就活マナー 面接

面接のマナーが画像付きでわかる!入室・退室・服装の身だしなみをわかりやすく解説

面接マナー アイキャッチ

面接では入退室の動作、言葉遣いなどさまざまなマナーに配慮することが大切です。丁寧な言動をしようと思っていても、緊張している思うようにいかないことがあるかもしれません。

ちょっとした失敗であれば、選考に大きな影響を及ぼすとは考えにくいでしょう。しかし、マナーにも自信をもつことができれば、気持ちに余裕が生まれます。

この記事でわかること

  • 面接では態度や言葉遣い、清潔感といったポイントにも配慮する
  • お辞儀の角度や挨拶の言葉、座る位置なども覚えておけば、当日焦ることが少なくなる
  • 服装の身だしなみ、着こなしも面接のマナーで重要なポイント

監修者からのコメント

監修者
遠藤 美穂子さん

面接は、企業の採用担当者に直接会って自分を知ってもらえるチャンス。自分らしさや入社意欲をしっかりと伝えたいものです。面接のやり取りそのものに集中できるよう、マナーや身だしなみはこの記事を通じてしっかり予習し、自信を持って臨んでくださいね。

面接のマナーは選考で重要なポイント

社会に出ると、さまざまな世代やバックグラウンドをもつ社員や顧客とコミュニケーションをとることが日常になります。相手とのコミュニケーションや信頼関係を構築する際に役立つのが「マナー」です。

行動や言葉遣い、挨拶、身だしなみなどにより、印象は大きく変わることがあります。

株式会社マンダムが上場企業の新卒採用担当者412名を対象に行った調査によると、9割以上の採用担当者が「身だしなみから受ける印象は選考に影響する」と回答しています。

学生の身だしなみから受ける印象は選考にどの程度影響しますか?

参考:「身だしなみは選考に影響」9割以上!面接で重要となるのは「礼儀」と「清潔感」 清潔感を感じ取るポイント1位は「髪型」 | 株式会社マンダムのプレスリリース

この結果から、面接時の身だしなみが第一印象に大きく影響することがわかります。

また、採用面接において学生に求める重要な要素に関する質問では、「礼儀(78.9%)」と「清潔感(74.0%)」が同等に重要とされています。

採用面接において、学生に求める要素で重要なものをお選びください

参考:「身だしなみは選考に影響」9割以上!面接で重要となるのは「礼儀」と「清潔感」 清潔感を感じ取るポイント1位は「髪型」 | 株式会社マンダムのプレスリリース

礼儀(態度、言葉遣い)や清潔感で意識したいポイントは、面接におけるマナーを学ぶことで明確になります。

人事

この機会に面接時のマナーを確認し、具体的な準備を進めていきましょう!

面接当日の流れ順にわかる!面接の基本マナー

面接当日は、次のような流れで行われます。

1. 訪問・受付

面接は訪問・受付から始まります。

会場となるオフィスの建物に入るときから、社員の目を意識することが大切です。スマートフォンやタブレットなどは面接中に音が鳴らないよう、オフィスの建物に入る前に電源を切っておきましょう

コートやマフラー、手袋などの防寒具は、屋外で付着したホコリなどを持ち込まないためにも、建物に入る前に脱ぎましょう。脱いだコートは、丁寧にたたんで腕にかけておくことでスマートな印象を与えます。

人事

また、面接に向かう前には、髪の乱れがないか、スーツにホコリやシワがないかも確認しておきましょう。

受付は10分前に済ませておく

ビジネスシーンでは時間厳守が重要です。面接会場には余裕をもって到着することが大切ですが、受付は10分前に済ませるようにしましょう。

担当者が面接の予定時間まで別の業務に取り組んでいることが多く、あまりに早い到着・受付はかえってまだ準備ができていない可能性があるからです。

遅刻を防ぐためには、前日までに交通手段と所要時間を確認し、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。交通機関の遅延や迷ってしまった場合に備えて、通常よりも早めに家を出るようにしましょう。

人事

遅刻する可能性があるときは、なるべく早めに担当者に電話連絡をしましょう。スムーズに連絡ができるよう、窓口となる部署の連絡先を、スマートフォンの連絡帳に登録しておくと安心です。

もし早く到着し過ぎた場合は、オフィスの入口を確認した後、近くを散策して入社後をイメージするのもおすすめです。

受付で学校名、氏名を名乗る

受付は、担当者がその場にいる場合と、電話やインターホンを通じて担当者を呼び出す場合があります。
どちらの場合も、学校名、氏名、面接を受けに来た旨を丁寧に伝えます。

受付での対応例

「お忙しいところ失礼します。本日、〇時から面接のお約束をさせていただいております、〇〇大学の〇〇と申します」

人事

受付で要件を伝える際は、「すみません」ではなく、「お忙しいところ失礼します」や「恐れ入りますが」と声をかけると丁寧な印象になります。

もし、建物に入ってから面接会場へ行く途中に人とすれ違う際は、「おはようございます」「こんにちは」などの挨拶と会釈をするようにしましょう。

2. 待機

面接会場に到着後、多くの場合は受付後すぐに面接が始まるわけではなく、待合室や面接会場の近くにある待機場所に案内されます。

待機場所には、面接を受けるほかの学生や、先輩社員が同席しているケースもあるので、静かに待ちます。スマートフォンを触ったり、不必要な雑談をしたりせず、姿勢を正して待機しましょう。

3. 入室

入室のパターンはおもに次の3つがあります。

それぞれのケースに備えて、対応を押さえておきましょう。

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集団面接のマナーは、次の記事で紹介しています。

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面接室に面接官がすでにいる場合

室内に面接官がすでにいる場合は、次のような流れで入室します。

面接マナー 入室の流れ

名前を呼ばれてすぐに入室するのではなく、3回ノックし、「どうぞ」といわれたら「失礼いたします」と一礼してから入室します。ドアが開いている場合はノックの必要はありません。面接室に入ったら、ドアノブをしっかり持ち、静かにドアを閉めましょう。

入室・退室のお辞儀の角度は30度を意識してみてください。

面接マナー お辞儀の角度

集団面接では、前後の人とアイコンタクトを取りながら、次の人のためにドアを押さえて入室し、最後に入った人がドアを閉めます。着席の指示があるまで椅子の横で待機し、「お座りください」といわれたら着席します

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入室後に面接官が入ってくる場合

案内係に面接会場へ案内された場合は、指示に従い座って待ちます。座る場所を指定されなかった場合は、入り口から最も近い場所(下座)に座りましょう。

上座・下座の位置関係は次のとおりです。

面接マナー 上座下座

面接官が来た際には立ち上がって挨拶をして、「どうぞお座りください」といわれたら着席します。

面接官と入室する場合

面接官や担当者が待機場所に来て、一緒に面接会場へ移動する場合もあります。

面接官に案内されて入室する際には「失礼いたします」といい一礼してから入室し、「どうぞお座りください」などといわれたら着席します。

4. 面接中

面接中は、次の4つのポイントを意識しましょう。

【座り方】浅く腰をかけ、背筋を伸ばして座る

面接中は座り方にも気を配ることが大切です。背もたれに寄り掛からず浅めに腰かけて背筋を伸ばし、手は軽く両ひざに乗せましょう。ただし、座り方が浅すぎると不自然な印象になる可能性があるので、事前に鏡で自然な座り方を確認しておくことがおすすめです。

面接マナー 椅子の座り方

面接中は、書類の提出を求められることもあります。そのため、バッグは置き場所を指定されなければ自分の椅子の脇(下座側)に置きましょう。コートを持参している場合は、たたんでバッグの上に置くことで、きちんとした印象を保つことができます。

【名刺の受け取り方】名刺を出されたら両手で受け取る

もし名刺を差し出された場合は、次のような流れで受け取ります。

面接マナー 名刺の受け取り方

名刺は、両手で丁寧に受け取り「ありがとうございます」と一礼します。このとき、名刺だけを見るのではなく、相手の目を見て受け取ることがポイントです。

名刺を受け取ったら、名前や役職を確認し、自分から見てテーブルの左側に置きます。

面接マナー 名刺を置く位置
人事

複数の面接官から名刺を受け取る場合、座席順に並べて置くことで、それぞれの顔と名前を把握しやすくなります。

なお、名刺の交換は、通常ビジネスシーンにおいて自分の所属や役職を伝えるために行います。面接では、学生が個人として受けるため、学生が名刺を準備する必要はありません。

人事

社会人になってからも使えるような名刺入れを用意しておいてもいいですね。

【会話中】会話のキャッチボールを意識する

面接では自分から話し始めるのではなく、面接官からの質問や話が始まるのを待ちましょう。

面接官が話し終える前に重ねて話し始めたり、相手に質問された内容とは関係ないことを話したりせず、まずは聞く姿勢を心がけることが大切です。

質問意図がわからなかった場合には、「◯◯というご質問へのお答えでよろしいでしょうか」などと聞き返しても問題ありません。

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【話し方】話す内容だけでなく話し方まで気を配る

面接中は、話す内容だけでなく話し方に気を配ることが大切です。具体的には次の点を意識しましょう。

面接で気をつける話し方

  • 敬語を正しく使い、丁寧な言葉遣いを心がける
  • 発言するときは相手が話し終えるまで待つ
  • 話の内容に適した声のトーン・表情に気を配る
  • 面接官の目を見て話す
  • ゆっくり大きな声で、はっきりと話す

面接では、緊張により声が小さくなったり、早口になったりしてしまうかもしれません。日頃の面接練習や模擬面接などでも話し方に気を配ることで、本番でもスムーズに話しやすくなるでしょう。

人事

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5. 退室

退室時、面接官は室内に残ることもありますが、場合によっては面接官と一緒に退出する場合もあります。それぞれの対応と注意するポイントを見ていきましょう。

室内に面接官が残る場合

室内に面接官が残る場合、次の流れで退室します。

面接マナー 退室の流れ

面接が終了したら、椅子の横に立ち、「本日はお忙しいなか、ありがとうございました」とお礼を述べてから一礼します。

ドアの前まで移動し、「失礼します」と再度一礼をしてから、ドアを開けて退室します。ドアを閉める際には、ドアノブを持って静かに閉めましょう。

面接官と一緒に退室する場合

面接官と一緒に退室する場合、面接終了後に立ち上がり、「本日はお忙しいなか、ありがとうございました」とお礼を述べてから一礼します。

面接官の指示に従って出口まで移動し、別れ際には再度お礼を伝えて一礼します。エレベーターで見送られる場合は、ドアが閉まるまでお辞儀を続けましょう。

退室後、建物を出るまで気を抜かない

面接会場を出ると緊張がとけて気が抜けてしまいがちですが、企業の建物内にいることを意識してみてください。

面接官や社内の人も周囲にいるため、すぐにスマートフォンを確認するなどの行動は控えましょう。建物を出た後も近隣での飲食などは、企業の関係者が周囲にいる可能性を考慮して控えておくと安心です。

監修

ここまで面接当日のマナーをお伝えしましたが、緊張して多少ぎこちなくなってしまってもそれだけで落ちることはないので心配しないでください。面接官に対して敬意を払っていることが伝われば大丈夫です。
面接後は友人とのおしゃべりやSNSへの投稿などで面接内容や状況を周囲に漏らすことのないよう気をつけてください。

面接でよく使う言葉使いのマナー

面接では、正しい言葉遣いを使うことが重要です。ここでは、謙譲語、尊敬語、面接に適切な敬語を例文と合わせて紹介します。

面接でよく使う謙譲語と例文

謙譲語とは、自分の動作をへりくだって表現し、相手への敬意を示す言葉遣いです。例文を見ながら押さえていきましょう。

謙譲語の一例例文
会う→お会いする◯:御社の◯◯社長にはお会いしたことがあります。
✖️:御社の◯◯社長には会ったことがあります。
言う→申し上げる◯:先ほど申し上げましたとおり
✖️:先ほど言ったように
もらう→いただく◯:貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
✖️:貴重なお時間をもらい、ありがとうございます。
行く→参る◯:明日の◯時に、御社に参ります。
✖️:明日の◯時に、御社に行きます。
知る→存じ上げる◯:そのニュースについては存じ上げません。
✖️:そのニュースについては知りません。
見る→拝見する◯:資料を拝見しました。
✖️:資料を見ました。
わかる→かしこまる了解→承知◯:はい、かしこまりました/承知しました。
✖️:はい、わかりました/了解しました。
聞く→伺う◯:キャリアパスについて伺ってもよろしいでしょうか。
✖️:キャリアパスについて聞いてもよろしいでしょうか。

面接でよく使う尊敬語と例文

尊敬語とは、相手の動作を表現するときに使い、相手に敬意を示す言葉です。謙譲語との違いは、相手・自分、どちらの動作であるかです。謙譲語と混同しないよう注意しましょう。

尊敬語の一例例文
教える→ご指導・ご教示◯:ご指導ください。
✖️:教えてください。
来る→いらっしゃる◯:先生がいらっしゃって
✖️:先生が来て
思う→お考えになる◯:そのようにお考えになるのは
✖️:そのように思われるのは
言う→おっしゃる◯:◯◯様がおっしゃるように
✖️:◯◯様が言うように
する→なさる◯:海外事業進出をなさっている
✖️:海外事業進出をしている
見る→ご覧になる◯:エントリーシートをご覧ください。
✖️:エントリーシートを見てください。

面接で気をつけたい言葉遣い

就活では、無意識にビジネスシーンに適さない言葉を使っていたり、「二重敬語」になっていたりすることがあります。二重敬語とは敬語を重複させて使う表現であり、一般的には不適切とされています。

次の例文で、面接で誤りやすい敬語の例を確認してみましょう。

ビジネスにふさわしい
言葉遣いに
言い換える例
例文
あとで→のちほど◯:のちほどご連絡します。
✖️:あとで連絡します。
ちょっと→少々◯:少々お待ちください。
✖️:ちょっとお待ちください。
すみません→恐れ入ります◯:恐れ入りますが、もう一度お願いいたします。
✖️:すみませんが、もう一度お願いいたします。
させていただきます→いたします◯:確認いたしました。
✖️:確認させていただきました。
大丈夫です→問題ございません◯:9月10日の11時からで問題ございません。
✖️:9月10日の11時からで大丈夫です。
がんばる→努力する/精進する◯:御社にとってふさわしい人物になるよう努力いたします/精進いたします。
✖️:御社にとってふさわしい人物になるようがんばります。
【二重敬語】
おっしゃられる→おっしゃる
◯:おっしゃることに共感いたしました。
✖️:おっしゃられることに共感しました。
【二重敬語】
拝見させていただきます→拝見いたします
◯:資料を拝見いたします
✖️:資料を拝見させていただきます
【二重敬語】
社長様→社長
◯:社長にご連絡をいただきました。
✖️:社長様にご連絡をいただきました
人事

就活で頻出する敬語の詳細は、次の記事で紹介しています。

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自分では気づきにくいかも?面接時に注意したいポイント

面接時の言動において、自分では気づきにくい癖が出ていることがあります。面接前に確認をして、できる限り抑えるようにしてみましょう。

「あの」「えっと」を減らす

話し始めるときや話の途中に、「あの」「えっと」「あー」などということはありますが、できるだけ控えるのが望ましいでしょう。これらは「フィラー(つなぎ表現)」といい、多すぎると話がわかりづらく、聞き手が気にして内容への集中が途切れてしまうことが特徴です。

フィラーを抑えながら話すことで、面接官が話に集中できるため、結果的に話の内容がよく伝わります。

フィラーの数を少なくするためには、面接の練習を重ねることが大切です。質問に対して何を話かが決まっており、言葉がスムーズに出てくればフィラーを減らせるでしょう。

人事

無意識に言ってしまうこともあります。面接の練習風景を録音・録画してチェックしてみましょう。

面接に関係ない行動を控える

緊張すると、無意識に次のような行動をすることがあります。

  • 自分の髪に触れる
  • 手足を動かす
  • 目線をキョロキョロさせる

これらの行動は自分では気づきにくいですが、面接官からすると気になることがあります。緊張感がまったくない状態で面接に臨むのは難しいですが、できるだけ無意識の癖が出ないようにしましょう。

無意識の行動の対策としては、面接の練習をする際に友人やキャリア支援センターのスタッフなどに確認してもらうことです。無意識の行動はないか、どんなことをしているのかを教えてもらいましょう。

ほかにも、練習風景をスマートフォンで撮影して確認する方法もあります。

ほかの人の話を遮らない

面接官やほかの学生が話しているとき、遮って自分の話をしたり、最後の言葉にかぶせて話し出したりするのは避けましょう。無意識のうちに話を遮る癖がある方もいれば、緊張により遮ってしまう場合もあるかもしれません。

「相手の話は最後まで聞く」というコミュニケーションのマナーを意識して、面接に臨みましょう。

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「話を遮る癖があるかも……」と心配な方は、普段コミュニケーションをとる友人などに聞いてみてもいいですね。

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面接で着る服装のマナー・身だしなみ

面接では、指定された着用します。社会人としてのマナーは、何を着るかだけではなく、どう着こなすかも重要なポイントです。着こなしでは、清潔感やTPOを意識しましょう。

TPOとは

Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとった言葉。時と場所によって服装や言動をわきまえること

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スーツの着こなし方

スーツの着こなし例 サイズ選びのポイント

スーツの着こなしには、細かなポイントがいくつかあります。サイズ感や丈感は、自分だけではなく見ている相手にも、きちんとした着こなしができているかがわかりやすいポイントです。

裾丈、袖丈が長すぎず短すぎない丈のジャケットを選択しましょう。ジャケットとシャツの袖丈は、メンズスタイル、レディーススタイルにより異なります。

スーツの袖丈
人事

どちらのスタイルでも、手を下ろしたときに手首の出っ張りが隠れるくらいの長さを目安にしましょう。

特にスーツは、着慣れていない方も多いかもしれません。可能であれば試着をして、サイズが適切であるか、動きにくくないかも確かめておくと安心です

人事

さらに詳しいスーツの着こなし方、選び方は次の記事で紹介しています。

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私服・ビジネスカジュアルの着こなし方

私服の着こなし例

企業の社風にもよりますが、就活において「私服」を指定されて何を着たらいいか迷う場合は、普段着やプライベートで着用する服ではなく、ビジネスカジュアルを意識しましょう。

ビジネスカジュアル

ビジネスカジュアルとは、ビジネスの場にふさわしい、スーツより少しカジュアルな服装のこと

ビジネスカジュアルの場合、ジャケットの有無は季節や、フォーマル度に合わせて選択することも可能です。ただし、シーンに合わせて着脱できるよう、着用をしなくても持参しておくのがおすすめです。

スーツ同様、適切なサイズ感や動きやすさを意識しましょう。

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髪型のポイント

面接時の髪型においては清潔感が重要です。寝癖やフケがそのままになっていないように、事前にしっかり整えておきましょう。

髪が長い場合は、ゴムやピンですっきりと整えるのがおすすめです。お辞儀をしたときや面接中に邪魔にならないだけでなく、表情が見えやすく、すっきりした印象になります。

明るく染めた髪色は企業の服装規定などに合わないケースもあります。業界や企業の雰囲気に合わせて、地毛に近い色に染める、あるいはリタッチをするなどの対策をしておきましょう。

メイクのポイント

メイクをする場合は、自然で清潔感のある色味を心がけましょう。

面接時のメイクのポイント

  • ベースメイク:自分の肌に近い自然な色
  • アイブロウ:自分の眉や髪色に合う自然な色
  • アイメイク:ベージュ・ブラウンなどの落ち着いた色
  • リップ・チーク:ピンク・オレンジ系で、血色がよく見える色

メイクに対する認識は個人差がありますが、就活や面接の場では業界・企業の特徴を踏まえたメイクを心がけることが大切です。

過度に太いアイラインを入れたり、粒の大きなラメを含む派手なアイシャドウ・ハイライトを入れたりするなど、派手な印象を与えるメイクはビジネスシーンにマッチしない可能性があります。

清潔感で意識したいポイント

スーツ、私服、ビジネスカジュアルを問わず、清潔感は印象を左右するポイントです。まずは、衣類にシワやほこりなどがついていないかを確認しましょう。

スーツなどダークな色味のアイテムは、ホコリや汚れが目立ちやすいものです。前日までに衣服の状態を確認し、必要に応じてクリーニングなどメンテナンスを行いましょう。

夏は汗をかきやすいため、汗を拭えるハンカチを持参しましょう。汗が気になる方は、汗ワキパッドや制汗剤、速乾性インナーなどのアイテムの活用を検討してみてください。

面接での服装・ビジネスアイテムの選び方

面接で着用する服装、アイテムの選び方を紹介します。

  • ジャケット
  • ネクタイ
  • ボトムス
  • シャツ・ブラウス
  • シューズ
  • バッグ
  • コート

ジャケット

スーツの場合、ブラックやネイビー、グレーなどの落ち着いた色味、無地のシンプルなデザインにするとビジネスシーンにマッチします。

夏場でクールビズが指定されている場合、ノンジャケットのスタイルでも問題ありません。ただし、フォーマルなシーンや冷房で寒いときなど利用できるため、着用する予定がなくても持参しておくと安心です。

ビジネスカジュアルの場合も、派手な色、デザインではないものを選択してみてください。

人事

よりカジュアルなスタイルにしたいときは、アースカラーやパステルカラーも選択肢になりますよ。

ビジネスカジュアルでは、テーラードジャケットやノーカラージャケット、Vカラージャケットといった種類も選択肢に入るでしょう。

ネクタイ

ネクタイは、ネイビー、ブルー、エンジ、グレーなどの落ち着いた色をベースにスーツに合いやすい色を選択してみてください。

幅は、一番太い部分が7〜8cm程度のものが結びやすくおすすめです。柄物の場合は、ストライプ、チェック、ドットなどの控えめな柄がコーディネートしやすいでしょう。

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ボトムス

ボトムスで重要なのは丈感です。

パンツは、試着をしたあと裾上げをして、自分の体型に合うよう調整するのがおすすめです。スーツでは、裾がかかとに少しかかる程度の長さになるようにします。

ビジネスカジュアルの場合、あえて足首を出してよりカジュアルな印象にすることも可能ですが、TPOに合わせて選択しましょう。

スーツのスカートでは、立ったときに裾がひざにかかり、座ったときひざ上5cm程度になる長さがおすすめです。

ビジネスカジュアルの場合、ミモレ丈などやや長めの丈も選択肢になります。働く場面を想定し、動きやすさや歩きやすさも意識してみましょう。

シャツ・ブラウス

スーツの場合、シンプルな色・柄で清潔感のあるデザインが、ジャケットとボトムスに合わせやすいです。

ビジネスカジュアルの場合も同様に、ジャケットとボトムスとのバランスが取れたアイテムを選択してみてください。

人事

ライトカラーであればホワイト、ブルー、ライトグレー、ダークカラーであればブラウンやネイビー、ブラックがスーツ、ビジネスカジュアルともに合わせやすいです。

シューズ

スーツのメンズスタイルの場合、ストレートチップやプレーントゥなどのシューズを履くことが多いです。

シューズの種類

  • ストレートチップ:つま先に横一文字の切替が入っている
  • プレーントゥ:つま先にアクセントがないノーマルなタイプ

✔ストレートチップの例

ストレートチップ

✔プレーントゥの例

プレーントゥ

スーツのレディーススタイルの場合、ラウンドトゥやスクエアトゥなどのシューズを履くことが多いです。

シューズの種類

  • ラウンドトゥ:つま先が丸みを帯びている
  • スクエアトゥ:つま先が四角い

✔ラウンドトゥの例

ラウンドトゥ

✔スクエアトゥの例

スクエアトゥ

フォーマルなスーツスタイルではローファーやフラットシューズも選択肢になります。ビジネスカジュアルでは、スニーカーを履くことも構いません。装飾の少ないものであればビジネスシーンに合わせやすくなります。

自分の足の形に合わないシューズは、怪我をする可能性があるためできるだけ避けるようにしましょう。

人事

ヒールのあるシューズを履く場合は、歩きやすい高さのヒールを選ぶのがおすすめです。

バッグ

バッグは、A4サイズの資料を折らずに入れることができ、なおかつ自立して倒れにくいものがおすすめです。さらに、撥水性であれば雨に濡れても中のものが濡れてしまうことを防ぐことができます。

カジュアルなスタイルの場合は、バックパックを選択しても構いません。

コート

ビジネスシーンで活用しやすいコートには、次の種類があります。

  • トレンチコート
  • ステンカラーコート
  • チェスターコート

色はフォーマルな印象を与えるブラック、ネイビー、グレー、ベージュがおすすめです。

コートは、屋外で付着したホコリなどを建物内に持ち込まないためにも、建物に入る前に脱ぎ、面接後は建物の外に出てから着用しましょう。

オンライン面接(Web面接)のマナー

オンライン面接でも、面接のマナーを意識しましょう。オンラインならではの5つのマナーを紹介します。

ビデオ・マイク・通信環境・室内を整える

オンライン面接の前に、次の準備をしておきましょう。

  • 使用するデバイスを充電しておく
  • Wi-Fi環境に問題がないか確認する
  • 白い背景を用意する
  • スマートフォンやパソコンの通知を切っておく
  • 服装や身だしなみに注意する

面接時に使用するパソコンなどを電源につなぎ、充電ができているか確認しておきましょう。外部のマイクやスピーカーなどほかの機器も使用する場合は、そちらも充電しておきます

Wi-Fi環境が整っていないと、音声が途切れて重要な点が聞き取れない可能性があります。

人事

部屋のなかで通信環境が良好なポイントを探し、必要があれば有線LANを用意しておくと安心です!

面接時は白や無地のシンプルな背景の場所で行うことが望ましいです。家具やポスターなど、面接に関係ないものが背景に映り込まないよう、不要なものは片づけたり、白色の布を被せたりして対処しておきましょう。

カメラに写る自分は、相手からどう見えているかも確認しておくことが大切です。角度や場所、光の加減によっては、表情が見えづらくなる可能性があるため、次の画像を参考にしてみてください。

オンライン面接のマナー
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Web面接に適した背景|家具は見えてもいい?ぼかしは使用していいの?

Web面接の背景は、清潔感があり表情が明るく見える白色がおすすめです。大型家具は無理に動かす必要はありませんが、生活感が見えすぎない工夫をしてみてください。ゴミや洗濯物は片付ける、ポスターやカレンダー、小物類なども映らない場所で面接に臨みましょう。

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時刻の5分前にはオンライン会議室に入室する

面接の開始時刻の5分前には、ビデオ通話アプリに入室して待機しましょう。接続不良などのトラブルが発生する場合もあるので、早めに行動して準備を整えておくと安心です。

画面に接続されたら、挨拶をして「本日を面接を受けさせていただく〇〇です。本日はよろしくお願いいたします」と簡単に自己紹介をします。

面接中はスピード・声のトーン・目線に気をつける

オンライン面接では、対面より声が聞き取りづらいことがあるため、ゆっくりとはっきりとした話し方を心がけましょう。これにより、相手に内容がしっかりと伝わります。

画面上では表情が乏しく見えることがあるので、普段よりも少し明るい表情を意識することも大切です。パソコンを使用する場合、画面やキーボードばかりを見ていると、うつむいているように見えるため、カメラ目線を意識してみましょう。

自分が話すとき以外はマイクをミュートにする

静かな部屋で面接に臨むのが基本ですが、特に集団面接の場合、自分が発言するとき以外はマイクをミュートにしておきましょう。発言をする前にマイクをオンに切り替えます。

マイクのオン・オフをする理由は、ほかの人が発言する際に雑音が入り、聞き取りにくくなる可能性があるからです。ミュートの切り替えは、画面に表示されているマイクのボタンで行えます。

人事

発言する際は、ミュートの解除を忘れないようにしましょう。

退室時は面接官が接続を切るまで待つ

面接を終了して接続を切る際は、面接官が先に接続を切るのを待ちます。もし面接官が退室しない場合は、「それでは失礼いたします」と一言伝えてから退室しましょう。

面接官がそのまま次の面接に移る場合は、「ご退室ください」と促されることがあります。そのときも「本日はありがとうございました。失礼いたします」といって退室しましょう。

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よくある質問

面接で座る位置は決まっていますか?

面接で座る位置は、案内をしてくれた人の指示に従いましょう。1人で待機する際は、下座に座ることが一般的です。

入口に近い場所が「下座」、ドアから遠い場所が「上座」と呼ばれています。下座・上座の位置は部屋によって異なることがあります。詳しくは「入室後に面接官が入ってくる場合」で紹介しています。

面接中に質問内容を聞き返してもいいですか?

面接中に質問内容を聞き返しても問題ありません。

質問が聞き取れなかった場合、無理に答えると質問の意図と異なる回答となる可能性があります。その際は、「恐れ入りますが、もう一度質問をお願いできますか」と正直に伝えましょう。

面接の全体の流れを教えてください

面接は、次のような流れで行われます。

1.訪問・受付
2.待機
3.入室
4.面接中
5.退室

それぞれのマナー、注意したいポイントは「面接当日の流れ順にわかる!面接の基本マナー」で紹介しています。

面接で必要な持ち物は何ですか?

面接で必要な持ち物は次のとおりです。

・スマートフォン
・指定された提出書類
・筆記用具、メモ帳
・提出する書類・受け取った書類を入れるためのクリアファイル
・腕時計
・現金、交通系ICカード
・ハンカチ、ティッシュ
・その他指定されたもの

スマートフォンで時間を確認するよりも、面接中や会場内では腕時計を使用することが望ましいです。そのほか、面接であると便利な持ち物は次の記事で詳しく解説しています。

面接後はお礼メールを必ず送ったほうがいいですか?

お礼メールは必須ではありませんが、特にお世話になった採用担当者などに感謝の気持ちを伝え、志望度の高さを示すために送っても構いません。メールを送る場合は、当日中あるいは翌日までのタイミングで送りましょう。

お礼メールの書き方については、次の記事で詳しく紹介しています。

対面面接では、マスクを着用したままで問題ないですか?

2024年9月現在、面接においてマスクの着用は必須ではありません。表情の伝わりやすさや声の聞き取りやすさを考慮し、自身で判断してください。マスクを着用していても、履歴書の写真と照合するため一時的に外すよう求められたら対応しましょう。

ただし、状況が変わることもあるので、国や自治体、学校や応募先企業の最新情報に耳を傾けることも大切です。

自宅などで行うオンライン面接の際は、マスクを外しましょう。声をマイクで拾いやすく口もとが見えるため、相手に自分の発言や表情を伝えやすくなります。

監修者情報

監修者

監修者:遠藤 美穂子さん

新卒で東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行、営業店・本部にて法人営業に携わるほか、新人研修講師、採用面接官も経験。
現在はキャリアコンサルタントとして大学での就活支援、キャリア系講義、社会人向けのビジネスマナーやキャリア開発研修などを行っている。

資格:国家資格キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

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