工学部で学ぶ専門知識やスキルは、さまざまな業界での需要が高く、ほかの学部と比べて就職に有利とされています。職種としては技術職が一般的ですが、営業職のような文系職種を選択することも可能です。
この記事では、工学部の就職率や年収などの就活事情に加え、工学部生のおもな就職先を業界・職種別に紹介します。就職先を選ぶ際のポイントや、就活を有利に進める方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 工学部生はほかの学部と比べて就職率が高く、就職に有利とされている
- 就職先を選ぶ際は、自分の興味や専門分野に合った業界や職種を選ぶことが大切
- 就活では、工学部で学んだ専門知識や技術スキルを強みに企業へアピールするのがおすすめ
工学部は就職で有利になる?工学部学生の就職事情
工学部は、専門性の高さや幅広い就職先の選択肢、給与水準の高さ、さらにグローバルに活躍できる可能性があることから、就職に有利とされています。技術革新が進む現代社会では、工学の知識を持つ人材が常に求められており、その需要は今後も継続すると考えられます。
就職率は他学部と比較しても高水準
工学部の学生は就職率が高いことで知られています。大学通信オンラインの「2020年学部系統別実就職率ランキング(理工系)」によると、理工系学部の平均実就職率は92.2%と高水準です。
参考:2020年学部系統別実就職率ランキング(理工系)|大学通信オンライン
さらに、2023年のデータによれば、就職率が100%を誇る大学も存在し、多くの有名大学で95%以上の高い就職率を記録しています。
参考:2023年学部系統別実就職率ランキング(理工系)|大学通信オンライン
企業はエンジニアや技術職の人材不足を感じており、工学部生を積極的に採用する傾向にあると考えられます。
工学部で学ぶ専門知識とスキルは需要が高い
工学部では、製造業やIT業界、インフラ、エネルギー、建設業など、幅広い産業で必要とされる知識・技術を学びます。例えば、製造業では機械や電気、化学などの工学知識、IT・通信業界ではソフトウェア開発やシステム設計、エネルギー・環境分野ではエネルギー効率化や再生可能エネルギー技術が求められます。
これらの業界は、日本だけでなく、世界中で発展し続けている分野であり、常に新しい技術や専門知識が必要です。工学部生は、このような専門知識とスキルを持つことで、就活でほかの応募者と差別化することができるでしょう。
工学部卒業者の平均年収もほかの学部より高い傾向
工学部卒業者の年収は、ほかの学部よりも高い傾向にあります。「まいにちdoda」の「出身学部別の平均年収ランキング」によると、工学部は4位で、平均年収は387万円の結果となりました。
※回答者数:5,000人
※参考:あなたの出身学部は何位? 学部別の平均年収ランキング|まいにちdoda
また、転職サイト「doda」の「年齢・年代別に見る日本の平均年収(平均年収ランキング最新版)」によると、20代の平均年収は352万円となっているため、工学部卒業者の平均年収(387万円)は20代の平均年収よりも高いことがわかります。
※参考:平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)【最新版】|doda
工学部卒業者の就職先として一般的な技術職は、初任給も高めに設定されている傾向にあり、技術や経験に応じて昇給も期待できます。
あくまで平均のデータですので、実際の年収は企業によって異なります。
工学部のおもな就職先【業界】
工学部生のおもな就職先には、次のような業界があります。
製造業
製造業は、自動車、電気機器、機械などの製品を開発・製造する業界です。特に日本は製造業が強い国で、大手企業が世界的に評価されています。
自動化やAI、IoT技術の進展に伴い、効率的な生産や革新的な製品開発が求められ、製造業でのエンジニアの役割はますます重要になってきています。製品の設計、開発、改良といった「ものづくり」に興味がある学生には適した分野です。
こんな人におすすめ
- ものづくりに携わりたい
- 技術の進化に興味がある
- 現場で技術を活かしたい
製造業と一口でいっても、次のようにさまざまな産業があります。主要な産業についても詳しく見ていきましょう。
自動車産業
自動車産業は、世界的に大きな市場を持ち、特に日本の製造業において重要な位置を占める分野です。仕事内容は、車両の設計や部品の開発、エンジンやモーターの効率向上など多岐にわたります。自動運転やEV(電気自動車)といった次世代技術の開発も急速に進んでおり、今後も高い需要が見込まれるでしょう。
電機・電子機器産業
電機・電子機器産業は、家電やオフィス機器、産業用電子装置など、日常生活や産業分野で使われる幅広い製品を開発・製造する分野です。技術の進化が早く、最新トレンドに敏感であることが求められます。
おもな仕事内容としては、家電製品(エアコン、洗濯機、冷蔵庫など)の設計・開発、半導体や電子部品の製造、回路設計、品質管理などが挙げられます。半導体技術やIoT、5G、AIの進展に伴い、今後も需要が高まる分野です。
機械産業
機械産業は、さまざまな産業で必要とされる機械を設計・製造する分野であり、工業用機械やロボットも含まれます。仕事内容としては、工場の生産ラインで使用される産業機械の設計・開発、精密機械・農業機械・建設機械の製造やメンテナンスなど、多岐にわたる仕事が求められます。
エネルギー業界
エネルギー業界は、電力や石油、ガスなどのエネルギーを供給する分野です。特に今後は再生可能エネルギーや省エネルギー技術の開発が期待されており、需要が高い業界といえます。
おもな業務としては、エネルギーの効率的な使用方法の研究、発電設備の設計・保守・運用、環境対策技術の導入などが挙げられます。脱炭素社会への移行が進むなかで、再生可能エネルギーの導入が急務となっています。風力、太陽光、バイオマスといった新技術に関心がある学生にとって、魅力的な分野です。
こんな人におすすめ
- 境問題や持続可能な社会に関心がある
- 新技術の開発や研究に携わりたい
- 社会のインフラを支える仕事がしたい
IT・通信業界
IT・通信業界は、コンピュータシステムやインターネット、スマートデバイスを活用した技術開発を行う分野です。仕事内容としては、ソフトウェア開発やシステム設計、データ分析、AI開発、ネットワーク構築などが含まれ、プログラミングスキルや論理的思考が求められます。
デジタル化の加速やAIの普及、クラウドやセキュリティ技術の重要性が高まるなかで、次世代のITエンジニアの活躍が期待されている分野といえるでしょう。
こんな人におすすめ
- 新しい技術やトレンドに興味がある
- プログラミングや論理的な問題解決が得意
- 変化の速い分野で成長したい
化学業界
化学業界では、プラスチックや金属、繊維、電子材料などの新素材の開発や応用を行う分野で、日常生活や産業に欠かせない製品を生み出しています。仕事内容としては、新しい材料の研究開発、製造プロセスの改良、品質管理、環境負荷の低減に向けた技術開発などです。
持続可能な社会の実現に向けて、環境にやさしい素材の開発や省エネルギー技術の重要性が高まるなかで、化学業界での技術者の活躍が期待されるでしょう。
こんな人におすすめ
- 新しい材料や化学反応に興味がある
- ものづくりを通して環境問題に取り組みたい
- 生活に身近な製品を作りたい
建設・インフラ業界
建設・インフラ業界は、建物や橋、道路、鉄道などの社会基盤を作る分野です。おもな業務には、建築設計、構造解析、施工管理、品質管理などが含まれます。設計図をもとに実際の現場でチームを指揮し、プロジェクトの進行を管理することもあり、スケールの大きなプロジェクトに携われる点が魅力です。
インフラの老朽化問題や都市の再開発、新興国でのインフラ需要が増加していることから、土木・建築エンジニアの需要は今後も続くと考えられます。
こんな人におすすめ
- 研究や開発の仕事がしたい
- 精密で正確な作業が得意
- 新しい技術やバイオテクノロジーに興味がある
医療機器業界
医療機器業界は、医療機器やバイオテクノロジーの分野で、医療の進化を支える業界です。おもな仕事内容には、医療機器の設計やバイオテクノロジーの開発、人工臓器やリハビリ支援ロボットの研究などがあり、精密な技術と安全性が求められます。
高齢化社会の進展に伴い、医療機器の需要が増加しており、今後も成長が見込まれる業界です。開発・研究を通して人々の健康を支えられる点が、大きな魅力といえるでしょう。
こんな人におすすめ
- 研究や開発の仕事がしたい
- 精密で正確な作業が得意
- 新しい技術やバイオテクノロジーに興味がある
公務員
工学部卒業後に公務員になる道も、選択肢のひとつです。具体的には、国土交通省や環境省、経済産業省の技術職員などが就職先になります。
国家公務員は、国の政策に基づき、インフラ整備や技術的なプロジェクトに関与します。おもな仕事内容として、道路や橋、ダム、空港などの大規模インフラの建設・維持、災害対策、環境保護に関する技術的サポートが挙げられます。
一方、地方公務員の場合は、都道府県や市町村のインフラや公共事業の管理・運営を担当します。地域の道路、上下水道、学校や公共施設の建設・修繕、都市計画、防災対策などがおもな業務です。
こんな人におすすめ
- 公共のインフラ整備や運営に関心がある
- 長期的なプロジェクトに携わりたい
- 安定した職業を求める
工学部のおもな就職先【職種】
工学部生が活躍できる職種には、さまざまな選択肢があります。それぞれの職種について詳しく説明します。
設計・開発エンジニア
設計・開発エンジニアは、製品の設計や機能開発に携わる職種です。製品の形状や仕様、機能性を考慮し、CADを使用した図面作成や3Dモデリングなどを行います。自動車や家電、機械、建築分野などで、新しい技術の実装や革新的な製品の開発に関わる仕事です。
自分が設計に携わった製品が市場に出て、社会に貢献できる実感が得られることが大きな魅力になるでしょう。
こんな人におすすめ
- 製品開発を通じて社会に貢献したい
- 図面作成や3Dモデリングが得意
- 自分のアイデアを形にしたい
システムエンジニア
システムエンジニアは、IT業界でソフトウェア開発やシステムの設計に携わる職種で、金融、通信、製造など、幅広い分野での活躍が期待されます。
顧客の要求をヒアリングし、それに基づいたシステム設計を行います。チームで開発を進めていくため、技術力とコミュニケーション能力が求められることも特徴です。
顧客の要望を形にし、業務効率化やサービス向上に寄与できるため、やりがいを感じられるでしょう。
こんな人におすすめ
- 顧客の課題を解決するのが好き
- 論理的な思考と分析が得意
- 幅広い業界でのスキルを活かしたい
生産管理職
生産管理職は、工場や製造ラインでの生産プロセスを効率化するための管理を行う職種です。納期やコスト、品質を調整しながら、製品を効率よく生産するための計画立案や工程管理を担当します。
製造業において欠かせない役割を担い、現場の状況を把握しつつ、問題を迅速に解決する力が求められます。自分の計画や管理によって生産がスムーズに進み、品質の高い製品が生み出されることで達成感を得られるでしょう。
こんな人におすすめ
- 生産現場の管理や改善に興味がある
- 細かな調整やスケジュール管理が得意
- 問題解決やトラブル対応が得意
品質管理職
品質管理職は、製品やサービスの品質を保証するために検査や評価を行う仕事です。製品が一定の基準を満たしているか、また製造工程に不備がないかを確認し、改善策を提案する役割を担います。
製品の信頼性を高めるための重要なポジションであり、特に製造業や医薬品業界な
どで求められる職種です。製品を世に送り出すことで、企業やブランドの信頼を支える責任を果たせる点にやりがいを感じられるでしょう。
こんな人におすすめ
- 細かなチェックや分析が得意
- 品質向上や改善に熱意をもって取り組みたい
- 問題点を見つけ出し、解決策を提案できる
研究開発職
研究開発職は、新しい技術や製品の研究と開発を行う職種です。企業や大学、研究機関で、新素材の開発や新技術の発見、エネルギー効率の向上といった分野で活躍します。
基礎研究から応用研究まで幅広い領域をカバーし、技術革新の最前線に立つ職業でもあります。未来の技術や製品を生み出すことで、社会に大きな影響を与えられる点が魅力です。
こんな人におすすめ
- 実験や分析が好き
- 新しい技術を開発したい
- 長期的な研究に根気よく取り組める
営業技術職(テクニカルセールス/セールスエンジニア)
営業技術職は、技術的な知識を持った営業として、顧客に製品やシステムの導入を提案することがおもな仕事です。製品の仕組みや技術的な強みを理解し、顧客のニーズに合わせて適切な解決策を提供します。
営業と技術の架け橋として、技術者の視点と営業力の両方が求められます。顧客の問題解決に向き合い、契約が成立することで喜びを感じられる仕事です。
こんな人におすすめ
- 技術的な知識を活かして顧客対応がしたい
- 課題解決に向けて柔軟な提案が得意
- 契約や成果に対して達成感を求める
機械技術者
機械技術者は、機械や装置の設計、製造、メンテナンスを行う職種です。製造業や建設業などで使用される機械の開発や、現場でのメンテナンス作業に従事します。
設計や改善を通じて、機械の性能向上や安全性の確保を目指す仕事です。重工業や自動車、エネルギー分野など、幅広い業界で活躍できるでしょう。
こんな人におすすめ
- 機械の構造や仕組みに興味がある
- 現場での実践的な作業にやりがいを感じる
- チームで連携しながら取り組みたい
自動車、航空整備士
自動車や航空整備士は、車両や航空機の安全性を維持するための点検や修理を行う職種です。自動車や航空関連の技術者資格の取得が必要なこともあり、交通産業に欠かせない役割を担っています。
整備士には、高い技術と慎重さが求められ、安全基準を満たすための厳密な作業が必要とされます。自分の仕事が人々の安全に直結するため、強い責任感を持って臨み、達成感を得られる仕事です。
こんな人におすすめ
- 精密で慎重な作業が得意
- 技術力を深め、資格取得に意欲的
- 責任感を持って取り組みたい
工学部生は文系職種にも就職できる!
工学部生の就職先は理系職種のイメージが強いかもしれませんが、文系職種を選択することも可能です。工学部で学んだ知識やプロジェクト管理能力は、文系職種でも大いに役立ちます。ここでは、工学部生に向いている文系職種の例を紹介します。
営業
工学部出身者は、技術的な製品やサービスについての専門知識を持っているため、技術営業(テクニカルセールス)として企業のソリューションを提案できます。複雑な製品やサービスをわかりやすく説明できる力があれば、技術を理解しつつビジネス交渉を進めることが可能です。
コンサルティング
コンサルティングは、クライアントの課題を解決するために分析力や問題解決能力を駆使する仕事です。工学部生が持つ論理的な思考や分析力は、特に戦略コンサルティングやITコンサルティング分野で役立つでしょう。
マーケティング
マーケティングでは、データに基づく市場調査や分析が重要です。数値分析やデータ解析に強い工学部生、統計的手法を使って市場データを分析し、技術的な視点から製品戦略を立てることができます。特にデジタルマーケティングでは、プログラミングやデータ分析スキルが重宝されるでしょう。
工学部生が自分にあった就職先を選ぶポイント
工学部生が就職先を選ぶ際には、自分の興味や専門分野に合った業界や職種を選ぶことが重要です。企業の規模や勤務地、労働環境、成長性、社風などを総合的に考慮し、次の5つのポイントを踏まえて、自分に合う職場を見つけましょう。
興味のある分野・業界を絞る
工学部生が活躍できる業界は多岐にわたるため、まずは自分の興味や強みを基に、どの分野に進みたいかを考えましょう。
例えば、ものづくりが好きな人や技術革新に携わりたい人には、製造業(自動車、電機、機械など)が向いています。デジタル技術やプログラミングに興味がある人には、IT業界(ソフトウェア開発、システム設計など)がおすすめです。
このように、興味や得意分野によって選択肢を絞ることができます。自分が学んできた専門分野に近い業界を選ぶことで、スムーズにスキルを活かしやすいでしょう。
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自分のスキルにあった職種を選択する
工学部生は幅広い職種に挑戦できますが、職種によって必要なスキルや働き方は異なります。そのため、どの職種が自分に合っているかを考えることも重要なポイントです。
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企業の規模や働き方を確認する
企業の規模によって、働き方や経験できることには違いがあります。大企業と中小企業、それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分に合うほうを選びましょう。
例えば、大企業には安定した経営基盤があり、福利厚生も充実している傾向にあります。一方で、大規模なプロジェクトに携わる可能性もありますが、分業制が進んでいるため、担当範囲が限られることはデメリットに感じるかもしれません。
中小企業やベンチャー企業は、少人数の組織で幅広い業務を経験でき、早い段階で責任ある仕事を任されやすい傾向にあることがメリットです。成長を求める人には適した環境ですが、安定性に関しては大企業に劣る場合があります。
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社風や企業文化を確認する
自分がその企業で長く働けるかどうかは、社風や企業文化が大きく関わります。そのため、企業のビジョンや方針が自分の価値観に合っているかを確認してみましょう。
例えば、コミュニケーションの取り方や風通しのよさは、企業によって異なります。企業のWebサイトで確認できない場合があるので、会社説明会やOB・OG訪問を通じて、実際に働いている社員の声を聞いてみることもおすすめです。
社風や企業文化を確認する
自分がその企業で長く働けるかどうかは、社風や企業文化が大きく関わります。そのため、企業のビジョンや方針が自分の価値観に合っているかを確認してみましょう。
例えば、コミュニケーションの取り方や風通しのよさは、企業によって異なります。企業のWebサイトで確認できない場合があるので、会社説明会やOB・OG訪問を通じて、実際に働いている社員の声を聞いてみることもおすすめです。
キャリアアップの機会を確認する
自分がその企業でどのようにキャリアアップしていけるかも、企業選びにおいて重要なポイントです。長期的なキャリアを考えたときに、自分が成長し続けられる環境かどうかを考えてみましょう。
例えば、「研修制度やスキルアップの機会が充実しているか」「社内でのキャリアパスが明確か」「資格取得や専門性を高める支援があるか」などを確認することをおすすめします。
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就活の軸の決め方|見つからないときの考え方や業界別・職種別の例を紹介
就活の軸とは、企業や業界を選ぶうえで譲れない条件を指します。就活の軸を決めることで、自分なりの思いを中心に企業を選び、選考に臨むことができます。今はまだ決められていない方も、自己分析や他己分析などをすることで見つけられるでしょう。
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工学部生が就活を有利に進める方法
工学部生が就活を有利に進めるに、次の4つのポイントを意識してみましょう。
専門知識や技術スキルを強調する
工学部生は、ほかの学部では得られない専門知識や技術スキルを持っているため、これらを強みにして企業にアピールすることが大切です。研究内容や実績を伝える際は、単に研究テーマを紹介するだけでなく、どんな問題に取り組み、どんな成果を上げたかを具体的に説明してみましょう。
また、使用できるソフトウェアや技術をアピールすることもおすすめです。例えば、CADやプログラミング言語、シミュレーションツールの使用経験がある場合は、履歴書に記入したり、面接で伝えたりすると効果的です。
自己PRや志望動機を明確にする
工学部生は、専門的なスキルをアピールすることが重要です。それに加えて、自分の強みを企業でどう活かすかを明確に伝えましょう。自己PRでは、「自分がどうやって複雑な問題を解決したか」「その経験が今後の仕事にどう役立つか」を具体的に説明することが大切です。
志望する企業や職種に対して、自分の能力をどう活かせるかを伝えることも欠かせません。例えば、自分の技術スキルが企業のプロジェクトや事業にどう役立つかを具体的に示すことで、説得力のある内容になるでしょう。
インターンシップやプロジェクトに参加する
インターンシップや企業との協同プロジェクトに参加することは、実務経験を積める貴重な機会です。インターンシップで実際に企業での業務を経験すると、面接で具体的な仕事内容や学んだことを話せるようになり、実践的なスキルをアピールしやすくなります。
また、インターンシップを通じて企業とのつながりを作り、そのまま本採用につながるケースもあります。学校内外のプロジェクトに積極的に参加するのもおすすめです。プロジェクトに関わることで、自分の能力を磨けると同時に、就活時のアピール材料にもなるでしょう。
最新技術やトレンドを追い続ける
技術の進歩は速いため、常に最新のトレンドや技術動向にアンテナを張ることが大切です。特にIT業界やエネルギー業界などでは、技術が急速に進歩しており、常に新しい知識を得ることが求められます。
例えば、AIやIoT、クリーンエネルギーなど、応募する企業に関係する分野の動向を把握し、自分のスキルがどう応用できるかを考えることで、面接時に効果的にアピールできるでしょう。
よくある質問
工学部のおもな就職先は?
工学部のおもな就職先には、製造業、建設業、IT業界などがあります。具体的な職種としては、設計・開発エンジニアやシステムエンジニア、研究開発職などの技術職が一般的ですが、営業職のような文系の職種を選択することも可能です。
工学部は就職に有利ですか?
工学部は専門性が高く、技術職や研究職の需要が常にあるため、就職に有利といえます。特に製造業、IT業界、エネルギー業界では、工学部出身者の需要が多い傾向にあります。
工学部卒業者が就職した際の給料はどれくらいですか?
工学部卒業者の給料は、ほかの学部よりも高い傾向にあります。転職サイトdodaが公表している「出身学部別の平均年収ランキング(20代)」によると、工学部の平均年収は387万円です。初任給も高めに設定されている傾向にあり、技術や経験に応じた昇給も期待できます。
※参考:あなたの出身学部は何位? 学部別の平均年収ランキング|まいにちdoda
工学部の就職では資格を取得したほうがいい?
工学部の就職において、資格取得が有利になるかどうかは業種や職種、資格の種類によって異なります。技術職や専門職を目指す場合、志望する職種に関連する資格を取得していることは、アピールポイントになるでしょう。例えば、技術士や電気主任技術者、建築士などの国家資格は、業界によっては求められることがあります。