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「参ります」の意味は?正しい使い方と例文、「伺います」との使い分けを紹介

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「参ります」は「行く」や「来る」を丁寧に表現し、自分の行動をへりくだって伝える謙譲語です。ビジネスシーンでは、取引先や目上の人に使用することがあります。

また、「参ります」には謙譲語のほか、補助動詞としての役割や困惑・降参を示す表現としても使用できるため、シーンに応じて使い分けることが大切です。

「参ります」と似ている表現として「伺います」も使われますが、敬意を示す相手がいる場所や尋ねる以外の意味を持たせる場合などによって使い方が異なります。

「参ります」や「伺います」の意味や使い方を確認して、適切に使えるように確認してみましょう。

この記事でわかること

  • 「参ります」は謙譲語、補助動詞、降参・困惑などの意味を持つ
  • 「参ります」は使う相手に敬意を示す際に使用する
  • 「参ります」と「伺います」はニュアンスが異なるため使い分けが必要

「参ります」の意味は3つ

「参ります」は謙譲語の「参る」と、丁寧語の「ます」を組み合わせた言葉です。「参ります」には、文脈に応じて次の3つの意味があります。

「参ります」を使用するシーンに応じて使い分けられるように、意味を確認してみましょう。

「行く」「来る」の謙譲語

「参る」は、自分の行動である「行く」または「来る」を謙譲語として表現します。謙譲語とは、話し手が自身の行動をへりくだって述べることで敬意を示す敬語表現です。「参ります」を使うことで、自分の動作を控えめに述べて相手への敬意を示すことができます。

ビジネスでは、次の例文のような訪問や移動に関するシーンで使われます。

「参る」を使った例文

「明日の13時に、御社に参ります」(明日13時に、御社に行きます)

「担当の○○が10分後にそちらへ参ります」(担当の○○が10分後にそちらへ行きます)

「本日の面接のために新幹線で参りました」(本日の面接のために新幹線で来ました)

ビジネスでは社外の人に対して自社の社員の行動を伝える場合は、自分の行動でなくても謙譲語を使用することで、相手に敬意を示すことができます。

人事

例えば上司の行動を社外の人に伝える場合、「◯◯(上司)が御社に参ります。」といった表現をします。

補助動詞「~ていく」「~てくる」の謙譲表現

「参る」は、「~ていく」や「~てくる」の補助動詞としても用いられます。「行く」や「来る」などの動詞と組み合わせて使用することで、相手に敬意を示す表現になります。

補助動詞としての使用例

「聞いてまいります」(聞いてくる)

「行ってまいります」(行ってくる)

「確認してまいります」(確認してくる)

おもに、行動や動作の継続や結果を相手に謙遜して伝える際に使います。ビジネスシーンや日常業務でよく使われる表現です。「行ってきます」や「聞いてきます」よりも、フォーマルなシーンで使用するのに適しています。

また、補助動詞として「まいります」を使用する際は、ひらがなを使用するのが一般的です。詳しくは「「参ります(漢字)」と「まいります(ひらがな)」の使い方の違い」を確認してみましょう。

困惑や降参

「参る」は、比喩的な意味で「困り果てる」「降参する」といった意味を表すこともあります。謙譲語ではなく、日常的な言葉として使われます。

例えば、困難な状況や問題に直面したときの心情を表現したり、相手の力や状況に感服したり、負けを認めたりするときにも使います。

困惑や降参を表現した例文

「この暑さには参りました」(この暑さには困り果てた)

「あなたの提案には参りました」(あなたの提案の素晴らしさに降参して受け入れる)

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「参ります」の類語・言い換え表現

「行く」「来る」としての「参ります」の類語や使い方を紹介します。

表現意味使い方
伺います・相手や訪問先に敬意を払う「行く」の謙譲語
・訪問先や人への敬意を
強調したい場合に使う
「後ほどお伺いします」
お邪魔します・挨拶言葉の一種
・相手の家やオフィスなどを
訪問する際のカジュアルな表現
「本日貴社にお邪魔します」
向かいます・「向かう」の丁寧語
・移動を丁寧に伝える表現
「後ほど会場に向かいます」
来ます・「来る」の丁寧語
・幅広いシーンで使用できる
「〇〇大学から来ました」
行きます・「行く」の丁寧語
・相手への敬意を示す表現
「〇〇社へ行きます」
参上します・目上の人のところへ
行く際に使う
・人のもとへ行くことを
へりくだる際に使う
「明日10時に、御社へ参上いたします」
お目にかかります・「会う」の謙譲語
・ビジネスシーンやプライベートなどで
目上の人に会う際に使う
「本日はお目にかかれて光栄です」

「参ります(漢字)」と「まいります(ひらがな)」の使い方の違い

文部科学省が公表している「新しい「公用文作成の要領」に向けて」によると、補助動詞はひらがなで書くことが推奨されています。具体的な例は次のとおりです。

~(し)て行く→ていく

~(し)て来る→てくる

~(し)て見る→てみる

新しい「公用文作成の要領」に向けて

「補助動詞「~ていく」「~てくる」の謙譲表現」で紹介した使い方もこちらに当てはまります。

ただし、あくまでも推奨であるため、ひらがなを必ず使わなければならないというわけでありません

人事

同じ文書のなかで、表記をそろえるのがおすすめです。

表記の揃え方

「(同一文書内で)〜に努めて参ります。〜精進して参ります」

「(同一文書内で)〜に努めてまいります。〜精進して参ります」

「参ります」と「伺います」の意味の違い

「参ります」と「伺います」は、どちらも似た行動を表す謙譲語ですが、使い方やニュアンスが異なります。

意味使い方
参ります・「行く」「来る」の謙譲語
・補助動詞として使用
・困惑や降参
・「10時に御社に参ります」
(10時に御社に行きます)
・「確認してまいります」
(確認してきます)
・「彼のプレゼンには参りました」
(彼のプレゼンには感服しました)
伺います・「行く」「聞く」「尋ねる」の謙譲語
・相手の場所や意見に敬意を
払いながら、自分の行動を
控えめに表現する
・「後ほどお宅に伺います」
(後ほどお宅に行きます)
・「その件についてお話を伺いたいです」
(その件についてお話を聞きたいです)

「参ります」は自分の行動をへりくだる際に使用します。「伺います」は、相手との関係性を重視して訪問や質問を丁寧にするために使用します。

人事

「参ります」には、「聞く」「尋ねる」の意味では使用しないため、注意しましょう。

「参ります」と「伺います」の使い分け

「参ります」と「伺います」は、聞き手への敬意を示すのか、行動の対象への敬意を示すのかによって使い方が異なります。ここでは、具体的なビジネスシーンでの使い分けを確認してみましょう。

参ります:聞き手への敬意を示す

「参ります」は、自分の移動や行動を丁寧に表現し、会話をしている聞き手に敬意を示す場合に使います。

例文注意点
「すぐに現地に参ります」・自分が移動することを
相手に丁寧に伝える
・「現地」には相手がいない
「明日、会場に参ります」・会場に行くことを伝える
・「会場」には相手がいない
「妹のところに参ります」・身内に対しては
へりくだる表現は使わない
・「妹のところに伺います」は使わない

自分が話している相手に敬意を示す際は「参ります」を使用して、自分が移動や行動することを伝えましょう。

伺います:移動先・話題の相手に敬意を示す

「伺います」は、自分が移動した先に敬意を示す相手がいる場合や、敬意を示す相手の意見を聞く場合などに使用します。

例文注意点
「後ほどそちらに伺います」・移動先が相手の場所である
・「そちら」に敬意を示す相手がいる
「明日、貴社のオフィスに伺います」・相手に敬意を込める
・「貴社のオフィス」に
敬意を示す相手がいる
「〇〇さんの意見を伺いたいです」・相手の意見や考えを尊重し、敬意を示す
・聞いた意見が意思決定に
影響を与える可能性がある場面で使われる
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よくある質問

「参ります」の意味は?

「参ります」は、「行く」や「来る」の謙譲語で、自分の動作を控えめに伝える表現です。また、「困る」や「降参する」ニュアンスでも使われます。

「参ります」の正しい使い方は?

「参ります」は、聞き手に対して、自分の移動を伝える場面で使います。例えば「本日、会場に参ります」「ただいま参りました」のような使い方があります。

「参る」と「伺う」はどう使い分けますか?

「参る」は移動そのものを控えめに表現し、聞き手に敬意を込めるときに使います。例えば「後ほど現地に参ります」など、移動する旨を伝える際に使う表現です。「伺う」は訪問先や相手に敬意を込める際に使います。例えば「後ほどお宅に伺います」など、訪問先の相手への敬意を示す際に使います。

詳しくは「「参ります」と「伺います」の使い分け」を確認してみましょう。

「取り組んで参ります」の意味は?

「取り組んで参ります」は、謙虚さや継続的な行動を表します。ビジネスでは、課題への意欲や責任感を伝える際に使用されます。例えば「引き続き改善に取り組んで参ります」と表現すると、改善することへの意欲が伝わりやすいです。

「精進して参ります」の意味は?

「精進して参ります」は、「努力を続けて物事に一生懸命取り組む」という意味を、謙譲語を用いて控えめに表現しています。例えば「今後ともより一層精進して参りますので、よろしくお願い申しあげます」と使用します。

「行って参ります」の意味は?

「行って参ります」は、「行ってくる」の謙譲語で、自分がこれからどこかに向かい、後で戻ってくることを丁寧に伝える表現です。「参ります」という謙譲語を使うことで、自分の行動を控えめに述べ、相手への敬意を含む表現になります。

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