就活の面接で聞かれるキャッチフレーズ(キャッチコピー)は、面接官に対して自分の強みや個性をわかりやすく伝えることが重要です。
ES(エントリーシート)に記入を求められる場合もあるため、事前にキャッチフレーズを決めておくと、スムーズに就活が進められるでしょう。
キャッチフレーズの作り方や回答のコツを解説します。 自分に合うキャッチフレーズが思い浮かばないと悩んでいる方に向けて、工夫できるポイントも紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- キャッチフレーズは作成する過程で自己分析しわかりやすく伝える力が身に付く
- 企業はキャッチフレーズを聞くことで学生の自己分析力や伝える能力を見ている
- わかりやすく簡潔に作成することが重要である
就活のキャッチフレーズ(キャッチコピー)とは:自分を端的に表す言葉
就職におけるキャッチフレーズ(キャッチコピー)とは、自分自身の性格や素質をシンプルに表現した言葉のことです。
一般的には、商品や作品の宣伝に用いられる短い文句をキャッチフレーズといいます。テレビや動画配信などで流れてくる広告には、一目でどんな商品なのかがわかったり、印象に残ったりするものもあるでしょう。そのような広告には、魅力を惹きつけるキャッチフレーズが使われていることがあるのです。
就活においては、選考書類や面接などで「あなたのキャッチフレーズを教えてください」「あなたを一言で表すと?」のように質問されることがあります。
キャッチフレーズは、自分の性格や個性、価値観などが伝わる内容で作成してみましょう。
なぜ企業は就活で学生のキャッチフレーズを聞くの?
意図や狙いは企業によってさまざまですが、おおよその意図として企業側の狙いを確認しておくとキャッチフレーズが作りやすくなるでしょう。
自分自身を理解できているかを知るため
企業は学生自身が自分のことを理解できているかを知るために、キャッチフレーズを聞くことがあります。
キャッチフレーズを決めるには、自分自身の強みや性格、価値観など普段意識しない部分まで考える必要があります。企業はキャッチフレーズを聞くことで学生の強みを確認し、自己理解できているか、自社と学生の強みがマッチするかを判断しているといえるでしょう。
例えば、コミュニケーションを図るのが得意と自己理解した場合、営業職やサービス業など人と関わる職種・業種とマッチ度が高い傾向があります!
企業は学生にキャッチフレーズを聞くことで、伝える能力や表現力があるかを確かめているとも考えられます。キャッチフレーズは、相手に伝わりやすい表現や伝え方をすることで魅力が発揮されるためです。
就活でキャッチフレーズを伝える際は、そのキャッチフレーズにした理由も伝えます。なぜ、そのキャッチフレーズを作ったのか、伝わるようにわかりやすく簡潔にまとめることが重要です。
就活でアピールする自分のキャッチフレーズの作り方3ステップ
就活における自分のキャッチフレーズの作り方を、以下の3ステップに分けて解説します。
確認しながらキャッチフレーズを作ってみましょう。
1.キャッチフレーズで伝えたい自分の特徴や強みを明確にする
キャッチフレーズは自分の強みや個性を表すため、自分自身を深く理解する(自己分析)ところからはじめましょう。
自分自身を深く理解するには、以下の方法を試してみるのがおすすめです。
自己分析におすすめの方法
- 自分の過去を振り返る
- 性格診断や価値観テストを活用する
- 友人や家族に自分の強みや長所を聞いてみる
自分の過去を振り返って、活躍できた場面や苦労して乗り越えた場面などを書き出して、さらに自分の行動に対して深堀りをしていくと、自分の強みや価値観が見えてきます。
また、性格診断を利用したり、家族や友人に自分のことを聞いてみたりすると、第三者から見た自分を捉えることができます。客観的に自分を見ることができるため、自己分析に効果的です。
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2.アピールしたい強みが求める人物像とかけ離れていないかを確かめる
キャッチフレーズは、自分が志望する企業に合う内容を考えてみましょう。企業が考えている採用したい人物像とかけ離れていると、効果的なアピールに繋がらない可能性があります。
企業が求める人物像を知るためには、以下の方法で企業の情報を集めてみてください。
企業情報を集める方法
- 企業のWebサイトを確認する
- 採用情報を熟読する
- 企業説明会に参加する
- 実際に働いている社員に話を聞く
3.自分の強みと企業の求める能力がマッチしたキャッチフレーズを具体化する
自己分析と企業研究で得た情報をもとに、自分の強みと企業が求める人物像がマッチしたキャッチフレーズを作成してみましょう。
キャッチフレーズに使用する言葉は、シンプルでわかりやすいものを選び、かつ具体的に表現するのが重要です。
例えば「計画性」をキャッチフレーズにしたい場合、ただ「計画性がある」と表現するのではなく、以下のように具体的に表現すると伝わりやすいでしょう。
計画性の具体的な表現
- どんな状況でも冷静に計画を実行できる
- 周りと協力して計画を実行できる
- 効率を考え計画を遂行できる
シンプルかつ具体的に、キャッチフレーズを作成してみましょう。
面接では初対面の人に対して自分をアピールすることになります。自分を知らない相手にも伝わりやすい言葉を選ぶのがおすすめです。
キャッチフレーズが思い浮かばない!印象に残る言葉を考える方法
キャッチフレーズを作ろうとしても、納得できるフレーズがなかなか思い浮かばないこともあるでしょう。そんなときは、以下の方法を試してみるのがおすすめです。
ツールや一般に出回っているキャッチフレーズを参考にすることで、印象に残る言葉が思い浮かぶかもしれません。
面接官はさまざまな学生のキャッチフレーズを聞いています。印象に残るために大事な部分なので、しっかり確認して自分に適したキャッチフレーズを作りましょう。
数字を使って具体的に表現する
キャッチフレーズに数字を入れると、印象に残りやすくなります。以下の例をご覧ください。
数字を入れた具体例
- 毎日勉強している→毎朝1時間勉強している
- 計画性と行動力で最大限能力を発揮する→計画性と行動力で10倍の成果を出す人
- クラスのみんなから相談される聞き上手→50人から相談を受けた聞き上手
数字を入れると具体性が増し、印象に残りやすいキャッチフレーズが作れます。数字で表せるような強みを持っている場合は、積極的に使いましょう。
AIに聞いてみる
ChatGPTやGeminiなどAIに考えてもらうのもおすすめです。AIに自己分析結果や企業の情報、どんなキャッチコピーを作成したいかなどを入力すると、ヒントになる言い回しや表現が見つかる可能性があります。
AIが考えたキャッチコピーに自分らしさをつけ加えて作成すると、魅力が伝わるキャッチコピーが作れるかもしれません。
映画や広告のキャッチフレーズを参考にする
映画や広告のキャッチフレーズは、短い言葉で多くの人を魅了するものがあります。どんな言葉を使うと印象に残りやすいのか、参考になるかもしれません。
自分のなかで印象に残ったキャッチフレーズのリズム感や比喩、ユーモアなど分析して、自分のキャッチフレーズ作りに役立てましょう。
就活で自分を表すキャッチフレーズを考えるときの注意点
就活のキャッチフレーズを考えるときは、以下の点に注意してみてください。
注意点を確認して、就活に合ったキャッチフレーズを作成してみましょう。
無理にひねった言葉を作る必要はない
CMや広告では、ユーモアやひねりのある表現が使われており、目を引くキャッチフレーズが多いですが、就活では無理にひねった言葉は使わず、わかりやすい表現を心がけましょう。
就活におけるキャッチフレーズは、簡潔にわかりやすく伝えることが重要であるためです。面接官の印象に残るようなユーモアを取り入れたいと考えるかもしれませんが、反対にわかりにくい表現になるかもしれません。
自分そのものを表す言葉を使ってキャッチフレーズを作成してみましょう。
面接官に伝わりやすいように意識する
応募先の企業や職種に応じたキャッチフレーズを作成し、面接官に伝わりやすいように意識してみてください。
キャッチフレーズは短い文章で自分のことを表現するため、キャッチフレーズだけでは意図が伝わらない可能性があります。
どんなキャッチフレーズでも、最終的に面接官が納得するような理由付けが必要です。その理由付けから応募先の企業や職種に紐づくよう意識して回答を考えてみましょう。
企業研究をして、求める人物像を含めたキャッチフレーズを作りましょう。
キャッチフレーズはあくまでも自分を知ってもらうきっかけである
キャッチフレーズは自己紹介や自己PRの一部であり、面接官側もキャッチフレーズだけですべてを理解しようとしているわけではありません。キャッチフレーズにさまざまな情報を詰め込もうとするのではなく、そのあとに続く説明で詳細な情報や具体的な実績などを伝えることが大切です。
キャッチフレーズはあくまで相手の興味を引くきっかけと考え、そのキャッチフレーズに決めた根拠となる経験や強みの説明を重視して考えてみましょう。
就活で自分を表すキャッチフレーズを聞かれたときの答え方
面接でキャッチフレーズを聞かれたときは、以下のステップで答えると相手にわかりやすく伝えられます。
1.結論(キャッチフレーズ)を述べる
はじめに、結論であるキャッチフレーズから述べましょう。説明から始めると、キャッチフレーズが印象に残りにくくなるためです。
最初に結論を述べ、理由を説明すると簡潔でわかりやすくなるため、意識するようにしてみてください。
2.キャッチフレーズの理由や関連エピソードを述べる
次はなぜそのキャッチフレーズを作ったのか、理由やエピソードを説明します。
過去の経験や学びが、キャッチフレーズにどのように関連しているのかを明確にしてみてください。
3.入社後にどう活かしていくかを述べる
入社後自分が持つ能力や強みをどのように活かして活躍していくかを述べましょう。
ここまでで、自分の強みや特徴が面接官に伝わっているため、 それらが企業にとってどんな利益になるのか、自分が企業で何をしたいかを明確に示すことで、入社の意欲が高いと印象づけられるでしょう。
面接に関する事前準備やマナー、よく聞かれる質問などについては、以下のページで詳しく解説しています。
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就活で自分のキャッチフレーズを聞かれたときの回答例文
キャッチフレーズを聞かれたときの回答例文を紹介します。
努力家・行動力
努力家・行動力の例文
私のキャッチフレーズは【計画的な猪突猛進】です。
設定した目標を達成するために、コツコツ努力を積み重ね、ひたすら突き進みます。
私は高校時代、吹奏楽部でクラリネットを担当し、初心者ながら1年生でコンクールの出場メンバーに選ばれました。
私は「コンクールの出場メンバーに入る」ことを目標に、練習計画を細かく作成しました。朝練は30分間基礎の練習、放課後は最終下校ギリギリまで演奏する曲のなかで難しいと感じているところを10回以上繰り返し練習しました。
目標達成に向けて細かく行動計画を立て、実践してきた成果がコンクール出場メンバー選出につながったと思っています。
入社後は、目標を持って毎日の業務に携わっていきたいと考えています。
字を入れると面接官に伝わりやすい内容になるため、積極的に取り入れてみましょう。
親切・優しい・思いやり
親切・優しい・思いやりの例文
私のキャッチフレーズは【困りごと発見器】です。
友人や家族だけでなく、外で困っている人をいち早く見つけることができます。
私はアルバイト先で新人が困っている様子だったため、事情を聞くと「教えてくれる人によって言っていることが違う」と戸惑っていました。私は誰が教えても同じ内容で新人に指導ができるようにマニュアルの見直しを店長に提案しました。その後、マニュアルの見直しによって、新人だけでなく教える方も戸惑うことなく、新人研修が進められるようになりました。困っている人を助けたいという気持ちは、誰にも負けません。
入社後は、周りの人と良好な関係を築き「困ったら〇〇!」といってもらえるような頼りがいのある人材になりたいと思っています。
計画性・継続力
計画性・継続力の例文
私は【先を予測して計画するタイプ】です。日々の生活や勉強、旅行などの遊びでも計画を立ててコツコツ実践できます。
私は、中学生のときに始めた朝読書を現在も続けています。毎朝30分、本を読み続け、累計200冊以上読んでいます。
日々の勉強も、家に帰ったら1時間机に座ると決め、1時間でできる勉強内容をその日の授業を振り返って決めます。自分で決めた計画は確実に遂行します。
入社後は、自分の強みである計画性と継続力を活かして、日々の業務の優先順位を考えながら計画を立て携わっていこうと考えています。
協調性・傾聴力
協調性・傾聴力の例文
私は【ポジティブな聞き上手】です。
どんなネガティブなことをいわれても、頭のなかでポジティブな発想に切り替えることができます。
私はサッカー部のマネージャーをしていました。選手同士のポジション争いで部内の雰囲気がぎくしゃくしてしまったとき、選手それぞれの気持ちを聞き出し、ネガティブな気持ちをポジティブに切り替えるアドバイスをすることで、雰囲気も明るく変えることができました。
入社後は聞き上手でポジティブに変換できる自分の強みを活かして、常に明るくポジティブな雰囲気で仕事に取り組めるよう、気配りしていきたいと思っています。
柔軟性
柔軟性の例文
私は【ニーズにあわせて変化する提案役】です。
固定観念に捉われず、新しい提案をするのが得意です。
私は家電量販店のアルバイトをしていました。商品案内のマニュアルはありましたが、それだけではお客様の要望に応えきれないことがあります。私は普段から商品のことを調べたり、先輩に相談したりしながら、よりよい商品やサービスを提供できるよう、柔軟な発想の提案を積極的に行いました。
入社後は柔軟性を活かして、取引先の要望に全力で応えていきたいと思っています。
よくある質問
Q1.就活のESや面接で聞かれる自分のキャッチフレーズ(キャッチコピー)とは?
就活においてのキャッチフレーズ(キャッチコピー)は、「自分がどういう人間なのか」を端的に表現できる言葉のことです。 キャッチフレーズを考える過程で自己理解(自己分析)が深められます。
Q2.自分を表すキャッチフレーズの例を教えてください。
キャッチフレーズの例は以下のようなものがあります。 計画的な猪突猛進 困りごと発見器 先を予測して計画するタイプ ポジティブな聞き上手 ニーズにあわせて変化する提案役
Q3.面接で自分を表すキャッチフレーズを聞かれたとき、どう答えればいいですか?
以下3ステップで伝えるのが望ましいです。 結論(キャッチフレーズ) キャッチフレーズの理由や関連エピソード 入社後にどう活かしていくか