Web面接(オンライン面接)において服装や質問に対する回答などは、実際に対面で行われる面接と大きく変わりはありません。しかし、インターネット回線が安定した静かな環境を用意すること、パソコンやスマートフォン、イヤホン、カメラなどを準備することなど、対面の面接とは異なる配慮も必要です。
Web面接ならではの準備やコツを把握したうえで、当日はスムーズに参加しましょう。
この記事でわかること
- 2023年卒の学生の約8割が、Web面接の経験がある
- パソコンやスマートフォン、イヤホンなどは早めに準備、テストをしておくと安心
- 万が一面接中に音声や画面が止まったなどのトラブルに備えて、緊急連絡先を控えておく
一次面接や二次面接で行われやすい「Web面接」
Web面接とはオンライン形式の面接であり、自宅など好きな場所で面接を受けられ、企業など会場へ行く必要がありません。
通信環境が整った場所で、スマートフォンやパソコンのビデオ通話機能を用いて面接を行います。
リクルート マネジメント ソリューションズが発表した「2023年新卒採用 大学生の就職活動調査」によると、2023年卒の学生は、一次面接81.4%、二次面接76.0%の割合でWeb面接を経験したことがわかっています。
Web面接は会場へ足を運ぶ必要はありませんが、インターネットの環境が整っている静かな場所の用意が必要です。ほかにも、ビデオ通話ツールのダウンロード、マイクやイヤホン、必要に応じて撮影用の照明などを用意する必要があるため、早めに準備に取りかかりましょう。
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Web面接までにやっておきたい事前準備
Web面接を受ける数日前までには、これらの準備をしておきましょう。
遅くとも3日前くらいまでには準備をして、Web面接のイメージやリハーサルをしておきましょう!
安定した通信回線のある場所を確保する
Web面接を滞りなく行ううえで大切なのが、安定したインターネット回線です。通信が安定しており速度にも問題がない環境でWeb面接を行いましょう。
インターネット回線が遅い、電波が入りにくいなど不安定な状況でWeb面接を受けるとタイムラグが発生し、画面が見えない、相手の話が聞こえないなどのトラブルになることがあります。
スムーズなやりとりができない場合、あせってしまって本来の力が発揮できなくなることもあるため、まずは環境を整えることが重要です。
インターネット回線に不安がある場合は、有線でインターネットを繋ぐ、Wi-Fiが安定しているコワーキングスペースを利用するなどの対処を検討してみましょう。
落ち着いて面接できる場所を準備する
Web面接を受ける場所は、自分の家や部屋など静かな場所を選びましょう。雑音や人の声が入らない場所を選ぶことで、面接に集中できます。家族と同居している方は、面接中は声をかけないでほしい、できるだけ静かに過ごしてほしいと面接の前に伝えておきましょう。
自宅以外でWeb面接を受ける場合も、静かで集中できる場所を選ぶことが重要です。
Web面接を受ける場所の例
- コワーキングスペース
- レンタルオフィス
- 学校内で人がこないゼミ室、研究室
- 図書館内にある個室
- 個室完備のインターネットカフェ など
やむを得ず雑音や人の声がする場所で面接を受けるときは、Web面接で挨拶や自己紹介をする際に「工事中で物音がするかもしれない」「事情があり自宅ではない場所から参加している」など状況を伝えることがおすすめです。
機材をそろえる
Web面接を受ける際は、これらの機材が必要です。
- デバイス(パソコンなど)
- イヤホン・マイク
- Webカメラ
デバイス(パソコンなど)
スマートフォンやタブレットを用いてもWeb面接は可能ですが、パソコンと比較して画面が小さく、相手の顔や画面に映し出された資料などが見えづらい可能性があります。
相手の表情やリアクションなどを確認しながら面接を受けるためにも、パソコンから参加することをおすすめします。
イヤホン・マイク
Web面接で使用するイヤホンは、マイク付きがおすすめです。イヤホンにマイクが付いていない場合、パソコンに内蔵されたマイクを使用することもできますが、自分の声以外の音も拾う可能性があり、雑音が入りやすくなります。
イヤホンなしでパソコンのスピーカーから相手の音声を聞くことも可能です。しかし、相手の音声以外の音も聞こえやすくなるため、相手の音声を認識しやすいかマイクテストなどで事前に確認しておきましょう。
使用するイヤホンやマイクが正しく接続できているかを確認するために、パソコンやスマートフォンのデバイス設定とマイクテストを行いましょう。
Webカメラ
カメラはノートパソコンやスマートフォン、タブレットに内蔵されていることが多いでしょう。内蔵されていない場合は、別途Webカメラを購入して準備をします。
機種によっては画面が荒く、相手に映し出される画像が見えづらくなることもあります。画素数は100万画素以上を選ぶのがおすすめです。
店頭で購入する場合はスタッフに相談する、ネットショッピングで購入する際は口コミを見るなどして、相手にも顔が見えやすいものを選びましょう。
Web面接ツールの使い方や起動を確認する
Web面接で使用するツールは企業により異なり、事前に指示があります。ツールにはZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどがあり、使用方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。
基本的には面接決定後、事前に企業からWeb面接の案内メールが届き、その案内に面接で使うビデオ通話のURLや参加するためのパスワードが記載されています。
案内メールとは別で、URLやパスワードが送られることもあるため、案内メールに記載がない場合は前後のメールや迷惑メールフォルダも確認してみましょう。
ビデオ通話のアプリやツールによって、共有されたURLにアクセスするだけで参加できるものもあれば、ソフトをインストールするもの、アカウント登録とログインが必要なものなどさまざまです。
過去にプライベートで使用経験があるツールでWeb面接に参加するときは、プロフィールのアイコンの画像や表示される氏名、バーチャル背景などが就活にマッチするものになっているか確認しておきましょう。
画面に映る背景や明るさを整える
Web面接を受けるときの背景は、清潔感のあるホワイトがおすすめです。
背景には家具やポスターなど、不要なものが映り込まないよう片付けをする、または布をかぶせるなどして対応しましょう。背景は壁などにして、できるだけすっきりとした見た目にしてみてください。バーチャル背景は画質が荒くなることもあるため、実際の壁のほうが自然に見えます。
部屋のなかでも、照明や自然光が当たりやすい場所を探し、自分の顔が暗く映らない場所を選びましょう。部屋が暗いと表情が見えづらいだけではなく、暗い印象になるかもしれません。
どうしても部屋が暗く表情が見えづらいときは、リングライトやデスクライトを使用するのがおすすめです。カメラテストをしながらライトの位置を調整してみてください。
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Web面接の背景は、清潔感があり表情が明るく見える白色がおすすめです。大型家具は無理に動かす必要はありませんが、生活感が見えすぎない工夫をしてみてください。ゴミや洗濯物は片付ける、ポスターやカレンダー、小物類なども映らない場所で面接に臨みましょう。
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対面の面接と同様の服装を準備する
Web面接でも対面での面接同様に、企業から指定された服装や志望企業の服装規定に準じた服装を着用します。
ほとんどの場合、上半身のみが映し出されますが、下半身が映り込む可能性もあるため、ボトムスもトップスやジャケットを合わせた統一感のある服装を選びましょう。
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Web面接当日に確認しておきたいポイント
Web面接当日は、これらのポイントを確認しておきましょう。
- 遅くとも10分前までにはツールを起動する
- 画面に映る自分の姿を確認し、角度や明るさを調整する
- 必要のないソフト・アプリの通知音をオフにする
- 面接担当者とすぐに連絡が取れるように備える
遅くとも10分前までにはツールを起動する
遅くとも面接開始予定時刻の10分までにはパソコンを立ち上げ、ツールを起動しておきましょう。
入室の前に、インターネット回線の接続状況に問題はないか、マイク、イヤホン、カメラが適切に動作しているかを確認します。
画面に映る自分の姿を確認し、角度や明るさを調整する
入室前に画面に映る自分の姿を確認します。チェックポイントはこちらのとおりです。
- カメラとの距離が近すぎない・遠すぎないか
- カメラの位置が低すぎない・高すぎないか
- 襟やネクタイなどが曲がっていないか
- 髪の毛は乱れていないか
- 顔の映りが暗くないか・白飛びしていないか
必要のないソフト・アプリの通知音をオフにする
Web面接が始まるまでに、スマートフォンやパソコンの通知音をオフにしておきましょう。面接中に着信音や通知音が鳴ると、ノイズとして聞こえるおそれがあります。その他、音の出る可能性がある機器は電源を切るなどしておきましょう。
家族と同居している方は、事前にWeb面接の日時を伝えておき、面接の時間中は大きな物音を立てない、声をかけないようお願いしておきましょう。
面接担当者とすぐに連絡が取れるように備える
万が一、インターネットの回線トラブルで面接に参加できない、中断してしまったときに備えて、採用担当者や面接官の連絡先を紙やスマートフォンにメモしておくと安心です。パソコンでインターネット回線が接続できない状況でも、スマートフォンから電話やメールで連絡できます。
採用担当者や面接官の部署と氏名、電話番号、メールアドレスをメモしておくと、いざというときに連絡できるでしょう。
Web面接直前に確認したいチェックリスト
Web面接の開始予定時刻の約30分前までには、これらのことを確認しておきましょう。
Web面接直前の確認事項
- 使用するデバイスの充電は十分か(充電中か)
- ツールのプロフィール画像やアカウント名はプライベートなものになっていないか
- 背景に不要なものが写っていないか
- カメラの角度は適切か
- 部屋の明るさは問題ないか、表情がわかるか
- マイク音量は適切な大きさに設定されているか
- 身だしなみは整っているか
前日までに確認できるポイントもありますが、あらためて確認しておくとミスがなく安心です。
Web面接当日の流れとポイント
面接開始前から終了までの流れは、こちらのとおりです。
- 開始5分前にはツールに入室し、待機する
- 企業担当者が入室したら、面接を開始する
- 接続を切って面接を終了する
1. 開始5分前にはツールに入室し、待機する
何分前に入室すればよいのか迷いがちですが、遅くとも面接開始の5分前までには、共有されたビデオ通話のURLへアクセスし入室待機をしておきましょう。
入室すると相手に通知が送られることもあるため、早すぎる入室は避けたほうがいいかもしれません。ビデオ通話ツールを開いただけでは入室にならず、「参加をリクエスト」などのボタンを押すことで入室待機状態になります。
2. 企業担当者が入室したら、面接を開始する
入室後、ビデオ通話が開始し企業担当者が表示されたら、まず「おはようございます」「こんにちは」などの挨拶をします。一言目に何を発するか迷うかもしれませんが、Web面接の場合は、座ったままで通常の挨拶をすれば問題ありません。
挨拶のあとは、「本日面接を受けさせていただく◯◯(名字)と申します。よろしくお願いいたします。」と簡単な自己紹介をします。
Web面接では対面のような、ドアをノックし入室、座るといった動作がなく、入室した瞬間から面接がスタートします。そのため、入室前の待機しているときから緊張感をもっておきましょう。
Web面接中に意識したい話し方
Web面接では、話すスピード、声のトーン、目線に気を配りながらコミュニケーションをとりましょう。
Web面接の場合、対面より声が聞き取りにくいこともあるため、ゆっくり・はっきり・明るい声の3つを意識してみてください。
自分が話すときは基本的に画面に映る相手ではなくカメラを見て話します。カメラの位置にもよりますが、画面を見て話すと、相手から見たとき目線が下がるためです。
Web面接中にカンペを見てもいい?
Web面接を受けるにあたって、カンペ(カンニングペーパー)を用意することは問題ありません。ただし、カンペばかりを見ていると、視線や話し方から面接官は違和感を覚えるかもしれません。
対面の面接では、カンペを見ながら話すことはないため、Web面接でも同様にカンペなしで臨むのもよいかもしれません。
志望動機や自己PR、長所・短所など、面接でよくある質問の受け答えがスムーズにできるよう、準備や練習をしておきましょう。
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3. 接続を切って面接を終了する
Web面接終了後、面接官が退室したことを確認してから接続を切りましょう。「退室したつもりが切れていなかった」というケースもあるため、確実に退室した、もしくは接続が切れたことを確認します。
面接官から「ご退室ください」などと指示があったときは、「本日はありがとうございました。失礼いたします。」と挨拶をして退室しましょう。
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Web面接中に起きがちなトラブルと対処法
Web面接中、思わぬトラブルが発生することがあります。トラブルの例と対処法を見ていきましょう。
声が聞こえなくなった・途切れた
相手の声が聞こえなくなったり、一部途切れたりするケースはありがちなトラブルです。一時的なものであれば、「申し訳ありませんが、音声が途切れたためもう一度質問の内容をおうかがいできますか」などと聞き返してみてください。
会話が困難になるほど声が聞こえない時間が続くときは、ビデオ通話ツールにあるチャット機能を使い、音声が聞き取れない状況であることを伝えましょう。チャット機能が使えないときは、事前にメモしておいた緊急連絡先に連絡をすると、再入室などの指示を受けることができるでしょう。
画面が停止した
インターネット回線の接続が不安定になり、自分の画面が停止することがあります。一時的に停止し復旧したあとは「失礼しました」など謝罪の言葉を伝えて面接に戻りましょう。
画面が停止したままで戻らないときは、一度ビデオ通話ツールから退室し再入室することで改善する可能性があります。
チャット機能を使い、音声が聞き取れない状態であることを伝えたうえで退室、再入室します。画面が停止しデバイスの再起動が必要なときや状況が改善しないときは、事前にメモした緊急連絡先に連絡することも検討してみてください。
通知音や騒音が鳴ってしまった
スマートフォンの音声をオフにしていたつもりでも、そのほかの通知音やインターホン、騒音などが鳴るケースがあるかもしれません。
万が一、騒音など大きな音が鳴ってしまい迷惑をかけてしまったときは「大変失礼いたしました」「大変申し訳ございません」などとすぐに謝罪し、できる限りスムーズに面接に戻りましょう。
ちょっとした雑音、通知音であればノイズキャンセリング機能により、相手には聞こえない可能性があります。着信音など、大きく長く聞こえる音や我慢できない咳などの場合のみ、謝罪をするのがいいですね。
機器やネットのトラブルで面接が中断してしまった
パソコンやスマートフォンなどのデバイスに不具合が発生したり、インターネットの回線トラブルで面接が中断したりした場合でも、再度同じビデオ通話のURLにアクセスすることで、再接続できる可能性があります。まずはあせらず再接続を行い、接続できた際は謝罪をしましょう。
パソコンやスマートフォンの電源が立ち上がらない、再起動してもインターネットに接続できないなど復帰が困難な場合は、事前に確認しておいた緊急連絡先に連絡を入れ、面接官や採用担当者からその後の指示を仰ぎましょう。
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よくある質問
Web面接中、カンペを見てもいいですか?
Web面接の際、カンペを見ることは問題ありません。
ただし、カンペの文字をずっと読み続けていると、面接官から何かを見ながら話しているとわかる可能性があります。参考として見るのは問題ありませんが、見続けることや、頻繁に視線が上下することがないようにしましょう。
Web面接ではどんな服装で受ければいいですか?
Web面接では、対面での面接同様にスーツ、または指示された服装を着用します。
下半身はカメラに映りませんが、ボトムスもトップスに合わせた身だしなみで面接に臨みましょう。
Web面接での目線はどこを見ればいいですか?
Web面接では、カメラに目線を向けましょう。
カメラの位置にもよりますが画面に映る相手を見ると、視線がやや下向きになってしまいます。
Web面接はスマホで受けてもいいですか?
スマホでも問題ありませんが、画面が小さく相手の顔や映し出された資料が読みづらい可能性があります。
可能であればパソコンのように比較的大きな画面のデバイスで、Web面接に臨むのがおすすめです。
Web面接でよく聞かれることは?
Web面接での質問は、対面面接での内容と大きく変化はありません。
自己PRや志望動機、ガクチカ、長所・短所・キャリアプラン、逆質問などです。これらは頻出の質問であるため、練習をしてスムーズに回答できるようにしておきましょう。