インターンシップは、目的がなければ無理に参加する必要はありません。
「内定で不利になるのでは」と不安に感じる方もいると思いますが、インターンシップの参加が内定に直結するわけではありません。また、インターンシップは長いものだと数カ月の期間を要するため、学業との両立が難しくなることもあります。
なかにはガクチカに時間を割きたいと考える学生も少なくないでしょう。自分がインターンに参加する目的を明確にして、不要かどうかを判断することが重要です。
今回は、インターンシップに参加しないメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。

インターンシップに参加すべきか判断できるようになるので、迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
インターンシップの参加が内定獲得の必須条件ではない
インターンシップに参加しなくても、内定を貰うことは可能です。
合同会社アイプレスにより「賢者の就活」が2021年7月に実施したアンケートによると、回答者98人中65人、つまり6割以上が内定をもらった企業のインターンシップに参加していないと回答しています。

引用元:インターンに行かないと内定がもらえない?就活の先輩に聞いた【インターン以外の選考対策とは】
※調査期間:2021年7月22日~2021年7月25日
※有効回答数:98名
インターンシップには内定に直結するものもあることは確かですが、全てがそうとは限りません。
企業側は「内定を出すため」ではなく、「入社後のミスマッチを減らすため」「自社の魅力を知ってもらうため」といった理由でインターンシップを開催しています。
そのため内定を得るためにインターンシップへの参加が絶対になることは基本的にはありません。自身の目的にあわせて参加するか決めましょう。
インターンシップに参加する目的
インターンシップへは、目的意識を持って参加することが重要です。そこで、就労体験を通して企業・業界の実態と自身の適性をみてみるとよいでしょう。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズが2021年に行った、インターンシップの参加目的調査(n=1,287)では、興味をもった業界・職種・企業への理解を深めるという内容が上位をしめています。

引用元:【調査発表】大学生の就職活動調査2021
※調査期間:2021年7月14日~7月19日
※回答者数:1,287名
多くの学生は、企業研究・業界研究の一環としてインターンシップに参加していることがわかります。
「企業・業界研究をしっかり行いたい」「興味のある企業の具体的な業務を知りたい」という方はインターンシップに参加するのがおすすめです。
逆に「学業や他に注力したいものがある」「業界研究は充分」という方は、行く必要はあまりないかもしれません。インターンシップに行く意味が自分にあるかどうか、よく考えて参加を決めてみてください。
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インターンに参加する目的とは?企業側の目的や参加前に知っておきたいポイントを解説
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参加すると働く意欲の向上にも繋がる
インターンシップに参加すると企業研究が進む以外に、モチベーションのアップに繋がることもメリットです。インターンシップを通して知ることができる企業の業務内容や社風は、自身が働く姿をイメージしやすくします。
憧れの企業に対する就活のモチベーションを上げてくれるので、興味のある業界や企業がある方は参加を検討してみましょう。
インターンシップに参加しないメリット・デメリット
もしインターンシップに参加しないと考えているのであれば、メリット・デメリットをしっかりと確認しておきましょう。「なんとなく」でインターンシップへの不参加を決めてしまうと、後で後悔する可能性もあります。

メリット・デメリット確認し、自分にとってベストな選択をしましょう。
メリット
インターンシップに参加しない1番のメリットは、時間を確保できることです。
研究・サークル活動・アルバイトなど、インターンシップ以外のことに力を入れたい方にとっては大きなメリットとなります。
「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」がエントリーシートの設問や面接で問われることが多いため、就活対策としても重要なポイントです。
インターンシップは短くて1日、長いものだと数ヶ月に渡って開催されます。長期のインターンシップでは数ヶ月にわたって週2,3日の時間がとられることもあり、学業との両立が難しいケースもあるかもしれません。

今の自分にとって何がもっとも重要なのか考えて、時間を有意義に使いましょう。
デメリット
インターンシップに参加しないデメリットは、自分の目で企業の内情を把握しにくい点です。
- 【選考・面接時(入社時)】企業ごとの比較が難しくなる
- 【入社後】企業とのミスマッチが起こりやすくなる
選考・面接時(入社時)には、企業ごとの比較が難しくなることが問題のひとつです。
同じ業界でも企業によって特徴は異なります。雰囲気・社風など、ネットや人づての情報だけではイメージしにくいポイントは自分の目で確かめることをおすすめします。
また、特に注意したいのが、入社後に企業とのミスマッチが起こりやすくなることです。
企業の業務内容や働き方をよく知らずに入社すると、理想とのギャップを感じてしまう可能性があります。「思っていた業務内容と違った」「働き方が自分に合わなかった」として離職してしまうケースも多く、企業側も問題視しているポイントです。

情報不足からのミスマッチにならないよう、情報収集・企業研究はしっかりと行いましょう。
インターンシップに参加しない場合にやっておきたいこと

インターンシップに参加しないと決めた方は、次の内容を就活の対策として実践してみてください。
企業研究・志望動機の明確化
インターンシップに行かない場合、企業研究や志望動機のまとめに力を入れましょう。
インターンシップ参加者に比べると企業の内情や具体的な業務内容などを把握できないため、情報量に差がついてしまう場合があります。
また、志望動機はインターンシップの経験を織り交ぜて話せる参加者より質が落ちてしまう可能性があるので、よく考えておきましょう。
「その企業の強みは何なのか?」「なぜその企業に行きたいのか?」などを明確にしておく事が大切です。公式HPや書籍を読む、先輩や卒業生から話を聞くなど、幅広い方法で情報収集をしましょう。実際にインターンシップへ参加した方に様子を聞くのもおすすめです。
企業研究や業界研究については、以下の記事で詳しくまとめています。気になる方はチェックしてみてください。
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企業研究のやり方5ステップ!ノート・シートの作成方法や就活への活かし方を解説
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社会人とのコミュニケーション
インターンシップに参加すると、おのずと社会人の方と接する機会も多くなります。
参加しない場合はその機会が少なくなるため、アルバイトやボランティア、OB・OG訪問などを通して社会人とのコミュニケーションに慣れておきましょう。
目上の方との接し方やマナーを知ることで、面接対策になります。とくに面接で緊張してしまいそうな方は、経験を積んでおきましょう。
ガクチカのまとめ
インターンシップに行かないメリットを生かし、ガクチカをより充実させておくことも大切です。ガクチカとは、「学生時代に頑張ったこと」「学生時代に力を入れたこと」の略称として使われます。
就活準備のフローにインターンシップが当たり前のように組み込まれるなか、それよりも「優先したこと」「必要に感じていること」をきちんとアピールできるようにしましょう。
ガクチカは実績だけでなく、過程も重要です。面接時にわかりやすく伝わるよう、エピソードをまとめておきましょう。ガクチカのエピソードをまとめるときは結論から入り、論理的に過程を説明します。以下のポイントを抑えてまとめてみてください。
ポイント
- 結論(何を行ったか)
- 目的・動機(なぜそうしようと思ったのか)
- 目標と問題点(目標に対してどのような問題が発生したか)
- 取り組み(どのような対策を行ったか)
- 結果(結果どうなったか)
- 経験からの学び(何を学び、どう活かすか)
ガクチカのテーマに決まりはありません。ゼミでの活動やアルバイト、趣味など、自身が努力して問題を解決したことや熱中したことを取りあげてみましょう。
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【例文9選】ガクチカとは?エピソードが思い浮かばないときの書き方も解説
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」であり、書類選考や面接の質問で頻出します。アルバイトやゼミなどでの経験をガクチカとして伝えることは可能です。この記事では思い浮かばないときの対処法や、9つの例文などを紹介しています。
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就職活動では、ガクチカ以外の準備も必要です。下記記事で就活フローをチェックして、必要な準備を進めていきましょう。
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就活準備は何をする?やることを押さえてスムーズな就活を
就活準備を始めるタイミングや何を準備すればいいのかお悩みの方に向けて「就活準備」を解説します。当記事を読めば、就活準備に今日から手をつけることができるのでぜひチェックしてみてください!
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まとめ
インターンシップは学業との両立が難しくなるケースもあるため、参加しないことも選択肢のひとつです。内定を獲得するために、インターンシップへの参加が必須というわけではありません。
ただし、参加しない場合はメリット・デメリットを確認しておきましょう。
メリット
時間を確保できるためガクチカに集中できる
デメリット
・企業の内情が把握できないのでミスマッチが発生しやすい
・企業間の比較がしにくい
インターンシップは就活でも重要なイベントですが、参加は自由です。この記事の情報を参考にして、インターンシップに参加するか検討してみてください。

行くか行かないか、メリットが大きいのはどちらか考えて選びましょう!