就活ノウハウ

就活で生成AIをフル活用!ESや企業研究、面接練習の効率アップ術

生成AI 活用 就活_しキャッチ

生成AIとは、AI(人工知能)を活用してテキストや画像などのコンテンツを自動で作成する技術です。就活においても、企業研究やES(エントリーシート)・履歴書の文章作成、面接練習などに活用できます

ただし、生成AIが提供する情報や作成した文章はあくまで参考とし、事実確認や文章の最終チェックは自分で行うことが重要です。

この記事では、就活で生成AIを活用するメリットや具体的な使い方を詳しく解説します。生成AIを使うリスクや注意点も理解したうえで、上手に活用していきましょう。

この記事でわかること

  • 就活で生成AIを使うことは問題ないが、最終的なチェックは自分で行うことが大切
  • 企業研究や業界研究に生成AIを活用すると効率よく情報収集ができる
  • 生成AIがまとめた情報は公式の情報と照らし合わせて、正確性を判断することが重要

目次[表示]

生成AIは就活に活用してもいい?

生成AIの活用が進むなか、「就活でAIを使っても問題ない?」「企業に知られたら不利になる?」「ほかの学生も使っているの?」と疑問に思う人もいるでしょう。実際、多くの学生が生成AIを活用しており、適切に使えば就活を効率的に進めるための強力な手段になります

生成AIをESの作成や面接対策に活用すること自体は禁止されていませんが、AIが生成した文章をそのまま提出したり、面接の受け答えにそのまま使ったりするのはおすすめできません。

企業側も生成AIの利用を想定しているため、昨今の就活では「自分の考えや経験が反映されているか」を特に重視されることが考えられます。就活における生成AIの活用は、あくまで「効率化の手段」としてとらえ、自分の経験や意見をしっかり盛り込むことが大切です。

生成AIを就活で活用するメリット

生成AIを就活に活用することで、作業の効率化や質の向上が期待できます。具体的なメリットは次の3つです。

時間を大幅に節約できる

就活では、ESや履歴書の作成、企業研究、面接準備など、やるべきことが多くありますが、生成AIを活用すれば、これらの作業時間を大幅に短縮できます。

例えば、志望動機や自己PRのドラフト(たたき台)を生成AIに作成してもらうことで、ゼロから考える手間を省き、より効率的に仕上げられます。生成された文章をベースに自分の経験を加えたり、修正を加えたりすることで、自分らしい内容に仕上げることもできるでしょう。

さらに、生成AIはリサーチの時間短縮にも役立ちます。例えば、「◯◯業界の最新動向を要約して」「◯◯(企業名)の強みと弱みを整理して」といった指示を出すだけで、必要な情報を簡潔にまとめることが可能です。

幅広い業界・企業研究に役立つ

就活では、複数の業界や企業についてリサーチする必要があります。その際、生成AIを活用すれば情報収集を効率よく進めることが可能です。例えば、「2025年の◯◯業界の動向を要約して」と依頼すれば、短時間で最新の業界情報を整理できます

ニュース記事やレポートをひとつひとつ読む時間を短縮し、効率的に業界理解を深められるでしょう。

客観的なアドバイスを得られる

就活では「自分の強みがうまく伝わっているか」「面接の回答が論理的か」を第三者目線でチェックすることが重要です。AIを活用することで、客観的なフィードバックを受けられます。

例えば、生成AIに「この文章をわかりやすく直して」と依頼すると、より簡潔で伝わりやすい表現に修正してくれます。語尾のバリエーションを増やしたり、論理の流れを整理したりするのにも役立ちます。

就活に活用できる生成AIツール

生成AIツールには、さまざまな種類があります。目的に応じて適切なツールを選ぶことで、より効果的に活用できるでしょう。ここでは、就活で活用できる代表的な生成AIツールを紹介します。

おすすめの生成AIツール

【ChatGPT】

  • 文章生成・要約・質問回答が得意
  • 面接対策として、想定質問の作成や模擬面接の相手ができる

【Google Gemini】

  • Google検索と連携していて、最新情報の取得に強い
  • 企業や業界のニュースを調査し、業界研究に活用できる

【Claude】

  • より自然な会話や文章の生成が得意
  • ES作成や面接対策にも活用できる

【DeepL Write】

  • 英文の文法チェックや表現の添削が可能
  • ビジネス英語の質を向上させるのに役立つ

就活で生成AIを活用1:業界・企業研究

ここからは、就活で生成AIを活用する具体的な方法を紹介します。プロンプトの例も掲載しているので、ぜひ活用してみてください。

プロンプトとは

生成AIに指示や質問を与えるためにユーザーが入力する命令文のこと。

まずは、業界・企業研究における生成AIの活用方法を見ていきましょう。

業界の概要や業界の最新動向を要約してもらう

生成AIは業界情報の収集に役立ちます。例えば、市場規模、成長率、主要企業、業界の課題や今後の展望、競争が激化している分野、成長が期待される領域などを効率よく調べることができます。

プロンプトの例

  • IT業界の概要を300文字以内でまとめてください。
  • 2025年の製造業の最新トレンドを簡単に説明してください。
  • 最近の金融業界の注目ニュースを教えてください。
  • 製薬業界で今後伸びる分野を教えてください。

生成AIの回答をうのみにせず、公式サイト(業界団体・政府統計)と照らし合わせて、正確性を確認することが重要です。特に、「市場規模や成長率」などのデータは、古い情報が含まれる可能性があるため、最新の統計をチェックしましょう

業界ごとの企業を比較する

生成AIを活用することで、企業の特徴を効率よく比較できます。ただし、生成AIの情報だけに頼らず、企業のIR資料(決算説明会資料)やニュースを確認し、詳細情報を補完することが大切です。

プロンプトの例

  • 自動車業界の主要企業を比較して、それぞれの強みと弱みをまとめてください。
  • 楽天とAmazonのビジネスモデルの違いを簡単に説明してください。
  • 通信業界の大手3社の違いを整理してください。
  • 小売業界の大手企業の特徴を比較してください。
人事

「この企業が今後成長する可能性は?」などの深掘り質問をすると、より具体的な視点が得られます。

企業の基本情報を整理する

企業の事業領域(どんな製品・サービスを提供しているか)、主要事業の売上構成、競争優位性、目指している方向性などを調べるのに役立ちます。

プロンプトの例

  • トヨタの事業内容と強みを200文字で説明してください。
  • ソフトバンクの強み・弱みをSWOT分析でまとめてください。
  • メガバンク3社の強み・弱みを比較してください。
  • 商社業界5社の事業の違いを簡単にまとめてください。
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公式サイトや企業のIR資料と照らし合わせ、情報の正確性を確認しましょう。

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就活で生成AIを活用2:書類選考(履歴書・ES)の作成

続いて、履歴書やES作成における生成AIの活用方法を紹介します。

自己PRや志望動機の叩き台をつくる

生成AIを活用することで、ESや履歴書に書く自己PRや志望動機、ガクチカなどの内容を効率的に作成できます。ただし、生成AIの文章をそのまま使うのではなく、自分の経験に基づいて修正することが大切です。

プロンプトの例

  • アルバイト経験を活かした自己PRを作成してください。
  • ◯◯という強みを活かした志望動機を考えてください。
  • 研究活動をアピールするガクチカを考えてください。
人事

生成AIの文章はあくまで「たたき台」として使用し、自分の言葉で仕上げましょう。

ESや履歴書のフォーマットにあわせる

作成した内容を、ESや履歴書のフォーマットに適した文章に修正する際にも生成AIが役立ちます。生成AIでは、文字数の調整や簡潔な表現に修正することが可能です。例えば、履歴書用には短く簡潔に、ES用には詳細に記述するなど、用途に応じた使い分けもできます。

プロンプトの例

  • この自己PRを履歴書の形式(200文字)にまとめてください。
  • 志望動機を履歴書のフォーマット(150文字)に調整してください。
  • ES用に自己PRを400文字で詳しく書き直してください。
人事

「この文章をより簡潔にして」と依頼して、無駄な部分を削ることも可能です。

完成後に文章チェックをする

誤字脱字のチェック、論理の流れの確認、より読みやすい構成への修正、冗長な表現の削減などにも生成AIを活用できます。完成後の文章とチェックしてほしいことを生成AIに伝えてみましょう。

プロンプトの例

  • ESの文章をチェックして、改善点を教えてください。
  • 文章の論理構成を整理し、わかりやすくしてください。
  • 誤字脱字や冗長表現があれば教えてください。
  • 全体を通して矛盾がないか確認してください。
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「この表現は自然?」「もっとシンプルにできる?」といった追加依頼をしていくことで、さらにブラッシュアップされた文章になります。

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就活で生成AIを活用3:面接対策・練習

面接の対策や練習をする際に役立つ、生成AIの活用方法を紹介します。

想定質問を自動生成する

生成AIでは、面接で想定される質問をリストアップしてもらうことが可能です。これにより、企業ごとの質問傾向を調べる手間を省き、効率よく練習できるでしょう。

プロンプトの例

  • ◯◯業界の面接でよく聞かれる質問をリストアップしてください。
  • マーケティング職の面接で聞かれる質問を教えてください。
  • ◯◯(企業名)の一次面接の質問を想定してください。

回答をブラッシュアップする

回答を改善するアドバイスをもらうことも可能です。例えば、「この回答を簡潔にして」と依頼すれば、要点がまとまった回答に修正できます。生成AIが指摘する改善点をもとに、実際の面接に向けた調整ができるでしょう。

プロンプトの例

  • この自己PRの回答をもっと具体的にしてください。
  • この回答を面接官に伝わりやすい言い回しに修正してください。
  • この志望動機の回答で具体性に欠ける部分があれば補強してください。
人事

「この表現は面接官に伝わりやすい?」と質問して、客観的なフィードバックを得ることも効果的です。

模擬面接の練習ができる

生成AIに面接官役をさせ、「◯◯(企業名)の一次面接を想定して質問して」と依頼すると、リアルな模擬面接ができます。ChatGPT、Google Geminiのモバイル版などで利用できる、音声会話機能を活用することもおすすめです。

プロンプトの例

  • 一次面接を想定して私に質問してください。
  • 自己PRの回答に対して追加の質問をして、深掘りしてください。
  • 業界や企業についての理解を問う質問をしてください。

具体的な指示を出す前に「あなたは面接官です」「◯◯(企業名)の◯◯職の面接を受けます」といった背景を伝えると、より質の高い回答を得られます。

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就活で生成AIを活用4:ビジネスメール・問い合わせ文の作成

ビジネスメールや企業への問い合わせ文を作成する際にも、生成AIを活用できます。

メールの文面を簡単に作成できる

生成AIを活用することで、メールの文面作成に悩む時間を削減できます。作成した文面をAIにチェックしてもらうことで、表現や言い回しをブラッシュアップすることも可能です。

プロンプトの例

  • インターンの開催日程と参加条件について問い合わせるメールを作成してください。
  • 選考結果の連絡が来ていない場合の問い合わせメールを作成してください。
  • メールの文章に不自然な敬語がないか確認してください。
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就活で生成AIを活用5:英語での選考対策

外資系企業や海外の企業に応募する場合、英文履歴書(レジュメ)や英語面接の準備が必要になります。ここでは、英語での就活に役立つ生成AIの活用方法を紹介します。

英文履歴書・カバーレターを作成する

生成AIを活用すると、英文履歴書やカバーレター(cover letter)のテンプレートを作成できます。また、作成した履歴書をより洗練された表現に修正することも可能です。

プロンプトの例

  • ITエンジニア向けの英文履歴書を作成してください。
  • 外資系企業の採用担当者に向けたカバーレターを英語で考えてください。
  • 履歴書の英語をよりプロフェッショナルな表現に修正してください。

英語面接を練習する

生成AIを使って英語の模擬面接を行うことで、実践的な英会話を練習できます。例えば、準備した英語の自己PRを生成AIに提示し、「この自己PRをより自然な英語表現に改善して」と依頼すると、より自然で適切な表現に改善できます。

プロンプトの例

  • ITエンジニア向けの英文履歴書を作成してください。
  • 外資系企業の採用担当者向けのカバーレターを英語で作成してください。
  • この履歴書の英語をよりプロフェッショナルな表現に修正してください。

就活で生成AIを活用する場合のリスク・注意点

就活で生成AIを活用するにあたっては、リスクや注意点も理解しておくことが重要です。

AIに頼りすぎると「自分らしさ」が失われる

生成AIを活用すると、業界や企業にあわせた表現を作成できます。しかし、多くの学生が同じように生成AIを利用すると、似たような内容や表現のESばかりになるかもしれません。生成AIの文章をそのまま提出すると、企業側に「個性が感じられない」「本当にこの学生が書いたのか?」と疑問を持たれる可能性があります

また、生成AIが作成した内容を暗記するだけでは、面接で深掘りされた際にうまく答えられない場合があります。自分らしさが伝わる回答にするためには、生成された文章の背景を理解し、自分の体験や考えを加えることが重要です。

AIの情報が必ずしも正確とは限らない

生成AIは学習データをもとに回答を作成しますが、最新の情報をリアルタイムで反映しているわけではありません。例えば、「◯◯業界の最新動向を教えて」と質問したとしても、古い情報をもとにした回答が出てくる可能性があります。そのため、生成AIの情報をうのみにせず、公式サイトやニュース記事と照らし合わせて確認することが重要です。

また、「◯◯(企業名)の選考フローを教えて」と生成AIに聞いても、実際の公式情報とは異なる場合があります。選考プロセスやエントリー条件は企業ごとに変更されるため、こういった情報は公式サイトで確認するか、採用担当者に問い合わせると安心です。

AIの文章は「機械的」で違和感があることも

生成AIの文章は、一見まともに見えても、文脈が不自然だったり、表現がぎこちなかったりすることがあります。例えば、生成AIに「学生時代に頑張ったこと」の回答作成を依頼すると、「私はチームワークを大切にしていました。なぜなら、それが重要だからです」のように、冗長な表現になることがあります。

就活では、「学生の価値観や考え方が企業とマッチするか」が重視されますが、AIの文章をそのまま使うと、ほかの学生と差別化ができません。生成AIで作成した文章をベースにしつつも、自分自身の経験や考えをしっかりと盛り込むことが重要です。

AIを頼りすぎず、就活の補助ツールとして活用しよう!

生成AIを活用することで、就活の効率化や情報整理ができます。しかし、AIの回答をそのまま信じるのではなく、最終的なチェックは自分で行う必要があります。

ESや面接では、AIが作れない「自分だけの考え」や「実際の体験談」が重要です。生成AIで作成した文章をそのまま使うのではなく、自分の言葉を加えましょう。

また、企業研究や業界研究に生成AIを活用する際は、企業の公式情報や最新のニュースと照らし合わせて、正確な情報を確認することが必要です。就活で生成AIを上手に活用しながらも、「自分はどう考え、何を伝えたいのか」を意識し、個性や強みをしっかりアピールしていきましょう。

よくある質問

就活に生成AIを利用してもいいですか?

生成AIを活用してES(エントリーシート)を作成することは問題ありません。AIを利用すると、文章のたたき台を作成したり、表現をブラッシュアップしたりすることができます。

ただし、AIが作成した文章をそのまま使用するのは避けるべきです。AIは一般的な内容を生成するため、そのままではほかの学生と似たような内容や表現になる可能性があります。自分の経験や具体的なエピソードを加え、オリジナリティを持たせることが大切です。


ESの作成に生成AIを利用してもいいですか?

受検時にはカメラで部屋全体を映す必要があるため、整理整頓しておくことが望ましいです。特に机の上に不要なものがあると、不正行為と疑われる可能性があります。受検に必要なもの以外は事前に別の部屋に移動させておきましょう。

学生の生成AI利用率は?

株式会社学情が実施したアンケート「2026年卒学生の就職意識調査(生成AI)2024年8月版」によると、6割以上の学生が、普段の生活で生成AIを使用したことがあると回答しています。(※1)

また、株式会社マイナビの「 2025年卒大学生活動実態調査(5月)」では、就活で生成AIを利用したことのある学生のうち、「エントリーシートの推敲」が56.6%で最も多かったと公表されています。(※2)

(※1)
・調査期間:2024年8月9日~2024年8月21日
・有効回答数:222 件

(※2)
・調査期間:2024年5月25日~5月31日
・有効回答数:4,224名

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