近年、インターンをオンライン上で実施する企業が増えています。オンラインインターンは自宅からパソコンを通して参加できるので、移動時間をかけずに多くの企業のインターンに参加できます。
オンラインインターンを控える学生のなかには「服装はどうしたらよいか」「オンラインではどのようなことに気をつけるべきか」などが気になる方も多いでしょう。
この記事では、オンラインインターンの内容や、参加する際の服装、注意するポイントについて解説します。
オンラインだからこそ注意する点を押さえて、しっかりと準備しておくことが大切です。
ポイント
- オンラインインターンで行われるプログラムの内容は企業によって異なる
- オンラインインターンも対面と同様に身だしなみに気を配ることが大切
- オンラインインターンに参加する際の環境や、使用する周辺機器、会議ツールの使用方法は事前に確認する
【近年急増中】「オンラインインターン」とは
インターンとは、学生が企業で実際に業務に触れたり、会社の一員として働いたりする職業体験のことです。オンラインインターンはWeb会議ツールなどを活用して行われるインターンのことで、非対面での職業体験を可能にしています。
2020年1月頃からの新型コロナウイルス感染症の流行により、対面ではなくオンライン上でインターンを実施する企業が増えています。
以下は、株式会社ヒューマネージが発表した、インターンに関する調査内容「地域ごとの本エントリー率」です。
参照:PR TIMES オンラインインターンシップ拡大により、特に地方学生のエントリーが増加していることが明らかに。
調査時期:2020年10月
調査対象:2021年卒・2022年卒
2022年卒の調査結果を見ると、本エントリー率の全国平均26.7%に対して、北海道地方や東北地方など地方が全国平均を上回る結果となっています。オンラインインターンが実施されるようになり、離れた地域に住んでいても参加しやすくなったことで、インターンへの参加を希望する学生が増えていることが考えられます。
オンラインインターンを行うことで、企業側は多くの学生と同時に接点を持つことが可能です。幅広い学生が参加できるように、対面とオンラインの両方でインターンを実施している企業もあります。
-
インターンシップとは?プログラムの探し方・募集開催期間・参加するメリットを解説
インターンシップとは職業体験を通じて、実力を確かめる・発揮する場所です。今あるスキルを確かめながら伸ばせる機会になるため、時間を確保できる方は積極的に参加しましょう。選考が実施されるインターンシップでは、書類作成や面接の練習も必要です。
続きを見る
オンラインインターンの内容
インターンで行われるプログラムの内容や実施期間は、企業によって異なります。オンラインで実施するインターンの内容は、おもに以下の5パターンがあげられます。
講義・セミナー
1Day仕事体験や、1週間前後で行われる短期インターンでは、企業の社員が行う講義やセミナーがメインで行われる場合があります。会社の概要や業務内容や、業界の状況などの説明を企業の社員から直接受けられるので、業界や企業の知識を深めたい方におすすめです。
具体的な内容例
■建材メーカーの1Day仕事体験
【1Day仕事体験/オンライン/大学3年生向け/業種:建材・エクステリア】
業界研究・企業研究セミナーで業界構造や今後の展望、取り巻く環境などをわかりやすく解説。 少人数による対話形式でセミナーを開催する。
グループワーク
企画の立案や解決策の提示などの与えられた課題をグループにわかれて取り組むプログラムもあります。プログラムの終盤でグループごとに発表・プレゼンを行い、社員からフィードバックを得られるという流れが多いです。業務の難易度や、自分の適性を判断したい方に向いています。
具体的な内容例
■商社の1Day仕事体験
【1Day仕事体験/オンライン/大学3年生向け/業種:商社(医療品)】
業界・会社説明、ビジネスマインド学習ワーク、医療系企画体験ワーク、先輩社員座談会の流れで開催。体験ワークでは、グループごとに企画した医療モールの売上を競い合い、各グループに先輩社員が1人ついてフィードバックを行う。
社内・職場見学
オフィスや工場などの施設内をオンラインで見学できるプログラムもあります。オフィス内の雰囲気や、現場の設備などを知りたい方に向いています。
具体的な内容例
■電力会社での1Day仕事体験
【1Day仕事体験/オンライン/大学3年生向け/業種:建材・エクステリア】
電力流通設備のオンライン見学会や業界説明、グループディスカッションを通して、電力流通設備に係る業務を体験。職種ごとに社員との座談会も行われる。
社員との懇談・座談会
懇談会や座談会は、学生が社員とフランクに交流できるプログラムです。業務内容や会社の事業、業界に関することなど、気になることを社員本人に質問できます。実際に働く社員と会話して、企業の雰囲気をつかみたい方におすすめです。
具体的な内容例
■オンライン決済代行サービス会社の1Day仕事体験
【1Day仕事体験/オンライン/大学3年生向け/業種:クレジット・信販】
1Day仕事体験の内容はグループワークと座談会。入社3年目以下の若手社員による座談会では、加盟店申請業務およびIT推進業務の仕事紹介、グループディスカッション、質疑応答が行われる。
-
インターンで的確な質問がしたい!聞いておきたい内容と注意点を解説
インターンでの質問を的確にするために、押さえておきたい質問のマナーとコツを紹介します。本番で慌てないために、質問例からいくつか選んで準備しておきましょう。
続きを見る
業務体験・実践
業務体験や実践のプログラムでは軽作業を体験したり、実際の業務に従事したりします。短期の場合は簡単な作業を体験する程度ですが、長期の場合は社員とともに実際の業務に携わるケースが一般的です。
業務を体験したうえで自分に合う職場かどうかを判断したい人や、業界や会社を既に絞り込んでいる方に向いています。
具体的な内容例
■Webアプリケーション開発会社でのオンラインインターン
【インターン/オンライン/大学3年生向け/業種:ソフトウェア】
オープンデータを活用したWebアプリの開発を通してフロントエンド開発を体験するプログラム。ユーザー目線を意識した開発ワークで、エンジニアの仕事を体験できる。
オンラインインターンならではのメリット
オンラインインターンは自宅で参加できるぶん、対面に比べて参加するハードルが下がります。さらに、以下の3つもオンラインインターンならではのメリットです。
効率よく情報収集できる
オンラインのインターンでは、自宅にいながらでも会社の雰囲気を知ることができます。移動や待機の時間を軽減でき、複数の業界や企業の情報収集を効率よく行える点がメリットです。
オンラインでは、対面のインターンのように会場の広さによって参加人数が制限されることが少ないため、参加できる可能性が高い傾向があります。
費用が節約できる
対面のインターンに参加するときは、オフィスや会場に行くための交通費がかかります。遠方から参加する場合や複数日にわたるプログラムに参加する場合はホテル代などの宿泊費もかかるでしょう。一方、オンラインなら自宅から参加できるため、費用を気にすることなく、遠方の企業のインターンにも気軽に参加できます。
就活が始まると、面接で本社に行く必要があったり、アルバイトの時間が減ってしまったりすることで、思った以上に出費が増えることもあるかもしれません。インターンにかかる費用を抑えられると、資金面の安心感にも繋がるでしょう。
オンライン面接選考の練習になる
面接を含め、採用活動のすべてをオンラインで行う企業も増えています。オンラインインターンに参加しておくことで、オンラインだからこそ配慮すべきマナーや注意点をひと通り把握できます。
オンラインでのやりとりに慣れておけば、就活でオンライン面接に臨む際も、落ち着いて対応できるでしょう。
参加する際の注意点は「オンラインインターンの注意点」で解説しています。
オンラインインターンの服装・身だしなみ
オンラインインターンでも、対面と同様に身だしなみに気を配ることが大切です。基本的にはパソコンの画面に映る範囲なので上半身のみが見えることが多いですが、うっかり映り込んでしまう可能性もあるため、ボトムスまで統一感のある服装を選びましょう。
インターンに参加する業界や企業によってどんな服装が望ましいかは異なります。企業の公式サイトでその会社の雰囲気をチェックしたり、先輩に相談したりしておくと安心です。
スーツ指定・私服指定の場合それぞれのポイントを解説します。
基本はスーツが望ましい
企業から服装に関する指定がない場合は、スーツを着るのがおすすめです。スーツを着用すれば、画面越しでも引き締まった印象を与えられます。
メンズスタイル:スーツの場合
メンズスタイルのスーツでは以下のポイントを意識してみましょう。
メンズスタイル:スーツのポイント
- カラー:ブラックや濃いネイビーなど。落ち着いた雰囲気にまとめやすい
- デザイン:デザイン・柄がシンプルなもの。コーディネートしやすく、フォーマルな印象を与えられる
- サイズ:体型区分に合っているもの。スタイリッシュに着こなせて清潔感が出る
レディーススタイル:スーツの場合
レディーススタイルのスーツでは以下のポイントを意識してみましょう。
レディーススタイル:スーツのポイント
- カラー:ブラックや濃いネイビーなど。落ち着いた雰囲気にまとめやすい
- デザイン:デザイン・柄がシンプルなもの。コーディネートしやすく、フォーマルな印象を与えられる
- ボトムス:スカートかパンツかは与えたい印象や着やすさで選ぶ。
-
夏の就活のスーツはどう着こなす?ジャケットの必要性や暑さ対策を解説
夏の就活では「ジャケットを着るべきか」など、身だしなみで迷うポイントがたくさんあります。何を着ればよいのか、汗やニオイを抑えるにはどうすればよいのか正しい対策法を知り、就活と暑さを乗り切りましょう。
続きを見る
-
就活スーツはどう選ぶ?知っておきたい着こなしポイントやおすすめを紹介
面接に失敗しない正しい就活スーツの選び方をご紹介します。スーツと一緒に用意する洋品選び方も解説。おすすめの商品も掲載しているので、この記事を読めば就活の服装準備を始められます。
続きを見る
私服指定の場合はビジネスカジュアルを意識する
「私服指定」や「服装自由」などの記載がある場合は、私服でも問題ありません。どんな服装がいいか迷う場合はビジネスカジュアルが無難です。ビジネスカジュアルとは、スーツよりも少しカジュアルでビジネスシーンに馴染む服装を指します。
Tシャツやスウェットなどのラフな服装や派手なアクセサリーは避けて、清潔感のある服装を心掛けましょう。
メンズスタイル:ビジネスカジュアルの場合
メンズスタイルのビジネスカジュアルは、ジャケット+パンツのいわゆる「ジャケパンスタイル」であれば幅広いシーンにマッチしやすいです。
メンズスタイル:ビジネスカジュアルのポイント
- カラー(ジャケット):ブラックや濃いネイビー、グレーなど。落ち着いた雰囲気にまとめやすい
- デザイン:無地、もしくはストライプなどシンプルな柄。コーディネートしやすく、清潔感を演出しやすい
- インナー:襟付き、もしくは襟なしのシャツ。フォーマルな雰囲気にまとめやすい
レディーススタイル:ビジネスカジュアルの場合
レディーススタイルのビジネスカジュアルは、「ブラウス+スカート・パンツ」の組み合わせが主流です。
レディーススタイル:ビジネスカジュアルのポイント
- カラー:モノトーンやアースカラー、パステルカラーなど。落ち着いた印象を与えやすい
- デザイン:柄のないシンプルなもの。コーディネートしやすく、フォーマルな印象を与えられる
- インナー:シャツもしくはソフトブラウス。フォーマルな印象を与えられる
-
インターンの服装は何を着る?スーツ・服装自由・私服指定のポイントを解説
インターンに参加する服装は、企業の案内に従いましょう。指定がなければスーツを、服装自由であればスーツと私服どちらでも問題はありません。自分に合う服を着用して、自信を持ってインターンに参加しましょう。
続きを見る
服装に悩むことのない、安心した就職活動を応援します。
オンラインインターンの注意点
オンラインインターンに参加する場合、オンラインならではの気をつけたいポイントがあります。オンライン面接やオンライン内定式などの際にも共通する注意点なので押さえておきましょう。
- 使用する機器や会議ツールを確認しておく
- 通信する部屋やWi-Fi環境を確認する
- 背景に気を配る
- ゆっくり・はっきりした声で話す
- 明るい表情を意識する
- トラブルの対処法を事前に把握しておく
- インターン後にはお礼のメールを送る
使用する機器や会議ツールを確認しておく
オンラインインターンに参加する際には、スマートフォンやタブレットでも参加はできますが、画面が小さく相手の顔が見えにくくなります。可能であれば、スマートフォンやタブレットよりも画面の大きいパソコンで参加するのがおすすめです。
使用機器に問題がないか、以下の点を参加前に確認しておきましょう。
使用機器のチェックポイント
- パソコンから出る音声を正しく聞き取れるか
- パソコンのマイクの音が割れていないか
- 内蔵されたカメラは正しく映るか
- 使用機器の充電は充分であるか
インターンは長時間になることが多いため、充電がなくならないように電源に繋いでおくと安心です。
ZoomやGoogle Meetなど、オンラインインターンで使用するWeb会議ツールの使い方も、事前に確認しておきましょう。参加の際にはマイクつきのイヤホン、またはパソコンに内蔵されているスピーカーとマイクを使用します。マイクやカメラは各ツールの設定などでテストできる場合が多いので、チェック時に活用してみてください。
カメラの調子が悪い場合や内蔵カメラがない場合は、外付けのWebカメラを準備しましょう。
通信する部屋やWi-Fiの環境を確認する
オンラインインターンは自宅から参加するケースがほとんどです。相手とのやりとりがスムーズにできるように、以下のような環境を選びましょう。
オンラインインターンに望ましい環境
- Wi-Fi環境の整った場所
- 静かで騒音がない場所
- ほかの人がいない個室
- 照明のある明るい場所
特に、Wi-Fi環境が整っていないと音声が途切れてしまい、重要な点が聞き取れないことがあります。もし自宅で適切な環境を作ることが難しい場合は、最寄りのレンタルオフィスの利用を検討するのもおすすめです。
背景に気を配る
オンラインインターンに参加する際には、清潔感のあるホワイトの背景の場所を選ぶとよいでしょう。家具やポスターなど、インターンに関係ないものが背景に映り込まないように、不要なものを片付けたり、ホワイトの布をかぶせたりして対応しておきます。
使用する会議ツールによっては背景をぼかす機能や、背景に画像を設定できる機能もありますが、画質が荒くなるためオンラインインターンでは避けたほうがよいでしょう。
事前に自分の映り方や背景の映り込みをチェックしておくと安心です。
ゆっくり・はっきりとした声で話す
オンラインでは、対面よりも声が聞き取りづらく、通信状況や音声の不具合によってはタイムラグが発生することがあります。ゆっくり・はっきりとした話し方を意識すれば、相手に内容が伝わりやすく、聞き直しを防ぎやすくなります。
オンラインだと表情が見えにくいぶん、身振り手振りや相槌などを加えることも効果的です。
明るい表情を意識する
オンラインでは表情が暗く見えがちなので、普段よりも少し明るめの表情を意識することが大切です。パソコンの場合、常に画面やキーボードのほうを見ていると、うつむいているように見えてしまうため、カメラ目線を意識してみましょう。
表情を見えやすくするために、顔にかからないすっきりとした髪型にすることも重要です。
トラブルの対処法を事前に把握しておく
オンラインインターン当日に体調を崩してしまったり、何らかの理由で通信できなくなってしまったりと、トラブルが起きる可能性があります。
トラブルが発生した場合に備えて、事前に企業側の連絡先を把握しておきましょう。通信の不具合によるトラブルの場合、メールやチャットなどでの連絡もできなくなる可能性があるため、電話番号など複数の種類の連絡先を把握しておくと安心です。
緊急で連絡しておく必要がある場合は電話やチャットなど、相手がすぐに反応できる方法で連絡を入れたほうがいいですが、メールなど連絡方法を指定されている場合は指定された方法で連絡します。
インターン後にはお礼メールを送る
オンラインインターンに参加したら、対面でのインターンと同様にお礼のメールを送ります。メールを送るタイミングは、当日または翌日までにメールを入れると、インターン担当者の記憶が新しく、学生の顔と名前が一致しやすくなるでしょう。
メールに関するマナーや例文については以下の記事をチェックしてみてください。
-
【場面別】インターンのメール返信の基本マナーとすぐ書ける例文集
インターンシップ先へのメールの書き方や基本マナーを解説!お礼メールや参加辞退メールなど、場面別ですぐに書ける例文集も紹介しています。インターン先への返信を忘れたときの書き方も解説しています。
続きを見る
まとめ
オンラインインターンは、オンラインでの実施であっても、身だしなみなどの基本的なマナーは対面でのオンラインと変わりません。対面よりも気軽に参加できる一方で、オンラインならではの注意点を知っておくことが大切です。
初めてオンラインインターンに参加するときは、使用機器の調整や会議ツールの使用など、慣れないこともあるでしょう。オンラインインターンをきっかけに慣れておくことで、就活でのオンライン面接もスムーズに行いやすくなります。
今回ご紹介した「オンラインインターン参加の注意点」を押さえたうえで、オンラインインターンの参加準備を進めていきましょう。