会社説明会の質疑応答では、事前に内容を考えて積極的に質問するのがおすすめです。疑問を解決できることに加え、積極的に就活に取り組む姿や、企業への志望度の高さをアピールできる場にもなります。
質問をしなくてもマイナスの印象にはならないものの、その企業で働く自分をイメージするためにも、質問を用意しておくことがおすすめです。
この記事でわかること
- 会社説明会の質問は、積極性の高さや就活に取り組む姿勢をアピールできる
- 質問をするときは、担当者やほかの学生にもわかりやすいよう伝えることが大切
- 質問が思い浮かばないときは、企業の最新情報からヒントが得られる
会社説明会で行われる「質疑応答」の時間
会社説明会の際、業務内容や採用に関する情報を説明したのち、最後に質疑応答が実施されることが一般的です。
会社説明会のプログラムのひとつとして質疑応答を行うこともあれば、学生と社員がざっくばらんに話す座談会で質問を受け付けるケースもあります。
質疑応答の時間は積極的に質問しよう
質疑応答では、積極的に質問するのがおすすめです。
質疑応答は、企業の公式WebサイトやSNS、就活情報サイトなどに掲載されていない独自の情報を得るチャンスです。さらに、会社説明会に熱心に取り組んでいる姿勢や、志望度の高さも伝わるでしょう。
ほかの学生に同じ質問をされたり、説明のなかで疑問がクリアになったりしたのであれば、無理に質問をする必要はないでしょう。質問をしなくても、説明を聞く態度で意欲を示すこともできます。
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会社説明会の質問集
質問をしてみたいけど、何を聞けばいいのかわからない……。
質問が思い浮かばない方は、ここで紹介する例を参考に質問を考えてみてください。質問は、会社説明会の内容に応じてアレンジしてみましょう。
すでに説明された内容は避け、一歩踏み込んだ質問をすることで、実際に働いている人だけが知るリアルな回答を得られます。
事業内容・サービス・商品
- 今、力を入れている事業は何ですか
- 御社のサービス・商品の強みを教えてください
- サービスや商品の改善について、どのような取り組みをしていますか
- 同業他社より、御社が優れていると感じている部分を教えてください
- 御社の製品やサービスの課題点は何だと考えていますか
- 御社の事業内容やサービス、製品の将来的な展望について教えてください
- 御社の製品「◯◯」が開発された経緯を教えてください
- 10年後、御社はどのような事業を展開していると思いますか
- 日本より海外で注目を集めている、御社の事業や商品があれば教えてください
- 海外進出も視野にあるとおうかがいしましたが、どのような国や地域を想定していますか
事業内容に関する情報は、企業の公式Webサイトなどに基本的なことが掲載されています。そのため、調べるとわかる内容から一歩踏み込んだ質問をするのがおすすめです。
業界のトレンドや展望など、今起こっているできごとや将来のことのように、Webサイトやニュースからは得られない情報を質問してみましょう。
仕事内容・働き方
- 1日の仕事の流れ(スケジュール)を教えてください
- ◯◯さんが仕事をする際、大切にしていることは何ですか
- 御社で働くにあたり、必要なマインドを教えてください
- 業務のなかでやりがいを感じた瞬間を教えてください
- 今まで担当した業務で、最も記憶に残っている内容を教えてください
- 業務で壁に直面したとき、どのようにして乗り越えましたか
- 失敗などの経験から学べたことを教えてください
- 仕事のモチベーションを保つ工夫があれば教えてください
- 現在◯◯さんはどのような仕事を担当していますか
- ◯◯さんは今後どのような目標がありますか
リアルな働き方を知ることで、自分自身の入社後のキャリアや目標が明確にしやすいでしょう。実際に働いている人のやりがいや苦労を聞ける機会は多くないため、特に積極的に聞きたいことのひとつです。
雰囲気・社風
- 御社の特徴的な社風は何ですか
- 社風が「◯◯」とWebサイトに記載されていましたが、◯◯さんはどう感じていますか
- ◯◯さんが入社前と後で感じたギャップがあれば教えてください
- 男性社員と女性社員の比率を教えてください
- 社員同士のコミュニケーションはどのように行われていますか
- 新しいアイデアや提案を出しやすい環境ですか
- 異なる部署の社員と多く関わる機会はありますか
- 社内が盛り上がるのはどのようなときですか
- 昼休みはどのように過ごしていますか
- ◯◯さんが所属する部署では、◯◯さんと上司・部下はどのような関係性ですか
社内の雰囲気を知ることで、自分の就活の軸と照らしあわせながら、長く働き続けられそうかを確認できます。
人間関係や社内の雰囲気はインターネットなどで得られる情報だけではわかりにくいこともあるため、実際に働いている人から話を聞くのがおすすめです。
給与・待遇・福利厚生
- 社員の福利厚生について、特に力を入れている点はありますか
- ワークライフバランスについて、どのような取り組みをしていますか
- 昇給のペースや幅について教えてください
- 社員のキャリアアップについて、どのような支援や研修制度がありますか
- リモートワークは実施されていますか
- 他支店や海外への転勤はありますか
- 社内のサークル活動はどのようなことをしていますか
- 育児休暇を取得した経験がある男性社員は、何名くらいいますか
- 仕事と育児を両立している社員の方は、どのような工夫をしていますか
- 育児や介護をするための時短勤務はできますか
給与や待遇、福利厚生は企業選びの重要なポイントです。しかし、給与や残業時間、年間休日、有給休暇の日数や取得のしやすさばかりを質問するのは避けたほうがよいでしょう。
質問しすぎると、給与や福利厚生だけで企業を選んでいる印象を与える可能性があります。企業や業務内容に関する質問をしたあとで聞いてみましょう。
選考・採用情報
- 選考過程では、どのようなポイントを重視していますか
- 社員に求める人物像やスキルについて教えてください
- 今までどのようなスキル・素質をもつ方が就職していますか
- ◯◯さんが一緒に働きたいと思うのは、どのようなタイプの人材ですか
- 選考過程で印象に残っている学生がいれば教えてください
- 御社で活躍している人にはどんなスキルや資質がありますか
- 今年度は何名の新入社員を採用する予定ですか
- 選考過程の面接は何回実施されますか
- インターンシップに参加して採用された社員の方はいますか。どのような方ですか
- 異業種から転職し、活躍している社員はいますか
選考や採用に関する基本的な情報は、採用情報ページや就活情報サイトに掲載されています。そのため、過去に新卒採用された社員の特徴や共通点のように、Webサイトには掲載されていない質問をしてみましょう。
ただし、会社説明会の担当者が人事や面接官であるとは限らないため、具体的な回答を得られない可能性もあります。新卒採用で選考に通過した社員であれば、面接など採用試験のアドバイスを求めることはできるでしょう。
入社後のキャリア
- 内定者に対して、どのようなフォローやキャリア支援を行っていますか
- さまざまな研修制度を実施していますが、他社にはない特徴的な研修はありますか
- ◯◯さんは現在の役職に就くまでに、どのようなキャリアを積まれましたか
- 入社前に取得しておいたほうがよいスキルはありますか
- 入社後に取得が必要な資格やスキルはありますか
- 20代で管理職になった社員はいますか
- 入社後、最短で活躍した社員はどのような人ですか
- どのような特徴をもつ人がスムーズに昇進していますか
- 新規事業の立ち上げに若手社員も参加できますか
- 御社ではどのような方法で社員を評価していますか
入社後のキャリアに関する質問は、志望動機や将来を明確にするために役立ちます。現時点で、どの部署でどんな活躍をしたいのか具体的にイメージできていない方は、活躍する社員の特徴などを聞いて参考にしてみましょう。
会社説明会での質問の仕方・マナー
会社説明会で質問するときは、こちらのポイントを意識しましょう。
会社説明会では、答えてくれる社員に配慮した話し方を意識してみてください。自分だけが知りたい質問をするのではなく、ほかの学生にとっても参考になる質問ができるとよいかもしれません。
質疑応答や座談会の時間は限られています。簡潔にわかりやすく質問するよう心がけることが大切です!
学校名と氏名を名乗って質問をする
質問をするときは本題に入る前に、自分の学校名と氏名を名乗ります。担当者は、学生一人ひとりの氏名や顔を把握しているわけではないことから、認識してもらうためにも名乗りましょう。
◯◯学校◯◯学部の青山と申します。本日は貴重なお話をありがとうございました。(本題に入る)
「◯◯に関する質問です」と結論を伝えて質問をする
質問内容を明確かつ効率的に伝えるために、「どんな質問をするか」を先に伝えるのがおすすめです。
質問内容を最初に伝えることで、相手やほかの学生も質問の意図や内容を理解しやすくなります。
◯◯部の業務内容に関する質問です。
質問の内容は簡潔かつ短文にする
相手に質問内容を理解してもらうためには、質問を簡潔に伝えることが重要です。
遠回しな言い方をすると、相手に質問の意図が伝わらず、自分自身が何を聞こうとしていたのかわからなくなる可能性もあります。質疑応答の時間は限られているため、ほかの学生が質問する時間を確保するためにも、簡潔に伝えるよう意識してみてください。
簡潔かつ適格な質問をするためには、自分が知りたいことを事前に用意し、会社説明会のなかで解決したこと・しなかったことを整理したうえで質問してみましょう。
◯◯さんは現在の役職に就かれるまで、どのようなキャリアを積まれましたか?御社で働く自分をイメージするために教えていただきたいです。
適切な声の大きさ・スピードを意識する
質問をわかりやすく伝えるためには、話の内容だけではなく、担当者やほかの学生にも聞こえる声量とスピードを意識することが大切です。
広い室内の場合、参加学生全員に質問が聞こえるようにマイクを使用する可能性があります。話すスピードが早すぎると、担当者がうまく聞き取れず、スムーズにやりとりができなくなるため、落ち着いて話すようを心がけましょう。
回答を聞き終わったら感謝の言葉を伝える
担当者からの回答を聞き終えたあとは「ありがとうございました」と伝えます。回答を得たことで満足するのではなく、感謝の言葉を忘れないようにしましょう。
時間に余裕があるときは、一言感想を添えるのもおすすめです。
お答えいただきありがとうございました。◯◯について勉強をしてみます。
会社説明会で質問するときの注意点
会社説明会の質問では、こちらの3つに注意しましょう。
ほかの学生と同じ内容の質問はしない
質疑応答の時間は限られていることから、ほかの学生と同じ質問は避けるほうがおすすめです。
同じ内容の回答をするための時間を使うだけではなく、ほかの学生の質問を聞いていないと捉えられるかもしれません。自分が聞きたかったことをほかの学生に質問されたときは、その回答を参考にしましょう。
ほかの学生がした質問を、より深掘りするための質問は基本的に問題ありません。「先ほど◯◯について回答いただきましたが、そのなかで△△についてはどのようなことを経験されましたか」など、質問のつながりや意図も伝えるとよりわかりやすくなります。
Webサイトなどを調べればわかる質問はしない
質問をするときは、企業のWebサイトやSNS、就活情報サイトにはない情報を質問しましょう。調べてすぐにわかる質問をすると、企業研究が不十分であると受け取られるかもしれません。
Webサイトでわかる情報の例
- 企業理念
- 経営方針
- 業務内容
- 初任給
- 福利厚生
福利厚生について知りたいのであれば、「どんな福利厚生があるか」という質問から一歩踏み込みます。例えば、「他社にはない、変わった福利厚生はありますか」「◯◯さんが『よかった』と感じている福利厚生があれば教えてください」など独自の質問をしてみましょう。
全体で聞く必要のない内容は避ける
質問の内容が、参加者全員の前でする質問として適切であるかを考えてみましょう。
ほかの学生が知りたいと感じられない個人的な質問は、会社説明会のあと個別で聞くのがおすすめです。
例えば、「◯◯の資格を持っていますが役立ちますか?」「◯◯さんにOB訪問をすることは可能ですか?」などは個別で質問したほうがよいかもしれません。
質疑応答の時間は限られているため、できるだけ多くの人が知りたいと思える質問をするよう意識してみてください。
質問が浮かばない!オリジナルの質問を考えるときのコツ
「せっかくの機会だから質問をしたいと思っていても、何を聞けばよいのかわからず悩む方もいるかもしれません。
そのようなときは、「最新情報」と「社員個人に聞いてみたいこと」から考えてみましょう。
企業の最新情報から考える
まずは企業に関する最新情報をチェックしてみましょう。
企業の情報をチェックできる媒体
- 企業の公式Webサイト
- 企業の公式SNS(社長や広報のアカウント)
- ポータルサイトのニュース
- プレスリリースサイト
各サイトで企業名を検索することで、最新情報を得られます。企業の公式サイトやアカウント以外のニュースを参考にする際は、信用できる情報元であるかを確認しましょう。投稿日も確認して、本当に最新の情報であるか確認してみてください。
最新の取り組みや今起こっている変化のなかから、質問のヒントを見つけられるはずです。
企業全体ではなく、社員個人に対する質問を考える
業務内容や今後の取り組みといった、企業全体に関する質問は、具体的な内容が思い浮かばないこともあります。
そのようなときは企業全体ではなく、「先輩社員だからこそ聞いてみたいこと」「◯◯部の管理職の人だから聞いてみたいこと」のように、個人にフォーカスを当てるのがおすすめです。
先輩社員に聞いてみたいことの例
- 就活をうまく進めるコツ、実践した例
- 仕事のやりがい
- 大変なこと
- 失敗談
- 現在の目標
業務や就活以外に関する質問をしてもよいですが、プライベートに踏み込みすぎる内容は控えましょう。
Web会社説明会で質問するときのポイント
Webの会社説明会においても、時間や伝え方などの注意点は共通です。ここでは、Webならではの質問をするときのポイントを紹介します。
ネット環境が安定した、静かな環境で質問する
スマートフォンやパソコンを利用して会社説明会に参加するときは、環境を整えることが大切です。
インターネット回線が安定しており、静かな室内を選択しましょう。回線が不安定だと映像や音声が途切れる可能性があり、企業の説明を聞き取れなかったり、自分の発言が届かなくなったりするかもしれません。
自宅のように他人がいない静かな場所や、インターネットカフェの鍵のある個室などがおすすめです。
質問者としてのマナーを守る
Webの会社説明会においても参加者としての自覚をもち、礼儀正しく話すことを意識しましょう。
企業に足を運ぶ会社説明会同様に、簡潔な質問をし、回答を聞き終わったあとは感謝の言葉を伝えます。
ほかの学生が質問しているときや担当者が話しているときは、自分のマイクをオフにして雑音が入らないようにしましょう。
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会社説明会とは?当日の流れや基本マナー、質問のポイントを解説
会社説明会とは、企業が自社を知ってもらうために開催する説明会のことです。会社説明会は、Webサイトなどでは理解できない、独自の情報や先輩社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。気になる業界、企業の会社説明会に参加して、より多くの情報を集めていきましょう。
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よくある質問
会社説明会で質問するときのマナーを教えてください。
会社説明会で質問をするときは、5つのポイントを意識しましょう。
- 学校名と氏名を名乗って質問をする
- 「◯◯に関する質問です」と結論を伝えて質問をする
- 質問の内容は簡潔かつ短文にする
- 適切な声の大きさ・スピードを意識する
- 回答を聞き終わったら感謝の言葉を伝える
大切なのは、担当者やほかの学生に質問の意図をわかりやすく伝えることです。
詳しくは「会社説明会での質問の仕方・マナー」で紹介しています。
会社説明会で質問しないのはありですか?
説明のなかで疑問点を解決できたとき、ほかの学生と質問が重複したとき、無理に質問する必要はないでしょう。
実際に働いている社員に質問できるチャンスであるため、複数の質問を準備するなど、疑問を解決したり理解を深めたりする機会にするのがおすすめです。
また、質問をするほうが就活の積極性をアピールできる機会にもなります。
会社説明会での質問例を教えてください。
会社説明会で質問したいときは、こちらの例を参考にしてみてください。
■企業や働き方について知りたいとき
●サービスや商品の改善について、どのような取り組みをしていますか
●今まで担当した業務で最も記憶に残っている内容は何ですか
■社風や福利厚生について知りたいとき
●社員同士のコミュニケーションはどのように行われていますか
●社員のキャリアアップについて、どのような支援や研修制度がありますか
■採用情報について知りたいとき
●◯◯さんが一緒に働きたいと思うのは、どのようなタイプの人材ですか
●御社で活躍している人にはどんなスキルや資質がありますか
■入社後のキャリアについて知りたいとき
●入社後、最短で活躍した社員はどのような人ですか
●御社ではどのような方法で社員を評価していますか
質問例は「会社説明会の質問集」で詳しく紹介しています。
会社説明会での質問が浮かばないとき、どうすればいいですか?
企業の最新情報からヒントを得たり、社員個人に聞いてみたいことから考えたりしてみてください。
無理にひねった質問をする必要はないでしょう。その企業にエントリーしたことを想定して、どんな情報があればよいかを考えてみてください。例えば、業務のやりがいや、先輩社員の就活のコツなどです。
詳しくは「質問が浮かばない!オリジナルの質問を考えるときのコツ」で紹介しています。