エントリーシートは、あなたが企業にアピールしたいポイントを伝える書類であり、履歴書は学歴や資格といった、過去や現状を知ってもらうための書類です。
どちらの書類にも志望動機や長所などを記載する欄があり、共通点が多いと思う方もいるかもしれません。項目によっては、同じ内容を記載することもあります。エントリーシートと履歴書で食い違いがおこらないよう 、気をつけることが大切です。
この記事でわかること
- エントリーシートとは入社後、履歴書はこれまでについて記載する書類である
- エントリーシートと履歴書は、内容が重複しても問題ない
- エントリーシートは、結論ファーストで企業側の視点も踏まえて書くと伝えやすい文章になる
エントリーシートと履歴書の違い
エントリーシートと履歴書の違いは、設問の種類や、記載する内容の深さです。履歴書は学歴や資格など、基本的なプロフィールのみを書くフォーマットが多く、エントリーシートと比較するとシンプルな内容になることが多いです。
■応募書類の特徴
エントリーシートの特徴 |
・入社後のビジョンを伝える ・内面、人柄をアピールする ・選考結果に影響することもある書類 |
履歴書の特徴 |
・これまでについて伝える ・学歴、資格など現状をアピールする ・選考の参考書類 |
エントリーシートはあなたの未来、履歴書は過去を伝えるイメージです!
エントリーシート:入社意欲や将来性をアピールする書類
エントリーシートは、企業が学生について知りたいことを質問するための書類です。
エントリーシートの各設問は、自社にマッチする人材であるか、採用後にどんな活躍をしてくれるかを読み取る目的があると考えられます。そのため、エントリーシートの質問の内容や数には企業によってさまざまです。
書類選考で参考にするだけではなく、面接の際にもエントリーシートをもとに、質問されることがあります。
エントリーシートの内容
企業により異なりますが、エントリーシートはおもに以下のような項目があります。
エントリーシートの項目
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 電話番号
- 学歴
- 資格・免許
- 自己PR
- 志望動機
- 長所・短所
- 入社後に挑戦したいこと
- キャリアビジョン
上記以外にも、業界や特有の質問、性格や価値観に対する質問や項目が設けられていることもあります。ほかにも、テーマに沿ったアイデア出しや作文 といった、課題を設けている企業もあるようです。
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履歴書:学歴やプロフィールを簡潔に伝える書類
履歴書は、個人情報や学歴、所有する資格スキルなど事実に基づくことをメインに記載する書類です。おもに個人に関する情報をまとめた書類であり、採用後に人事データとして保管する企業もあります。
おもに、以下のような項目があります。
履歴書の項目
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 電話番号
- 学歴・職歴
- 資格・免許
- 志望動機、特技、アピールポイントなど
- 本人希望欄(勤務時間や勤務地等)
エントリーシートと履歴書の入手方法
エントリーシートと履歴書の入手方法は、以下のとおりです。
エントリーシート
- エントリー時にデータを取得
- 企業説明会で配布
履歴書
- 厚生労働省が公表するデータを取得
- 学校指定のデータや紙を利用
- 就活サイトで配布するデータを利用
- JIS規格のものを購入
エントリーシートの入手方法は、エントリーの際にデータをダウンロードする方法や、企業説明会で配布されることが多いでしょう。フォーマットは企業により多少の違いがあります。利用するデータは事前に確認をしておきましょう。
履歴書はエントリーシート同様、企業が指定するデータを活用します。指定されていないときは、厚生労働省が公表している「厚生労働省履歴書様式例」と呼ばれるデータや学校指定のもの、就活サイトで配布されているデータ、文房具店などで販売されているJIS規格 のものを使用するとよいでしょう。履歴書のフォーマットは、企業により大きな差のないものがほとんどです。
厚生労働省の様式は、性別や配偶者などプライバシーに関わる情報の記載が必要なく、近年の主流となりつつあります。
手書きとパソコンのどちらで作成したほうがいい?
エントリーシートや履歴書の入手方法がダウンロード形式の場合、プリントアウトして手書きで記入するか、書類のファイルにパソコンで書き込むか迷うことがあるかもしれません。
企業からの指定がないのであれば、手書きとパソコンのどちらでも問題ないとされています。
記載する内容をパソコンで作成したあと、紙に手書きをする方もいるようです。
手書きの場合で書き間違いをした際は、新たな用紙を使用するほうがよいでしょう。用紙が1枚しかないなど、どうしても修正ができないときは、二重線で取消をして訂正印を押すといった修正が望ましいです。書き間違いをしたときのために、記入する前に用紙をコピーしておくなどの対策をしておくと安心です。
エントリーシートと履歴書に共通する注意点
エントリーシートと履歴書は、どちらか片方だけではなく両方とも提出を求められるケースが多いです。どちらも作成する場合に注意したいポイントを解説します。
形式に従って書く
紙でもパソコンでも記載する内容は同じですが、作成するときに気をつけたいポイントはそれぞれ異なります。指定されている形式に沿って記載していきましょう。
パソコンで作成するときの注意点
- フォントやフォントサイズにバラつきがでないようにする
- 変換ミスに注意する
- WordやExcelなどで作成をした場合は、PDFに変換して送信する(企業の指示に従う)
- 日付は、送信する日を記載する
紙に手書きをするときの注意点
- 黒色のインク、油性またはゲルインクのボールペンを使用する
- 印鑑を押し忘れない。かすれ、傾きがあれば新たな紙を使用する
- 修正ペン、修正テープは使用不可。書き間違えた際は、新たな紙で書き直しをする
- 日付は、手渡しの際は当日の日付、郵送の際はポストに投函する日を記載する
文字が消せるボールペンは便利ですが、簡単に書き換えられるリスクがあるため、重要な書類に用いるのは不向きです。水性ペンはインクが滲んだりこすれたりしやすいため避けたほうがよいでしょう。
記載内容の重複は問題ない
履歴書にも長所や志望動機といった項目があり、エントリーシートと内容が重複するケースはありますが、問題ありません。
履歴書はエントリーシートと比較して、枠が小さいこともあります。履歴書では簡潔にまとめて、エントリーシートでより具体的に書くなど、書類の特徴に応じた書き方をするとよいでしょう。
主張に一貫性をもたせる
書類選考にエントリーシートと履歴書の両方を提出する場合、どちらの書類も確認されるため、一貫性をもたせる必要があります。自己PRや志望動機、長所や短所の項目は、記載後に照らし合わせて、内容にズレがないかを確認してみてください。
例えば、エントリーシートの長所には「欠点を克服するための向上心が高い」と記載したものの、履歴書の長所では「チームをまとめて引っ張っていくリーダー性が高い」と記載していれば、採用担当者はどちらがアピールポイントなのか迷うかもしれません。
最後に見直してコピーを作成する
すべての記入が終わったら、項目の記入漏れや誤字脱字などのミスがないか確認しましょう。書いている途中では気づかなかったような誤りがある場合もあるので、すべての項目を細かくチェックします。
時間に余裕がある場合は、書き終えた翌日などに改めて確認してみるのもおすすめです。客観的な視点でミスや改善点を見つけやすくなる場合があります。
提出する前にコピーを作成しておくと、どの会社にどんな内容の書類を送ったのか把握できるので安心です。各書類を提出するタイミングが空く場合、先に提出したほうの書類の内容を振り返るためにも役立ちます。
エントリーシートを書くときのポイント
エントリーシートを書くときは、以下のポイントを確認してみてください。
- 結論ファーストで書く
- 企業側の視点を踏まえて記載する
- 面接で深掘りされることを想定しながら書く
結論ファーストで書く
結論ファーストとは、伝えたい内容のまとめを冒頭に入れることを指します。この方法は、自己PRや志望動機、長所や短所といったほぼすべての項目で利用できるため、記載する際に意識してみてください。
具体的な流れは、結論→結論に至った経緯や根拠→最後に抱負でまとめるというものです。
結論ファーストは、読み手側が内容を理解しやすい書き方のひとつです。箇条書きで結論・経緯・まとめの3つを書き出したあと文章にしていくと、作成しやすいでしょう。
企業側の視点を踏まえて記載する
エントリーシートの各設問は、企業が「なぜそれを聞きたいか」「知る必要があるか」を考えながら書いてみましょう。
これまでに行った自己分析や企業研究などから、「なぜその企業にエントリーしたいと思ったのか」と理由を考えてみると、企業側の視点も見えてくるかもしれません。
さらに、初めてエントリーシートを見た人でも、一度読めば理解できるような読みやすさも重要です。提出する書類は第三者にも確認してもらうと、自分とは違う視点での見方を知れるでしょう。
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面接で深掘りされることを想定しながら書く
面接では、エントリーシートの内容に沿って質問されるときもあります。面接で深掘りされることを前提に、各項目を記載していきましょう。
エントリーシートに書くために作ったエピソードでは、面接で質問された際にうまく答えられない可能性があります。特に経験談は、当時について具体的なことを聞かれてもスムーズに答えられるように、頭でも整理しておきましょう。
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【例文あり】エントリーシート(ES)の書き方|押さえるポイントや注意点
エントリーシート(ES)の書き方は、採用担当者が知りたいことを書きましょう。アピールが強くなり過ぎると魅力が充分に伝えられないかもしれません。書き方のルールや例文をチェックして質の高いエントリーシートを作成していきましょう。
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履歴書を書くときのポイント
履歴書を書くときは、以下のポイントを確認してみてください。
- 簡潔にわかりやすく書く
- すべての情報を正式名称で記載する
簡潔にわかりやすく書く
履歴書は氏名や学歴、資格などの基本情報を把握するための書類です。それぞれの内容は理解しやすく、正確な内容を記載するようにしましょう。
志望動機や長所などは、重要なポイントを絞って簡潔にまとめます。エントリーシートを合わせて提出する場合には、エントリーシートのほうで詳しく記入することを想定して内容を調整しましょう。
採用担当者は多数の応募者の履歴書を確認している可能性が高いです。ひと目で内容がわかるようにまとめることで情報が伝わりやすくなります。
すべての情報を正式名称で記載する
学校名、資格名などは、すべての項目において省略せず正式名称を記載しましょう。
略称と正式名称の例
- 自動車免許→普通自動車第一種運転免許 取得
- 英検、英語検定→実用英語技能検定◯級 合格
- 日商簿記→日本商工会議所簿記検定試験◯級 合格
- 秘書検定→秘書技能検定◯級 合格
- TOEIC→TOEIC公開テスト◯点 取得
学校名の場合、「◯◯学校」の記載だけではなく、県立や都立、私立といったことや、学科やコース名の記載も必要です。限られたスペースのなかに書く必要があるため、バランスが悪い、文字が小さすぎるといったことがないように注意して記載するとよいでしょう。
エントリーシートにおいても、学校名や資格名などを書く項目があれば正式名称を記載するようにしましょう。
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まとめ
エントリーシートと履歴書の違いまとめ
- エントリーシートは、アピールしたいことを記載する書類
- 履歴書は、学歴や資格といった過去や現状を記載する書類
- エントリーシートと履歴書の内容は、重複しても問題はない
エントリーシートと履歴書は、氏名や住所といった個人情報を記載する点は共通です。選考が面接まで進んだ際は、エントリーシートをもとに質問されることもあるため、記載した内容と回答にズレがないよう、スムーズに話せる内容を記載しておくとよいでしょう。