インターンには、企業に対する理解を深めたり、適性があるかを確かめられたりするなどさまざまなメリットがあります。可能であれば積極的にインターンに参加するのがおすすめです。
ただし、インターンに参加できる時間には限りがあるため、プログラムの内容を十分に確認し、自分が求めていることを経験できるインターンに参加しましょう。
この記事でわかること
- インターンに参加することで採用につながる可能性もある
- 学業などで優先すべきことがあるときは、インターンの参加を見送っても問題はない
- インターンに参加するのであれば、早めに募集をチェックしておきたい
インターンに参加した学生の割合
就活サイト「株式会社ワンキャリア」が2023年に行った調査によると、サマーインターンに参加した学生は9割を超えているという結果が発表されました。
データ参考元:【2025年卒 インターンシップの実態調査】2025年卒の学生は、インターンシップに「ここでしか学べないこと」を望む | 株式会社ワンキャリアのプレスリリース
なかでも、1~5社のサマーインターンに参加した学生が最も多く、51.9%でした。0社(不参加)の学生は7.3%と、9割を超える学生は1社以上のサマーインターンに参加しているようです。
学生が「参加してよかった」と思えるインターンとは?
就活サイト「株式会社ワンキャリア」が2023年に行った調査によると、サマーインターンに参加した学生が「最もよかった」と感じたのは、社員と関わる機会が多いプログラムという結果でした。続いて、実際の事業の課題に関するワークを行うプログラムとなっています。
学生は、インターンを通じて企業のリアルな場面を見て体験したいと感じているのかもしれませんね。
インターン以外でも得られる情報の講義は満足度が低め
一方で、「参加する必要がないと感じたインターンシップの内容・特徴」では、「業界や企業などに関する講義を受ける」というものが見られました。
この結果から、学生はインターンでしか学べないことを知り経験したいと強く感じているとわかります。インターンでより深い学びを得たい方は、サマーインターンに関する調査結果を参考にしてみてもいいかもしれません。
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インターンに参加するメリット
インターンに参加するメリットは次のとおりです。
業界・企業の理解を深められる
インターンでは、業界研究や企業研究では調べきれない「具体的な業務」「職場の雰囲気」「社風」を具体的に把握できるメリットがあります。
インターネットや書籍で業界や企業をある程度理解できていても、リアルな情報まで把握することは難しいものです。インターンに参加することで、実際に社員が行う業務や取引先とのやりとり、業界での立ち位置など、より具体的な内容を知れる機会になるでしょう。
気になることを社員に直接質問したり、実際に仕事を体験したりすることで、企業・業界に関する理解をより深められます。
業界・企業の適性を判断できる
インターンにより業界・企業の詳細を知ることは「自分の適正に合うかどうか」を考える判断材料としても役立ちます。
興味のある業界・企業が絞り切れていない場合は、ジャンルを限定せずにさまざまな企業のインターンに参加することで、自己分析が深まり、希望する職種や企業を絞りやすくなるでしょう。
オープンカンパニーやキャリア教育は実施期間が短いため、複数の企業のインターンに参加しやすく、各企業を比較することも可能です。
適性を判断できれば、就職後のミスマッチを防げる可能性もあります。
ビジネススキルや実務スキルを習得できる
「汎用的能力・専門活用型インターン」や「高度専門型インターン」のように実際に業務に関わるインターンでは、社員と同じような働きを求められることがあります。
社員とともに仕事を実践することで、言葉遣いやビジネスマナー、メールの対応など、社会人に必要なスキルを学べます。基本的なビジネススキルを習得することは、新卒入社時にはもちろん、今後の就活にも役立つでしょう。
ただし、オープンカンパニーやキャリア教育のように、企業の実務を経験するプログラムはあまり多くない傾向があります。ビジネススキルを学びたい方や実務を経験したい方は、長期インターンを検討してみましょう。
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本選考の予習ができる
インターンのなかには、選考を実施し応募者を絞るケースがあります。有名企業のインターンや人気のプログラムは倍率が高くなることもあるでしょう。
選考では、ES(エントリーシート)や履歴書などの書類や面接以外にも、グループディスカッションなどを行うことがあります。
書類の作成や面接の練習、グループディスカッションを体験できていれば、本選考で初めて経験する人と比較して、気持ちに余裕をもてる可能性があります。
人脈が広がる
長期インターンであれば、企業で働いている人やインターン生に自分の存在を知ってもらえることも可能です。
インターンに参加した企業に就職した場合、入社前から自分を知ってもらっているため、職場に早く馴染みやすいでしょう。
また、インターン中にほかの学生と親しくなれば、プログラム終了後も仲間としての関係が築けるかもしれません。
就活のモチベーションになる
書類選考や面接などの本格的な就活を控えていても、モチベーションがあがらないという学生は少なくありません。インターンに参加して、実際に働く社員や、一緒に参加する学生と関わることは、就活のモチベーションを高めるきっかけになります。
「この業界に行きたい」「この企業に入りたい」という気持ちが生まれれば、内定獲得を視野に入れて選考の対策をスタートしやすくなるでしょう。
採用につながる可能性もある
インターンのなかでも「汎用的能力・専門活用型インターン」「高度専門型インターン」は、企業が一定の条件を満たした場合、参加した学生の情報を採用活動に活用することが可能です。これらのプログラムに参加すれば、採用につながる可能性があるかもしれません。
しかし、どんなインターンでも、参加することで企業に対する理解を深め、就活のモチベーションを高めることはできるでしょう。採用に直結しない場合でも、モチベーションがアップすれば、前向きに就活を進めていけるはずです。
インターンの種類・期間別のメリット
一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)により、25卒以降のインターンは次の4種類に分類されています。
これらは、プログラムの内容や目的、実施期間などが決められています。ここでは、各インターンの特徴とメリットデメリットを紹介します。
オープンカンパニー【期間:1日】
オープンカンパニーとは、企業や業界に関する情報提供やPRを目的としたイベントを指します。おもに座学での説明会、社員や卒業生による講義、座談会や交流会、職場見学を行います。
企業や就職情報を提供する企業、学校のキャリア支援センターが主催することが多いでしょう。
メリット
- 1日のみで気軽に参加しやすい
- 特定の企業の情報収集ができる
デメリット
- ある程度リサーチすれば把握できる内容の情報提供になることもある
キャリア教育【期間:プログラムにより異なる】
キャリア教育とは、働くことへの理解を深める目的で行うプログラムで、学校や企業が実施しています。
プログラムの内容としては、働くことそのものに対する理解度を高めるものであるため、オープンカンパニーとは性質が異なることが特徴です。
メリット
- 気軽に参加しやすい
- 就活のモチベーションを高めることにつながる
デメリット
- すでに積極的に就活を進めている人にとっては必要性が低いことがある
汎用的能力・専門活用型インターン【期間:5日以上または2週間以上】
汎用的能力・専門活用型インターンとは、就業体験を通じて自分のスキルや能力を見極める目的のプログラムです。汎用的能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上といった期間で実施されます。
オープンカンパニーやキャリア教育とは異なり、企業は一定の条件を満たすことで参加した学生の情報を採用活動に活用できることが特徴です。そのほかにも、プログラムは夏休みや冬休み、入試休み、春休みに実施するという要件があります。
プログラムは、大学3・4年生や修士1・2年を参加対象としています。
メリット
- 自分のスキルを試せる
- 採用につながる可能性がある
デメリット
- 長期の場合は学業などのスケジュールを考慮する必要あり
高度専門型インターン【期間:2カ月以上】
高度専門型インターンはと、実践力の向上を目的としたプログラムです。就業体験が必須であることが特徴で、修士課程の学生向け、または対象としたプログラムとなっています。
メリット
- 専門性の高い就業体験ができる
- 採用につながる可能性がある
デメリット
- 「修士課程の学生」など参加条件が限られている
- 長期の場合は学業などのスケジュールを考慮する必要あり
インターンに参加するデメリット
インターンにはたくさんのメリットがあるものの、人によっては次のようなデメリットを感じるかもしれません。
学業やアルバイトとの両立が必要
インターンは、基本的に企業側の就業時間に合わせて行われるため、平日に実施される傾向です。学業やアルバイトの日程とかぶることもあるので、時期や状況によっては両立が必要になるかもしれません。
学業やアルバイトを優先したいのであれば、インターンに参加しない選択もあります。「自分が優先したいものは何か」を考えたうえで、参加するかどうかを決めていきましょう。
土日開催のインターンも存在します。平日の参加が難しい場合は、土日に参加できるインターンを探してみるのもいいですね!
選考がある場合は書類作成・面接練習も必要
選考が実施されるインターンでは、ESなどの書類を作成したり、面接の練習をしたりと本格的に就活と向き合うことになります。
書類には志望動機や自己PR、長所・短所などを記入することが多く、これらを作成するためには自己分析や業界研究などを行うことになります。これらは時間をかけて自分と向き合うため、初めて経験する方にとっては難しいと感じるかもしれません。
本選考の予習となる点は大きなメリットですが、人によってはデメリットに感じる可能性があります。
目的がないと有意義に過ごせない可能性がある
「周りが参加しているから」「学校で勧められたから」など、特に目的がない状態でインターンに参加すると、何も得られずに時間だけが過ぎてしまう可能性があります。インターン参加前には、学びたいことや、得たいスキルなど目的を明確にしておくことが大切です。
インターンに参加するメリットは多いですが「参加しないと就活で不利になる」ということはありません。目的がないのであれば無理に参加せず、明確な目的ができたときや、必要性を感じたときに参加を検討してみましょう。
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参加目的は人によって異なりますが、「業界・企業への理解」のためにインターンシップへ参加している学生が多いです。ざっくりとした企業の理解を深めたいなら「1day仕事体験」、実務スキルを磨きたいなら「長期インターン」など、業種・業態・期間および目的によって種類は多岐にわたります。
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インターン参加に向いている人
次に当てはまる方は、インターンの参加がおすすめです。
- 選考に進みたい企業がある(インターンを募集している)
- 気になる業界・企業があり理解を深めたい
- 現時点では就活のモチベーションがあまり高くない
気になる企業、業界がある方は、積極的にインターンに応募、参加してみるのがおすすめです。参加したなかで「エントリーしたい」と思う企業もあれば、「想像とは違っていた」と気づけることもあるでしょう。
現時点で就活のモチベーションが低い方でも、インターンに参加することで刺激を受け、就活に対する気持ちがポジティブになることがあります。スケジュールに余裕がある方は、ぜひ積極的に参加してみましょう。
インターン参加に不向きな人
インターン開催時期に、実習や講義など優先すべきことがある方は、無理のない範囲で参加できるかを考えてみましょう。
さまざまな事情で忙しいときにインターンに参加する場合、オープンカンパニーのように短い期間で実施されるプログラムがおすすめです。選考が実施されるインターンは、書類作成や面接練習などで時間を要するため、計画的に準備をすることが重要になります。
無理なスケジュールを組むと、優先すべきことに集中できない、心身に大きな負担がかかることもあるでしょう。
インターンは必ずしも参加しなければならないものではないため、スケジュールを確認しながら参加を検討してみましょう。
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インターンシップに行かないと就活で不利?参加しないメリットも解説
インターンシップは学業との両立が難しくなるケースもあるため、参加しないことも選択肢のひとつです。なかにはガクチカに時間を割きたいと考える学生も少なくないでしょう。自分がインターンに参加する目的を明確にして、不要かどうかを判断することが重要です。今回は、インターンシップに参加しないメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。
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インターンの探し方
インターンの探し方には、次のような方法があります。
- 就活サイトでプログラムを探す
- インターンに特化したサイト・アプリを利用する
- 企業の公式サイトでリクルートページをチェックする
- 学校のキャリア支援センターで探す
- 先輩や友人に紹介してもらう
長期インターンは、インターンに特化した募集サイトやアプリで情報を掲載されていることが多いでしょう。詳しいインターンの探し方は、こちらの記事で紹介しています。
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インターンの探し方を5つ紹介!インターン先の選ぶ基準や注意点
インターン先を探している学生のために、インターンの探し方やどのように選べばいいのかを解説しています。また、インターンを探す際の注意点や、参加するまでにしておく準備についても紹介しています。
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インターンの準備は早めにスタートするのがおすすめ
インターンの参加を考えている方は、できるだけ早めに募集を探すなど準備をスタートしましょう。インターンは、おもに夏と冬に行われていますが、募集開始は実施の数カ月前から行われているためです。
サマーインターンのなかでも特に募集開始時期が早いものでは、3月から参加者を募っていることがあります。多くの場合は5月前後から募集が開始されますが、情報収集は早く行って損はないでしょう。
インターンの書類作成、面接、服装や、就活に関する情報はユニキャリ公式LINEで紹介しています。
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よくある質問
インターンに参加するメリットを教えてください
インターンには、次のようなメリットがあります。
・業界・企業の理解を深められる
・業界・企業の適性を判断できる
・ビジネススキルや実務スキルを習得できる
・本選考の予習ができる
・人脈が広がる
・就活のモチベーションになる
・採用につながる可能性もある
実際にはプログラムの種類により異なりますが、目的をもって参加すればメリットを感じられるでしょう。各項目の詳細は「インターンに参加するメリット」で紹介しています。
インターンに参加するデメリットはありますか?
人によっては、次のようなデメリットを感じるかもしれません。
・学業やアルバイトとの両立が必要
・選考がある場合は書類作成・面接練習も必要
・目的がないと有意義に過ごせない可能性がある
インターンに参加することがデメリットというよりも、参加前の環境や準備によってはデメリットが大きく感じられる可能性があるということです。各項目の詳細は「インターンに参加するデメリット」で紹介しています。
インターンに参加すれば就活・採用で有利になりますか?
インターンのなかでも、「汎用的能力・専門活用型インターン」や「高度専門型インターン」は、一定の条件を満たすことで、企業が参加した学生の情報を採用活動に活用できるという特徴があります。このことから、2種類のインターンでは採用につながる可能性もあるでしょう。
ただ、どのインターンでも、参加することで企業に対する理解を深められたことをきっかけに、就活のモチベーションがあがるなど、よい側面はあるはずです。
企業側にとってインターンを実施するメリットはありますか?
採用活動を目的としてインターンを実施する企業の場合は、入社意欲が高く優秀な学生や、自社に適した人材を見つけやすくなることがメリットです。
選考を考える学生がインターンに参加して企業のことを深く知ることで、入社後のミスマッチを防げることもメリットといえるでしょう。
インターンでは給料をもらえますか?
給料は、すべてのインターンで発生するわけではありません。長期インターンや、実際に現場で働くタイプのインターンでは給料が発生することもあります。 インターンの給料は必ず支払われるとは限りません。長期インターンでは時給や日給がある場合も見られますが、企業の方針やインターンの内容によっては無給のケースもあるでしょう。当記事ではインターンの給料について解説します。 続きを見る
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