印象になります。
クッション言葉の例
- お手数をおかけしますが
- 恐れ入りますが
- 差し支えなければ
- 心苦しいのですが
- ご多忙のところ恐縮ですが
確認や対応を促すときにクッション言葉を用いると、相手への配慮が伝わります。
例文
- ご多忙のところ恐縮ですが、ご確認をお願いいたします。
- ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、再度ご確認いただけますか。
- 心苦しいのですが、再度ご対応いただけますでしょうか。
謝罪やお詫びをするときも、クッション言葉を用いて、より丁寧に伝えることを心がけましょう。
例文
- 大変申し訳ございませんが、納期が遅れる見込みです。
- ご多忙のところ恐縮ですが、早急に対応させていただきますので、少々お待ちいただけますでしょうか。
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必要に応じて季節の言葉を添える
季節の挨拶も締めの言葉として取り入れることもおすすめです。メールで季節を踏まえた気遣いがあると、相手を重んじていること、マナーや礼儀を大切にしていることが伝わります。
ただし、やりとりが何度か続いている場合や、前回の連絡から時間が経っていない場合などは、その度に季節の挨拶を入れると大げさな印象になるかもしれません。重要な連絡のときだけ入れるなど、状況に応じて使用してみましょう。
例文
- 厳しい暑さが続いておりますので、ご自愛くださいますようお祈りいたします。
- 季節の変わり目ですので、お体にお気をつけてお過ごしください。
- 寒暖の差が激しい時節柄、くれぐれもご自愛ください。
- 寒さが厳しくなってまいりましたので、あたたかくしてお過ごしください。
締めの言葉の後に署名を入れる
締めの言葉の後には「署名」を付けます。署名は、氏名や連絡先など、送り手の情報をまとめて示すものです。
氏名(ふりがなを振る)、所属(学校名・学部名・学科名)、連絡先(メールアドレス・電話番号)などの情報を入れて、本文との境目がわかりやすくするために「-----」のような罫線で囲みましょう。
署名の例
-----------------------
青山 太郎(あおやま たろう)
◯◯大学 ✕✕学部 △△学科
メールアドレス:aoyama_tarou@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
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よくある質問
ビジネスメールでよく使われる締めの言葉は何ですか?
一般的な締めの言葉としては「よろしくお願いいたします」「どうぞよろしくお願いいたします」「お手数おかけしますがよろしくお願いいたします」などがあります。
そのほか、内容別の例文は「ビジネスメールで使える締めの言葉の例文【内容別】」で紹介しています。
お礼メールの最後の締めくくりは何がいいですか?
お礼メールでの最後は、次のような締めの言葉で再度感謝を伝えることがおすすめです。
- いつもお力添えをいただき、ありがとうございます。
- このたびの件につきまして、謹んでお礼申し上げます。
- この度は迅速なご対応、誠にありがとうございました。
- ご協力いただき、誠にありがとうございます。
- 重ねてお礼申し上げます。
目上の人へのメールで使える締めの言葉は何がありますか?
目上の人に使うメールの締めの言葉としては、丁寧で敬意を示す表現が適しています。
- 何卒よろしくお願い申し上げます
- 今後ともご指導のほど、よろしくお願い申し上げます
- 引き続きよろしくお願い申し上げます
など
メールの結びに「ご自愛ください」は使えますか?
はい。「ご自愛」は季節の変わり目や体調を気遣うシーンで使える表現です。例えば「季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください」「どうぞご自愛くださいませ」のように使用できます。
ただし、「ご自愛」は健康な人に対して体調を崩さないよう気遣う言葉であるため、相手から体調不良などの連絡があった場合の返信では使いません。体調不良の方に対しては、「どうぞお大事になさってください」などを使いましょう。