時代の先を行く ニューバリューメーカー。 スーツでも徹底的に 似合うものを選び抜く

Leader

49

Ayako
Nagaya

2025.03.28

SHITATE 60 LEADERSは、
洋服の青山60周年を記念した
オーダースーツ企画です。

Profile

株式会社an 代表取締役
立教大学 経営学部 客員教授

永谷 亜矢子

立教大学を卒業後、リクルートにて営業、企画、編集に携わり、退社後、東京ガールズコレクションの創立時にチーフプロデューサーに就任。同イベントの運営会社F1メディア(現W TOKYO)の代表取締役社長として広告・マーケティング業務にも携わり、2008年に日経ウーマンオブザイヤー2位を受賞。退任後、吉本興業のプロデューサーおよび執行役員として海外及び行政事業、PR統括業務を担当し、2016年株式会社anとして独立。現在、幅広いキャリアを生かし、官民事業のマーケティング ・PRコンサルティングやメディア・イベントなどのプロデュースを担っている。

永谷 亜矢子profile

About Work

仕事について教えてください

前例のない挑戦を。異色のプロデューサー。

大学を出て、株式会社リクルートに入社し、営業と企画、編集業務に8年間携わりました。入社当初、住宅情報事業を担当する部署(現在のSUUMO事業部)に配属され、営業を担当していました。当時、私が担当していた沿線でマンションの建設ラッシュがあり、営業成績でトップを取ったことで、早々に異動でき笑、他部署にて企画や編集に携わることになりました。思い出深い経験は海外旅行情報誌と「エイビーロード」での編集経験です。その情報誌でタイアップ記事をつくっていたのですが、記事の目的は、旅行ツアーへの集客でした。実際、記事によってどれくらいの集客があったか、売り上げとして結果が出ます。毎回、明確な目標があり、それをクリアするためにどうすればいいのか?記事構成を何度も練り直して作り上げていきます。例えば、たった4ページの記事のなかで、どうすれば読者が旅行ツアーに申し込んでくれるのかということを20代後半から突き詰める訓練を続けました。そのときの経験から学んだのは、逆算して思考する力です。この力が後のキャリアで大いに役立ったのではないかと感じています。

永谷 亜矢子インタビュー01

私が編集経験を重ねていたころ、女性雑誌「CanCam」や「ViVi」がそれぞれ毎月、50~60万部ほど売り上げるなど、日本のファッション雑誌は黄金期を迎えていました。ちょうどそのころ、リクルートの先輩から声を掛けられ、携帯のファッションコンテンツやファッションショーの制作に関わリ、その後、東京ガールズコレクション(以下TGC)の立ち上げからチーフプロデューサーとして参加することになりました。当時、雑誌の顔として読者に絶大な影響力のあった専属モデルに、TGCでしか見られないスタイリングの洋服を着てもらうことにチャレンジしたのです。モデルたちの既存イメージと全く違うものを着てもらうことは反発もありました。でもイベントを仕掛ける側としては、TGCだからこそ見せられるスタイルにこだわりたかったのです。

永谷 亜矢子インタビュー02

またTGCでは、ファッションショーでモデルが着ている洋服をその場で携帯から購入できる仕組みを提案し、それがメディアに取り上げられるとともに多くの若者に支持され、世界中から注目される一大ファッションイベントへと成長していきました。業界でも型破りだったことから、苦労も絶えませんでしたが、雑誌で人気のリアルなモデルを見て熱狂する来場者の笑顔を見るとうれしかったですね。その後、ひょんなことで吉本興業で事業をすることになり、全社のPRや海外事業などに携わりました。
現在はこれまでの幅広いキャリアを生かして、民間企業や中央官庁、自治体へのマーケティング、PRコンサルタント、施設やイベントからメディアまでさまざまなプロデュース業を担っています。ほかにも出身大学である立教大学で経営学部の客員教授として教鞭をとるなど、新たな挑戦を続けています。

About Suits

あなたにとってスーツとは?

フォーマルの枠を超え、似合うかどうかがスタイルの本質。

昨日、地方の市長にお会いしてきたのですが、そのときのスタイルは上下スウェット姿でした。それはなぜなのか、理由があります。自然豊かなところを案内いただくということで、歩くことが事前にわかっていたからです。そんなときにいくら市長にお会いするからといってスーツにパンプス姿では歩けないじゃないですか。このようにせっかく正装していっても、相手の方たちに迷惑になるケースもあるわけです。ですから、スーツを含めた服装選びについては、似合うかどうかはもちろん、行く場所に対して適したスタイルを選ぶようにしています。スーツは、字のごとく、サイズが合っているかはもちろん、その人に似合っていることが重要なのではないかと思います。スタイルを通じて、その人全体を表すセンスが見えてくるというか…。

永谷 亜矢子インタビュー03

また、就職活動や社会人一年目のときには皆さん、スーツ姿でよく似た格好をしていますよね。同じように見えるなかでも、もう少しそれぞれの個性が目立つような形でスーツを着られればいいのではないかと思います。最近はヘアスタイルも自由度が上がってきているように思いますが、やはり奇抜なスタイルをすると落とされてしまうのでは?という就活生が多く存在するのも事実です。いずれにしてもスーツの着方に対する汎用性がもう少し広がるといいのではないでしょうか。

Trying On

試着

永谷 亜矢子オーダースーツ試着01 永谷 亜矢子オーダースーツ試着02

About SHITATE

SHITATEの感想は?

永谷 亜矢子試着ディティール 永谷 亜矢子試着ディティール

細部までこだわり抜いた、納得の一着。

永谷 亜矢子インタビュー04

今、ユニセックスのものが増えてきていますが、私自身も今回、メンズスーツで仕立てていただきました。このヘリンボーン柄の生地はあまり手に入らないものなので気に入っています。実はジャケットのボタンは、打ち合わせのときにかなり迷いました。生地がしっかりと主張したものだったので、当初ボタンは水牛の角でできたグレーのものを選んでいました。でも、打ち合わせが終わるギリギリで、「ここまでこだわったのだから、ボタンもシルバーの目立つものでもいいのでは!?」と思い、メタルのシルバーボタンを選びました。完成したスーツを試着してみると、このボタンにして良かったと思いました。

永谷 亜矢子インタビュー05

スーツは本来、セットアップで着るものかもしれません。でもジャケットだけでも使える、パンツだけでも使える…そんな概念があったほうがいろいろなスタイルで着られるのではないでしょうか。私もセットアップで着るのはもちろん、ジャケットだけで着るというようないろいろなスタイルで楽しみたいと思います。

永谷 亜矢子インタビュー06

時代の先を行くニューバリューメーカー。 スーツでも徹底的に似合うものを選び抜く

永谷 亜矢子SHITATE着用01 永谷 亜矢子SHITATE着用02

フォーマル度 : ★★★☆☆

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【永谷亜矢子 著書の紹介】

永谷 亜矢子インタビュー07

営業、編集、PR、プロモーション、社長業に大学教授。リクルートで、東京ガールズコレクションで、よしもと他で鍛え上げた“叩き上げのマーケ脳“を持つ永谷亜矢子が初めて書き下ろした観光業界のリアルを描いた衝撃作。 「日本の観光業界は、こうなっていたのか!」
全国の書店、WEBで発売中

洋服の青山の印象を教えてください

Aoyama
impression

東京ガールズコレクションのタイアップで身近な存在

2005年から2011年まで東京ガールズコレクションの運営に携わっている間、「洋服の青山」の運営会社である、青山商事本社にはよく伺っていました。イベントでずっと協賛していただいていたこともあり、ご縁がある会社です。
なかでも一番印象に残っているのは、2008年に東京の代々木体育館で開催された「東京ガールズコレクション(TGC)2008A/W」です。ブサイクからスーパー・ハンサムへと変身できるハンサム・スーツを販売する店舗として『洋服の青山』が登場した映画「ハンサム★スーツ」とのコラボレーション企画がありました。その映画で出演されていた谷原章介さんや北川景子さんがTGCで登場され、すごく華やかだったのを今でも覚えています。

インタビュー:小野 一樹
撮影:KIMU 構成・文:松葉 紀子
CD:ジャン 光栄

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