内定辞退の連絡は、事情がある場合を除き電話が望ましいでしょう。メールでの連絡も可能ですが、電話だと採用担当者へ決断したその日のうちに直接辞退すると伝えられること、誠意を伝えられることがメリットです。
電話連絡をする前に、何を伝えればいいのか、採用担当者が不在だったときの対応方法などをイメージしておきましょう。
この記事でわかること
- 内定辞退は問題ないが、連絡のタイミングや伝え方が重要となる
- 内定辞退の連絡は、採用担当者に直接伝えられる電話が望ましい
- 内定辞退をする理由、内定を受けた他企業については、答えなくても問題はない
監修者からのコメント
内定を辞退するときは、申し訳なさや、引き止められたらどうしようといったいろいろな気持ちが混じり、連絡に勇気がいることでしょう。それでも、就職できる先は一社だけです。企業も受け入れ準備を進めているので、辞退すると決めたら速やかに連絡をして感謝の気持ちを伝え、次に進みましょう。
内定を辞退することは問題ない
「せっかくもらった内定を辞退するのは失礼」「断りづらい」と思う方もいるかもしれませんが、内定辞退をすることは問題ありません。重大な決断に悩むかもしれませんが、辞退する際は早めに伝えることが大切です。
内定辞退をする際は、企業への配慮もしつつ連絡をしましょう。
内定承諾後の辞退も可能だが要注意
内定を通知されたあとの流れは、こちらのとおりです。
- 内定通知
- 書類を受け取り雇用条件の確認
- 内定承諾書に記入し返送
- 労働契約成立
- 研修(有無は企業により異なる)
- 入社
労働契約は、内定承諾書に記入し返信をした段階で成立します。企業は契約成立後から新入社員の入社準備を本格的に進めるため、多大な迷惑をかけてしまうかもしれません。また、労働契約の解約となるため、書類の提出が別途必要になるなど、手続きが複雑になる可能性があります。
より志望度の高い企業の選考結果を待っている場合などは、内定承諾を保留できないか相談してみましょう。
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内定承諾書とは?封筒の書き方や返送・送り方、内定辞退の可否を解説
入社意思を企業に示すための「内定承諾書」。返送する際は、添え状を同封すること、封筒の記入方法にも注目しましょう。内定承諾書の提出後に内定を辞退することは可能ですが、提出前に内定を受けるか十分に確認しておくことが大切です。
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内定辞退の連絡は電話?メール?
内定辞退の連絡は、電話が望ましいでしょう。「電話が苦手」という方も、メールだけではなく電話で断ることをおすすめします。
どんな言葉で伝えたらいいかわからないときは、「【電話】内定辞退の例文」「【メール】内定辞退の例文」を参考にしてみてください。
確実かつ早急に要件を伝えられる「電話」が望ましい
電話は、採用担当者に連絡をしたタイミングで内定辞退をすること、感謝・お詫びの気持ちを直接伝えられることがメリットです。メールでは、採用担当者が外出、出張、休暇などで数日間閲覧できない場合、あなたが内定を辞退することの確認が遅れる可能性があります。
担当者がメールを見落としてしまうというリスクもあります。
このような理由から、内定辞退という大切な要件を、確実で早急に伝えられる電話のほうが望ましいでしょう。
事情がない限りはメールのみの連絡は避けたい
採用担当者が常にメールを確認できる状態であれば、メールのみでも問題ないかもしれません。しかし、直接話せる電話のほうが感謝・お詫びの気持ちを伝えやすいといえます。
何らかの理由があり電話ができないときは、メールのみでの連絡となったことに対する謝罪の一言を入れておきましょう。
メールにもメリットはあり、「誰がいつ内定を辞退した」という記録を残せます。このことから、電話で内定を辞退したあと、記録を残す目的でメールを送信しておくのもおすすめです。
内定辞退を決めた時点で早急に連絡をする
内定辞退は「辞退する」と決めてから、できるだけ早いタイミングで連絡しましょう。辞退するか悩んでいるときは、次の2つの対応を検討してみてください。
辞退するか悩む場合でも内定式までには連絡をする
内定式とは、内々定を出した学生に対して、正式に内定を出す・通知をするイベントです。企業により実施の有無は異なりますが、内定を出した学生を自社に招き式典を行います。
辞退するか悩んでいる方は、遅くとも内定式までには辞退を連絡しましょう。
内定を保留したいときは遅くとも通知後1週間以内に連絡する
例えばA社から内定の連絡があったあともB社の選考が継続していると、A社の内定をどうするか迷うことはあるでしょう。この場合、A社の内定承諾をどうするか悩む場合、内定承諾書を送付する前に、内定を保留するという対応があります。
すぐには結論が出せないとしても、内定の連絡からできるだけ速やかに、遅くとも1週間以内には「〇月〇日まで承諾をお待ちいただけないでしょうか」と相談してみましょう。
企業はそれぞれ採用スケジュールを組んでいるため、長期間保留することは難しいと考えられます。そのため、遅くとも保留期限までに、内定を受ける・辞退することを決断し連絡しましょう。
内定保留後に連絡する際は、できるだけ早く伝えるために電話を利用しましょう。
内定辞退をするときは理由を言わなければならない?
内定を辞退する理由を聞かれたときは、本当の理由を伝えても問題はありません。
「他社から内定を受けた」「他社の志望度が高い」など正直に伝えるほか、詳細を伝えづらいときは「一身上の都合」と答えることも可能です。
内定を受ける企業名は出さなくてもよい
内定辞退を伝えた際「どの企業から内定を受けたのか」と聞かれることもあるでしょう。このようなときは、具体的な企業名を出す必要はありません。
「◯◯社から内定をいただきました」と企業名を出してもよいですが、伝えたくないときは「申し訳ありません。企業名は控えさせていただきます」「御社と同じ◯◯業(業界名など)から内定を受けました」と回答する方法もあります。
内定を受けた企業名を出したからといって、就職自体に影響が出るわけではありません。
円満に内定辞退をするための伝え方
内定辞退の連絡は、伝え方の工夫が必要です。円満に辞退するための3つの伝え方を紹介します。
辞退の意思をはっきりと伝える
採用担当者に連絡する際は「内定を辞退させていただきます」とはっきり伝えることが重要です。
内定辞退は伝えにくい内容であるため、曖昧な表現で濁したくなるかもしれません。しかし、曖昧な表現で伝えると、企業側から引き止められて辞退が先延ばしになったり、辞退しきれず承諾してしまったりすることも考えられます。
辞退の意志を明確に伝えることは、企業側に時間を取らせないためでもあります。内定辞退の決心をしたのであれば、明確な言葉で伝えましょう。
選考に対するお礼を伝える
内定辞退の連絡をする際は辞退する報告だけでなく、選考に対するお礼を伝えましょう。
企業も学生同様、多くの時間や労力を割いて選考を行っています。そのなかで数ある学生のなかから自分に内定を出してくれたことに対して、感謝を伝えることが大切です。
「このような結果となり申し訳ございません」と謝るだけでなく、「貴重なお時間を割いて選考していただきありがとうございます」と伝えることで、円満に就活を終えられるでしょう。
就業時間内に連絡する
内定辞退の連絡は、企業の就業時間内に連絡しましょう。電話で連絡する場合はもちろん、メールの場合も同様です。担当者の忙しさや休み時間も考慮し、始業直後や終業直前、お昼休憩の時間帯も避けたほうが好ましいです。
やむを得ず時間外の連絡になってしまう際は「夜分のご連絡となり申し訳ございません」のように、お詫びの言葉を添えましょう。
面接の時に「他は受けていません」「御社が第一志望です」と言い切っていた場合、辞退するのは気まずく思えますが、その後別の企業を受けて内定をいただくなど、状況が変化する場合もあります。「自身の今後についてじっくり考え、決断いたしました」と丁寧に気持ちを伝えましょう。
【電話】内定辞退の例文
まずは電話で内定辞退の連絡をするときの例文を紹介します。
担当者が電話に出た場合
電話をかけ、担当者が出た場合の例を見ていきましょう。
電話の問い合わせ例
いつもお世話になっております。御社で新卒採用の選考を受けさせていただいております、◯◯大学◯◯学部の◯◯と申します。恐れ入りますが、採用担当の◯◯様はいらっしゃいますか。
はい、◯◯です。
お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の◯◯でございます。ただいまお時間よろしいでしょうか。
はい、大丈夫ですよ。
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。大変光栄なお話しで申し上げにくいのですが、一身上の都合で辞退させていただきたいと思い、ご連絡いたしました。
そうなんですね。残念ですが、承知しました。これからも頑張ってください!
はい。この度はお忙しいなか貴重なお時間を割いて選考していただき、誠にありがとうございました。それでは、失礼いたします。
担当者不在で電話に出なかった場合
担当者が不在だった場合、戻り時間を聞いて再度こちらからかけ直す、または相手からかけ直してもらうかの選択になります。戻り時間が明確な場合はこちらから、不明なときも、まずはこちらから折を見てかけ直しますと申し出るのがマナーです。
採用担当者以外が電話に出たとき「伝えておきましょうか?」などと言われるかもしれませんが、伝言は控え、電話をかけ直すと伝えましょう。
電話の問い合わせ例
いつもお世話になっております。御社で新卒採用の選考を受けさせていただいております、◯◯大学◯◯部の◯◯と申します。恐れ入りますが、採用担当の◯◯様はいらっしゃいますか。
申し訳ございません。◯◯は席を外しております。
かしこまりました。何時頃お戻りになりますか?
16時頃戻る予定です。
ありがとうございます。それでは、16時頃改めてご連絡いたします。それでは、失礼いたします。
内定を保留にする場合
内定を保留する際は、連絡をする前にいつ頃までに決断するかを決めたうえで電話しましょう。
電話の問い合わせ例
いつもお世話になっております。御社で新卒採用の選考を受けさせていただいております、◯◯大学◯◯学部の◯◯と申します。恐れ入りますが、採用担当の◯◯様はいらっしゃいますか。
はい、◯◯です。
お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の◯◯でございます。ただいまお時間よろしいでしょうか。
はい、大丈夫ですよ。
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。ご無理を承知で申し上げますが、現在他社の選考途中であり、内定を保留することは可能でしょうか。
そうなんですね。いつ頃までにお返事をいただけそうですか?
1週間後の◯月✕日までに、あらためて◯◯様に連絡をさせていただきたいのですがよろしいでしょうか。
わかりました。ご連絡お待ちしております。
保留を承諾いただき誠にありがとうございました。それでは、失礼いたします。
【メール】内定辞退の例文
メールで連絡する場合の例を紹介します。
メールの構成
- 宛先
- 件名
- 宛名
- 挨拶
- 本文
- 締めの言葉
- 署名
メールで連絡する場合は、件名に「内定辞退のご連絡」と学校名、名前を入れましょう。採用担当者はたくさんのメールを受け取っているため、開封しなくても要件が伝わることがポイントです。
電話とメールの両方で連絡する場合
電話で内定を辞退したあと、記録を残す目的でメールを送信する際の例文は以下のとおりです。
メールの例文
【件名】内定辞退のご連絡(◯◯学校 青山太郎)
◯◯株式会社 人事部 ◯◯××様
いつもお世話になっております。
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科 青山です。
先ほどはご多忙のなか、お電話にてご対応いただき誠にありがとうございました。
この度は最終選考まで貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、
内定を辞退させていただきますこと大変申し訳ございません。
選考に携わっていただいた皆さまには心より感謝しております。
末筆ながら、貴社のご発展とご活躍をお祈り申し上げます。
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青山 太郎(あおやま たろう)
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科
メールアドレス:aoyama_tarou@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
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電話がつながらなかった場合
電話の連絡がつかなかった場合は、メールで連絡をしましょう。内定辞退の意思を明確にし、謝罪と感謝の気持ちを伝えることが大切です。
メールの例文
【件名】内定辞退のご連絡(◯◯学校 青山太郎)
◯◯株式会社 人事部 ◯◯××様
いつもお世話になっております。
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科 青山です。
先ほどお電話させていただきましたが、
ご多忙のようでしたので、メールにて失礼いたします。
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変申し上げにくいのですが、
一身上の都合により内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
お忙しいなか、最終選考まで貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、
このような結果となり大変申し訳ございません。
選考に携わっていただいた皆さまには心より感謝申し上げます。
本来であれば直接お詫びするところではございますが、
メールでのご連絡となりましたこと、何卒ご容赦頂ければと存じます。
末筆ながら、貴社のご発展とご活躍をお祈り申し上げます。
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青山 太郎(あおやま たろう)
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科
メールアドレス:aoyama_tarou@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
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内定を保留する場合
内定保留を希望する際は、まず保留できるか、そして理由と連絡する予定日時を明確に伝えましょう。
メールの例文
【件名】内定の保留につきまして(◯◯学校 青山太郎)
◯◯株式会社 人事部 ◯◯××様
いつもお世話になっております。
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科 青山です。
先ほどお電話させていただきましたが、
ご多忙のようでしたので、メールにて失礼いたします。
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
おそれいりますが、
内定につきまして◯月✕日まで正式な回答をお待ちいただくことは可能でしょうか。
その理由としましては、他社の選考において◯月△日に面接が実施されるためです。
大変恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
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青山 太郎(あおやま たろう)
◯◯学校 ✕✕学部 △△学科
メールアドレス:aoyama_tarou@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
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よくある質問
内定辞退をしても問題ないですか?
内定を辞退することは問題ありません。内定辞退をする際は、決断した時点で早めに連絡しましょう。
内定辞退の連絡はメールのみでもいいですか?
電話ができない事情がない限り、電話での連絡が望ましいでしょう。メールのみで連絡した場合、採用担当者がいつメールを見るか、メールを確認したかがわかりません。
電話で連絡をすれば、採用担当者本人に直接伝えられるだけではなく、誠意を伝えられる点もメリットです。
内定辞退の電話ではどう伝えればいいですか?
内定辞退の連絡をする際は、このような流れで行います。
- 学校名、氏名を伝える
- 担当者がいるかを確認する
- 内定辞退の旨を伝える
- 謝罪・感謝の気持ちを伝える
具体的な例文は「【電話】内定辞退の例文」で紹介しています。
内定辞退の連絡はいつまでにすべきですか?
内定を辞退すると決めたら、早めに連絡をするのがおすすめです。辞退するか悩んでいる場合でも、遅くとも内定式の前には連絡しましょう。
内定辞退をすると他社の選考に影響は出ますか?
内定を辞退したからといって、他社の選考に影響が出るとは考えにくいです。
「申し訳ない」「伝えづらい」と思い不安になるかもしれませんが、決断後は早めに伝えることが、自分だけではなく企業のためにも必要です。