SPIのテストセンターには、リアル会場のほか、自宅などで専用システムを通じて受検できる「オンライン会場」があります。
オンライン会場は自宅で受検できるため、移動の手間が省けます。しかし、受検する場所やパソコンやインターネット環境については、規定や推奨される条件があるため、事前に確認して準備を整えておくことが大切です。
この記事では、オンライン会場の特徴や事前準備、持ち物について詳しく解説します。受検時に持ち込みが禁止されているものも紹介していますので、事前に確認しておきましょう。
この記事でわかること
- オンライン会場の受検は四方がすべて壁で仕切られた静かで明るい部屋で行う
- オンライン会場の受検中は監督者にWebカメラを通じてリアルタイムで確認される
- オンライン会場受検時の服装は自由であるが、帽子やアクセサリーなどは不可
SPIテストセンターの「オンライン会場」とは?
SPIはリクルートマネジメントソリューションズが開発した適性検査です。多くの企業が採用選考にSPIを導入しています。SPIは能力検査と性格検査の2つのパートで構成されており、論理的思考力や計算力、行動や考え方などを測定します。
テストセンターはSPIの受検方法のひとつです。テストセンターは専用会場のパソコンで受検する「リアル会場」と、自宅などのパソコンで専用システムを通じて受検する「オンライン会場」があり、どちらも監督者の監視のもと受検します。
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テストセンターのオンライン会場の特徴
テストセンターのオンライン会場は、リアル会場とは異なる特徴があります。
自宅で受検可能
オンライン会場では、受検者が会場まで足を運ぶことなく、自宅などで受検できることが特徴です。移動時間が不要となり、全国のどこからでも受検できます。ただし、受検する場所として、四方が壁で囲まれ、第三者が入らない空間が必要です。
リアルタイム監視による不正防止が行われる
受検中は監督者がWebカメラを通じてリアルタイムで確認し、不審な動きや他者の介入を防ぎます。本人確認も厳格に行われるため、他者による代行受検などの不正行為を防止することが可能です。
受検環境に関して一定の基準を設けており、試験方式が統一されているため、企業は受検者の適性を公平に確認することができます。
自身で受検環境を準備する必要がある
オンライン会場の場合、受検者自身がパソコンや安定したインターネット環境、Webカメラ、マイクなどを事前に準備する必要があります。試験中に通信トラブルが発生すると検査が中断される可能性があるため、受検環境に問題がないかを事前にチェックすることが大切です。
テストセンターのオンライン会場とWebテスティング(Web受検)の違い
Webテスティングは、テストセンターと同じくSPIの受検方法のひとつです。テストセンターのオンライン会場とWebテスティングは混同しやすいですが、監視体制や受検環境、出題範囲が異なります。
オンライン会場では、リアル会場と同様に監督者の監視のもと受検するため、不正防止策が強化されています。受検時にWebカメラとマイクの使用が必須で、身分証確認や受検環境のチェックが行われます。出題範囲もリアル会場と同様で、能力審査では言語・非言語のほか、英語力や構造的把握力の検査も可能です。
一方、Webテスティングは監督者による監視や受検時のチェックなどはなく、企業が指定した期間内であれば、学生の都合のよい日時や場所で受検できることが特徴です。テスト内容は一般的な性格検査と能力検査(言語・非言語)が含まれ、Webテスティングでは電卓の使用が認められています。
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テストセンターのオンライン会場での受検方法と流れ
テストセンターのオンライン会場での受検は、一般的に次の流れで行われます。

1.予約
企業へのエントリー後、企業から受検依頼メールが届きます。メールの案内に従って、性格検査の受験と能力検査の会場予約(オンライン会場を選択)を行います。初めて受検する場合は、TCID(テストセンターID)の取得が必要です。
当日予約の場合は性格検査を受検してから能力検査の会場を予約し、翌日以降の予約の場合は、仮予約をしてから翌日15時までに性格検査を受検します。
予約の変更やキャンセルは、予約タームの1時間前まで可能です。キャンセルする場合は手続きを忘れないよう注意しましょう。
2.事前準備
予約ができたら、事前準備として、パソコン(Windows 10/11またはMacOS 10.13以降)やWebカメラ、マイクなど必要なものを用意します。イヤホンやヘッドセットは使用できません。
また、インターネット回線が安定しているか確認することも重要です。目安として、上り・下りともに10Mbps以上が理想で、無線(Wi-Fi)よりも有線の接続が推奨されています。
受検は、四方がすべて壁で仕切られた静かで明るい部屋で行います。受検に必要なもの以外は部屋から取り除くか、見えないように隠しておきましょう。第三者の立ち入りは禁止されているので、自宅に家族などほかの人がいる場合は伝えておくことも重要です。

受検環境については「テストセンターのオンライン会場受検のための事前準備」でも詳しく解説しています。
3.検査当日
検査当日は、指定された時間にシステムにログインし、監督者と接続します。画面の指示に従って、カメラと画面共有の設定を行いましょう。
接続が完了すると「開始受付」が行われます。
開始受付の流れ
- 本人確認書類による本人確認
- 部屋の中をカメラで360度映し、受検に適した環境か確認
- 机上や持ち物の確認、身につけているものの確認
- パソコンの設定や起動中のプログラムの確認
準備が整ったら、監督者の指示に従って検査を開始します。

検査中は、カメラとマイクを通じて監督者がリアルタイムで監視しています。
4.検査終了
検査終了後は「終了受付」があるため、監督者の指示があるまでシステムからログアウトせず終了画面のまま待機します。終了受付では、受検完了の確認とメモ用紙の記載内容の確認が行われます。
テストセンターのオンライン会場の持ち物
SPIテストセンターでの試験をスムーズに進めるためには、持ち物を事前に準備しておくことが重要です。おもな持ち物は次のとおりです。

オンライン会場では受検票の印刷は不要です。
顔写真付き本人確認書類(原本)
本人確認書類は、検査開始前の本人確認で使用します。本人確認書類は、次の条件をすべて満たすものを1点準備しましょう。
本人確認書類の条件
- 顔写真付き
- 原本(コピー不可)
- 有効期限内
- ラミネート加工がされていない
- 予約時に登録した氏名と本人確認書類の氏名が一致している

コピーやスマートフォン画面での提示は認められていません。
有効な本人確認書類の例
- 運転免許証
- パスポート
- 社員証
- 学生証 (顔写真付き・プラスチックカード型のみ有効)
- 国際運転免許証
- 健康保険(顔写真付きのみ有効)
- マイナンバーカード (顔写真付きのみ有効)
- 住民基本台帳カード
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 障害者手帳
予約時に登録した氏名がカナ表記で、本人確認書類の氏名が漢字やアルファベット表記など、読みが一致しない場合や読みの判別がつかない場合は受検できないため注意しましょう。
筆記用具(シャープペンシルまたは鉛筆)
試験中のメモ用として、シャープペンシルまたは鉛筆を用意します。
使用不可の筆記用具
- ボールペン
- マーカーや蛍光ペン
- 消しゴム
リアル会場では筆記用具の持ち込みが禁止されており、会場に用意されています。リアル会場の条件とあわせるため、オンライン会場の筆記用具もルールが決められていることが考えられます。
メモ用紙(A4サイズ2枚まで)
試験中に計算やメモを取るために、白紙のA4用紙を2枚まで使用できます。使用する場合は、検査開始前と検査終了後に監督者に確認してもらい、検査終了後、監督者の指示に従ってカメラの前で破棄します。A4サイズ以外や、文字が印刷されている紙、冊子などは使用できないので注意しましょう。
オンライン会場への持ち込みが禁止されているもの
オンライン会場では、持ち込みが認められているもの以外を検査中に持ち込むことは禁止されています。持ち込みが禁止されているものは、受検前に別の部屋にしまっておきましょう。
持ち込みが禁止されているもの
- 参考資料、書籍、テキスト、紙が束になった状態のもの、ノート
- 携帯電話、スマートフォン
- スパイカメラ、ボイスレコーダーなどの録画、録音、撮影、記録ができる電子機器
- イヤホン、ヘッドフォン
- 帽子(宗教上の理由によらない被り物など)
- コートやジャケットなどの上着
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テストセンター受検時に適した服装は?服装の例や必要な持ち物を紹介
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テストセンターのオンライン会場受検のための事前準備
テストセンターのオンライン会場は、事前準備としてインターネット環境や受検環境、服装に関する規定などを確認しておくことが重要です。トラブルなく受検するためにも、早めに確認・準備しておきましょう。
パソコンやインターネット環境を整える
受検に適したパソコンと安定したインターネット環境を用意することは、事前準備のなかでも特に重要です。能力検査はタブレットやスマートフォンでは受検できないので、必ずパソコンを用意しましょう。
オンライン会場で使用するパソコンの推奨環境は次のとおりです。
OS | 日本語版 Windows10/11 MacOS 10.13以降 |
ブラウザ | 最新版のGoogle Chrome Microsoft Edge(Chromium版) Safari 7.0以上 |
CPU | 1GHz以上 |
メモリ | 4GB以上 |
ブラウザの拡大設定 | 100% |
テキストサイズ | 100% |
ディスプレイの解像度 | 横:1024以上 縦:800以上 |
インターネット回線 | 上り/下りともに10Mbps以上 有線接続推奨 |
Webカメラ | フレームレート:10fps以上 解像度:640×480以上 パソコン内蔵カメラ、外付けカメラのどちらも利用可能 受検者を正面から映す角度に設置 |
サウンド・マイク | オーディオとマイクのミュート設定を解除する |
※ 2025年2月時点の情報です。
パソコンのバッテリーが切れないよう、受検中は電源を接続したままにしておきましょう。
受検環境(部屋)の条件を満たすよう整える
オンライン会場では、受検前に部屋の中を360度映す必要があります。条件を満たしていないと受検ができない場合があるため、事前に環境を整えましょう。
受検環境(部屋)の条件
【部屋】
- 四方が壁で仕切られた静かな場所
- 窓がある場合はカーテンを閉める
- 第三者の入室は不可
【明るさ】
- 監督者が受検者の顔や動作を確認できる十分な明るさ
【机上】
- 受検に必要なもの以外は置かない
【室内】
- カレンダーやポスターは取り外す
- もしくは見えないように隠す
服装や身につけられるものを確認する
テストセンターでの服装は基本的に自由で、スーツでなくても問題ありません。集中できるよう、適度にリラックスできる服装で受検することがおすすめです。
また、受検時に身につけられないものに関する注意事項が設けられているため、事前に確認しておきましょう。
身の回りに関する注意事項
- 帽子、イヤホン、マスク、腕時計は身につけない
- ピアス、ネックレス、ブレスレットなどのアクセサリー類は身につけない
- ポケットには何も入っていない状態にする
- 手や腕などにメモ書きなどがされていない
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テストセンター受検時に適した服装は?服装の例や必要な持ち物を紹介
テストセンター受検時の服装指定は特にありません。しかし、実力を十分に発揮するためには、集中できる服装を選ぶことが大切です。この記事では、テストセンター受検時におすすめの服装例や服装選びのポイントなどを詳しく解説します。
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よくある質問
テストセンターをオンライン会場で受検する場合、どこで受ければいいですか?
テストセンターのオンライン会場の受検場所は、自宅や学校など、静かで一人になれる環境が適しています。試験中は監督者がカメラで監視しており、第三者の入室が禁止されています。周囲に雑音がない部屋を選び、机の上には必要なものだけを置いておきましょう。
受検環境については、「テストセンターのオンライン会場受検のための事前準備」で詳しく解説しています。
テストセンターをオンライン会場で受ける場合、自宅の部屋が汚くても大丈夫?
受検時にはカメラで部屋全体を映す必要があるため、整理整頓しておくことが望ましいです。特に机の上に不要なものがあると、不正行為と疑われる可能性があります。受検に必要なもの以外は事前に別の部屋に移動させておきましょう。
テストセンターのオンライン会場では、カンニングはバレますか?
オンライン会場での受検中は、監督者がカメラや音声を通じてリアルタイムで受検者を監視しています。不審な目の動きやほかの端末・ノートの使用などが確認されるため、カンニング行為はすぐに見つかる可能性が高いでしょう。
オンライン会場で受けるテストセンターの時間はどれくらいですか?
テストセンターのオンライン会場受検における能力検査の試験時間は約35分です。ただし、本人確認や環境確認などの準備時間を含めると、合計で60分(1時間)程度かかることが一般的です。試験終了後には、監督者との終了手続きも行う必要があるため、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。