周囲の学生が内定を獲得していくなかで、自分が内定を得られていない状況だと、不安や焦りを感じるかもしれません。しかし、焦りから志望度の低い企業の内定を獲得しても、後悔してしまう可能性があります。
この状況を改善するには、内定がない原因を把握し、正しい行動と対策を行うことが大切です。就活のゴールは単に内定を獲得することではありません。自分に合う企業を見つけて納得のいく形で就活を終えるために、まずは現状を振り返り、やるべき行動と対策をしっかり行っていきましょう!
ポイント
- 2024年卒の学生は、6月時点で3割、7月時点で2割の学生が内定がない状態にあった
- 内定がない原因はさまざまであり、必ずしも能力や経験が不足しているからとは限らない
- 企業目線で自己分析を行い、自己PRや志望動機は企業のニーズに合う内容にすることが大切
内定がない...…焦らず正しい対策と行動をすれば内定可能!
内定が出ていない状況で、周囲の学生が次々と内定を獲得している様子を目の当たりにすると、焦りや不安を感じるのは自然なことです。しかし、内定がないからといって「自分には価値がない」とネガティブに捉える必要はありません。
内定を得られていない理由は、必ずしも能力や経験の不足によるものとは限りません。たとえ能力や経験が十分であっても、企業との相性が合わなかったり、タイミングが合わなかったりしたことで、内定を得られていない可能性もあります。
内定がない状況を挽回するためには、正しい対策と行動を続けることが重要です。ただし、「早く内定を獲得したい」という焦りのまま就活を続けると、判断力が鈍り、満足いく結果を得にくくなります。まずは冷静になり、適切な対策と行動は何かを考え、自分に合う企業からの内定を目指しましょう。
何月までに内定は必要?一般的な内定の時期や割合
就活のスケジュールは人によって異なるため、内定取得の時期に関して「何月までに」といった明確な決まりはありません。
ただし一般的な傾向として、近年は企業の選考開始や内定出しのスケジュールが早期化しています。2024年卒は前年度(2023年卒)に比べて、早い時期に企業からの内定を取得している学生が増えているようです。
初内定の時期は「卒業年前年の3月」が多い
株式会社リクルートが実施した「就職プロセス調査(2024年卒)」によると、2024年卒の学生が初めて内定を取得する時期で最も多かったのは、前年度(2023年卒)と同様に、卒業予定年の前年の「3月」でした。
また、実際に就職した企業から内定を取得した時期は、前年度(2023年卒)が「5月」「6月」が最も多いのに対し、2024年卒は「4月」に最も多い結果となりました。この結果から、内定取得のピーク時期が早まっていることがわかります。
6月で3割、7月で2割の学生は内定がない
月ごとの内定率は5月時点で65.1%、6月時点で79.6%、7月時点で83.2%となっています。この結果を逆に見ると、内定がない学生の割合は、5月時点で3割、6月時点で3割、7月時点で2割であることがわかります。
この結果はあくまでも目安であり、就活スケジュールは人それぞれです。今からでも戦略を練り直し、内定を勝ち取れる可能性は十分にあります。
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内定がない原因を知って改善しよう
内定がない状況では、原因から目を背けたくなるかもしれません。しかし、ここから挽回して自分に合う企業からの内定を獲得するには、原因としっかり向き合い改善していくことが大切です。
内定を獲得できない背景には、さまざまな要因があります。ここで紹介する項目に「これは自分にとっての課題かもしれない」と感じるものがあるか、確認していきましょう。
- 自分の強みや弱みを正しく理解していない
- 自己PRや志望動機で企業目線が不足している
- キャリアプランが明確でない
- 倍率の高い企業や大手企業ばかりエントリーしている
- 業界・業種を絞り過ぎていて、応募数が少ない
- 身だしなみやマナーが不十分
- 面接で熱意を伝えきれていない
- 応募書類(ESや履歴書)に不備がある
具体的な対策方法は「内定がないときにやるべき行動と対策」で解説しています。
自分の強みや弱みを正しく理解していない
内定を得られていない原因のひとつに、自分の強みや弱みを正しく理解しておらず、自分らしいアピールができていないことが考えられます。
自分の強みを伝える際は、抽象的な内容だけでなく、具体的なエピソードを交えて納得感のある伝え方をすることが大切です。これには、単に自己分析ツールなどで強みを把握するだけでなく、過去の経験を客観的に分析することが重要です。
また、強みや弱みを自分視点だけで判断している場合、他者から見える自分の強みや弱みとズレが生じている可能性があります。
自己PRや志望動機で企業目線が不足している
自己分析をしっかり行っていたとしても、アピールする内容が企業が求める能力とマッチしていない場合があります。例えば、企業側が求める人材が「コミュニケーション能力が高く積極的な人」の場合、「探究心」をアピールしても、それはミスマッチかもしれません。
自己分析や志望動機では、企業が求める人物像と自分の強みを結びつけてアピールすることが大切です。自己PRや志望動機が企業のニーズにマッチしているか、今一度振り返ってみましょう。
キャリアプランが明確でない
「何のために働きたいのか」「仕事を通じて何を達成したいのか」など、自身が希望するキャリアや将来像が明確でない場合、企業選びや自己PRに迷いが生じやすくなります。
例えば、内定を焦る気持ちから、業界・企業を選ばずにエントリーしている学生も見られます。しかし、焦りや迷いのある状態で選考に進むと、志望理由や自己PRが表面的になりやすく、選考通過が難しくなるかもしれません。
このような状況では、一度立ち止まって就活の方向性やキャリアプランを考え直し、その軸に沿った就活を行うことが大切です。
倍率の高い企業や大手企業ばかりエントリーしている
倍率の高い人気企業や大手企業ばかりにエントリーしていることで、内定を獲得する難易度が高くなっているケースも見られます。特に、自分のスキルや経験に合致していない企業に応募している場合、内定獲得のハードルが上がります。
また、「人気があるから」「大手だから」という理由だけでエントリーしていると、志望動機が表面的になりやすく、面接官から深掘り質問をされた際の受け答えが難しくなります。
「なぜその企業を志望しているのか」「入社してからどのように貢献できるか」を具体的に伝えられない場合は、再度自己分析と企業研究を行い、自分が本当に入社したい企業なのかを見極めることが大切です。
業界・業種を絞り過ぎていて、応募数が少ない
応募数が少ないことで内定を得られていないケースもあるでしょう。特定の業界・業種にしか目を向けていない場合、応募できる企業の範囲が限られてしまいます。
また、業界・業種を絞っていると、選考を通過できなかった場合の選択肢も少なくなります。応募する企業の幅を広げることも検討してみましょう。
身だしなみやマナーが不十分
身だしなみやマナーは、接する相手を不快にさせないための思いやりであり、良好な関係を築くために必要な要素です。
例えば以下のような身だしなみやマナーは、「社会人としての配慮に欠けている」と思われ、選考に影響する可能性があります。
- 服装にシワや汚れがある
- 髪型が乱れている
- 挨拶ができていない
- 敬語が使えない
- 時間を守らない
- 面接での態度が悪い
など
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面接で熱意を伝えきれていない
面接で緊張してわかりにくい話し方になってしまったり、どの企業でも当てはまるような抽象的な回答をしていたりすると、熱意が伝わりきらず選考通過が難しくなります。
例えば、以下のような話し方になっている場合は改善が必要です。
- 受け答えが曖昧
- 回答内容に矛盾がある
- 目を見て話さない
- 声が小さい
- 反応が薄い
- 早口で聞き取りにくい
- 表情が読み取りにくい
など
「面接でうまく話せない」と落ち込んでしまう学生は少なくありません。しかし、何度も練習して慣れることで改善できる可能性は十分にあります。諦めずに練習を重ねていきましょう。
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応募書類(ESや履歴書)に不備がある
ES(エントリーシート)や履歴書は、企業に自分を理解してもらうための最初のツールです。誤字脱字はもちろん、アピールポイントが抽象的だったり、不明確だったりすると、企業が応募者の活躍をイメージしづらい可能性があります。
手書きで書類を作成する場合は、丁寧に書くことも意識してみましょう。
応募書類は少しの意識ですぐに改善しやすい部分です。丁寧に作成することはもちろん、誤字脱字などの不備がないかダブルチェックして、読みやすい文章を心がけましょう。
内定がないときにやるべき行動と対策
ここでは、今後の選考に向けてやるべき具体的な行動・対策方法を紹介します。
自己分析をして、客観的に自分を理解する
すでに自己分析をしている場合でも、客観的に自分を理解できていないケースがあります。そのため、再度自己分析を行い、自分の強みや弱みを理解していきましょう。自分を客観視するために、性格診断テストやツールなどを活用した上で、自身の過去の経験と結び付けることも大切です。
また、家族や友人などに自分の特徴や性格を聞いて分析する「他己分析」も効果的です。自分の強みと弱み、大切にしている価値観などを把握することは、企業選びや自己PR・志望動機の作成に役立ちます。
自己分析・他己分析のやり方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
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就活の軸を考え直す
就活の軸とは、企業・業界選びで重視する自分なりの価値観や譲れない条件のことです。
すでに就活の軸を決めているかもしれませんが、就活を進めていくなかで、当初考えていた軸が自分に合っていないと感じることはよくあります。そんなときは、改めて就活の軸を考え直すのがおすすめです。
就活の軸を決める際に、以下の質問を自分へ投げかけることも有効です。
- 自分が人生で何を成し遂げたいか
- どんな仕事にやりがいを感じるのか
- どんな環境で働きたいか
- どんな人と働きたいか
- ワークライフバランスをどのように実現したいか
など
就活の軸を明確にすると、自分に合う企業が探しやすくなるだけでなく、自己PRや志望動機などの回答に一貫性を持たせられ、説得力のあるアピールがしやすくなります。
複数の軸を持つ場合は、企業によって「どの軸をもとに選んだか」を掛け合わせて志望動機や自己PRを考えるのがおすすめです!
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応募数を増やす
これまでの応募数が少ないと感じているなら、少し視野を広げて、応募数を増やすことを検討してみましょう。ただし、やみくもに応募数を増やすわけではありません。自分の強みやキャリアプラン、就活の軸に合う業界・企業を見つけて、エントリーすることが大切です。
企業研究をやり直す
企業研究は、志望する企業への理解を深めるために必要な準備です。企業のことを理解し、自分がその企業で活躍するイメージを採用担当者にアピールすることで選考通過の可能性が高くなるでしょう。
改めて企業研究を行い、企業が求める人物像、企業理念、経営理念、将来のビジョン、事業内容などをしっかり確認しておきましょう。
企業研究のやり方はこちらの記事で詳しく解説しています。
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キャリア支援センターや就活エージェントを活用する
就活をスムーズに進めるために、キャリア支援センターや就職エージェントなどで専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。
キャリア支援センターや就職エージェントでは、自己分析や企業研究、面接対策など、就活に関するさまざまな相談が可能です。
行き詰まっているときは第三者に相談すると、焦る気持ちが軽減されたり、今後やるべきことが明確になったりすることもありますよ。
身だしなみやマナーを見直す
どんなに面接の回答内容がよくても、身だしなみやマナーが不十分だと、選考に影響することが考えられます。以下を参考に、身だしなみのポイントや面接マナーを確認していきましょう。
身だしなみのチェックポイント
- 服のサイズはだらしなく見える着方になっていないか
- 服にシワやホコリがついていないか
- 服やバッグ、シューズにタグはついていないか
- 髪型が乱れていないか
- 爪が長すぎないか
- メイクと服装がマッチしているか
- 髭の剃り残しはないか
- 香水や汗などのニオイはきつくないか
面接で気をつけたいマナー
- 時間厳守:余裕を持って会場に到着する
- 挨拶:挨拶や会釈は丁寧に行う
- 言葉遣い:敬語を正しく使い、丁寧な言葉遣いを心がける
面接の受付〜退室のマナーはこちらの記事で詳しく解説しています。
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面接のマナーが画像付きでわかる!入室・退室・服装の身だしなみをわかりやすく解説
面接のマナーで気をつけたいポイントとして、入室・退室の流れ、言葉遣いなどがあります。特に初めての面接では不安も多いですが、練習を重ねることで緊張感を和らげることが可能です。事前にどんなことに気をつければよいのかをチェックして、自信をもって面接に臨みましょう。
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面接練習をする
面接で自分の魅力を効果的にアピールするには、練習が欠かせません。面接では回答だけでなく、目線や表情などの細かな点に気を配ることも大切であるため、これらを意識した練習が必要です。
面接には、集団面接や個人面接、グループディスカッションなどさまざまな形式があります。自分が受ける面接の形式を把握し、適切な対策を進めていきましょう。
面接練習で意識したいポイント
- 時間厳守:余裕を持って会場に到着する
- 姿勢:背筋を伸ばして座る
- アイコンタクト:話す際には目を合わせる
- 声のトーン:聞き取りやすい高さを意識する
- 表情:固くならず自然な表情を心がける
- 話し方:論理的に話す
キャリア支援センターなどで模擬面接を受けるのもおすすめです!
具体的な面接練習のやり方は以下の記事もチェックしてみてください。
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よくある質問
内定がない原因は何ですか?
内定を獲得できない背景には、以下のようなさまざまな要因があります。
- 自分の強みや弱みを正しく理解していない
- 自己PRや志望動機で企業目線が不足している
- キャリアプランが明確でない
- 倍率の高い企業や大手企業ばかりエントリーしている
- 業界・企業を絞り過ぎていて、応募数が少ない
- 身だしなみやマナーが不十分
- 面接で熱意を伝えきれていない
- 応募書類(ESや履歴書)に不備がある
これらのなかで自分に該当する項目があれば、その部分を重点的に対策していきましょう。具体的な対策方法は「内定がない原因を知って改善しよう」で解説しています。
内定がないときはどうすればいいですか?
今後の選考に向けて、以下の行動・対策を行うことがおすすめです。
- 自己分析をして、客観的に自分を理解する
- 就活の軸を考え直す
- 応募数を増やす
- 企業研究をやり直す
- キャリア支援センターや就活エージェントを活用する
- 身だしなみやマナーを見直す
- 面接練習をする
「内定がないときにやるべき行動と対策」で詳しく解説しています。
内定がないまま卒業する割合はどれくらいですか?
株式会社リクルートが実施した「就職プロセス調査」によると、2024年卒の大学生の卒業時点の就職内定率は96.8%です。つまり、内定がないまま卒業する学生の割合は3.2%であることがわかります。
内定がないまま卒業するとどうなりますか?
例えば、大学生で内定がないまま卒業することになる場合、既卒扱いで就活する、アルバイトをする、大学院や専門学校に通うなどが選択肢になります。
そのほか、就職留年という選択肢もあります。就職留年は、翌年も「新卒」として就活するために、あえて大学を卒業せず、留年する選択肢です。
就職留年すれば、改めて企業研究や自己分析などの時間を設けられるため、余裕を持って就活に臨めます。また、選考に通過できなかった企業に再度エントリーできることもメリットです。
無い内定(NNT)とは?
「無い内定(NNT)」とは、「Nai Nai Tei」の頭文字からなる略語で、内定がない状態を表す言葉です。SNSの投稿やハッシュタグなどのネット上で使われる傾向があります。