40代後半でトップクラスを 維持し続ける驚異の競輪選手 人前で見られるスーツは、 着心地も大事にしたい

Leader

46

Shintaro
Sato

2025.02.12

SHITATE 60 LEADERSは、
洋服の青山60周年を記念した
オーダースーツ企画です。

Profile

日本競輪選手会

佐藤 慎太郎

日本競輪選手会福島支部、日本競輪学校第78期生。二度目の受験で競輪学校に合格し、1996年にデビューした。獲得したタイトルは、読売新聞社杯全日本選抜競輪、共同通信社杯、ふるさとダービー、競輪グランプリ。2023年は日本選手権競輪の決勝3着のほか、高松宮記念杯競輪、寛仁親王牌競輪で2着と好成績を収め、年間獲得賞金額で4位に入り、5年連続で競輪グランプリ出場となった。

佐藤 慎太郎profile

About Work

仕事について教えてください

佐藤 慎太郎インタビュー01

年齢を重ねた今だからこそ、競輪への情熱がより熱いものに

大手企業勤めで堅い仕事をしていた父親が競輪や競馬が好きで、幼いころから一緒にレースを見ていました。競輪選手は、「たった3分で何千万円も稼げる」と聞いたときには驚きましたね。当時、父親から自分の実力次第で稼げる仕事についた方がいいと言われたこともあり、競輪選手という職業を中学のときから意識していました。ですから高校進学のときには、自転車競技部がある高校を選択したのです。

佐藤 慎太郎インタビュー02

もちろんプロの道に進むことは簡単なことではない、というのはわかっていました。当時、競輪選手養成所に入るためには75人の定員数に対して、1000~2000人の応募がありましたからね。そうした厳しい現実を知りつつも、自転車競技部がある高校を受験しました。高校3年生のときには大学から推薦枠で入らないか?と声をかけていただきました。でも高校のときに県で二位、全国大会でも入賞した経験があったので、プロに挑戦したくて、19歳のときに養成所に入りました。そこでルールや関係法規などを1年間学び、デビューする流れになったのです。

佐藤 慎太郎インタビュー03

そして26歳のときに「全日本選抜競輪G1」で優勝、43歳で「KEIRINグランプリ」で優勝しました。プロ選手29年目の今(2024年10月取材時)は、S級S班に所属しています。このランクは全国で2200人ほどの選手がいる中で9人だけが入れる枠です。ちなみにランクは、グレードレースと呼ばれる特別競輪が年に6回あり、そのときの成績次第で決まります。それに年に一度開催される日本の頂点を決めるグランプリレースに出場できるかどうかにも影響するのです。

佐藤 慎太郎インタビュー04

これまで数々のレースを経験してきましたが、一番印象に残っているのは31歳の春です。
落車して足首を負傷。2~3カ月休まざるを得ない状態になりました。足をけがしたときには、自分の中でこのままのランキングをキープできるか、それとも徐々に落ちていくか…。まだ若かったので、やめようとまではいかないけれど、心が折れかけていたのは事実です。そうしたときにファンの方から「もう一度、グレードレースで走れるように頑張ってくれ」という手紙を受け取りました。その手紙を見た瞬間、自分がこのままキープか、落ちていくかと考えていたのが申し訳なくなりました。そこで奮起して、福井県で行われたG3レースで優勝できたときには上位に戻れたことでほっとしました。それと同時に、もう一度、前を向いて走りたい、応援してくれるファンのためにも頑張りたい気持ちを再認識したのです。

佐藤 慎太郎インタビュー05

競輪選手の仕事は、レースというよりは毎日の練習にあります。レースは日ごろの練習の成果を見せる場所です。レースで勝つためには日々の厳しいトレーニングをこなさなければならず、自分の気持ちに負けそうになったことは何度もあります。でも今40代後半になって競輪への情熱が再び燃え上がっています。ろうそくの火が消える瞬間に、ふっと大きく燃え上がるような感じです。“あと何年現役として走れるだろうか”と考えながら、年6回しかないG1のグレードレースで勝つことを最大の目標にして練習しています。毎日の練習を逃げずに取り組み、心の面で負けなければ、上位に必ず入れると思っています。自分はどこまでやれるのか、どこが限界なのかを見極めるのを楽しみながら、これからも走り続けていきます。

佐藤 慎太郎インタビュー06

About Suits

あなたにとってスーツとは?

佐藤 慎太郎インタビュー07

人前に出るようになって、ビシッとしたいと思いが変わった

デビュー戦から競技場には常にスーツで出向いていました。でも初めて選んだスーツは憧れだったイギリスブランドで細身のものを選んだせいか、どうしても窮屈で仕方がありませんでした。それもあって、スーツに対してあまりいいイメージがなかったというのが正直なところです。でもそれが変わったのは、選手として上位にランクインし始めたころでした。

佐藤 慎太郎インタビュー08

表彰されたり、お客様を招待してパーティーを開いたり、いろいろな人たちと交流するようになってからです。当時はまだ既製品のスーツを着ていたので、デザイン云々よりもサイズが合うものしか選べず、デザインや自分の好みで選ぶ余地がありませんでしたね。でもオーダースーツなら、自分の身体に合ったサイズのものだけでなく、自分の好みやそのときに流行っているデザインなどを取り入れられる。これはいいなと思うようになりました。特にグランプリレースに出るときには、前夜祭や記者会見があって人に見られる機会が増えます。ですから、今でも年間3~4着は仕立てていますね。

佐藤 慎太郎インタビュー09

ちなみに夏場の暑いときにはカジュアルなスタイルで行くときもありますが、やはり人前に出るときにはスーツでビシッとしたいという心持ちです。競輪選手としてトレーニングを日々積んでいると、サイズがどんどん変わります。それもあって毎回仕立てるときには採寸します。

Trying On

試着

佐藤 慎太郎オーダースーツ試着01 佐藤 慎太郎オーダースーツ試着02 佐藤 慎太郎オーダースーツ試着03

About SHITATE

SHITATEの感想は?

佐藤 慎太郎試着ディティール 佐藤 慎太郎試着ディティール

生地の種類も豊富で、これからスーツを仕立てるのが楽しみに

佐藤 慎太郎インタビュー10

今回、選んだ生地の柄は珍しいです。いろいろとアドバイスをいただきながら作ったので、センスがいいですね。私は寒い時期には、今回のようにスリーピースのスーツを好んで着ます。コートを着ると重くなるじゃないですか。しっかりとした生地でスリーピースを作ってもらえば、コートなしでも暖かいですから。SHITATEで作っていただいたスーツは質感もいいですし、何度も使えそうなのでうれしいです。たくさんスーツを持っていても、お気に入りのものばかり着てしまいがちですが、このスーツもそうなってくれそうです。そういえば、既製品のスーツを着ていたころ、胸の厚みと背中の広背筋が発達しているためか、腕が動かしにくいことも。それが今回仕立てていただいたスーツでは一切なく、本当に着心地が良くてうれしいです。

佐藤 慎太郎インタビュー11

普段のスーツは単色の生地を選ぶことが多いのですが、「洋服の青山」では生地のバリエーションが多かったことにも驚きました。私たちのような競輪選手は特殊な体形です。足の筋肉が異常に発達していますから。でもSHITATEならリーズナブルな価格帯で自分にフィットしたものが手に入れられる。物価が上がっているこの世の中で、リーズナブルな価格で提供されているのは、若者にとっても夢がありますね。

佐藤 慎太郎インタビュー12

40代後半でトップクラスを維持し続ける驚異の競輪選手 人前で見られるスーツは、着心地も大事にしたい

佐藤 慎太郎SHITATE着用01 佐藤 慎太郎SHITATE着用02

フォーマル度 : ★★★★★

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佐藤 慎太郎インタビュー13 佐藤 慎太郎インタビュー14

洋服の青山の印象を教えてください

Aoyama
impression

全国どこでもあるから、突然の入り用でも対応できるスーツがある店

初めて「洋服の青山」を訪れたのは突然のことでした。知り合いのお通夜に行くことになり、フォーマルなスーツが必要になったからです。
以前から看板を見かけていたこともあり、全国どこででもあるというイメージがあったのですが、式場近くにあり、駆け込みました。この取材の依頼をいただくまで、正直、オーダーができるというのは知りませんでした。2019年に一部の店舗から始まり、2024年には全国でオーダーができることになったというのはいいですね。これからも「洋服の青山」でスーツを買うのが楽しみです。

Material

今回チョイスした生地

Brand

カノニコ

カノニコ(イタリア)

1936年、イタリア・ビエラ地区にて創業した名門ミル。原毛を直輸入し、最新鋭の紡績機器を使用して生地まで生産しています。艶やかで柔らかい手触りが特徴で、高品質かつコストパフォーマンスの高さから世界的に高い評価を得ています。

21マイクロンのスポーティーなルックスの起毛素材

21 μ MOULINE' SAXONY

佐藤 慎太郎生地

ブランド:CANONICO
着用シーズン:秋冬
色:グレー
柄:オルタネイトストライプ
素材:W100%

21マイクロンシリーズの新商品で起毛素材(サキソニー)で、杢糸使いで、スポーティーなルックスに仕上がっており、ハウンド・トゥース、プリンス・オブ・ウェールズやブラウン、グレー、ブルー系のチェックなどのファンシーなスーツのレンジとなっております。

インタビュー:平田 貴士 採寸スタッフ:丸山 陽一
撮影:KIMU 構成・文:松葉 紀子
CD:ジャン 光栄

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