就活の選考で行われることのあるグループディスカッションは、発言することも大切ですが、メンバーの意見を聞いたりまとめたりなど、発言以外の部分でも自分の強みを発揮できます。
面接や書類選考と同じく何度も練習を重ねて対策することが重要ですが、具体的にどう練習したらいいのかわからない、自信を持てないという方もいるでしょう。
この記事では、グループディスカッションの流れや役割ごとのポイント、具体的な対策方法を詳しく解説します。
この記事でわかること
- グループディスカッションは、おおよその流れや進め方、役割の種類が決まっている
- グループ内での役割を理解したうえで、チームプレーを意識して進めることが大切
- たくさん発言すればいいわけではなく、話すときのマナーや聞く力も重要
グループディスカッションは対策が大切です。練習を重ねながら話し合いに慣れて、自信を持って本番に臨みましょう!
グループディスカッションの流れと進め方
グループディスカッションは平均30〜40分ほどの制限時間が指定されることが多いです。おおよその流れは決まっているので、事前に把握しておきましょう。
グループディスカッションの流れ
このように、説明〜発表を制限時間内で行う必要があります。
次の章では、上の流れに沿って、やることやポイント、所要時間などを説明します。ここから説明するのは制限時間が30分の場合の例です。実際の制限時間が短い場合はそれぞれの時間配分を短くし、長い場合はディスカッションや発表準備の時間を長めに取るようにしてみましょう。
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【就活】グループディスカッションとは?種類や役割、テーマ例を解説
就活の選考のひとつとして「グループディスカッション」を行う企業は多いです。この記事では、グループディスカッションとはどんなものか、種類やテーマ例、企業側が見ているポイントなどを詳しく解説しています。
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担当者から説明を受ける
最初に人事担当者からグループディスカッションについて説明があります。テーマや制限時間、注意事項などについて、聞き漏らしのないよう集中して聞きましょう。
自己紹介と役割分担を行う
所要時間:約2分
続いて、グループ内で参加者それぞれが簡単に自己紹介をして、役割分担を行います。グループディスカッションは集団で話し合って結論を導き出すため、司会進行やタイムキーパー、書記などの役割分担が重要です。役割を決めておくことで、自由に議論するよりも効率よく進めることができます。
グループディスカッションの役割
- 司会進行
- タイムキーパー
- 書記
- その他(メンバー)
話し合いをスムーズに進めるために、少人数であってもきちんと役割を決めましょう!
役割別の対策方法は「【役割別】グループディスカッションの対策」の見出しで詳しく解説しています。
ディスカッション開始
所要時間:約18分
役割が決まったら、いよいよディスカッションがスタートです。グループ全員で議論し、多くの意見やアイデアを出し合います。
「グループで結論を出す」ということを意識しながら議論することがポイントです。議論に集中するのはもちろんですが、時間配分も意識してみましょう。
制限時間が30分以上ある場合は、前提条件を確認する時間やアイデアを出す時間など、さらに細かく時間を分けるのもおすすめです。
ディスカッション中のコツや注意点は「グループディスカッションを成功させるコツ」の見出しで紹介しています。
発表の準備をする
所要時間:約10分
終了時間が近づいてきたら、グループ内で出た意見をまとめ、最終的な結論を導き出します。人事担当者やほかのグループに伝わるように工夫して、発表内容をまとめましょう。
発表者は、司会進行を担当する人が兼任するケースが多いです。グループの人数が多い場合は、司会進行とは別で「発表者」を決めることもあります。
結論を担当者に発表する
発表は1分程度で簡潔に伝えます。企業によって、発表を制限時間内に行うケースと、発表の時間は別で設けられるケースがあります。「3分程度」など時間指定されている場合は、指示に従いましょう。
人事担当者がグループディスカッションを通して学生のどんなところを見ているのかは、こちらの記事をご覧ください。
【役割別】グループディスカッションの対策
グループディスカッションでは役割分担がありますが、どの役割が有利・不利ということはありません。与えられた役割を果たし、チーム全体でよりよいディスカッションになるよう務めることが重要です。ここでは、グループディスカッションの対策方法を役割別に解説します。
司会進行
司会進行のポイント
- 意見が出なければ自分が先に発言したり、メンバーに話を振ったりなど臨機応変に対応する
- 全員が議論に参加するために、発言するメンバーに偏りがでないよう配慮する
- さまざまな意見を整理し、道筋を立てて結論を導き出す ・発表も司会進行が行うケースが多い
司会進行は、いわゆる「仕切り役」ではなく、発言していないメンバーに発言を促し、全員の意見を引き出して整理する役割です。いろいろな意見が出た段階でグループの意見をまとめて、結論を導くサポートを行います。
発表も司会進行が兼任して行うケースが多いです。発表の際は、まず「結論」から話したあと「なぜその結論に至ったのか」を説明する流れで、簡潔に述べることを意識しましょう。
タイムキーパー
タイムキーパーのポイント
- 全体に時間経過を知らせ、進行をサポートする
- 時間を意識しながらも、聞き役に回りすぎず、自らもしっかり発言をする
- 自由に議論する時間、意見を整理する時間などうまく時間を区切る
タイムキーパーは、与えられた時間内にやることを管理する役割です。限られた時間内で意見を出し合い、発表の準備まで行うグループディスカッションにおいてタイムキーパーは重要です。時間が迫ってきたら「あと〇分です」「〇分以内に意見をまとめましょうか」など、はっきり伝えなければならない場面があります。
書記
書記のポイント
- メモに集中しすぎることなく、自らもしっかり発言する
- メモしたことをメンバーに共有し、議論の進行をサポートする
- 自由に議論する時間、意見を整理する時間などうまく時間を区切る意見が偏りすぎていたら、ほかの意見がないか確認する
書記はグループ内で出た意見の要点を書き残す役割です。まとめや結論を書き留めておいて、発表時に使用します。ただメモをするだけではなく、適宜メンバーと話し合いの内容を共有して、整理することが大切です。
発言内容がうまくまとまらないメンバーがいたら、整理して「こういうことですか?」などと確認しながら要点を書き留めます。書き留めているなかで意見に偏りがあると感じたら、ほかの意見を促すことも書紀の役割のひとつです。
その他(メンバー)
メンバーのポイント
- 意見を主張しすぎるのではなく、意見を聞き出すことも意識する
- 必要があれば役割のあるメンバーをサポートする
- 「一人で発言しすぎる」「全く発言しない」などクラッシャー行為をしない
そのほかのメンバーは、活発なディスカッションになるよう配慮することが大切です。特別な役割がないときこそ、自分の強みを活かすチャンスです。積極的に意見を伝えることはもちろん、時間を意識したり、出た意見をまとめたりと、臨機応変な立ち振る舞いを心がけましょう。
役割を持つ人たちだけに任せるのではなく、一人ひとりのメンバーがフォローする意識を持ちましょう!
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【就活】グループディスカッションとは?種類や役割、テーマ例を解説
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グループディスカッションを成功させるコツ
ここでは、グループディスカッションを成功させるために、意識したいポイントを解説します。
チームプレーを意識する
グループディスカッションは、メンバー同士が協力して、与えられたテーマに対する結論を出すことが目的です。自分だけ目立とうとするのではなく、チームプレーである意識を持ちましょう。
例えば、自分ばかり話したり、相手の意見を否定しすぎたりするのは、グループディスカッションをするうえで望ましくありません。もし、チームプレーを意識しない人がいる場合には、放置せずに「全員の意見を聞いてみませんか」「ここまでの意見をまとめましょう」などと伝えて、結論に導けるようにすることも大切です。
不明点があれば開始前に質問する
テーマやルールについて不明点があれば、議論が始まる前に担当者に質問をしておきましょう。制限時間があるなかでディスカッションをスムーズに進めるためにも、疑問点は事前に解消しておくことが重要です。
話すときのマナーに身につける
グループディスカッションを円滑に進めるためにはグループのメンバーに配慮した話し方に気をつける必要があります。
議論をしていると、自分とは反対の意見が出ることもあるでしょう。その際に、ほかの人の意見を最後まで聞かず、被せるように話したり、強く否定したりしてしまうと、意見を言ったメンバーが残念な気持ちになってしまうかもしれません。議論が白熱して「早く自分の意見を言いたい」と思う場面があっても、相手の意見に対して冷静に耳を傾けることが大切です。
話すときは相手に伝わりやすいように、ゆっくり、明るい声を意識します。大人数が会場にいると、声が聞こえにくいことがあるので、普段声が小さいと言われることが多い方は、普段よりも少し大きな声で話すことを心がけてみましょう。
聞く姿勢に気をつける
グループディスカッションでは役割や意見の内容だけではなく、聞くときの姿勢や仕草なども大切です。聞く姿勢として望ましい仕草の例を見てみましょう。
聞く姿勢として望ましい仕草
- 明るい表情
- 相槌を打つ
- 相手の目を見る
- 体を相手に向ける
- 相手の話を最後まで聞く
- 相手の言葉を繰り返す
- 共感する言葉を使う
グループディスカッションの練習方法
グループディスカッションはさまざまな方法で練習することができます。繰り返し練習すると自信がつき、落ち着いて本番に臨めるでしょう。
ここではグループディスカッションの練習方法を紹介します。
就活仲間とシミュレーションをする
友人や、就活に向けて頑張っている仲間とシミュレーションしてみる方法があります。何度も繰り返し練習することで、発言するタイミングがつかめたり、意見を簡潔に伝えられるようになったりするでしょう。
ディスカッションの練習風景をスマートフォンなどで録画して見返すと、話しているときの自分の癖や声のトーンを客観的にチェックできます。
気をつけたい癖の例
- 頬杖やひじをつく
- 腕や足を組む
- ペンなどをいじる
- 髪の毛をさわる
など
練習できるWebサービスや講座を活用する
一緒に練習できる仲間が見つからないときは、Webサービスを利用するのもおすすめです。
オンライン上で、グループディスカッション対策や模擬練習、テーマ共有ができるサイトがあります。オンラインでも本番同様に初めて顔を合わせる人と練習ができれば、より実践に近いイメージで練習できます。
学校のキャリア支援センターでグループディスカッションの講座が行われていることがあるので、そういったものを活用するのもよいでしょう。
動画で学ぶ
YouTubeなどの動画配信サイトには、グループディスカッション対策ができる動画がたくさんあります。動画は発言するタイミングや話し方などがわかりやすいため、臨場感のある練習ができるかもしれません。
動画でインプットできたら、本番に活かせるようにアウトプットをして内容をしっかり身につけていきましょう。
動画で紹介されている発言の仕方を、実際に口に出して真似してみるのもおすすめです!
自分の意見を考える癖をつける
グループディスカッションでは、自分の意見を発言することが重要です。普段から、テレビやネットニュースなどを見たときに「自分ならどうするか」「なぜそうするか」を考える癖をつけてみましょう。
考える癖がついていれば、グループディスカッションでテーマを提示されたときも、その場で自分の意見と理由を考えやすくなります。
テーマの例についてはこちらで詳しく解説しています。
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グループディスカッションでよくある悩みと対処法
ここでは、グループディスカッションを経験した学生が悩むポイントを、対処法と合わせて紹介します。本番で落ち着いた対応をするためにも、事前に対処法や心構えを押さえておきましょう。
意見が思いつかない
ディスカッションするテーマによっては、知識がなく意見が思いつかないこともあるかもしれません。
グループディスカッションでは「テーマについて正しい答えを出すこと」よりも「どうやって課題を解決するか、どのようにコミュニケーションをとるか」が見られています。グループ全体が納得できる結論を出し「どうしてこの結論に至ったか」をきちんと説明することが大切です。
自分の意見を出すことが難しい場面であっても、知っているかのような発言をする必要はありません。意見が思いつかないときは、先に発言した人を褒めたり、意見をつけ加えたりすることを意識してみましょう。
役割がない
グループディスカッションで役割がないからといって、選考に不利になるわけではありません。「自分は何をすべきか」を考えて、円滑にディスカッションを行えるように考えることが大切です。
役割がないことで、むしろ自分の強みを活かせる場面に遭遇することがあります。例えば、司会進行の人が困っていたらサポートする、発言していない人がいたら話を振ってみるなど、臨機応変な対応を心がけましょう。
積極的に話せない
グループディスカッションでは、必ずしも積極的な人が有利とは限りません。積極的に話すことが難しければ、ほかの学生が伝えた意見に共感していることを伝えるのもよいでしょう。
発言できるか不安な場合は、タイムキーパーや書記などの役割に挑戦してみるのもおすすめです。役割があることで必ず発言するシーンができるので、ディスカッションに貢献できます。役割をしっかり果たすことで、協調性のアピールにもつながるでしょう。
結論がまとまらない
グループ全体の意見がまとまらないときは、出た意見の類似点を見つけてみましょう。
まずはメンバー全員の意見を集め、意見をまとめる際には「テーマの目的に合っているかどうか」を判断基準にすることで、意見がまとまりやすくなります。
多数決で決めると、全員が納得する結論にならない可能性が高いです。選考においても、メンバー同士がお互いを思いやり、納得できる理由をもってその結論に至ったかは重視されるポイントです。
グループディスカッションで緊張しないための対策
グループディスカッションは、慣れていないと緊張してしまうのも無理はありません。ここでは、緊張しないためのコツと対策を紹介します。
繰り返し練習して経験を積む
就活仲間との練習や、オンラインの模擬練習などを活用して練習を重ねましょう。
より実践に近い形でのグループディスカッションを経験することで、要領がわかり、緊張しづらくなるはずです。繰り返し練習すると自信がつき、落ち着いて本番に臨めます。
実践的な練習を繰り返すことで、場の雰囲気に慣れて緊張しなくなってくるでしょう。
身だしなみなどの事前準備を大切にする
本番前は、身だしなみや持ち物などの事前準備をしておきましょう。前もって準備しておくことで、余計な不安を抱かずにすみ、本番に集中できます。
事前に準備しておくと安心なもの
- スーツなどの服装類
- バッグ
- シューズ
- ストッキングや靴下(汚れた場合の替え)
- ネクタイ(着用が必要な場合)
- エントリーシート
- 腕時計
- 筆記用具
- メモ帳
- 会場への道順確認
- スマートフォンの充電
- くしや鏡など、身だしなみを整えるもの
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身だしなみの面でありがちな失敗は、あらかじめ準備をすることで避けられます。身だしなみに問題がないとわかっていれば、グループディスカッションにも集中できるでしょう。
身だしなみで注意すること
- スーツやシャツにシワや汚れがないか
- 寝癖がそのままになっていないか
- 汗のにおいがついていないか
- シューズが汚れていないか
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よくある質問
グループディスカッションの対策は、いつから始めるべきですか?
エントリーシートの提出や書類選考が終わるタイミングである、4〜5月までには対策を開始しておくことがおすすめです。グループディスカッションは場数を踏んで慣れておくほど自信を持って取り組めるので、早めに対策をしておいて損はないでしょう。
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