成績証明書とは、取得した単位や年度、評価が記載されている書類です。就活の際に企業へ提出する書類のひとつで、学生に卒業の見込みがあるか、学校でどんなことを学んだかを知ることができます
成績証明書は、郵送または手渡しで提出が求められます。書類の発行方法を事前に確認し、スムーズに提出するための準備をしておきましょう。
この記事でわかること
- 成績証明書は学校の窓口、または自動発行機で発行できる
- 成績証明書は、最終面接の前後や内定承諾後のタイミングで求められる
- 成績証明書を郵送する際は折らずに封筒に入れ、添え状を同封する
就活で提出する「成績証明書」とは?
成績証明書とは、学校の成績を証明するための書類です。成績証明書には、取得した単位と年度、評価などが記載されています。
書式は学校によって異なりますが、記載される内容に大きな違いはありません。すべての選考過程で求められるわけではなく、企業により提出の有無やタイミングは異なります。
成績証明書の発行方法
成績証明書の発行方法は学校で異なりますが、以下のいずれかの方法で発行されるのが一般的です。
- 学校の事務や受付で申請して受け取る
- 証明書の自動発行機を利用する
- オンラインで申請後、郵送してもらう
在学中であれば、学校にある事務の窓口や証明書の自動発行機を使用するとスムーズです。
成績証明書の発行には200~1,000円程度の手数料がかかる場合があります。英文の成績証明書の場合、和文の書類と比較して割高になっていることもあります。詳しい発行方法と手数料は、学校の事務の窓口で聞く、もしくは学校のWebサイトで確認してみましょう。
企業に成績証明書を提出するときは、原本を送付します。コピーは書類の改ざんを疑われる可能性があり、誠実さに欠けてしまうため、避けたほうがよいでしょう。
発行手数料が負担になりますが、提出先の企業が複数ある場合でも各企業に原本を提出するのがおすすめです。
いつの成績証明書が必要?
成績証明書は、提出間近の成績が記載されたものを提出しましょう。
成績証明書を発行した際、最新の成績が反映されるしくみです。学生側が、いつの成績証明書を発行するかを指定する必要はありません。
4年制大学であれば、4年生の前期に必要であれば「3年生後期」まで、4年生の後期に必要なら「4年生前期」までの成績が記載されています。
成績証明書が必要なタイミング
企業の指示によりますが、成績証明書を提出するタイミングは、おもに「最終面接の前後」または「内定承諾時」です。
最終面接の前後
まずは、選考の中盤から終盤にかけて提出が求められるパターンです。最終面接の前に書類を入手し、面接での印象とあわせて学校での成績を参考にすることが考えられます。
また、内定を出しても卒業できなければ入社できないため、最終面接の前後で提出を求めることもあります。
内定承諾時
内定承諾時に、内定承諾書とともに成績証明書を提出するケースもあります。
学生が内定を承諾したあと、企業は本格的に新入社員の受け入れ準備を進めていくため、その際に「内定を出した学生が本当に卒業できるのか」と確かめる目的があります。
就活で成績証明書が求められる理由
企業が成績証明書を求める理由として、3つのことが考えられます。
- 卒業見込み者であると確認するため
- 履歴書の内容と一致しているかを確かめるため
- 学生の人柄や興味を知るため
卒業見込み者であると確認するため
採用試験を受けている学生が、卒業見込みであるかを確認するために成績証明書を求めることがあります。
新卒採用として内定を出していても、単位が取得できないなどの理由で卒業できない場合は、採用が難しくなります。「内定を出したのに卒業できなかった」という事態を防ぐために、事前に成績証明書で卒業見込みを把握しておく必要があるのです。
履歴書の内容と一致しているかを確かめるため
提出したエントリーシートや履歴書と、実際の成績に相違がないかを確かめるために、成績証明書の提出を求めることがあります。
エントリーシートや履歴書は学生自身で作成できる書類ですが、成績証明書は学校が発行する書類で改ざんなどはできません。成績証明書は、虚偽がないか確かめる手段として活用できます。
学生の人柄や興味を知るため
成績証明書には、履修した科目や評価、単位の取得状況が記載されています。
これらの情報からどんなことを学んだのかを把握でき、学生の専門分野や興味のあること、人物像を把握するための材料になります。成績証明書の情報をもとに、採用後の配属先を決めるケースもあるようです。
ほかにも、学生が充分な単位を取得しているか、どんな評価を受けているかといった点から、学業へ取り組む姿勢を見ている可能性があります。
成績やGPAは就活の選考に影響する?
学校の成績だけで、採用・不採用が決まるとは考えにくいでしょう。
選考の途中で成績証明書の提出が求められると、単位を落としたことやGPA(学校の成績を数値化したもの)が低いことが選考に影響するのではないかと不安な方は多いでしょう。
しかし、成績証明書はあくまでも判断材料のひとつです。参考程度に見ている企業がほとんどであり、成績証明書に不利な要素があるからといってそれだけで不採用になるとは考えにくいです。
もちろん、成績が優れているほうが相手への印象がプラスになる可能性はあります。
成績証明書の提出方法:郵送の場合
郵送で成績証明書を提出する際は「添え状」を同封して提出するのが一般的です。
成績証明書が封筒に入って厳封されている場合は開封しないようにしましょう。厳封は改ざんを防止するためにされており、開封すると書類が無効になることもあるため、慎重に取り扱う必要があります。
封筒に入れられていない場合は、書類が入るサイズの白色の封筒に入れます。
添え状と封筒に入れた成績証明書をクリアファイルに入れて、この2つを折ることなく入るサイズの封筒で郵送しましょう。茶色の封筒でも問題はありませんが、白い封筒のほうが、清潔感があることに加え、重要な書類であると伝わりやすいです。
成績証明書はA4サイズが一般的です。A4の場合は「角形A4号」の封筒を選びましょう。
封筒の書き方
封筒に書いた文字が消えないよう、黒色の油性ボールペンで書きましょう。
封筒表面には宛先を書き、その左側には赤文字で「成績証明書在中」と添えて封筒の中身が一目でわかるようにします。封筒裏面には、自宅の住所と郵便番号、氏名、学校名と学科名、日付を書きます。
添え状の書き方
成績証明書に同封する添え状は、画像のとおりです。作成する際は、こちらの点に気をつけましょう。
- 日付:郵送の場合はポスト投函日、手渡しは当日の日付を記入
- 企業名・部署名・担当者の名前:企業宛なら「御中」、担当者の場合は「様」をつける
- 自分の情報:自分の氏名と住所、学校名と学部名、電話番号とメールアドレスを記載
- タイトル:「成績証明書の送付」など
- 挨拶:「拝啓」であれば本文の最後に「敬具」を入れる
- 要件:氏名を記載したのち、成績証明書を同封したことを記載。締めの言葉を入れる
- 「記」の下に、同封した書類と部数を記載する
- 「以上」は、これ以降内容が記載されていないことを示す
成績証明書の提出方法:手渡しの場合
面接の際に成績証明書を提出する場合は、封筒や添え状は必要なく、そのまま手渡しをします。
持ち歩く際に折れ曲がったり汚れたりしないよう、クリアファイルや書類ケースに入れておくと安心です。
手渡しをする際は、担当者の前でクリアファイルから出し、相手から読める向きにして両手で渡しましょう。封筒に入っている場合は、開封せずそのまま手渡しをします。
成績証明書が間に合わない場合の対処法
学校によっては、成績証明書の発行に1週間程度時間を要することがあります。提出期限までに入手できない場合は、間に合わないとわかった早い段階で企業の採用担当者に相談し、いつまでに提出できるかを伝えます。
電話で伝えるほうがスムーズではありますが、企業の就業時間を過ぎているときは、まずメールで期限までに成績証明書が提出できないことを連絡し、後日の就業時間中に電話をしましょう。
電話にて「書類の提出は遅れてしまうが、採用試験を受けたい」という意思を伝えるとよいでしょう。
間に合わない趣旨をメールで伝える場合【例文】
以下は、就活中に成績証明書の提出が間に合わないときに送るメールの例文です。
遅れて郵送する際は、添え状の内容にも注意しましょう。
添え状はそのまま利用するのではなく、「今回は、提出期限内に送付できずご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。」などお詫びの一言を添えます。
-
【就活】メールの基本マナーとすぐ書ける例文集【新卒】
面接や会社説明会のお礼や辞退、質問など、就活において企業にメールを送るタイミングは多数あります。メールはただ送ればよいわけではなく、誤字脱字がないこと、簡潔な内容にすることなどコツが必要です。
続きを見る
よくある質問
就活で提出する成績証明書とはどんなものですか?
成績証明書とは、学校が発行する学生の成績を証明するための書類です。
成績証明書には、取得した単位と年度、評価などが記載されています。
就活で必要な成績証明書の提出方法は?
就活で必要な成績証明書は、郵送または手渡しで提出するよう指示されることが多いです。
郵送の場合は添え状を同封します。手渡しで提出する場合は、書類をクリアファイルや書類ケースに入れて、汚れたり折れたりしないよう注意しましょう。面接官から文字が読める向きにして手渡しをします。
成績証明書が封筒に入りません。折ってもいいですか?
成績証明書は折らずに封筒に入れ、郵送するのが望ましいです。
成績証明書がA4サイズであれば、A4の書類が入る「角形A4号」の白色の封筒に入れて送付します。封筒は、コンビニや書店、文房具店などで購入できます。
成績証明書を準備するときの注意点はありますか?
成績証明書はコピーではなく原本を送付します。コピーの書類は改ざんできる可能性があることから、書類に手を加えてないと伝えるために原本を送付しましょう。
厳封された成績証明書の場合、開封をしてはいけません。開封すると、成績証明書が無効になる可能性があるためです。
学校によっては、成績証明書の発行に時間を要することが考えられます。提出が必要になった段階で手続きをするなど、余裕をもって準備しておきましょう。利用する可能性があるときは、複数枚発行しておくと安心です。