夏の就活でスーツを着用する際は、ジャケットやネクタイも身につけることが一般的です。ただし、企業から「クールビズ推奨」「ノージャケット・ノーネクタイ可」といった案内がある場合は、その内容に従う服装で問題ありません。
暑さ対策として、春夏用のスーツや「接触冷感」「吸湿速乾」など機能性のあるインナーを選ぶと、快適さを保ちやすくなります。
この記事では、夏のスーツの着こなし方や選び方、暑さや汗対策のポイントなどを詳しく紹介します。

夏でも快適さを意識したスーツ選びや、暑さ・汗対策を意識して、就活を乗り切っていきましょう!
この記事でわかること
- 夏の就活では、通気性に優れた春夏用スーツを選ぶことがおすすめ
- 就活でスーツを着用する場合は半袖シャツではなく長袖シャツを着用する
- 企業からクールビズの案内があった場合も、ジャケットを持参しておくと安心

蒸し暑い季節に強い日差しの下、ダークカラーのスーツを着ることを考えると、暑さがいっそう増す気持ちになりますね。就職活動において、ビジネスマナーとしてどのような服装が望ましいのか、どのように暑い季節を乗り切ればよいのか、一緒に見ていきましょう。
夏の就活で着るスーツの基本

夏の就活におけるスーツスタイルは、職種や社風によって着こなし方が異なります。基本を押さえたうえで、企業やその場の雰囲気にあう服装を選びましょう。
夏でもジャケット・上着は着用する
就活では、夏でもジャケットを着用したほうがよい場面があります。例えば、採用担当者がジャケットを着ている場合、参加する学生もジャケットを着用するほうが、その場の雰囲気に馴染みやすいでしょう。
そのため、インターンや企業説明会、面接など、採用担当者と対面する場では、上着を持参しておくことがおすすめです。薄手で通気性に優れた夏用のジャケットを選べば、快適に過ごしやすくなります。

採用担当者が暑さに配慮して「上着は脱いでかまいません」と声をかけてくれることもあります。
移動中は上着を着用しなくても問題はない
移動中は蒸れて汗をかきやすいため、上着を脱いで持ち歩いても問題ありません。移動中に脱いでおくことで、スーツに汗が染み込むことも防げます。
上着を脱いで移動した場合、そのまま建物に入らず、入り口や受付前で上着を着用します。面接会場やインターン先の企業によっては、建物内でもノージャケットで問題ないケースもありますが、服装規定でスーツが推奨されている場合はジャケットを着用しましょう。

上着を脱いで移動する場合、カバンに入れるとシワになるため、たたんで腕にかけて持つのがおすすめです。
ジャケットの下には長袖シャツがおすすめ
企業から「クールビズでお越しください」と案内された場合でも、スーツを着る場合は半袖シャツではなく、長袖シャツを選ぶのがおすすめです。
半袖シャツにジャケットを羽織ると、素肌がジャケットの裏地に直接触れて生地が傷みやすくなることがあります。長袖を選ぶほうが、腕を下ろしたときに袖口が少し見え、バランスが整います。
また、長袖のシャツやブラウスの袖をまくったり、第一ボタンを外したりすることは、カジュアルな印象が強くなります。TPOにあわせた着こなしを意識しましょう。

企業もカジュアルエブリデー(※)やクールビズが浸透してきており、ジャケットやネクタイなしで採用担当者が登場することもあります。しかし、学生がフォーマルな装いで選考に臨む姿に、採用担当者が悪い印象を持つことはありません。特に指定がなければ、「崩しすぎた」と後悔しない服装で面接などに臨みましょう。
※多様性を尊重し自由な服装を認める制度のこと
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夏の就活でクールビズが推奨されたら指示に従おう

クールビズは、環境省が省エネ・環境対策を目的に提案した「夏の軽装スタイル」で、多くの企業で導入されています。
フォーマルなシーンでは、スーツ・ネクタイ・長袖シャツを着用することが一般的です。これらの服装は、清潔感を保ちやすく、フォーマルな場にふさわしいとされています。
ただし、昨今では、夏の選考やサマーインターンの案内で「クールビズでお越しください」「ノーネクタイOK」「半袖OK」と明記する企業も増えています。この場合は、企業の案内に沿って軽装で参加しても問題ありません。

就活におけるクールビズは「企業から明確な指示があったときに取り入れるもの」と考えておきましょう。
ノーネクタイ・半袖はOK?
クールビズが案内されている場合でも、「どこまで軽装でよいのか」は迷いやすい部分です。「ノーネクタイ」「半袖シャツ」の判断ポイントを見ていきましょう。
ノーネクタイの判断ポイント
【ノーネクタイで問題ないケース】
企業から「クールビズでお越しください」「ノーネクタイOK」と明記されている場合
【ネクタイを着用したほうがよいケース】
特に案内がない場合や、面接・最終選考などフォーマルな場面
企業からクールビズやノーネクタイに関する案内があれば、それに従いましょう。ネクタイはフォーマルさを演出するアイテムのひとつです。特に指示がない場合や、最終面接や役員面談では着用することが望ましいです。
半袖シャツの判断ポイント
【半袖シャツで問題ないケース(例外)】
企業側が「半袖OK」や「私服可」と服装指定している場合
【半袖シャツを避けたほうがよいケース】
フォーマルなシーンでは長袖がおすすめ。半袖シャツはビジネスの場に馴染まない場合がある
半袖シャツは着用シーンや企業の雰囲気を選ぶ場合があるため、特に服装指定がなければ長袖シャツを選ぶと安心です。暑さ対策として、夏用アイテムや接触冷感素材のインナーなどを取り入れてみましょう。
クールビズの場合でもジャケット・上着は持参がおすすめ!
就活では上着を着用したほうがよい場面があるため、企業から「ノージャケットでかまいません」と案内があったとしても、上着は持参しておくと安心です。
上着の必要性など、服装に関する許容範囲は企業によって異なります。迷ったときは企業説明会や公式サイトを確認するか、先輩や卒業生に話を聞いてみましょう。
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夏の就活でスーツを着用するときの注意点
ここでは、スーツを着用する際に気をつけたいポイントを、メンズスタイルとレディーススタイルに分けて紹介します。
メンズスタイルの場合
メンズスタイルでは、夏でもネクタイを着用することがあります。移動時にネクタイを外している場合は、会場の建物に入る前に着用しましょう。ネクタイの締め具合やバランスを確認できるよう、鏡のある場所で整えることがおすすめです。
ノージャケットの場合は、インナーの色が透けたり、ラインが響いたりしていないか確認することも大切です。ベージュなど肌に近い色のインナーを選ぶと、透けやラインの目立ちを抑えやすくなります。
レディーススタイルの場合
レディーススタイルの場合、トップスは長袖のブラウスを選ぶことをおすすめします。メンズスタイル同様、透け感のあるトップスの場合は、色やラインが目立たないインナーを選びましょう。
ストッキングを着用する場合は、肌になじむ色を選ぶと自然に見えやすくなります。UVカット加工がされたストッキングなら、紫外線対策としても役立ちます。
パンツスタイルの場合は、ひざ下タイプのストッキングを使うことで蒸し暑さを和らげることができます。

ストッキングやタイツの着用は必須ではありません。靴下やフットカバーも選択肢に入れてみましょう。
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インターンの服装は何を着る?スーツ・服装自由・私服指定のポイントを解説
インターンに参加する服装は、企業の案内に従いましょう。指定がなければスーツを、服装自由であればスーツと私服どちらでも問題はありません。自分に合う服を着用して、自信を持ってインターンに参加しましょう。
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夏のスーツは対策が必須!暑さ・汗予防でできること
夏のスーツは暑いからこそ対策が必須です。ここでは、暑さ対策や汗予防でできることを紹介します。
汗染み・ニオイ防止の汗取りパッドや制汗剤をつける
汗をそのままにしておくと、清潔感を保ちにくくなります。汗染みやニオイを防ぐためにも、次のような対策を取り入れてみましょう。
汗染みやニオイの対策例
- シャツに脇汗パッドを取り付けて汗染みやニオイを防ぐ
- 汗やニオイが気になる部分に制汗剤をつけておく
- 汗拭きシートでこまめに拭き取る
シャツの中に着るインナーを工夫する
薄手で通気性のよいインナーを選ぶと、汗やニオイがこもりづらくなります。夏におすすめのインナーは「接触冷感」「吸湿速乾」「消臭」「抗菌」など、汗やニオイ対策ができる機能を備えた商品です。
ただし、ダークカラーのインナーは、明るい色のシャツの下から透けやすいため注意が必要です。ホワイトやベージュのインナーを選べば目立ちにくくなります。

移動中に汗をかくことを考え、替えのシャツやインナーを持っておくこともおすすめです。
【メンズスタイル向けインナー】
【レディーススタイル向けインナー】
通気性のよい春夏用スーツを着用する
スーツには「春夏用」「秋冬用」「オールシーズン用」など、季節にあわせたタイプがあります。春夏用スーツは、秋冬用に比べて生地が薄く、蒸れにくい素材や裏地なしの仕様など、涼しく着られるような作りになっています。
また、ウォッシャブル機能付きのスーツを選べば、自宅で洗えるため手入れもしやすく便利です。
【メンズスタイル向け春夏スーツ】
【レディーススタイル向け春夏スーツ・ジャケット】
【レディーススタイル向け春夏スーツ・パンツ】
【レディーススタイル向け春夏スーツ・スカート】
移動中は上着を脱いだり別の服を着たりして調整する
夏の就活では、熱中症対策のためにも体温調節の工夫が必要です。移動中はネクタイを少し緩めたり、シャツの第一ボタンを外したりすることで、外の暑さをやわらげやすくなります。ただし、建物の入口や受付に着く前には、ネクタイを締め直し、シャツの第一ボタンも留めておきましょう。
ジャケットを脱いで移動する場合、たたんで腕にかけて持つとシワになりにくいです。移動時間が長い場合は、Tシャツなど別の服を着ておき、会場の近くで着替えるのもおすすめです。駅や施設のフィッティングスペースや個室など、着替えられる場所があるか確認しておきましょう。
よくある質問
夏場はスーツを着ないといけないですか?
特別な服装指定がない場合はスーツの着用がおすすめです。ただし、企業から「クールビズ」や「服装自由」といった案内があれば、その指示に従う服装で問題ありません。企業の雰囲気やTPOにあわせて服装を選びましょう。
8月の面接でジャケットを着るべきですか?
8月の面接でも、ジャケットを着用したほうが、きちんとした印象を与えられます。暑さ対策として、通気性に優れた夏用スーツを選ぶことがおすすめです。また、移動中はジャケットを脱いで持ち歩いても問題ありません。
夏の就活ではジャケットなしでもいいですか?
ジャケットを着なくてよいのは、企業から明確に「クールビズ」「ジャケット不要」などと服装指定がある場合に限られます。特に面接などのフォーマルな場では、ジャケットを着用したほうが馴染みやすいです。暑い日は移動中にジャケットを脱ぐなど、温度調節できるようにしておきましょう。
夏の就活では、レディースはスーツの半袖でもいいですか?
レディーススタイルの半袖スーツも販売されていますが、就活などフォーマルな印象が重視される場では、TPOにあわせて判断する必要があります。スーツ指定の場合や迷う場合は、長袖のスーツがおすすめです。
夏のインターンではどんな服装がいいですか?
夏のインターンでも、特に服装指定がなければスーツを着用するのが無難です。ただし、企業から「私服可」や「クールビズでお越しください」と案内がある場合は、それに従いましょう。私服可と案内された場合は、ビジネスカジュアルを意識した清潔感のある服装を選ぶことがおすすめです。
監修者情報

監修者:遠藤 美穂子さん
新卒で東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行、営業店・本部にて法人営業に携わるほか、新人研修講師、採用面接官も経験。
現在はキャリアコンサルタントとして大学での就活支援、キャリア系講義、社会人向けのビジネスマナーやキャリア開発研修などを行っている。
資格:国家資格キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士