1カ月以上にわたって行われるインターンは「長期インターン」と呼ばれることがあります。25卒からインターンの定義が変更され、採用直結型インターンシップとして実施できるようになりました。
就活の前に自分に合う業界や業種を探したい方や、就活を有利に進めたい方などにとって長期インターンの参加はメリットになるでしょう。長期インターンの探し方を確認して、自分に適したインターン先や業務内容のものに参加してみてください。
この記事でわかること
- 長期インターンは参加率が低く、就活において差別化が図りやすい
- 全学年対象とした案件が多い
- 実務経験を積みたい、給与をもらいながら学びたい場合は長期インターンがおすすめ
長期インターンとは:1カ月以上にわたって参加するインターンのこと
長期インターンは、おもに1カ月以上の期間にわたって行われるものを指します。
なかには半年から1年以上にわたって行われるインターンもありますが、期間は明確に義務付けられていません。勤務頻度は週に数日、1日数時間からフルタイムでの参加が求められるものが多いです。
夏休みなど学校の長期休暇には週5日勤務する場合もあります。
長期インターンは実際の業務に深く関わります。企業の一員としてプロジェクトやタスクを担当するのが一般的です。スキルや知識を習得し、企業での実際の働き方が体験できます。
企業や業界、業務とのマッチングを確認する場としても重要です。
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長期インターンと短期インターンの違い
1カ月以上の長期にわたって、実際の業務を経験する長期インターンの一方で、短期インターンは次のような特徴があります。
短期インターンの特徴
- 数日から数週間で行われる
- 夏休みや冬休みの期間に集中して行われる
- 連続した数日間のフルタイム参加が多い
短期インターンのおもな目的は、企業や業界についての理解を深めることです。多くの場合、企業の説明会や業界研究、グループワーク、簡単なプロジェクトなどを通じて企業や業界について学ぶプログラムが実施される傾向があります。
長期インターンに比べて期間が短いため、学業との両立がしやすい点や複数の企業や業界のインターンに参加しやすい点がメリットです。
長期インターンに参加する時期
経済産業省が発表した「学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会」によると、長期インターンに参加した時期は次のような結果でした。
▽長期インターン(1ヵ月以上)の参加時期
参加時期 | 割合 |
大学3年生7〜9月 | 22.1% |
大学3年生1~3月 | 15.3% |
大学3年生4~6月 | 10.7% |
大学2年生 | 10.7% |
大学3年生10~12月 | 8.4% |
大学1年生 | 6.9% |
※調査期間:2020年1月17日~1月24日
回答者:大学生931人
参照:経済産業省「学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会」
長期インターンは長期休みに限らず募集しており、大学1~2年生を対象にしているものもあります。今後は1年生や2年生が長期インターンに参加するケースが増えてくるかもしれません。
長期インターンの参加は就職活動で有利になる!
25卒以降インターンの定義が変わり、採用直結型インターンの実施が正式に許可されました。そのため、インターンを採用活動の一環として活用する企業が増えています。
変更後の定義では、インターンは大きく4つのタイプに分類され、タイプ3および4が採用活動に直結させることが可能です。
「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」と「タイプ4:高度専門型インターンシップ」は就業体験が必須です。学生がインターン期間中に成果を上げたり、企業とよい関係が築けたりすると、正式な採用や早期選考のオファーをする場合があります
1、2年生向けの長期インターンでも、インターン終了後も企業との関係を維持することで、将来の就職につながることもあります。長期インターンに参加すれば内定がもらえるとは限りませんが、就職活動で有利になる可能性は高いといえるでしょう。
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長期インターンに参加するメリット
長期インターンのメリットは、採用につながる以外にも複数あります。
実務経験・スキルを獲得できる
長期インターンは、実際の業務に長期間携わる経験が積めます。短期インターンでは経験できないプロジェクトの一連の流れや、継続的な業務改善のプロセスを学べるのがメリットといえるでしょう。
また、担当する業務を通して専門的なスキルを身につけることは、就職活動やその後のキャリアにおいても有効です。実務経験ができるインターンシップに参加することで次のようなスキルが身につくと考えられます。
身につくスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼンテーション能力
- 問題解決能力など
上記のようなビジネスに必要なスキルのほか、時間管理能力や協調性、責任感など社会人としてのスキルも身につくでしょう。
キャリアの方向性を確認できる
長期インターンを通じて、企業のビジネスモデルや業界の動向、企業文化を体験することで、特定の業界や職種が自分に会っているかを判断する材料となります。
企業の文化や働き方を理解することで、将来的に就職した後のミスマッチを減らすことができ、キャリアの方向性が確認できるでしょう。
社員やほかの学生とのネットワークができる
長期インターンは、企業で働く多くの社員と関わることで貴重な人脈を築くことができ、将来の就職活動やキャリア形成に役立つ可能性があります。
また、同じインターンに参加しているほかの学生とも交流を深めることができます。ほかの学生と情報交換をすることで、就職活動やキャリアへのモチベーションを高めることができるでしょう。
就職活動でのアピールポイントになる
長期インターンの経験は、就職活動において大きなアピールポイントになります。実務経験がある旨を履歴書に記入できたり、面接でインターンの経験を述べることができたりするためです。
インターンで携わった具体的なプロジェクトや成果を示すことで、自分の能力を伝えやすくなります。
長期インターンで得られた経験は、採用する企業にとっても魅力的な要素です。自信を持ってアピールしましょう。
有給インターンなら給与を得ることができる
インターンによっては給与が発生するものがあります。給与が発生するインターンは短期よりも長期のほうが多いため、実務経験を積みながらお金を稼ぐことが長期インターンのメリットといえるでしょう。
長期インターンに参加することでアルバイトの収入が減少する場合などは、有給インターンを選ぶことで、金銭面の不安を軽減できます。実際に企業の一員として働いてお金を稼ぐことで社会人としての意識も高まるでしょう。
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長期インターンは無駄?参加するデメリット
長期インターンは、学校の長期休暇の時期以外にも行われていることが多く、授業や課題、試験などと並行して行うことになります。インターンと学業のタイムスケジュールの調整が難しいのがデメリットといえるでしょう。特にフルタイムや出勤日数が多い場合は、学業との両立が困難になることも考えられます。
そのほか、参加したインターンが合わなかったと感じたり、期待した成果が得られなかったりするケースもあるかもしれません。合わないと感じているインターンを長期で行うのは、時間や労力が無駄になったと感じる可能性が考えられます。
インターンの内容や企業の相性、サポート体制など確認しておくことで、ミスマッチを防ぐことができます。事前にしっかりチェックしておきましょう。
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参加目的は人によって異なりますが、「業界・企業への理解」のためにインターンシップへ参加している学生が多いです。ざっくりとした企業の理解を深めたいなら「1day仕事体験」、実務スキルを磨きたいなら「長期インターン」など、業種・業態・期間および目的によって種類は多岐にわたります。
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自分にあった長期インターンを選ぶポイント
自分にあったインターンを選ぶには、事前に内容を調査することが重要です。長期インターンを選ぶポイントを確認して、貴重な時間を有効に使って実務経験を積みましょう。
インターンの種類が自分の希望にあっているか
長期インターンにはさまざまな種類があります。次のポイントに注目して希望にあっているものを探してみましょう。
ポイント
- 採用直結型または採用非直結型
- 対象の学年
- 有給または無給
- フルタイムまたはパートタイム
- オンラインワークまたはオフィスワークなど
就活を見据えて採用につなげたい場合は採用直結型、お金を稼ぎながら実務経験を積みたい場合は有給、1~2年生にうちから参加した場合は対象学年になっているかなどを確認してみてください。
自分の興味・関心にあっているか
具体的な業務内容を確認し、自分の興味・関心にあっているインターンを選びましょう。興味・関心のない業界や職種のインターンに参加しても、モチベーションを維持するのが難しく、学びも少なくなることが考えられるためです。
自分が興味を持っている内容や、学びたいスキルが学べるような業務内容のインターンを選ぶのがおすすめです。
企業理念や社風に共感できるか
企業理念を確認し、共感できるかどうかを確認してみましょう。企業理念に共感できる企業のインターンに参加することで、学びが深まり、有意義なインターンになると考えられます。
また、企業の社風の確認も重要です。風通しのよい社風なのか、上下関係を重視する社風なのかなど、自分が働きやすいと感じる環境なのかを確認しておきましょう。
インターン内容が充実しているか
インターンに参加することでスキルが学べるような、充実した内容のものを選ぶのがおすすめです。研修制度やサポート体制が充実していることが分かる記載があるものや、インターンに参加した学生の口コミなどを確認してみてください。
インターンのなかには社員との関係性が浅く、業務の任されるだけのものもあり、学びが深めきれないことも考えられます。例えば「社員からのフィードバックあり」「マンツーマンで指導」など、インターンを通して自分が成長できる環境かがわかる内容が記載されているものを選ぶのがおすすめです。
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長期インターンの情報収集・応募〜参加までの流れ
長期インターンの情報収集から参加までの流れを紹介します。
1. Webサイトなどで情報収集をする
長期インターンの募集はWebサイトを調べると多くの情報が掲載されています。代表的な方法を紹介します。
- 求人サイト
- 企業の公式サイト
- SNS(LinkedIn・X(旧Twitter)など)
求人サイトには、インターン専用のページが設けられているものもあります。詳しくは「長期インターン探しに特化したおすすめサイト」を確認してみてください。
興味のある企業が見つかったら公式サイトを確認し、インターンプログラムを確認してみるとよいでしょう。
SNSは企業や業界関係者とつながれるチャンスがあります。SNSを活用して業界関係者とつながり、インターンの情報を得るのも方法のひとつです。
Webサイト以外にも、学校のキャリア支援センターでインターンの紹介やサポートを受けたり、先輩や卒業生から紹介してもらったりする方法もあります。
2. 企業についてリサーチをする
長期インターンに申し込む前に、申込先の企業について調べておきましょう。ミスマッチを防止するために有効な手段であるためです。
企業についてリサーチする際は、次のポイントを確認してみてください。
ポイント
- 企業のビジョンやミッション:企業の理念や目標が自分の価値観と合っているか
- 業務内容:インターンでどんな業務に携わることができるか
- 職場環境:企業の文化や職場環境が自分に合っているか
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3. 長期インターンに応募し、選考を受ける
長期インターンに応募すると、インターンサイトや企業からインターンの選考方法について案内がきます。選考方法は書類・適性検査・筆記・面接などが一般的です。
選考に必要な書類や面接回数など細かい部分は企業によって異なるため、募集要項や選考案内メールをしっかり確認しておきましょう。
インターンに参加する目的や志望動機を明確に回答できるように準備して選考に臨みましょう!
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4. インターンに参加する
インターンの参加が決まったら、企業と初出勤日を調整します。当日までに服装や持ち物を確認して準備し、インターンに参加する目的を振り返りながら初日に備えましょう。
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長期インターン探しに特化したおすすめサイト
長期インターンに特化したおすすめのWebサイトを紹介します。
インターンサイト | 概要 |
Wantedly | ・地方も含め案件数が多い ・新卒採用情報も掲載されている ・公式アプリの機能が充実 |
Infra(インフラ)インターン | ・検索条件が細かく指定できる ・スキルアップ講座など支援制度が充実 ・大学1~2年生でも参加できる案件も多数あり |
ゼロワンインターン | ・インターン無料相談会に参加できる ・インターン終了後に社長から推薦状がもらえる ・内定までのサポートが手厚い |
インターンシップガイド | ・案件数、利用者数ともに業界最多レベル ・幅広い業界の案件を取り扱っている ・全学年が募集対象の案件が多い |
ユアターン | ・適性診断や個別面談などのサポートが手厚い ・勤務日数やこだわりの条件を細かく指定できる ・どんな業界や企業で働きたいか悩んでいる人におすすめ |
各インターンサイトによって特徴があるため、自分に合ったサイトを活用してインターン情報を探してみてください。
長期インターンの服装選び
インターンに参加するときの服装は、インターン先の企業の指示に従いましょう。スーツの場合もあれば、ビジネスカジュアルや学校に通うときと同じような服装と指定される場合もあります。
選考ではスーツ、インターンが始まってからは服装自由など指定が変わることも考えられるため、確認しておきましょう。
服装選びに迷っている方は、「みんなのシゴト服ずかん」をチェックしてみてください。業界や職種、シーンによってリアルなシゴト服の着用傾向ランキングを知ることができます。
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インターンの服装は何を着る?スーツ・服装自由・私服指定のポイントを解説
インターンに参加する服装は、企業の案内に従いましょう。指定がなければスーツを、服装自由であればスーツと私服どちらでも問題はありません。自分に合う服を着用して、自信を持ってインターンに参加しましょう。
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よくある質問
長期インターンは何カ月くらいですか?
長期インターンはおもに1カ月以上のものを指します。期間は企業やプログラムによって異なり、1年を超えるものもあります。具体的な期間は、企業が提供するインターンの内容や目的によって決まるため、確認しておきましょう。
長期インターンは何年生から始められますか?
長期インターンは大学1年生から募集があります。長期インターンの経験者は、大学2年生から3年生の間に始める人が多いようです。
長期インターンに行く割合はどれくらいですか?
「就職白書2024」データ集によると、2カ月以上の長期インターンに参加した割合は2.2%であるとされています。1日タイプの短期インターンに参加した割合は70%であるため、長期インターンの参加率は低いといえるでしょう。学業とインターンの両立が難しいことが長期インターンの参加率が低い理由のひとつと考えられるかもしれません。
長期インターンが探せるサイトには何がありますか?
長期インターンに特化したサイトを紹介します。
- Wantedly:案件数が多く、「話を聞きに行く」ボタンをタップするだけで応募できる
- インターンシップガイド:案件数、利用者ともに業界最多レベル
- Infraインターン:学生のサポート体制が手厚い
詳しくは「長期インターン探しに特化したおすすめサイト」で詳しく解説しているため、ご覧ください。