就活では特技を聞かれることがありますが、これは自己PRや志望動機とは異なり、おもにアイスブレイクや学生の人柄、興味・関心を知るための目的があります。
この記事では、就活で特技を聞かれる理由、特技の見つけ方や伝え方について解説しています。特技一覧と具体的な例文も紹介しているので、「自分の特技がわからない」という方はぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 特技はある特定の能力や技能、技術のことを指し、趣味とは少し異なる
- 他者からの評価は重要ではなく、自分が得意と思っていることが特技となる
- 趣味や好きなこと・日常的に行っている習慣から特技を見つけることも可能
就活で聞かれる「特技」とは?
就活の際、履歴書やES(エントリーシート)、面接などで「特技」を質問されることがあります。適切な回答を準備するためには、まず「特技とは何か」を理解することが重要です。
特技とは、自信を持っている特定の能力や技能・技術のことです。努力で身につけたものや、継続して練習したことで得たものが特技とされます。
特技に明確な定義はありませんが、ほかの人よりも優れた能力や、自信のあるスキルは特技としてアピールできます。
特技は周囲より優れた内容でなくてもOK!
特技に関して周囲からの評価は関係なく、自分が得意と感じていることであれば「特技」として伝えて問題ありません。
「優秀賞をもらった」「高得点を獲得した」「ほめてもらった」といった他者からの明確な評価がなくても、自分が得意だと感じる能力なら特技としてアピールできます。
特技の見つけ方は「特技がないときは?就活でアピールできる特技の見つけ方」で詳しく解説しています。
特技と趣味の違い
特技と趣味は重なる部分もありますが、おもに以下のような違いがあります。
特技 | ・ある特定の能力や技能、技術のことを指す ・特定の分野に自信があったり、 専門知識があったりすることが特徴 |
趣味 | ・休みや暇なときにやる活動や関心事を指す ・個人の娯楽やリラックスを目的としている |
例えば、サッカー、ピアノ、料理などは、専門的な知識や技術があれば特技としてアピールできます。一方、キャンプ、旅行、釣り、映画鑑賞など休日のリフレッシュとして楽しむ程度であれば「趣味」と考えられます。
就活で特技を問われた際は、特技と趣味の違いを認識したうえで回答を考えてみましょう。
「特技や趣味はありますか」と聞かれた場合は、趣味に当てはまる内容を回答しても問題ありません。
就活で特技が聞かれる理由
特技の答え方を考えるにあたって、企業が特技を聞く理由を把握しておくことも大切です。企業が特技を聞く理由には以下の2つが考えられます。
- 人柄や興味・関心を知るため
- 緊張を和ませるため(アイスブレイク)
人柄や興味・関心を知るため
企業が学生に特技を聞く目的は「何に興味・関心を持っているか」や「どのように熱中するのか」を理解する目的があります。つまり、「どれほど素晴らしい特技を持っているか」を知りたいわけではない可能性が高いです。
志望動機や自己PRでも学生の人柄や興味・関心を把握することはできますが、「特技」という別の角度からの質問により、学生の異なる側面や自然な部分が明らかになることもあります。
学生の強みや企業への貢献は、自己PRや志望動機で確認できるため、特技を通して直接的な企業貢献や入社への熱意の参考にすることは少ないでしょう。
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緊張を和ませるため(アイスブレイク)
面接のはじめのほうで特技が聞かれることがありますが、これは面接官が学生の自然な姿を見たいと思って緊張をほぐすために特技を質問していることも考えられます。
学生自身が得意なことや好きなことを話題にすることで、学生はリラックスして自分の得意分野について話しやすくなるでしょう。これにより、面接官と学生双方の緊張がほぐれやすくなります。
このことを理解しておけば、「採用のために強くアピールしなければならない」と過度に身構える必要はなくなるでしょう。
就活で伝える特技の例【一覧】
ここでは、就活でアピールできる特技の例を紹介します。自分の特技を見つける参考にしてみてください。
特技がないときは?就活でアピールできる特技の見つけ方
特技の一覧を見ても「できるけど特技といえるほどではない」「自分には特技がない」と感じる方は、以下の方法で特技を探してみましょう。
過去を振り返り、自分を深く知ることで特技が見えてくる場合があります。
過去に印象に残っている経験から探す
これまでの学校生活、アルバイト、インターンシップ、ボランティア活動などの経験を振り返り、そこで発揮したスキルや能力から特技が見えてくることがあります。
目立つ成果を出した経験だけでなく、「好きなこと」「熱中したこと」「新たに学んだこと」「課題を乗り越えた経験」などを思い返してみましょう。
例えば、誕生日会やその他のイベントを主催した経験があるなら、それは周りを楽しませること、イベントを企画することなどが特技として考えられます。
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趣味や好きなことから探す
映画鑑賞、スポーツ、料理、掃除などの趣味や、特に興味を持っている分野が特技につながることもあります。趣味や興味を通じて培ったスキルや知識を振り返り、就活でアピールできる特技を探してみましょう。
例えば、趣味が「釣り」であれば、「手先の器用さ」「準備を入念に行う能力」「高い集中力」などから特技につながる要素を検討できます。
毎日の習慣から探す
毎日続けている習慣は、自分の特技につながることがあります。例えば、以下のような習慣があげられます。
習慣化していることの例
- 毎日6時に起きる
- 毎日筋トレをする
- 毎朝ヨガをする
- 毎日散歩をする
- 寝る前に明日のやることを書き出す
- タスクを書き出して着実に進める
- 通学の間に英語の聞き流しをしている
- 隙間時間に音声配信で学んでいる
- 毎日日記を書いている
- 毎日ブログやSNSで発信している
など
日常的に行っていることは、自分にとっては当たり前のことかもしれませんが、習慣を継続していること自体が特技としてアピールできる要素となるのです。
自己分析ツールの結果から探す
自己分析ツールを使用して自身の特徴や強みを振り返ることで、隠れた特技が見つかる可能性があります。自己分析ツールでは、自己の強みや特徴が客観的に明らかになります。
診断結果で明らかになった強みについては、その強みがなぜ診断されたのか、また、どんな場面でその強みが活きたのかを深掘りすることが大切です。
例えば、診断で「計画性がある」と判明した場合、その計画性をどのように活かしてきたかの具体的なエピソードを振り返ります。そうすることで「毎日30分の英語学習を続けていた」や「課題に取り組む日は事前に時間と目標を明確に設定していた」など、自分の努力が反映されたエピソードから特技が見つかるでしょう。
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保有している資格から探す
取得した資格や認定は、その分野でのスキルや専門性を示す重要なものであり、資格取得の経験や知識が「特技」となる可能性は十分にあります。
例えば、漢字検定を保有している場合、「短期間での暗記が得意」であるといった特技が浮かび上がります。TOEICで高得点を記録したなら「翻訳に長けている」「リスニング能力が優れている」といった特技が見えてきます。
その点を踏まえたうえで、自分の保有資格と取得に向けて努力した経験を振り返ってみましょう。
第三者に聞いてみる
友人、先輩、家族など、身近な人に自分の得意な点や強みについて尋ねてみるのは特技を見つける有効な方法です。
他者の視点から得られるフィードバックは、自分自身では気付いていなかった特技や強みを見つけるきっかけになります。
1人ではなく複数の人に聞いてみるのがおすすめです!
履歴書・ESに記載する特技の書き方3ステップ
履歴書やESに記載する特技の書くときは、以下3つステップで進めていきましょう。
1. 記載したい特技をひとつに絞る
特技が複数ある場合でも、履歴書やESに記載する特技はひとつに絞ることが重要です。複数の特技をあげると、それぞれの印象が薄まる可能性があります。ひとつに絞って伝えることで、企業側の印象にも残りやすくなります。
履歴書の欄が広い場合も特技を箇条書きで列挙するのでなく、特に強調したいものをひとつ選び、その特技に対する解説やエピソードを記載しましょう。
どの特技を選ぶか悩んだときは「業務に応用できるか」「ユニークさや面白さがあるか」「長所や自己PRと関連しているか」を基準に選ぶのがおすすめです。
2. 結論+解説を記載する
履歴書やESに特技を記載する際には、「私の特技は⚪️⚪️です」と一文のみ書くのではなく、その特技に関する具体的な解説を加えることが重要です。
例えば以下のような要素を盛り込んでみましょう。
- 特技について評価されたり褒められたりした経験
- 特技を身につけるまでのプロセスや工夫
- 達成した具体的な目標や成果
このような解説を加えることで、特技の信頼性が高まるだけでなく、オリジナリティが際立つことで企業側の印象にも残りやすくなります。
例文
結論:私の特技は速読です。
解説:1年間、毎日寝る前に15分だけ読書する習慣をつけていました。その結果、読むスピードが上がり、すばやく要点をつかめるようになりました。
3. 仕事への活かし方につなげる
特技を伝える際は「仕事にどう活かせるか」といった視点も加えるのがおすすめです。
例えば、英語力やプログラミングといった実用的な特技は、仕事での応用方法が想像しやすいです。
一方スポーツや料理など、一見仕事と直結しない特技でも、「どんな工夫をしたか」「どんなプロセスで上達したか」といった視点を加えることで、特技を通じて得た物事への取り組み方や学びを、仕事に応用する方法として説明できます。
例文(特技が英語力の場合)
私の英語力は、将来的に海外転勤や海外事業への対応に役立つと考えています。
例文(特技が料理の場合)
料理を通して得た「初めての事柄でも、自分のこれまでの知識や感覚で挑戦してみる」という好奇心は、仕事でも活かせると思います。
就活で伝える特技の回答例文
ここでは、特技ごとの回答例文を紹介します。就活の履歴書やES・面接の回答を考える際の参考にしてみてください。
スポーツ
例文
私の特技はテニスです。中学の部活からテニスを始めて、大学ではテニスサークルのサークル長を務めていました。
昨年は地区大会で入賞し、全国大会出場を果たしました。
テニスというひとつのスポーツに継続して取り組み結果を出してきた経験は、仕事で目標に向かって取り組む際も役立つと考えています。
早起き
例文
私の特技は早起きです。大学入学後にコンビニの早朝アルバイトを始めたことがきっかけで、早起きが習慣になりました。アルバイトを辞めた今でも毎朝5時に起床する習慣が続いています。
早起きをすることで朝から活動的になり、1日のタスクの大半を午前中に終えられるようになりました。
この特技は効率的に仕事をするためにも役立てられると考えています。
料理
例文
私の特技は料理です。小学校高学年の頃から夕飯作りを担当するようになり、それがきっかけで料理が好きになりました。今では一人暮らしでの自炊に加えて、カフェのアルバイトでは一部調理を任されています。
料理を作る能力だけでなく、レシピのアイディアを出すことも得意としています。
仕事においても、どんどん新しいアイディアを生み出していきたいと思います。
ピアノ
例文
私の特技はピアノです。4歳からピアノを始めて定期的に発表会に出るようになり、昨年も地区のコンサートで演奏をしました。
ピアノをやっていたことにより、ステージに立つことの抵抗がなく、あらゆる場面で本番に強いという特徴があります。
今後仕事で重要なプレゼンテーションを行う際にも、本番に強く度胸があるといった長所を活かしていきたいと思います。
人の顔を覚える
例文
私の長所は人の顔をすぐに覚えられることです。洋服販売のアルバイトをしている際に、一度来店したお客さまの顔をすぐ覚えることができました。
顔を覚えていることで話しかけるきっかけにもなり、仕事にもよい影響がありました。
貴社の業務ではお客様と接する機会が多いと伺っているため、人の顔を覚えられる能力を活かせると考えております。
整理整頓
例文
私の特技は整理整頓です。自宅の断捨離を始めたことをきっかけに整理整頓に興味を持ち、昨年「整理収納アドバイザー2級」を取得しました。
昔は部屋が散らかっていることが当たり前でしたが、整理整頓が得意になってからは常に整った部屋をキープできています。これにより、自宅での勉強もしやすくなりました。
仕事の場でも整理された環境を作り、スムーズに業務を行えるように貢献したいと思います。
誰とでも仲良くなれる
例文
私の特技は誰とでもすぐに仲良くなれることです。特に初対面の人とのコミュニケーションが得意で、すぐに打ちとけることができます。
自分の話ばかりするのではなく、相手の話を聞き出すコミュニケーションを意識しています。
この能力は、職場の雰囲気づくりやチームワークの向上に貢献できると考えています。
計画的に物事を進められる
例文
私の特技は計画的に物事を進めることです。
昨年、ゼミの研究プロジェクトでリーダーを務める機会があり、研究テーマの選定から資料収集、実験の計画、報告書の作成まで、プロジェクト全体のスケジュールを立て、チームメンバーの進捗管理を行いました。この経験を通じて、複数のタスクを同時に効率的に進めるのが得意だと実感しました。
入社後はこの能力をプロジェクトの計画や時間管理に役立てていきたいと思います。
書道
例文
特技は書道です。幼少期から小学校卒業まで書道教室に通い一旦終了しましたが、大学入学後に再度教室に通い始めました。
長年書道を習っていたことで、きれいな字を書くことだけでなく、細かな注意と集中力が必要な作業をすることが得意になりました。
この経験は、業務の正確性や品質管理にも大きく貢献できると感じています。
節約
例文
私の特技は、日々の生活において無理なく節約をすることです。3年前から毎月家計簿をつけています。生活にかかる予算を管理し、少しでも費用を削減できるポイントがあれば積極的に行動に移しています。
節約をスタートした3年前と現在の家計簿を比べると、月2万円以上の節約に成功しました。
節約・家計管理のスキルは、仕事において効率的に利益を出すために何ができるかを考える際にも活かせると考えております。
よくある質問
就活の面接で趣味・特技を聞かれたら何を答えればいいですか?
趣味は休みや暇なときにやる活動や関心事を指し、おもに個人の娯楽やリラックスを目的としています。 一方特技はある特定の能力や技能、技術のことを指します。特定の分野に自信があったり、専門知識があったりすることが特徴です。
「特技と趣味の違い」で詳しく解説しています。
特技がない場合はどうすればいいですか?
以下の方法で特技を見つけることができる可能性があります。
- 過去に印象に残っている経験から探す
- 趣味や好きなことから探す
- 自己分析ツールの結果から探す
- 保有している資格から探す
- 第三者に聞いてみる
具体的な方法は「特技がないときは?就活でアピールできる特技の見つけ方」で解説しています。
就活で面白い特技を伝えたいです。
面白い特技を伝えたい場合は、人とかぶらない特技がアピールポイントになります。よくある特技でも、特技に関するエピソードなどの伝え方次第で「面白い特技」になるでしょう。
「就活で伝える特技の例【一覧】」から面白いと思うものを見つけるのもおすすめです。
就活で伝える特技で、避けたほうがいい内容はありますか?
違法なもの、ギャンブル、宗教・政治に関わることなどは人によって捉え方がさまざまであるため、避けたほうが無難です。また、特技が見つからない場合は「特になし」と答えるのではなく、趣味を伝えるなど、何かしら回答することを心がけましょう。