就活エージェントは、学生の就活をサポートしてくれる「アドバイザー」が、キャリアに関する相談に乗って学生の志向に合った求人情報を提供したり、書類選考や面接の対策を行ったりするサービスです。
一人では不安なことも多い就活ですが、就活エージェントを活用することで、自分に合う求人を見つけ、目標とするキャリアに近い企業に出会える可能性もあります。
就活エージェントの利用を検討している方は、メリット・デメリットを理解したうえで、自分に合うサービスを見つけてみましょう。
この記事でわかること
- 就活エージェントは、学生側は無料で利用できる
- 友人や家族に相談できないことを本音で話せるのが就活エージェントの強み
- 就活エージェントを利用するにあたり、面談を行う時間を確保する必要がある
就活エージェントとは:専任アドバイザーが就活を無料で支援するサービス
就活エージェントとは、専任のアドバイザーである「キャリアアドバイザー」が就活を支援してくれるサービスで、マンツーマンで書類の添削や面接対策などを行います。
就活エージェントは「職業安定法第4条」により、厚生労働省から認可された職業紹介事業者であり、安心して利用できるサービスです。
就活をスタートして「志望する業界・企業が決められない」「書類作成がうまくいかない」「しっかりと面接対策をしたい」といった悩みが出たとき、プロのアドバイザーに頼りながら就活を進めることができます。
就活エージェントはなぜ無料で利用できるの?
就活エージェントは、学生が受けるサービスは基本的に無料で利用できます。
無料というと「怪しい」「あとから高額な料金を請求される」といった不安もありますが、就活エージェントは、人材を紹介した企業から報酬を得ることで利益を得ているため、学生は無料で利用できるという仕組みです。
就活エージェントを利用するメリット
就活エージェントを利用するメリットは、こちらのとおりです。
エージェントにより特徴や強みは異なりますが、就活全般の相談に乗ってもらえるため強い味方になるでしょう。
就活の悩みを相談できる
就活では、ストレスや不安を抱えることがあるものの、友人や家族など身近な人に相談できない方も少なくありません。
第三者である就活エージェントだからこそ、自分の悩みや考えていることを正直に話すことができるでしょう。相談したことに対して、専門的なアドバイスもしてくれるため、友人や家族よりも相談しやすいことがメリットです。
就活の方向性や書類作成、面接対策といった選考に関する疑問にも答えてくれるため、就活中は常にサポートを受けることも可能です。
自分の価値観や適性を踏まえて求人を紹介してくれる
就活エージェントは、学生の適性や価値観を把握したうえでアドバイスや求人情報の提供を行います。
これにより、自分に合った職場を見つけやすくなるため、長期的なキャリアを考えることも可能です。
一人で就活をしていると、視野が狭くなる可能性があります。アドバイスをもらいながら就活を進めることで、自分だけでは気づけなかった適性を把握でき、応募する業界・企業の幅も広がるでしょう。
エージェント独自の専門知識とネットワークを活用できる
就活エージェントはさまざまな企業と連携しているため、業界のトレンドや専門知識など多くの情報をもっています。アドバイザーに相談することで、学生が自分でリサーチする以上に、効率よく有益な情報を得られるでしょう。
就活情報サイトやSNSだけではわからない、企業の社風や働き方、将来性、同業他社との違いや関係性なども聞くことができます。
ほかにも、非公開求人の案内を受けられる可能性があるため、就活エージェントを利用していない学生にはわからない情報も入手できるかもしれません。
面接や書類作成のサポートを受けられる
就活エージェントは、ES(エントリーシート)や履歴書などの書類作成、面接対策のアドバイスも行っています。
就活のなかでも特に悩みやすい、書類作成や面接対策も丁寧にサポートを行ってくれるため、自信をもって選考に臨める点がメリットです。
イベントやセミナーに参加できる
就活エージェントサービスを提供する企業では、キャリアアドバイザーなどによる就活イベント・セミナーなどが実施されています。
業界に関する最新情報の提供や、ES対策・面接攻略をテーマとしたセミナーも実施されており、学生にとって魅力的な情報を得られるでしょう。大手企業の現役人事が講師になることもあるなど、ほかでは聞けないセミナーも実施されています。
会場で行われるイベントもあれば、パソコンやスマートフォンで閲覧できる動画のセミナーなど種類はさまざまです。
就活エージェントを利用するデメリット
就活エージェントを利用する前に知っておきたいデメリットは、こちらのとおりです。
就活エージェントだけに頼りっぱなしになるのではなく、就活をサポートしてくれるひとつの手段として考えましょう。そうすることで、デメリットを解消しながら就活を進められるはずです。
アドバイザーから面談の連絡が頻繁に届く可能性がある
アドバイザーと面談を行う際の日程調整の連絡は、日中に届くことがあります。
面談では、就活の方向性や求人の紹介など就活を進めるうえでの話し合いを行います。アドバイザーは面談の日時を確保する目的で、メールや電話で何度も連絡がくることもあるでしょう。何社も就活エージェントに登録をしていると、やりとりの頻度やスケジュール管理に苦労する可能性があります。
面談が難しいときは「後日連絡する」とはっきり伝え、連絡の頻度や面談の予定をうまく組んでみてください。
アドバイザーと面談をする手間が増える
就活エージェントを利用するにあたり、定期的にアドバイザーとの面談や連絡を行うことになります。
アドバイザーとのメールや電話のやりとりや、面談のために時間を設ける必要があります。就活、講義、アルバイトなど日々忙しい学生にとって、アドバイザーとのやりとり・面談がデメリットに感じることもあるでしょう。
スマートフォンのアプリや手帳などを使い、うまくスケジュールを組みながら就活エージェントを活用してみてください。
エージェント側の提案に流される可能性がある
就活エージェントが提供する求人情報やアドバイスと、自分が描くキャリアや価値観と一致しないケースも考えられるでしょう。
自己分析や企業研究が十分ではなかったり、おすすめされたからという理由だけで選考に応募したりすると、入社後にミスマッチが発生するかもしれません。
入社後に後悔しないためには、アドバイザーの意見を聞きながらも、自分がどうしたいかをはっきり伝えることが大切です。
アドバイザーの意見に違和感がある場合は、アドバイザーとの相性があまりよくなかったり、アドバイザーとのコミュニケーションがうまくいっていなかったりする可能性も考えられます。エージェントを一つに限定せず、複数を利用してみて、スムーズにやりとりがしやすいところを選ぶのもよいかもしれません。
アドバイザーとの相性については「キャリアアドバイザーとの相性を確認する」の項目で詳しく解説しています。
選べる企業の幅が狭まる可能性がある
就活エージェントが提供する求人情報は、エージェントの提携する企業に関するものとなるケースがほとんどです。そのため、就活エージェントが提供する求人のみに応募していると、選択肢が狭くなる可能性もあります。
選択肢が狭くなることで、就活の軸に合う企業を見つけにくくなることも考えられるため、就活エージェントと就活情報サイトを併用するのがおすすめです。就活情報サイトのほうが求人の掲載数が多く、選択肢が広がるでしょう。
自分に合った就活エージェントの選び方
自分に合う就活エージェントの探し方は、こちらのとおりです。
保有している求人数を確認する
就活エージェントが提供できる求人数は、エージェント選びの大切なポイントです。
求人数が多い就活エージェントのほうが、学生には選択肢が豊富になり、希望に合う職種・企業を見つけやすくなります。就活エージェントのWebサイトや資料、面談の際にどれくらいの求人数があるか確認してみましょう。
サポート内容を確認する
就活エージェントにより、サポート内容が異なるケースがあり、おもにこのようなサポートを行います。
就活エージェントのサポート例
- キャリアに関するカウンセリング
- 情報提供
- 求人紹介
- 書類作成支援(ES、履歴書など)
- 面接対策
Webサイトなどを確認し、自分が受けたいと思うサポートが実施されているか確認してみましょう。
キャリアアドバイザーとの相性を確認する
アドバイザーは、就活をともに進める重要なパートナーです。相性が合わない場合、コミュニケーションが難しくなり、相談をしづらくなってしまいます。
就活エージェント登録後、初回の面談の際にコミュニケーションをとりながら、専任アドバイザーとの相性を確認してみましょう。
話し方やサポート方法などを確認し、継続して支援を受けるのが難しい可能性が高いなら、担当者を変えてもらう、または就活エージェントを変えることも検討してみてください。
自宅から通いやすいか、またはオンラインが可能かを確認する
アドバイザーとの面談は、就活エージェントのオフィスで実施されることがあります。そのため、自宅または学校から通いやすい場所にあるかも確認しておきましょう。
足を運びやすい場所であれば、面談やセミナーへの参加がスムーズになります。
最近では、オンラインで面談できる就活エージェントも増えています。利用したい就活エージェントが遠方にある場合は、オンラインでの面談に対応しているか確認しておきましょう。
エージェントの実績や口コミを確認する
就活エージェントの実績や口コミを調査して、評価・信頼性を確認しておきましょう。
就活エージェントのWebサイトに掲載された口コミ以外にも、X(旧:Twitter)や口コミサイトなどを確認することで、よりリアルな意見を確認できます。
就活エージェントの利用の流れ
就活エージェントの申し込みから利用までは、こちらのとおりです。
- Webサイトから申し込みをする
- オンラインまたは対面でエージェントと面談をする
- 求人紹介を受け、応募企業を決定する
- ES添削や面接選考対策を受ける
- 選考・内定を受ける
1. Webサイトから申し込みをする
まずは、利用したい就活エージェントのWebサイトから申し込みを行います。
Webサイトには登録フォームがあり、氏名・生年月日・住所・メールアドレス・電話番号・学校名・卒業見込み年月などの個人情報と、希望職種・業種、就活の状況などをフォームに沿って記入します。
フォームを記入し、申し込みが完了したら、電話またはメールで就活エージェントから連絡があるため対応しましょう。
2. オンラインまたは対面でエージェントと面談をする
就活エージェントからの連絡を受けた際、日程調整を行いオフィスに訪問またはオンラインで面談を行います。
面談では、自分のスキルや経歴、就活の目標・希望などについて詳しく話し合い、その情報をもとにアドバイスが行われます。面談の前に、自分の就活状況や希望を整理しておくと、スムーズに相談できるでしょう。
3. 求人紹介を受け、応募企業を決定する
就活エージェントに登録した際の情報や面談での相談内容をもとに、アドバイザーから求人が案内されます。そして、提供された求人情報を確認し、興味をもった企業に応募するかを決めます。
アドバイザーから企業選びに関するアドバイスを受け、おすすめの企業を紹介されますが、選考に応募するかは自分の意志で判断しましょう。
4. ES添削や面接選考対策を受ける
選んだ企業に応募すると決めたら、ESなどの書類作成支援、添削のアドバイスを受けることができます。
その後は、面接対策や模擬面接のサポートも実施されます。一人では難しい面接の対策ができるのは大きなメリットの為、ぜひ活用しましょう。
5. 選考・内定を受ける
選考後、内定を獲得したら承諾する・しないを判断します。複数の内定を獲得する可能性もあるため、就活エージェント経由で受けた企業も、辞退をすることは可能です。
内定獲得後、就活エージェントは就業条件の交渉や入社手続きのサポートも行います。
-
【例文あり】内定辞退の方法|電話・メールでの伝え方といつまでに連絡すべきかを解説
他社から内定をもらったなどの理由で、内定辞退をすることはあるでしょう。辞退そのものに問題はありませんが、少しでも早く採用担当者に伝えること、できるだけ電話で伝えることが大切です。電話、メールでの伝え方を紹介します。
続きを見る
おすすめの就活エージェント10選
ここでは、オリコン顧客度満足度ランキングを参考に選出した、就活エージェントを紹介します。
※2023年10月時点の情報です。
リクナビ就職エージェント
リクナビ就職エージェントはリクナビを提供する企業、株式会社リクルートが運営するエージェントです。オリコン顧客度満足度ランキングでは、「登録のしやすさ」「相談のしやすさ」「対応力」「紹介企業」の部門で1位を獲得しています。
リクナビ就職エージェントでは、文系学生向け・理系学生向け・体育会学生の3パターンに分類されており、自分に合うサポートを受けやすいでしょう。
国内大手企業、外資系企業、優良ベンチャー企業などを含む非公開求人情報も紹介される点が特徴です。
マイナビ新卒紹介
マイナビ新卒紹介は、就活情報サイト「マイナビ」が運営する就活エージェントです。「登録のしやすさ」「相談のしやすさ」「対応力」「紹介企業」の部門ではリクナビ就職エージェントに続いて2位を獲得しています。
就活情報サイトのマイナビには掲載されていない非公開求人情報もあるため、「マイナビ」を併用しながら活用するのがおすすめです。
マイナビ新卒紹介では、採用代行や採用コンサルも行っているため、選考で重視されるポイントなど、リアルな採用情報を得ることができる点がメリットです。
キャリアチケット
キャリアチケットは、「量より質」を重視したサポートを実施しています。何十社に応募するよりも、じっくりと対策を行い、内定を獲得したい方に向いている就活エージェントです。
初回カウンセリングでは、学生の「就活の軸」を明確にし、それに合う企業を厳選して紹介するため、自分に合う企業に出会える点が魅力です。
企業別にESの添削、面接対策を実施するため、内定率が93%向上した実績があります(2022年度実績)。
LHH就活エージェント
LHH就活エージェント(旧:Spring就活エージェント)は、オリコン顧客度満足度ランキングの「紹介企業」の項目で2位を獲得しています。
内定獲得だけではなく、今後のキャリアを見据えてサポートするため、明確なキャリアがある方や入社後の目標を重視したい方におすすめの就活エージェントです。
ES対策、面接対策では、自分らしさと応募企業に合う自己PRや志望動機を一緒に考えてくれるため、書類選考や面接で自信をもって臨めるでしょう。
キャリアパーク就職エージェント
キャリアパーク就職エージェントは、企業紹介と面接対策をメインに行うサービスです。
選考回数が少ない企業の紹介も可能であること、選考通過率アップのサポートを行うことから、最短1週間のスピード内定まで至れる点は、早く内定を獲得したい方にも向いています。
自己PR、志望動機の作成は、キャリアパークに登録後利用できるため、ES対策や面接対策としても活用できるでしょう。
就職エージェントneo
就職エージェントneoは、内定支援実績が約45,000件、累計紹介企業数約10,000社と、実績の数が多いサービスです(※)。
アドバイザーと一緒に自分に合う企業を見つけ、書類と面接対策ができるのはもちろん、日程調整や内定の断り連絡も代行してくれます。
就職エージェントneoの拠点は、東京・名古屋・大阪・福岡です。自宅や学校や拠点に近い方にとって利用しやすいサービスといえるでしょう。遠方の方は、Web面談も可能です。
Webセミナーでは、就活初心者向けから面接選考に進んだ方向けまで、さまざまなイベントが配信されています。
※2010年4月〜2022年4月までの実績
doda新卒エージェント
doda新卒エージェントは、オリコン顧客度満足度ランキングの「相談のしやすさ」で2位を獲得しています。
doda新卒エージェントと契約する企業が6,500社以上(※)で、プロが自分に合う企業を厳選して紹介します。求人によっては、ES不要、面接回数が少ないなど、最短2週間とスピード内定が可能な選考枠があるなど、魅力が多いことが特徴です。
ほかにも、通常ではわからない面接の合否理由を、企業に代わりに聞いてくれるため、次の面接にも活かせるのはdodaならではです。
※当該サービスに申し込んだ法人の累計(2024年3月時点)
type就活エージェント
type就活エージェントは、首都圏を中心に採用を行う優良企業の情報を紹介しています。首都圏での就活をする、地方在住の学生限定で、都内近郊にあるシェアハウスを利用・就活支援金をもらえるなどサポートが充実している点が魅力です。
type就活エージェントには、特別推薦枠や会員限定選考イベントもあうため、優良企業のスピード内定を目指す方にも向いています。
キャリタス就活エージェント
キャリタス就活エージェントは、オリコン顧客度満足度ランキングの「登録のしやすさ」「対応力」で3位を獲得しています。創業から40年以上にわたり、学生への就職情報の提供を行っており、経験やノウハウを活かし、求人情報の紹介やアドバイスを行っていることが特徴です。
紹介企業総数は8,500社以上、キャリタスを通じて入社を決定した学生は11,000名以上という実績があります(※)。
キャリタスのオフィスは東京は千代田区、関西支社が大阪市中央区にあり、来社での面談だけではなくWeb面談や電話でも可能です。
※2023年4月現在の実績
ジョブコミット
ジョブコミットは、学生とアドバイザーが二人三脚となり、一人の学生に徹底的に向き合うことを重視した就活エージェントです。
平均個別面談は、一人あたり10時間以上と他社よりも長く、親身に向き合い就活を進めることができる点が魅力です。
大手企業やベンチャー企業など幅広い求人を紹介できるため、自分に合う求人を探しやすいでしょう。
就活に関する情報のリサーチ、ES添削、企業の口コミチェックができる便利なアプリを活用するのがおすすめです。就活に利用できるアプリは、こちらの記事で紹介しています。
-
【2024】就活に役立つおすすめアプリ25選を用途別で紹介!上手に活用して就活を進めよう
就活アプリにはさまざまな用途・種類があるので、それぞれの特徴を踏まえたうえで、用途に合うものを活用することが大切です。この記事では、就活アプリのおすすめを25選紹介します。アプリを活用して効率よく就活を進めていきましょう。
続きを見る
よくある質問
就活エージェントとは何ですか?
就活エージェントで紹介された企業の選考を辞退することはできますか?
就活エージェントで紹介された企業でも、選考を辞退することは可能です。
複数社の選考を受け、内定が出た場合、1社に絞らなければならないため、どうしても内定辞退をしなければならないケースもあるでしょう。
就活エージェントの面談を断りたいです。断り方を教えてください。
「ご連絡ありがとうございます」などのお礼を伝えたあと、面談を辞退したい旨を伝えましょう。
面談を辞退する具体的な理由は、伝えなくても構いません。
理由を求められた際、引き続きその就活エージェントを利用する場合は「スケジュールの都合がつかない」などと正直に伝えます。就活エージェントの利用自体をやめる場合は、「内定が決まった」「ほかの就活エージェントを利用することになった」などの事情を簡単に伝えましょう。
就活エージェントの利用は料金がかかりますか?
就活エージェントは、学生が内定を獲得し入社することで利益を得る仕組みであるため、学生は無料で利用できます。
就活のサポートを行う「就活塾」の場合、有料となるサービスもありますが、就活エージェントとは異なるサービスです。
企業選び、書類作成、面接など就活の情報についてもっと知りたい方は、ユニキャリのLINE公式アカウントもチェックしてみてください。