就活をスタートする際、思うように業界が絞れず「どんな企業で働きたいか」がイメージできない方もいるでしょう。そんなときは、就活の軸を参考に業界をいくつかに絞ることがおすすめです。
志望する業界を絞ることで、効率よく就活を進められる可能性があります。正しい「業界の絞り方」を把握し、企業研究や書類作成をスムーズに進めていきましょう。
この記事でわかること
- 志望する業界を絞ると、エントリーする企業を探しやすくなるなどメリットがある
- 業界を絞りすぎるとエントリーする企業や選択肢が狭まるので、複数に絞ることが重要
- 業界を絞ることに悩んでいる方は、もう一度自己分析を行うのがおすすめ
就活で業界を絞るべき?絞らなくていい?
志望する業界を絞ることで、就活を効率的に進めることができます。特定の業界に関する知識を深めることができる、自分に合う企業を見つけやすくなるといった点がメリットです。
しかし、業界を絞りすぎることで、就活がスムーズに進まなくなる可能性もあるため注意が必要です。業界を絞るメリットとデメリットを把握すること、絞りすぎないことに注意しながら就活を進めましょう。
具体的な業界の絞り方が知りたい方は「就活の業界の絞り方7選」をチェックしてみてください。
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就活で志望業界を絞るメリット
まずは、就活で志望する業界を絞るメリットを紹介します。
- 企業選定がしやすくなる
- 的確な志望動機や自己PRが作りやすい
- 専門知識を獲得し、ほかの学生と差別化できる
企業選定がしやすくなる
業界を絞ると志望する企業も絞れるため、エントリーする企業を選びやすくなります。
自分の興味や価値観に合う企業が見つけやすく、特定の業界に関する情報収集に時間をかけることも可能です。
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的確な志望動機や自己PRが作りやすい
業界を絞った理由が明確であれば、志望動機や自己PRも具体的に説明できるようになります。
ES(エントリーシート)に記載するとき、志望動機が思い浮かばなかったり、「なんとなくこの業界を選んだ」など曖昧な理由になったりすると、内容に具体性がなくなることもあるでしょう。
特定の業界を明確な理由をもって決めれば、アピールする内容で熱意を伝えやすくなります。
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専門知識を得て、ほかの学生と差別化できる
志望する業界を絞ることで、業界に特化した知識を得るための学習ができることもメリットです。
早い段階で業界を絞り、求められるスキルや知識を得られれば、ほかの学生との差別化にもつながります。結果的に、就活をうまく進めることにつながるでしょう。
就活で志望業界を絞るデメリット
次は、志望する業界を絞るデメリットを紹介します。デメリットはありますが、対策をすることでマイナスの要素を消すこともできます。
- 就職先の選択肢が制限される
- 視野が狭くなる可能性がある
就職先の選択肢が制限される
志望する業界を絞ると、エントリーする企業の幅や数も制限されます。
絞った業界において、求人が少ない場合や、競争が激しい場合、エントリーする企業の選択肢が極端に減るかもしれません。その影響により思うように内定が得られず、就活が長期化することも考えられます。
「業界を1種類にする」といった極端な絞り方をするのではなく、複数選んでみましょう。
視野が狭くなる可能性がある
特定の業界のみについて調べていると、就活における視野が狭くなる可能性があります。
志望する業界を絞った場合でも、関連する他の業界も研究し、理解しておくことも大切です。業界同士につながりが存在することもあるため、複数の業界を調べ、比較することをおすすめします。
複数の業界について調べるのは、志望動機や自己PRの説得力を高めることにもつながります!
業界は3つ前後に絞るのがおすすめ
業界は、1種類ではなく3種類前後に絞ることをおすすめします。
複数の業界に絞るメリットは、業界の特徴や求人の市場、成長性、文化を比較できることです。複数の業界を比較し理解を深めれば、その業界を選んだ理由が明確にしやすいでしょう。
さらに、3つ前後の業界に絞ることで、就活におけるリスクの分散にもつながります。何らかの事情で業界全体の状況が不振に陥ったり、自分と合わないと気づいたりしたときも、別の業界から志望する企業を選ぶことができるからです。
1つの業界に限定しないことで、メリットを得られ、さらにリスクも軽減できるということです!
いつまでに業界を絞るべき?
志望する業界の絞り込みに適している時期は、学生によって異なるため、具体的に「いつまで」といった決まりはありません。
就活を進めるひとつの目安として、卒業前年度の秋頃から就活の情報が解禁される3月までに絞るのがよいといえるでしょう。しかし、必ずしもこの目安のとおりにする必要はありません。自分の就活の進捗状況に応じて、業界を絞るタイミングを見つけましょう。
なお、外資系企業やベンチャー企業の場合、日系の大手企業・中小企業と比較すると、選考開始など就活のスケジュールが異なる可能性があります。志望する業界や希望の特徴に応じて、絞るタイミングを見極めてみてください。
業界を絞る前に、まずは「自己分析」に注力しよう!
業界が絞れず悩んでいる方は、自己分析が足りないことが理由かもしれません。業界を絞るために、業界研究をしたり企業説明会に参加したりするのもよいですが、自己分析が十分ではない場合、さらに迷ってしまい絞り込むことができなくなるケースがあります。
自己分析を深く行い、自分の興味や価値観、今あるスキル、強み・弱みをより明確化してみましょう。自分自身を理解することで、どんな業界に適しているか、活躍できそうかをイメージできます。
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自己分析をして就活の軸を明確にする
業界を絞ることで悩んでいる方は、自己分析で「就活の軸」を明確にしてみましょう。
就活の軸とは
企業選びや業界選びで重視する「自分なりの価値観や譲れない条件」のこと
例えば「海外で働きたい」「人の笑顔が見られる仕事がしたい」「最先端の商品を作りたい」といったものです。
就活の軸が定まっていない場合、「どんな仕事がしたいのか決まらない」「自分の強み・弱みが活かす方法がわからない」と悩み、言語化をしづらい状況になってしまいます。その結果、業界を絞ることにも悩んでしまうのです。
就活の軸の決め方について詳しくは、こちらの記事もチェックしてみてください。
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他者の視点を入れる
業界が絞れない、自己分析が十分ではないと感じているときは、家族や友人など親しい人に自分に関することを聞いて見るのもおすすめです。
自分のよいところや改善が必要なところ、強みや弱みを聞いてみると、今まで自分では気づけなかった特徴が見えてくる可能性があります。その後、すでに行っている自己分析と比較し、相違がないか、強みとしてさらに押し出せる部分がないかを考えてみることで、業界を絞りやすくなるでしょう。
どうしても業界を絞り切れないときは、就活に関するアドバイスやサポートを行う「就活エージェント」を利用するのも手段のひとつです。
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就活の業界の絞り方7選
ここからは、具体的に志望する業界を絞るための7つの方法を紹介します。自分が取り組みやすい方法から実践してみましょう。
- やりたいこと(Will)から考える
- できること(Can)から考える.
- 3年後、5年後の業界を予測し、将来性を考える
- 売上や利益の出し方に興味があるかを考える
- 興味を持った企業の共通点を抜き出して考える
- 合わない業界を選択肢から消去する
- 学部や専攻に関わる業界を選ぶ
やりたいこと(Will)から考える
「やりたいこと」は、自分が興味や関心を抱いていることから見つけられます。
どんな分野に興味を抱いており、そこで何を成し遂げたいのかを考えてみましょう。強く興味・関心があることだけではなく、「なんとなく気になる」「チャンスがあれば挑戦してみたい」といったことがきっかけでも構いません。
そこから、自分が本当にやりたいと思えることを見極め、関連する業界を探してみてください。
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できること(Can)から考える
今自分がもっているスキルやこれまでの経験からできることはないかを探し、業界を絞る方法です。
スキルによってできること、自分が持っている能力・専門知識を活かせそうな業界を探します。自分にできることを活かせる業界を見つけられれば、就職先での活躍や貢献できることもイメージしやすいでしょう。
3年後、5年後の業界を予測し、将来性を考える
まずはさまざまな業界の将来性や成長性について調べ、今後の変化の予測や調査を行います。
業界の将来性を調べ、自分が考えている長期的なキャリアや目標と合致しているかを判断することで、業界を絞りやすくなります。
一般的には、将来性のある業界を選択するほうが、自分のキャリアアップで有利になると考えられるでしょう。
売上や利益の出し方に興味があるかを考える
業界特有のビジネスモデルや収益源を調べ、興味や関心を抱いた業界を選択する方法です。
「この企業はどうやって売り上げを伸ばしているのか」「利益のためにどんなことをしているのか」を考え、これらの答えになる情報を探してみましょう。
企業が利益を出すプロセス、手段を把握するなかで、興味を抱ける業界を見つけられれば、志望する業界を絞ることができます。
興味を持った企業の共通点を抜き出して考える
業界を絞る前に、興味をもった企業・求人から、「なぜ興味をもったのか」「何に魅力を感じたのか」といった特徴や価値観の共通点を考える方法です。
共通点を見つけることで、自分の関心が明確にでき、業界を絞り込む手助けになる可能性があります。
自分が気に入って利用しているモノやサービスをつくっている企業を調べてみるなどをすると、共通点が見つかるかもしれません。
合わない業界を選択肢から消去する
自分に合わない業界を決める「消去法」から絞り込む方法もあります。
複数の業界をおおまかに選び、自己分析の結果などから自分の個性や興味に合致しているかを確認してみましょう。そのなかで、ミスマッチだったものを消去し、最終的に残った業界を深掘りして志望する業界を考えてみてください。
学部や専攻に関わる業界を選ぶ
所属する学部や専攻しているジャンルに関連する業界を選ぶのも、手段のひとつです。
学校で身につけた専門的な知識やスキルを活かせるため、自分にマッチする可能性が高まります。
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業界研究のやり方|今すぐ取り組めるポイントや注意点を解説!
業界研究とは、業界の特徴を調査することであり、就活の初期段階で欠かせない準備のひとつです。業界研究は、次のステップである企業研究の材料であり、ESや面接の志望動機の設定にも役立ちます。
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合同説明会は参加すべき?メリットや有意義な活用方法を紹介
合同説明会は、目的を明確にして参加することで効率よく情報収集ができ、参加後の満足度も高まります。この記事では、合同説明会に参加するメリットや注意点、合同説明会を活用する方法を詳しくご紹介します。
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就活で業界を絞る場合の注意点
志望する業界を絞るとき、2つのことに注意して行いましょう。
- ひとつに絞る必要はない
- 直感やイメージだけで業界を絞らない
ひとつに絞る必要はない
志望する業界は、ひとつに絞る必要はありません。
視野が狭くならないため、エントリーできる企業を増やすためにも、2~4種類の業界に絞ることをおすすめします。
直感やイメージだけで業界を絞らない
業界を絞るとき、「好き」「嫌い」といった直感や感情、「私には難しい」というイメージだけで絞らないようにしましょう。
例えば、「IT業界は自分に縁がない」と思っていても、実際はアプリ開発のような細かい作業が得意だったなど、選択肢や可能性を広げられる可能性があるからです。反対に、「旅行が好き」という理由から航空業界を志望していても、実務や必要なスキルが想像と異なる可能性もあります。
自分が抱く企業のイメージやWebサイト、SNSの情報だけで判断するのではなく、業界特有の業務を調べるなど慎重に業界研究をして判断するようにしてみてください。
よくある質問
就活では、業界をいくつに絞るべきですか?
志望する業界を絞り込む個数に制限はありませんが、3種類前後選ぶことで、エントリーする企業の選択肢を広げることにつながります。
詳しくは「業界は3つ前後に絞るのがおすすめ」で紹介しています。
就活で業界を絞らなくてもいいですか?
「業界を絞らなければならない」というルールはありませんが、就活の方向性に一貫性が出やすいこと、明確な志望動機を考えられるといったメリットがあります。
詳しくは「就活で志望業界を絞るメリット」で紹介しています。
業界研究をしていますが、志望する業界が絞れません。
志望する業界が絞れない理由のひとつに、自己分析が不十分である可能性があります。自己分析を十分に行うことで、自分の強み・弱みが再認識でき、興味を抱いていることも明確にできるでしょう。