就活中、企業の担当者からの電話に出られなかったときは、できるだけ早くあなたから折り返すことを心がけましょう。始業前、終業直前など避けたほうがよい時間帯もありますが、電話がかかってきたということは、早く伝えたい内容があるとも考えられます。
今回は折り返し電話のタイミングや、電話を折り返す前にしておきたい準備などを紹介します。企業の担当者とのやりとりができるだけスムーズになるよう、電話を折り返す際のコツをチェックしておきましょう。
この記事でわかること
- 折り返しの電話をかけるタイミング
- 折り返しの電話をかける前にやるべきことと注意点
- 折り返しの電話をかけるときの流れ
就活の折り返し電話はいつかけるべき?
企業へ折り返しの電話をかけるとき、どんなタイミングがいいんだろう……
折り返しの電話をかけるときは、相手の都合を考慮したうえで可能であれば当日中がよいでしょう。すぐに折り返すのもよいですが、まずは状況を確認して電話をかけてみてください。
当日の勤務時間内に折り返す
企業から電話があった当日の勤務時間内に折り返すのが望ましいです。企業からの電話は、面接の日程などを学生本人へ直接伝えるためにかけられているケースが多いので、できるだけ迅速なやりとりをするように心がけましょう。
始業・終業の時刻は会社により異なります。勤務時間がわからないときは、インターネットで「◯◯(会社名) 就業時間」などと検索するとわかる可能性もあります。どうしても不明なときは10時~16時を目安にしてみてください。
翌日の電話でも問題ない
「電話をもらったらその日のうちに折り返さないと」と思う方もいますが、やむを得ない場合は、翌日の折り返しでも問題はないでしょう。
一度電話に出られなかったことが原因で、印象や選考に影響が出るとは考えにくいです。
翌日が土日や祝日などで企業の休業日である場合は休み明けの電話が望ましいでしょう。
次の営業日までに連絡をしないことが不安であれば、担当者にメールをしておくと安心です。メールの内容は、電話に出られなかったことに対する謝罪と、翌営業日に電話をかけることを記載しておきましょう。メールに氏名・学校名・電話番号も記載しておくと、担当者がメールをみて電話をかけやすくなります。
なかには、インターンや会社説明会の参加者を先着で募集していたときなど、先に参加可否の連絡がとれた学生を優先するケースもあります。可能な限り当日に折り返すことを心がけましょう。
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相手の都合を配慮した時間帯に電話する
会社により始業・終業時間、休憩時間は異なりますが、以下の時間は避けて電話を折り返したほうがよいでしょう。
- 9時以前:始業前
- 9時~9時30分:始業直後
- 12時前後:昼の休憩時間
- 17時~18時:終業直前
始業後1時間、終業前1時間は、仕事開始・終了に向けた作業やミーティングなどで忙しくなることも多く、担当者が電話を取れない可能性があります。
昼の休憩時間は担当者が席を外している場合もあるため、つながりやすいタイミングを選びましょう。
配慮しすぎた結果、電話を折り返す時間が遅れてしまうことも考えられます。電話をするタイミングで迷ったときは、着信に気づいたときに折り返したほうがよいでしょう。
折り返しの電話をかける前にやるべきこと
折り返しの電話をかける前には、以下4つの準備をしておきましょう。
- 留守番電話の有無を確認する
- 担当者名を確認する
- 筆記用具とメモ帳を用意する
- 電波がよく、静かな場所を確保する
留守番電話の有無を確認する
まずは、企業から電話があった際に留守番電話にメッセージが残されていないかを確認しましょう。
担当者からの留守番電話には、「電話を折り返してほしい」「◯時に再度電話をする」といったメッセージが残されている可能性があります。具体的な折り返し希望時間が伝えられているにも関わらず、それよりも早い時間に折り返してしまうと「メッセージを確認していない」と思われることもあるので注意しましょう。
留守番電話のメッセージが残されているときは、スマートフォンにメッセージが残された旨の通知が表示されます。キャリアにより異なりますが、特定の番号にかけることでメッセージの内容が聞けるため、確認をしてみてください。
担当者名を確認する
電話を折り返す前に、あなたに電話をかけてきた担当者の名前と部署を改めて確認しておきましょう。「早く電話しなければならない」と焦ると担当者名が思い出せないこともあります。
企業によっては、電話をかけると受付につながり各部署へ取り次ぎをするケースがあります。名字だけを伝えても「どんな部署の人かわからない」と電話口の方を困らせてしまいます。
担当者とメールをやりとりしている場合、署名欄に部署名が記載されていることもあるため、確認をしてみてください。
筆記用具とメモ帳を用意する
電話をかける前に手元に筆記用具とメモ帳を準備して、聞き取った内容を残せるようにしましょう。
普段はスマートフォンのアプリなどでメモをとる方もいますが、そのスマートフォンで電話する可能性が高いため筆記用具とメモ帳を持ち歩くようにするのがおすすめです。
可能であれば、普段使用しているスケジュール帳を確認しながら電話をするとよいでしょう。面接などの日時を調整する際は、自分の予定を確認しなければならないため、スムーズに管理できるスケジュール帳が便利です。
電波がよく、静かな場所を確保する
「少しでも早く電話を折り返さなければならない」と焦るあまり、適していない場所で電話をかけようとしてしまうこともあるかもしれませんが、特別な事情がない限り避けたほうがよいでしょう。
電話に適していない場所は、人がたくさんいる教室内やカフェ、駅などの人の声や音楽などが聞こえている環境です。声や音が大きな場所は、企業の担当者の声が聞こえづらいだけではなく、あなたの声も相手に伝わりにくくなってしまいます。
ほかにも、電波の状況が不安定なときや場所での折り返し電話も避けたほうがよいでしょう。電話を折り返す際は、早さよりも電話がしやすい環境を選ぶことが重要です。
【6ステップ】就活の折り返し電話のかけ方
企業に折り返しの電話をするおおよその流れは、以下のとおりです。
- 挨拶をし、学校名と氏名を伝える
- 担当者につないでもらう
- 担当者に挨拶と氏名を伝える
- 折り返し電話をした趣旨を伝える
- メモを取りながら用件を聞く
- 挨拶をして電話を切る
電話を折り返しても担当者が不在だった、電話に出た人が担当者だったなどイレギュラーが発生することもあります。落ち着いて対応をしましょう。
1.挨拶をし、学校名と氏名を伝える
電話がつながったら、まずは挨拶をして学校名と氏名を伝えます。
「面接の件で電話したのですが」といきなり用件を伝えるのではなく、相手に誰からの電話であるかを伝えることが重要です。名乗らないまま用件を伝えると、失礼な印象を与える可能性があります。
例
- 「お忙しいところ恐れ入ります。◯◯学校の△△と申します」
- 「先ほど□□様よりお電話をいただきました。◯◯学校の△△と申します」
2.担当者につないでもらう
個人の電話番号にかけるとき以外は、担当者ではない人が電話に出ることが多いです。このときは電話に出た人に対して、折り返し電話をしている旨を伝えて、担当者につないでもらいましょう。
例
- 「折り返しご連絡をいたしました。◯◯課の△△様はいらっしゃいますでしょうか」
3.担当者に挨拶と氏名を伝える
受付から担当者につながったら、改めて担当者に学校名と氏名を伝えます。このときもいきなり用件を話すのではなく、自分がどこに所属している誰であるかを伝えましょう。
例
- 「先ほどはお電話に出られず、大変失礼いたしました。◯◯学校の△△と申します」
- 「お電話をいただいた、◯◯学校の△△と申します」
4.折り返し電話をした趣旨を伝える
学校名と氏名を伝えたあとは、「◯日◯時ごろに電話を受けた」と折り返し電話をした旨を伝えます。
このとき「講義中で電話に出られなかった」「電車に乗っていた」など、電話に出られなかった理由を伝える必要はないでしょう。相手は仕事中である場合に配慮して、必要なことを簡潔に伝えるほうが望ましいです。
電話をかけたタイミングによっては、担当者から「後ほど折り返す」と言われるケースもあります。このときは、了承をして担当者からの電話を待ちましょう。
例
- 「◯日の◯時ごろにご連絡いただき、折り返しの電話をいたしました」
- 「先ほどお電話をいただいていたのですが、今お時間よろしいでしょうか」
5.メモを取りながら用件を聞く
「折り返しの電話をかける前にやるべきこと」の項目でもお伝えしたように、電話をかける前に筆記用具とメモ帳を準備しておいて、要点をメモにとりましょう。
電話に緊張するかもしれませんが、あとから読み返してもわかる文字で書くように心がけてください。メモをした内容が正しいかを確認するために、復唱をしたり再確認をしたりすると安心です。
例
- 「◯月✕日の□時に、◯階の受付ですね。承知いたしました」
- 「確認をさせてください。◯月✕日の□時に、◯階の受付でよろしいでしょうか」
6.挨拶をして電話を切る
お互いに用件を話し終えたら、電話対応へのお礼の言葉と挨拶をして電話を切ります。
電話を切るタイミングは、担当者が電話を切ったと確認したあとが望ましいです。電話を切る直前に担当者がまた話し始める可能性もあるため、こちらからは切らないほうがよいでしょう。
例
- 「お忙しいところご対応いただき、ありがとうございました。失礼いたします」
- 「当日はよろしくお願いいたします。失礼いたします」
電話を折り返すときの注意点
担当者に電話を折り返すときは、以下の3つに注意しましょう。
- 丁寧な言葉遣いを心がける
- ゆっくり・はっきりと話す
- 用件が聞き取れなかったら聞き直す
緊張しているときや焦っているときは、つい誤った言葉遣いをすることも考えられます。心を落ち着けられる状態で、折り返しの電話をかけましょう。
丁寧な言葉遣いを心がける
就活中、企業の担当者などと会話をする際は、ビジネスシーンにふさわしい言葉使いを心がけましょう。以下は就活中に使用する頻度の高い言葉です。
気をつけたい言葉の一例
使いがちな言葉 | 言い換える言葉の例(一部) |
◯◯(名前)といいますが | ◯◯(名前)と申しますが |
・すみません ・すいません | 申し訳ございません |
私(わたし) | わたくし |
相手の会社 | 御社 |
(自分が)~を見る | ~を拝見する |
(相手が)~を見る | ~をご覧になる |
(自分が)~を言う・話す | ~を申し上げる |
(相手が)~を言う・話す | ~をおっしゃる |
(自分が)~をもらう | ~いただく |
(相手が)~をもらう | ~お受け取りになる |
(自分が)~聞く | ~をうかがう |
(相手が)~聞く | ~をお聞きになる |
(自分が)~にいる | ~におる |
(相手が)~にいる | ~にいらっしゃる |
自分の行動に対してへりくだるときは「謙譲語」、相手の行う行動を敬う表現は「尊敬語」です。謙譲語と尊敬語は混同しがちですが、正しい敬語を使用できるようにしておきましょう。
ゆっくり・はっきりと話す
焦ると早口になりがちな方は、相手が聞き取りやすいスピードではっきり話すように意識しましょう。
電話は対面と異なり表情や口の動きが見えないため、少し聞き取りにくいことも考えられます。極力聞き直しされないように、ゆっくり、はっきり話すように心がけましょう。
用件が聞き取れなかったら聞き直す
電話中、声が途切れてしまい聞き取れなかったときは、ためらわずに聞き返して確認しましょう。
会話の流れを切ることにはなりますが、話をわからないままにしていると、会話が噛み合わなかったり、日時や住所といった重要な情報を聞き逃したりする可能性があります。
とっさに聞き返すときは敬語を忘れてしまいがちですが、丁寧な言葉使いを心がけましょう。
聞き返す際の例
- 「申し訳ありません。もう一度お願いできますでしょうか」
- 「お電話が遠かったので恐れ入りますが、もう一度うかがってもよろしいでしょうか」
【ケース別】折り返し電話で困ったときの対処法
企業に電話をかけてスムーズに担当者と話せるとよいのですが、イレギュラーが発生する可能性もあります。以下は企業に電話をかけたときに、起こりうるケースです。
- 折り返し電話をしたら担当者が不在だった
- 折り返し電話に誰も出ない
- 留守番電話に企業側から折り返すとの主旨が残っていた
- 企業担当者の名前がわからない・電話の相手がわからない
それぞれの対処法をチェックして、折り返しの電話をできるだけスムーズに行いましょう。
ケース1:折り返し電話をしたら担当者が不在だった
折り返しの電話をしたのに、担当者が不在だった……。こちらから改めて電話をかけるべき?それとも、電話を待っていればいい?
このようなときは、いつ担当者が戻ってくるのかを聞き、その時間に合わせて再度電話する旨を伝えてもらいましょう。
戻る時間がわからないときは、電話に出た人へ「改めて◯時ごろに電話をかける」と伝えてもらうように依頼をしてみてください。
担当者不在時の例
- 「◯◯様は何時ごろ戻られる予定でしょうか」
- 「明日、改めて私から連絡いたします」
- 「◯時ごろ改めて連絡いたしますので、◯◯様にお伝えいただけますか」
ケース2:折り返し電話に誰も出ない
企業に折り返し電話をしたのに、誰も出ない……。次はいつ電話をかければいいんだろう?
電話をかけても不在だったときは、メールで折り返しの電話をした旨を伝えておきましょう。メールを送る際は、以下の例文を参考にしてみてください。
電話で不在だった際のメールの例文
【件名】お電話をいただいていた件につきまして(◯◯学校 △△)
◯◯株式会社
人事部 ◯◯様
お世話になります。
◯◯学校◯◯学部 △△(氏名)と申します。
先ほどはお電話に出ることができず、大変申し訳ありませんでした。
明日◯時ごろに改めて連絡をいたします。
お忙しいところお手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
【署名】
メールでのやりとりを行っておらず、留守番電話に対応しているのであれば、学校名と氏名、折り返し電話をした旨を留守番電話のメッセージに入れておくとよいでしょう。
ケース3:留守番電話に企業側から折り返すとの主旨が残っていた
留守番電話に「こちらから折り返す」とのメッセージがあったけど、本当に電話を待っていても大丈夫……?自分からかけ直すべき?
留守番電話に「また電話をかけます」「こちらから電話をします」と担当者からメッセージが残されていたときは、あなたから電話をかけるとよいでしょう。
「また電話をかける」と言うのは社交辞令の可能性もあり、担当者が電話することを忘れてしまうケースもあります。そのため、電話に気づいた時点であなたから折り返し電話をしましょう。
ただし、担当者が会議中、終業時間直前など着信があっても出られない可能性もあります。
この点を配慮して、電話をした際に「またご連絡をいただけるとのことでしたが、お電話をさせていただきました。今、お時間よろしいでしょうか?」とクッションを入れると、相手を配慮でき、留守番電話も確認している旨を伝えられます。
ケース4:企業担当者の名前がわからない・電話の相手がわからない
担当者の名前や部署がわからないから、どうやって取り次いでもらえばいいのか迷う……。「わからない」と正直に伝えても大丈夫?
担当者の部署がわからないときや、電話をかけた相手が誰かわからないときは「名前がわからないと」伝える必要はないでしょう。
学校名と氏名を伝えたうえで、「◯時ごろに御社から電話があり、折り返させていただきました。担当者様におつなぎいただけますでしょうか。」と言うと、担当者につなげてもらえるはずです。
担当者の部署や名前を聞かれたとき、「お名前はおっしゃっていなかった」と伝えてみてください。このとき、「◯月◯日の面接の件かと思うのですが」などと想定される内容を伝えておくと、電話に出た人は部署や担当者の見当がつきやすいです。
まとめ
企業の担当者へ、折り返し電話をすることに緊張をする学生は少なくありません。緊張する状況だからこそ、タイミングを見極めたり準備をしたりして、折り返しの電話をしましょう。
敬語を使う機会が少ないと、「謙譲語」と「尊敬語」が混同することもあります。電話を折り返す前に、どのように挨拶をすればよいか、用件を伝えたらよいかをシミュレーションしておくと安心です。
メモをとりながら電話をかけて、日時や場所といった大切な内容を繰り返し確認することも忘れないでくださいね。