インターンに参加した経験は、ガクチカのなかでもおすすめのテーマです。社会人の一員として働き、実務経験しスキルを身につけたことは、ほかの学生と差別化をしながら自分をアピールできます。
働くなかで壁にぶつかったこと、努力したことは、採用担当者や面接官にも伝わりやすいため、魅力的なエピソードとして作成できるでしょう。
この記事でわかること
- 長期インターンはガクチカとして厚みを出しやすい
- 長期インターン参加者は少なく、ほかの学生と差別化しやすい
- 結論ファーストで作成すると、話が理解されやすくなる
長期インターンはガクチカとしてアピールしやすい
インターンのなかでも、1カ月以上の長期インターンはガクチカのテーマとして自分をアピールしやすいでしょう。
長期インターンの場合、学生でありながら社会人として数カ月単位で実務経験を積み、スキルアップにつながった経験などが伝えやすくなります。
オープンカンパニーやキャリア教育といった1日から数日間のインターンは、参加期間が短くガクチカとしてアピールするには難しいかもしれません。ガクチカを作成する際は、そのガクチカで得た経験や乗り越えた課題など自身の行動を深掘りする必要があります。そのため、取り組んだ期間が長い出来事のほうが、ガクチカを作りやすく、自分のことを伝えやすくなるでしょう。
しかし、インターンのなかで得た経験が大きく、自信をもってアピールできるなら、短期のインターンをテーマにしたガクチカでも問題ありません。
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面接官がガクチカを聞く理由
面接やES(エントリーシート)の書類でガクチカを聞かれる理由には大きく2つあります。
理由を把握しておくことで、どのようにガクチカを伝えるのが有効であるか理解しやすいでしょう。
学生の人柄を把握するため
採用担当者は、応募者のガクチカからどんな人物であるかを把握しようとしています。
努力をしたいと思ったきっかけ、学びから得たこと、困難な壁に直面したときの解決策などは人柄が出やすく、書類だけではわからない内面を知る要素となります。
企業が求める人物像とのマッチ度を知るため
ガクチカを通して、学生の内面や、今後の成長に対する意欲も把握できます。この点から、採用担当者は「自社と相性がよいか」を考えているでしょう。
企業により求める人材の特徴は異なりますが、ガクチカから人物像を把握しマッチ度を測っていると考えられます。
企業と学生のミスマッチによる早期の退職を避けるためにも、お互いを正しく理解しあうことが大切です!
ガクチカをインターンにするメリット
ガクチカのテーマをインターンにする4つのメリットを紹介します。
得たスキルが志望する企業で活かせる
インターンで参加した企業と、選考を受ける企業の業種や職種が同じ場合は、得たスキルを活かせる点がメリットです。
長期インターンで実務経験を積んでいれば、経験をしていない人と比較して、実際に役立つスキルを身につけられていると考えられます。
ガクチカを通して、インターンのなかでどんな経験をしスキルを身につけたのか、成果を上げたのかをアピールしてみましょう。
ほかの学生と差別化をしやすい
短期インターンに参加する学生と比較して、長期インターンに参加する学生はあまり多くありません。このことから、インターンをテーマにする学生も少ないと考えられ、ガクチカのエピソードを差別化しやすくなります。
ガクチカには、サークルや部活、アルバイト、講義やゼミ、ボランティア活動などが多いと考えられます。もちろんテーマがほかの学生と重複するのは問題ありませんが、自分ならではの身につけたスキルや経験を伝えられるのが、ガクチカをインターンにするメリットです。
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社会に出て働いた経験がアピールできる
3カ月や半年以上のような長期インターンでは、スキルを身につけるだけではなく、社会人の一員として業務に従事した点もアピールしやすくなります。
インターン生が企業の一員として実務経験を積むのは、社会人として働く心構えをもつ機会を得ることでもあるため、入社後にしたいことにもつなげやすくなるでしょう。
失敗・課題も含めてアピールしやすい
長期インターンに参加していると、そのなかで失敗や挫折を経験することもあるでしょう。先輩社員との関わり方に戸惑った、プレゼンで思うように伝えることができなかった、取引先とのコミュニケーションをとるのが難しかったなど、社会人ならではの悩みもあるはずです。
失敗、課題をエピソードとして具体的に説明し、どう乗り越え何を学んだかガクチカとしてアピールできます。
働くなかでの挫折は社会人なら一度は経験しているはずです。採用担当者にも伝わりやすいエピソードのひとつですね。
インターンをテーマにしたガクチカの作り方
インターンをテーマにしたガクチカは、このような流れで作成してみましょう。
- 結論|どんなインターンに参加して何を得たか
- 背景・動機|インターンに参加したきっかけ
- 目標・課題|インターンで掲げた目標・課題
- 行動|直面した課題を乗り越えるためにしたこと
- 成果|インターンのなかで得たこと
- 学び・強み|インターンから学び強みになったこと
1.結論|どんなインターンに参加して何を得たか
まずは、インターンに参加し何を得たか、どんな努力をしたのか伝えましょう。
最初に結論を伝え、なぜインターンのなかでそれを努力したのか、努力の結果何を得たのかといった順番で話すことを意識してみてください。
結論ファーストはガクチカに限らず、長所や短所、自己PRなどほかの項目でも使えるエピソードの構成方法です。
結論から伝える例
- 私は◯◯株式会社で3カ月のインターンに参加し、Webマーケティングを学びました
- 私は広告会社で半年間インターンに参加した経験があります
2.背景・動機|インターンに参加したきっかけ
次に、なぜそのインターンに参加したのかを伝えましょう。
「◯◯に興味があった」「自分の実力を発揮できる場が欲しかった」など、背景や動機を簡潔に伝えます。
3.目標・課題|インターンで掲げた目標・課題
インターンに参加して掲げた目標や、立ちはだかった壁である課題を伝えます。例えば「一人でプレゼンをやりきる」「インターンの期間中に5件の新規契約をとる」などです。
目標や課題は、誰が聞いてもわかる想像しやすい内容がおすすめです。エピソードを作成する際は、特定の業界や企業でのみ使用する用語は避け、一般的に伝わりやすい表現を意識しましょう。
4.行動|直面した課題を乗り越えるためにしたこと
「目標・課題」の項目で掲げたことを、どう達成したのか、どう乗り越えたのかを具体的に説明します。ガクチカのなかでも、「どんな行動をとったのか」という点は面接官が特に知りたいことのひとつであり、エピソードの厚みやわかりやすさが重要です。
「頑張った」「努力した」といった抽象的な表現よりも、「マニュアルを読まなくても正確に作業ができるように資料を読み込み暗記した」「アイデアを出す際は必ず2パターン用意した」など、具体的に伝えるほうが、行動の中身をイメージしやすくなります。
5.成果|インターンのなかで得たこと
そして、行動の結果どんな成果を得たのかを伝えます。
必ずしも誰もが驚くような大きな成果、成功を成し遂げたエピソードである必要はありません。大きな成果はエピソードとして充実しやすいですが、うまくいかなかったことでも目標を達成するための努力の過程を伝えられれば、アピールにつながります。
6.学び・強み|インターンから学び強みになったこと
最後に、インターンで努力したことから何を学び、今の自分の強みになったかをまとめます。
学んで得たこと、強みになったことが、企業が求める人物像とマッチすれば、ガクチカを通して自分が魅力的な人物だと伝わるでしょう。
学び・強みの例
- 業務に直接関連するスキル以外にも、コミュニケーションが重要だと知った
- チームワークでは思考の柔軟性が不可欠だった
インターン経験をガクチカにするときのポイント
インターンの経験をガクチカにするときは、2つのポイントを意識してみましょう。
自己PRとの違いを明確にする
ガクチカと自己PRは似ていますが、アピールするポイントが異なります。
ガクチカでは、「学生時代に力を入れた経験」で自分自身の人柄を表したり、働く意欲の根拠としたりしてアピールします。
一方自己PRは、自分のスキルや長所といった能力をアピールします。
こちらの違いを理解して、ガクチカと自己PRを書き分けるようにしましょう。
自己PRの書き方はこちらの記事で紹介しています。
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企業が求める人物像を意識する
企業が求める人物像は、企業の公式Webサイト内にある新卒ページ、就活情報サイトの企業ページなどに記載されていることがあります。選考の前に、企業がどんな人物を求めているのかを把握しておくことが大切です。
自分の特徴と企業が求める人物像はマッチしていれば、企業から見て魅力的な人材だと伝わるでしょう。学生側にとってもマッチ度が高いことのメリットは大きく、働きやすい、成長しやすい環境である可能性が高くなります。
あらためて自己分析を行うことで、自分自身の特徴を振り返りやすくなります。
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インターンをテーマにしたガクチカの例文
ここでは、職種別にインターンの例文を紹介します。
営業職のインターンをガクチカにした例文
私は都内にある◯◯系企業で3カ月間、営業職のインターンに参加しBtoBの営業を経験しました。私は年齢や性別を問わず初対面の人とコミュニケーションをとるのが得意で、営業職にやりがいを感じられると思い挑戦しました。
BtoBの営業は私がイメージしていた業務内容とは異なり、コミュニケーションスキルだけでは乗り越えられないシーンが非常に多かったを覚えています。製品に対する質問をされたとき、私は答えることができず相手に不信感を与えた経験がありました。心のどこかには、インターン生という甘えがあったと自覚しその日から意識を変え、先輩の営業にサポート役として同行し、営業では何を伝えるべきで、相手が何を知りたがっているか、今まで以上に深掘りしました。
そしてインターンが終わる数日前、私は初めて先輩の力を借りることなく新規契約を獲得することができました。
その経験から、営業職にはコミュニケーションスキル以外にも、製品の知識を誰よりも蓄えること、そして製品に愛情をもつことが大切だと学びました。
事務職のインターンをガクチカにした例文
私は夏休みを利用して2カ月間、税理士事務所の事務アシスタントのインターンを経験しました。私は経済学部で高校時代に簿記の資格を取得しており、資格や経験を活かし今後も伸ばせるインターンを選択しました。
書類作成や整理、データ入力、顧客対応など幅広いアシスタント業務を行うなかで、効率性、正確性以外にも、慎重さ気遣い力が大切であることに気づけました。
税理士事務所で働く社員が作成する資料を見て質問をし、どうすれば読みやすくなるのか、ミスを極力ゼロにできるのかを学ぶことができました。インターンではあるものの給与は発生し、ミスは許されず、限られた時間のなかで業務を終わらせる、社会人としてのプレッシャーを感じられたことは、よい経験だったと思います。
2カ月間のインターンで、税務に関連する資料作成スキル、効率性、ミスを軽減する慎重さを培うことができました。
Webマーケティングに関連するインターンをガクチカにした例文
私は3カ月間、株式会社◯◯のWebマーケティング部門のインターンに参加した経験があります。おもな業務は企業が受け持つSNSの運用代行で、企画の考案やデータ分析を行いました。私は個人でSNSのアカウントを運用しており、将来的に今の経験やスキルを活かせる業務に携わりたいと思い、インターンに参加しました。
同じようにインターンに参加した2名とグループを組み「1カ月間でフォロワーを2,000人増やすにはどうすればいいか」をテーマに企画を考案しました。SNSの運用経験をもとに、提案を先輩社員にプレゼンしたところ、個人と企業ではアプローチが異なるという指摘を受け、そこで初めて自分の経験が未熟であると感じました。
グループを組んだインターン生と意見を交わして、その後先輩社員へ提案し、アイデアをさらに練り直すなど、地道な作業を続けていきました。結果として、目標に届かずフォロワー1,500人増に留まりましたが、インターンのなかで未熟さを知ったうえで、自分に足りない企業独自の目線に気づけました。
インターンに尽力し、自分の力量を試せたこと、チームワークの重要さを知れたことは、私の大きな経験となっています。
デザイナーに関連するインターンをガクチカにした例文
私は3カ月間、Webデザインのスキルを活かせる、広告デザインの企業のインターンに参加しました。大学に通いながらWebデザインのスクールにも通っており、得意なこと、好きなことを仕事にしたい思いからインターンを選択しました。
インターン先では、これまでの経験を活かしながらAdobe Photoshopを使用して、実際の企業Webサイトに掲載する広告バナーなどを作成しました。実際の業務であるため、求められるレベルが高いのはもちろん限られた時間のなかで納品することも意識しなければならず、自分にとっては初めての体験でした。
自分にとって満足できたものでも、プロから見ると至らないものもあり先輩社員に迷惑をかけることもありました。しかし、インターンのなかで、Webデザインの基礎、プロとしてのクリエイティブな視点と技術力を身につけられたのはよい経験となりました。
エンジニアに関連するインターンをガクチカにした例文
私は夏休み期間を活用し、スマートフォンアプリの開発に関連するインターンに参加しました。大学入学後に独学でプログラミングを学んだこともあり、未経験でも可能なインターンに応募しました。
同時に参加したインターン生は、講義でプログラミングを経験している学生ばかりで、最初はスキルが追いつかず、わからない用語をその場で聞く、調べることからスタートしました。
インターン生をメインとしたチームを組み案件を任されたとき、私は知識や経験のなさから意見を出せない、周りを頼ってばかりでした。そのような状況のなかでも「一度聞いたら同じことを聞かない」という気持ちを強くもち、少しずつスキルを伸ばしていくことができました。
ほかの学生には知識では及びませんでしたが、リーダー補佐として意見をまとめる、引き出すことができチームワークの重要性も学べよい経験となっています。
インターン以外のことをガクチカにしたいときや、長所・短所、自己PR、志望動機で悩んでいる方は、ユニキャリ公式LINEをチェックしてみてください。ESや履歴書、面接のコツなども紹介しています!
よくある質問
インターンの経験はガクチカのテーマにできますか?
インターンの経験は、ガクチカのテーマとして活用できます。
インターンのなかでも、1カ月以上の長期インターンであれば、学んだことや挫折した経験などを書きやすくなります。
短期インターンでもガクチカにすることはできますか?
短期インターンでも、プログラムで学んだことが充実しており、スキルアップにつながったのであればガクチカにすることも可能です。
ただし、長期インターンと比較して日数が少ないため、アピールできるぶん充実した経験があるか、エピソードにできるかを考える必要があります。
ガクチカはインターン以外のテーマでも、十分アピールにつなげられます。エピソードの作成が難しいときは、講義やゼミなどの学業、アルバイト、サークル活動などをテーマにできるか検討してみてください。
ガクチカの書き方を教えてください
ガクチカを書くときは、このような流れで作成してみましょう。
- 結論
- 背景
- 目標
- 行動
- 成果
- 学び
各ポイントの詳細は「インターンをテーマにしたガクチカの作り方」で解説しています。
ガクチカになるような経験がありません。どうすればいいですか?
インターン以外の、講義、ゼミ、実習などの学業に関連すること、アルバイト、サークル活動、趣味などもガクチカのテーマとして活用できます。
自己分析を振り返り「人より努力した」「よい経験ができた」と思うことを見つけ、ガクチカを作成してみましょう。
インターンと本選考、ガクチカの内容は同じでもいいですか?
インターンと本選考のガクチカは、内容が同じでも問題ありません。また、インターンに参加した企業の本選考でガクチカの内容が同じことも、問題ないでしょう。
インターンで選考した面接官が自分のガクチカを覚えているとは限らないこと、面接官が異なるケースがあるためです。
まったく同じ内容のまま書類に書く、面接で話すよりも、ブラッシュアップできる部分がないかを振り替えってみるのもおすすめです。