SHITATE 60 Leaders - Final Episode

Special Talk

俳優

三浦友和

青山商事
代表取締役

青山理

2025.03.31

SHITATE 60 LEADERSは、
洋服の青山60周年を記念した
オーダースーツ企画です。

「洋服の青山」との出会い

38年前※1に出会った、武将のような存在感を放つ創業者のこと

三浦

創業者である青山五郎さんからお仕事の話をいただいたのは1987年のことです。その時、ちょうどNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」の撮影中で、その話を一緒にしたことをよく覚えています。

青山

今の世代の方々はご存じないかもしれませんが、青山の初代CMキャラクターは俳優の藤岡弘さんで、その次が千葉真一さんでした。三浦さんに決めた理由について先代から聞いた話によれば、以前がどちらもワイルド系の俳優さんだったため、「爽やかにスーツが似合い、当社イメージに合う男前はいないか」という調査をした結果、三浦友和さんしかいない! ということになったそうです。

三浦 友和インタビュー01

三浦

38年前※1、先代と初めてお会いしたのは、ある料亭の座敷でした。同席された社員さん達の中央に座っていらっしゃいました。その頃、出演していた「独眼竜政宗」の影響もあったのか、先代の座っている姿が本物の戦国武将のように見えて、その迫力に強烈な印象を受けました。創業の地である府中や、新社屋を建てられた今の福山本社に伺ったり、折に触れて様々なお話をする機会をいただきました。お付き合いが始まった年を同じくして、青山商事が上場されたこともあり、私にとって1987年は、いろんな意味で記憶に残っている年です。
※1.取材当時

青山

株式上場から4年後の1991年、おかげさまで当社は業界トップとなり、先代が創業当時に掲げた目標である「日本一の洋服店」を達成することができました。
スタートは、商店街にあった自宅の1階を改造した洋品店。その後、高度成長期の中で、クルマ社会の到来にいち早く目を付けた日本初の郊外型紳士服店を出店したことを機に、大きく発展していきました。郊外店で経費を抑え、「より良い物をより安く」お客様に提供。その結果、高い利益率を実現し、各地に次々と出店することができたのです。1987年頃には、郊外店は100店舗を突破していました(※現在、全国685店を展開)。

三浦

本当に驚異的な成長の仕方で、業界の歴史に残る軌跡ですよね。息子である青山社長にとって、先代はどんなお父様でしたか?

三浦 友和インタビュー02

青山

たとえば、趣味について尋ねると一般的には釣りやゴルフなどが多い答えだと思うのですが、私の父に聞くと「趣味は仕事だ!」と返ってきました。「仕事ほど面白いものはないぞ」と、よく言っていましたね。ですから、明けても暮れても仕事、仕事、仕事。物心がつき、父と初めて夕食を一緒に食べた記憶は、中学生の頃だったと思います。仕事が1番、家族は常に2番目でしたね。今の世の中では、ちょっと問題ありのお父さんかもしれませんね(笑) しかし、凄まじい情熱と力で事業をゼロから生み出し、60年も生き残る企業を築いた人間として、心から尊敬しています。

三浦

我々の親世代には、仕事第一の父親が多かったですよね。戦後から高度成長期、そしてオイルショックによる不況という激動の時代の中で、家族を何とか食わせていかなきゃいけない、という気概が大きかったように思います。そうした必死に生きた時代があったからこそ、今があるのだと感じています。

三浦友和×スーツとの関係

俳優にとって、スーツは役作りに不可欠な“仕事着”

青山

三浦さんは、ドラマや映画などでもさまざまなスーツを着ておられますよね。

三浦

俳優という仕事柄、衣装としてスーツを着ることが多いです。演じる役柄の職業や性格、好み、そして時代設定などによって着るスーツもさまざまですが、その役柄の人間性を表現するために非常に重要な要素となります。先日、昭和27年を時代設定とした映画に出演したのですが、まるで小津安二郎監督作品に出てくるようなスーツを青山さんに作っていただきました。テレビや映画で私が着るスーツはすべて「洋服の青山」のもので、今作のように作品の時代背景を反映した洋服を再現していただく依頼にも、いつも快く受けてくださり、感謝しています。

青山

そういったスーツ(衣装)を着こなす際の工夫を教えていただけますか? スーツ屋としてとても興味があります。

三浦 友和インタビュー03

三浦

そうですね、崩れた役の場合、ネクタイを崩したり外したりすることができますが、それ以上に、どのようなものを着るかが重要です。時代によって、デザインだけでなく肩幅や襟の大きさ、ボタンの位置、生地に至るまで違いますよね。最新作の昭和27年を舞台にした作品では時代を考慮して、あえて良い生地を使わないことで、当時のスーツらしいシワが入っています。そうした衣装を着ることで、その役柄の気持ちになっていくことが非常に大事です。そういう意味で、スーツは私たち俳優にとって、必要不可欠な“仕事着”ですね。

時代の流れとビジネスウェアの変化

いつの時代にも大切なこと。スタンダードと“半歩先”の提案

三浦 友和インタビュー04

青山

私が長年、時代の流れとともにスーツを見てきて思うのは、流行がないように見えて、実際にはかなりあるということです。常に細かい部分に変化があります。その流れに一歩進みすぎると格好悪くなり、一歩遅れるとダサくなってしまいます。ですから、『洋服の青山』は、“半歩先”を見据えたスーツを提案する商品づくりを大切にしています。

三浦

流行は大切だけれど、極端に走ってもいけないということですよね。「洋服の青山」に行って一番感じるのは、やはり基本的にスタンダードがあるということです。だから青山のスーツは、翌年も心地よく着られるという安心感があります。1シーズンに5着持っているとしたら、1着くらい流行りのものがあってもいいと思います。しかし、あとの4着はどこへでも着て行けて、心地よくいられることが、とても大切だと思います。

初めてのSHITATEスーツのこと

どんなタイプの人も「SHITATE」スーツで、みんな笑顔に。

青山

今まで数多く「洋服の青山」のスーツを着ていただいていますが、今回、SHITATEのオーダースーツを着られていかがですか?

三浦 友和インタビュー05 三浦 友和インタビュー06

三浦

お世辞抜きで申し上げますが、僕はスーツサイズのAB体型※2が基本的に合っていて、今まで数多く着せていただいた既製スーツも、本当に着心地が良いと感じてきました。 今回、SHITATEオーダーで作っていただくと、すべての部分がぴったりと合った心地よさが、さらにプラスされましたね。
※2. 標準よりややゆったりした体型

三浦 友和インタビュー07

青山

今回のSHITATEスーツですが、どのようなイメージで作られましたか?

三浦 友和インタビュー08

三浦

私は柄物よりも、シンプルでスタンダードな紺色や黒色などの単色系無地が好みです。黒色は少し礼服のイメージもあるので、着ると一番落ち着く紺色の生地を選びました。もちろん、ブラックスーツでビシッと決めるのも嫌いじゃないですけどね。SHITATEでは、紺色系でもさまざまな色合いや質感の生地があって、選んでいて楽しかったです。

青山

スーツは「紺に始まり、紺で終わる」と言われるほど、紺色は奥深い色です。とても清潔感があり、誠実さやインテリジェンスを感じさせる、三浦さんらしい選択だと思います。SHITATEオーダーサービスについて、他に感じられたことがあれば聞かせください。

三浦 友和インタビュー09

三浦

まだ僕が子供の頃、父親がスーツを作った際に、型紙づくりの採寸から始まり、後日仮縫いで再調整を行い、そこから仕立てていくのを見て、スーツを作るのはこんなに面倒なんだなと思った記憶があります。昔はフルオーダーしかなかったからでしょうが、SHITATEはその日に採寸して、生地やボタンなどの細部を自分好みに選んでいくと、簡単に自分の体型に合った、自分好みのスーツが数週間で出来上がるスピード感がいいですね。価格も手頃なものからあって、全国どこでも「洋服の青山」に行けば、気軽にオーダーできるのがとても良かったです。それを若い人たちに、もっと知ってもらいたいですよね。スーツを着ると気持ちも引き締まるので、やはり必要なものだと思います。

青山

ありがとうございます!おかげさまで1着3万円台からオーダーできるため、若い方々にも好評です。一度SHITATEのスーツを着たら、既製スーツには戻れないという声もたくさんいただいており、嬉しく思っています。お客様の体型に合ったスーツの着心地の良さと、ストレスなく動けるパフォーマンス性を感じていただければ、スーツの良さを再認識していただけると確信しています。

三浦 友和インタビュー10

三浦

そうですね。スーツが欲しくて店に行くお客さんは、いろんな人がいると思います。既製スーツのサイズが合わない背が低い人や高い人、痩せている人、または太っている人…。合うサイズがないだけで、お店に入りにくいんです。昔、普通の洋服屋に行くと、僕の背に合うサイズがなかったんです。Lサイズよりも、もう少し大きいサイズでないと合わなくて、買いに行くのが億劫になってしまうんです。そう感じている人は今でもたくさんいるのではないでしょうか。そういう人たちも気軽に入れるようになり、SHITATEで合うスーツを作れるということはとても重要だと思いますね。

三浦 友和インタビュー11

たとえば、さまざまなタイプの人が「洋服の青山」に入って行き、店から出てくると、みんなぴったりな素敵なスーツを着て笑顔になる…そんなCMはどうでしょうか?

三浦 友和インタビュー12

青山

いいですね!CMのアイデアまでいただきました(笑)。

三浦友和さん×洋服の青山、お互いへのメッセージ

変わらず大切なことは、仕事に対する誠実さとお客様からの信頼

青山

この38年間、ずっとお付き合いいただき、イメージキャラクターという枠を超えて、非常に信頼と親しみを感じています。最後に、弊社に一言いただきたいと思います。

三浦 友和インタビュー13

三浦

実は当時お仕事のお話をいただいた頃、結婚して数年経っていたのですが、仕事がうまくいっていない時期で、家を売らなければならないかなと考えることもありました。そんな状況の時にCMキャラクターに起用していただき、それ以来、38年間契約を続けていただいています。家がまだあるのは、青山さんのおかげですね(笑)。こんなに長くキャラクターを務めさせていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

三浦 友和インタビュー14

青山

「洋服の青山と言えば、三浦友和」という切っても切れない関係で、当社の顔とも言える存在です。常に変わらない三浦さんの仕事に対する真摯さと誠実さは、お客様に大きな安心感を伝えていると感じています。 我々も60周年を機に、どんなに時代が変わっても、仕事に対する誠実さやお客様からの信頼が、本質的な価値であることを再認識しています。三浦さんとのご縁をこれからも大切にし、引き続き長いお付き合いをお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

三浦

こちらこそ、今日はありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

三浦 友和インタビュー15

Profile

三浦 友和

1952年1月28日生まれ、山梨県出身。1970年代を代表する俳優として人気を博す。50年にわたる芸歴の中で、多彩な役柄を演じ、「日本アカデミー賞」「ブルーリボン賞」など数多くの賞を受賞。現在も実力派俳優として高い評価を受け続けている。最新作は、「PERFECT DAYS」「さよならのつづき」など

三浦 友和profile
三浦 友和SHITATE着用01 三浦 友和SHITATE着用02

インタビュー:青山 理 採寸スタッフ:小山 史
撮影:KIMU 構成・文:大塚 綾
CD:ジャン 光栄

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