就活を思うように進められなかったとしても、「就活が失敗した」と不安になる必要はありません。就活の準備や面接で失敗したと思うことも成功につなげられる可能性はあるため、「経験をどのように活かすか」を考えることが大切です。
先輩の就活失敗経験を知り、失敗しないための対策をチェックしておきましょう!
この記事でわかること
- 考え方によっては就活に失敗はないといえる理由
- 就活がうまく進まない、失敗したと感じる人の特徴
- 就活で失敗しないための具体的な対策
先輩たちの就活での失敗経験
就活で「失敗」だと感じるできごとは人によりさまざまです。就活準備や面接での失敗例を見ていきましょう。
就活が始まる前の失敗例
- 志望していた企業の選考スケジュールを確認できておらず、エントリーできなかった
- 自己分析や企業分析の詰めが甘く、エントリーシートで充分なアピールができなかった
- 就活のスタートが遅れてしまい、周囲から遅れをとっている焦りが大きなストレスになった
- インターンに参加する必要性がわからなかったが、業界研究と経験のために参加しておけばよかった
面接の失敗例
- 緊張してしまい、把握していたはずの企業理念など会社に関する質問に答えられなかった
- 面接の練習が充分にできておらず、スムーズに答えられなかった
- ほかの学生に圧倒されて自信を失い、練習したことが発揮できなかった
- Web面接で通信状態にトラブルが発生してフリーズ、面接が中断した
- 面接後、自分以外の学生はお礼状やメールを送信していたことに後々気づいた
そのほかの失敗例
- 会社説明会で知らない単語がたくさん出てきて、先輩社員の話があまり理解できなかった
- 最初に内定を得た時点で就活を終了してしまい、選択肢を狭めてしまった
- 就活の悩みを相談できる人がおらず、常に疑問と不安を溜めたままだった
- 授業とアルバイトの調整がうまくできず、思うように就活が進められなかった
人により「失敗した!」と感じるできごとは異なります。いろいろなパターンの失敗例を知り、対策を考えましょう!
【前提】就活に失敗はない!
「第一志望の企業から内定を得られなかった」「自分だけ内定がもらえてない」といった状況になると、就活に失敗してしまったと落ち込む方もいます。
就活を続けていれば光が見える可能性は充分にあります。もし失敗だと感じたとしても、実は成功につながる道だったと捉えることもできます。
採用活動は夏以降もずっと続く
就活の情報解禁時にエントリーした企業から内定が得られなかったとしても、秋以降も採用を実施している企業も多いため、焦らなくてもよいでしょう。
夏休みが明けてから行われる採用は、秋採用や冬採用といわれています。採用枠が多い大手グループ企業や中堅、中小企業などさまざまな企業が夏休み明け以降の採用を実施しているため、春や夏のうちに内定がもらえなくてもチャンスがあります。
卒業後、学生ではなくなっても「既卒」として就活を続けることも可能です。
既卒とは
周囲に遅れをとっていると焦ってしまうこともあるかもしれませんが、就職して働き始めるのは自分自身なので周りと比べる必要はありません。採用活動は続くため、採用情報を集めて面接などの準備を着実に進めていきましょう。
志望の業界・企業以外に向いている可能性がある
選考に通過できない理由として、志望している業界や企業が自分に合っていないことが原因の可能性もあります。
「働きたい」と思っている業界や企業と、自分の性格や適性が合っているとは限りません。理想とする環境に就職できるとベストですが、実際に働いてみると「ほかの業界のほうがよかった」と思う方もいます。
志望する業界や企業を変えたというと、「就活に失敗したから諦めた」と思うかもしれません。しかし、入社後の苦労を避けられたと捉えることができれば、成功だといえる可能性もあるのです。
就活だけがキャリアの選択肢ではない
新卒で志望していた業界や企業に正社員として入社することだけが、正しいとはいえないでしょう。友人が早くに内定をもらっている姿を見ると、焦りやつらさを感じるかもしれませんが、就活以外で自分が正しいと思える選択をすることも視野に入れてみてください。
例えば、アルバイトをしながら資格やスキルの取得を目指して、武器を身につけたうえで就活をすると、今は想像できない仕事をしている可能性があります。フリーランスを目指して自分だけができる仕事をすることも、あなたにしかできない働き方かもしれません。長期留学をして、海外で新しく学びたい分野を学ぶのもよいでしょう。
就活中は、目の前のことしか考えられずにつらく絶望することもあるかもしれません。ただし、就活が理想通りに進まなかったからといって、その後の人生がすべて台無しになるわけではありませんよ!
就活がうまく進まない人の特徴
就活がうまく進まない人には、以下のような特徴があります。
- 就活の開始が遅い
- エントリー数が少ない
- 就活の軸があいまいである
- 志望動機が明確でない
- 自分の強みを正確に理解できていない
- 選考対策や面接練習が不十分
誰もが最初から自信を持って、就活をしているわけではないはずです。たとえ就活を開始するタイミングが遅れても、志望動機が明確ではなくても、失敗の傾向を把握して改善をすると成功に近づきますよ!
就活の開始が遅い
就活の開始が遅いほど、採用のチャンスを逃す可能性があります。スタートダッシュに遅れただけで就活に失敗というわけではありませんが、焦りにより準備の詰めが甘くなるなど、ネガティブな影響がでてしまうかもしれません。
- 就活情報の解禁:卒業前年度の3月1日から
- 採用の選考開始:卒業年度の6月1日から
政府により上記のようなルールが設けられていますが強制ではないことから、学生が自ら就活のために自己分析や業界研究を進めたり、インターンに参加したりするケースは多いです。
近年は就活の早期化が進んでいることもあり、卒業前年度の夏から秋に行われる「サマーインターン」で内々定をもらう学生もいます。
情報の解禁に合わせて準備を進めるよりも、自己分析や業界研究など採用活動が始まる前から自分で取り組めることを早めに進めてみてください。そうすると時間と心に余裕ができて、しっかりとした対策ができる可能性が高まります。
エントリー数が少ない
エントリーの際に、働きたい業界や企業に絞りすぎて選考を受ける数が少ないと、そのぶん内定を得られる確率が下がるかもしれません。
やみくもにエントリーをすればよいわけではありませんが、極端に絞りすぎることが失敗につながる可能性にもなります。
絞りすぎるよりも、視野を広げながら、2番目、3番目に興味がある業界にエントリーも検討をしてみてください。
エントリーする数は、5社の方もいれば50社近く応募する方などさまざま。正解の数はありませんが、「もっとエントリーしておけばよかった」と思わないためにも、増やすのもいいかもしれませんね。
就活の軸があいまいである
就活の軸とは、業界や企業選びで重視する自分なりの価値観や譲れない条件を指します。例えば「離職率が低く、従業員の満足度が高い職場で働きたい」といったことは、やりがいから見た就活の軸です。
就活の軸があいまいな状態であれば、志望動機や入社後のキャリアプランを問われた際に自信を持ってて答えられないことがあります。面接の際に、質問をした採用担当者に熱意を伝えられず、「うまく受け答えができなかった」と感じることもあるでしょう。
就活の軸を明確にすると、エントリーシートで「何を書けばよいのかわからない」といった悩みが解決しやすくなります。
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就活の軸の決め方|見つからないときの考え方や業界別・職種別の例を紹介
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志望動機が明確でない
志望動機は、多くの採用担当者が知りたい部分であり選考で重視されるポイントです。どの会社にでも当てはまっていたりオリジナリティに欠けたりする志望動機であれば、熱意や企業への理解を採用担当者に伝えにくいです。
志望動機が明確になっていないと、「書類選考で落ちてばかり」「毎回面接でうまくいかない」と手ごたえを感じられずに就活を進めることになってしまいます。明確な志望動機を考えられれば、エントリーシート、面接ともに自信を持って自分らしさをアピールできます。
自分の強みを正確に理解できていない
自信がない方は、自分ならではの強みや長所を考えるのが難しく感じることもあるかもしれません。
強みは面接の際に聞かれるだけではなく、自己PRや入社後のキャリアプランといったアピールポイントでも活用することができます。
多くの学生がいるなかで、採用担当者に「将来は自社で活躍してくれる」と思わせる学生が、選考を通過するでしょう。
どれだけ熱意があっても強みを見つけられていない、言葉として表せていない状態であれば、採用担当者にはあなたのよさが伝わりづらいかもしれません。
自分の強みをまだ見つけられていないときは、以下の記事から長所の見つけ方と伝え方をチェックしてみてくださいね!
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選考対策や面接練習が不十分
就活では、エントリーシートなどの書類の作成や適性検査、面接といった選考のために必要な準備があります。
選考方法は企業ごとに異なるため、過去に行われた選考を調べたり、採用された学生の基準を把握したりと対策をしておいたほうが安心です。
就活情報サイトでは、過去に行われた選考方法や先輩社員の声などをチェックできます。エントリーした業界や企業の情報を調べて対策をしておくほうが、選考において失敗したと感じることは少ないはずです。
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就活で失敗しないための対策
できるだけ失敗を避けて就活を進めるために、次の4つのポイントに注目しましょう。
- 自己分析をして強みを明確にする
- 業界・企業研究を行う
- 入社後のキャリアまで考える
- 第三者に相談する
就活をしているとつらいことや、思い通りにならないことも訪れるはずです。このとき「失敗した」と思うのではなく「自分は大丈夫だ」と思い、後悔しないためにも、対策をしておくとよいでしょう。
自己分析をして強みを明確にする
「就活がうまく進まない人の特徴」で紹介したように、志望動機が明確になっていない方、自分の強みを理解できていない方は書類選考や面接で失敗を感じやすいです。
長所や短所を含めて自分をアピールするためには、より正確な自己分析を行いましょう。すでに自己分析を進めている方も、深掘りをしたり友人などから見た自分を知る「他己分析」をしたりすると、新たな視点の強みを知ることができます。
小学校時代から振り返り、どのようなことを経験して何を感じたのか、過去の経験を書き出してみましょう。自分の頭のなかに思い浮かぶものだけではなく、他者の意見を取り入れることも重要です。自分をより客観視したいときは、自己分析ツールを活用するなどして、自分では気づかない一面を見つけるとよいでしょう。
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業界・企業研究を行う
業界研究と企業研究は、志望する企業への理解を深めるとともに、採用担当者にアピールするために必要な準備です。
企業に関する質問をされて答えられなかったとき、事前の準備ができていないとマイナスの印象を与えてしまうかもしれません。
選考の基準は学歴やスキルだけではなく、将来どのように活躍できるか、どれだけ熱意があるかもポイントになるはずです。これらは、業界や企業に対する理解できているかが大切であるため、事前に研究を重ねて対策をしておきましょう。
企業研究をする際は、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 企業理念
- 経営理念
- 事業内容
- 将来のビジョン
- 業界内でのポジション
- 強みと課題
- 競合他社との違い
「自分が誰よりも、企業について研究してきた!」と自信を持てるくらい、業界研究や企業研究ができるといいですね!
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入社後のキャリアまで考える
志望する企業において「入社後、自分はどのように働きたいか」を明確にイメージしておくことは重要です。
面接の際に「入社後はどのような部署で働きたいか」「入社して5年後のキャリアプランを教えてください」といった質問をされることもあります。
選考段階であるため想像でしか話せない面はありますが、自分がどうなりたいかキャリアプランを描くことは可能です。目標やキャリアを明確に話すことができれば、あなたが将来活躍する姿を採用担当者にイメージしてもらえます。
第三者に相談する
ひとりで頑張りすぎてしまうときもある就活ですが、誰かに頼ることも大切です。就活に関する具体的なアドバイスがほしい方は、相談先を把握しておいて悩みを話せる場所をつくっておきましょう。
就活の相談ができる場所
- 学校のキャリア支援センター
- わかものハローワーク(35歳未満専門のハローワーク)
- Web上の就活エージェント
- ジョブカフェ・就活カフェ
いずれの場所も、就活に関するアドバイスをくれる人がいます。無料で利用できるサービスもあるため、さまざまな場所を利用して、あなたに合う場所で相談できるようにすると安心です。
第三者に相談すると、今まで自分では気づけなかったことを知れる機会にもなります。悩みを話せる相手がいれば、心も楽になるはずですよ!
まとめ
就活では、先輩の経験を知ることで失敗を防げる可能性があります。
ただし、どれだけ対策をしていても多かれ少なかれ失敗を経験するのが就活。その経験を失敗と捉えるか、必要なことだったと捉えるかはあなた次第です。
「失敗」というとネガティブな要素に聞こえますが、ひとつ失敗をするとメンタルが落ち込み、次の失敗を生み出し連鎖することも考えられます。そのため「失敗をしても、次の選考に活かす!」と考える前向きな気持ちが大切です。