子育ての未来を刷新する、 社会起業家。 スーツは多様性を表す 表現方法の一つ

Leader

24

Hiroki
Komazaki

2024.07.03

SHITATE 60 LEADERSは、
洋服の青山60周年を記念した
オーダースーツ企画です。

Profile

認定NPO法人フローレンス
会長

駒崎 弘樹

慶應義塾大学在学中に学生ITベンチャー経営者として、さまざまな技術を事業化。卒業後、2004年にNPO法人フローレンスを設立。2005年日本初の「共済型・訪問型」病児保育を開始。2010年から待機児童問題解決のため「おうち保育園」開始。のちに小規模認可保育所として政策化。2014年、障害児保育園ヘレンを開園。2015年には障害児訪問保育アニーを開始。その他赤ちゃん縁組事業、こども宅食事業などを行う。厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長、こども家庭庁「子ども・子育て支援等分科会」委員、「こども誰でも通園制度に関する検討会」委員などを務める。

駒崎弘樹profile

About Work

仕事について教えてください

駒崎弘樹インタビュー01

親だけでなく、社会がともに子育てする世の中を目指す

今、日本で暮らす子どもたちは危機に直面しています。それは子どもが育てづらい環境になっていることと、子育てにひと昔よりもお金がかかるようになっていることが理由に挙げられます。実際、子どもへの虐待の数は右肩上がりに増加していますし、不登校の子どもの数は過去最高です。さらに残念なことに、日本における一人親の家庭は、先進国の中でも最も貧困であるという調査結果も出ています。このような社会的な要因で日本では子どもたちの数がどんどん減っています。こうした状況をどうにか改善したいという思いに突き動かされて、私たちは日々、活動しています。

駒崎弘樹インタビュー02

私たちフローレンスは、未来を担うこどもたちを社会で育むために事業開発から政策提言、文化創造の3つの軸で、社会課題解決および価値創造を行っている国内最大規模のNPO法人です。2004年に日本初の訪問型・共済型病児保育事業団体として設立し、ひとり親支援や子どもの貧困防止、子どもの虐待や親子の孤立防止、障害児家庭支援など、日本の子ども・子育ての領域で幅広い活動を行っています。2015年度には「小規模認可保育所」として国策化された「おうち保育園」をはじめとする保育事業、障害児家庭に保育や支援を届ける「フローレンスの障害児保育・支援」、子どもの虐待問題解決のため「フローレンスのにんしん相談」「赤ちゃん縁組」、子どもの貧困を支援する「こども宅食」などの取り組みを全国に広め、たくさんの仲間とともに社会で「新しいあたりまえ」をつくることを目指しているところです。

駒崎弘樹インタビュー03

今の社会では親御さん、特に母親に対して「良き母親であれ。完璧であれ。」という社会的な圧力がかかっているように感じています。例えば、子どもを預けて飲み会に行くと、「お子さんはどうしているの?」と聞かれることが多いじゃないですか。一方で父親が飲み会に参加したとしても同じ質問はされませんよね。子育ては母親の役割という固定概念があるせいか、母親はプレッシャーを受けるケースが多いのです。それに周囲からの意見を自分の中に一生懸命取り入れようと、「お弁当を作らなきゃ。どうせ作るならキャラ弁にしなくちゃ」などのように自分の中での育児のハードルを上げてしまい、負担が大きくなっていきます。完璧な母親なんていないし、社会にもっと助けてほしいと言っていいと思うのです。ですからフローレンスは親だけでなく、社会と共に子育てをしていきましょうと投げかけています。

About Suits

あなたにとってスーツとは?

駒崎弘樹インタビュー04

反骨精神の表現方法として、あえてカジュアルを選択していた

大学在学中からITベンチャーを経営していて、卒業と同時にフローレンスを立ち上げました。そういう経緯から私はずっとスタートアップの文化圏に属していました。服装についてもあえてスーツは着ない、ネクタイをしないというのが定番。フォーマルな場でもなるべくカジュアルで行くのがカッコイイという考え方でした。今でも記者会見や講演会のようなフォーマルな場でもスーツではなく、セットアップを選ぶことが多いです。

駒崎弘樹インタビュー05

というのも、スーツに対して、“企業の制服”というイメージがあったからです。自由がなく、押し付けられて着ているもの…。でも今回、インタビューを受けるにあたって違う景色が見えてきました。それは近年、スーツへの考え方が変わってきているのではないかということです。スーツを好きで着ている人が増えてきて、多様性を表す自己表現の一つになってきたと気が付いたのです。スーツをこれまでのように肩肘をはって、スーツ族に気おくれしないために着るのではなく、純粋におしゃれを楽しむために着るようになったのではないでしょうか。つまり、会社や組織から押し付けられて着るのではなく、着たいから着るというようなスタイルを私も40代に突入した今、選んでいきたいと思うようになりました。

駒崎弘樹インタビュー06 駒崎弘樹インタビュー07

Trying On

試着

駒崎弘樹オーダースーツ試着01 駒崎弘樹オーダースーツ試着02 駒崎弘樹オーダースーツ試着03

About SHITATE

SHITATEの感想は?

駒崎弘樹試着ディティール 駒崎弘樹試着ディティール

仕立て経験は初。作っていくプロセスも楽しめた

駒崎弘樹インタビュー08

初めての経験だったので、作っていくプロセスそのものが楽しかったです。いつも服を選ぶときには三秒くらいで「これ!」と即決するのですが、今回、思いを込めながら選んでいくのは新鮮でしたし、素晴らしい体験でした。裏地はこれにしようとか、丈の長さはこれくらいでとか、1つ1つ思いを込めて作り上げていくので、完成が待ち遠しく、ひときわ愛着が持てるのがオーダースーツなのだと想像できました。

駒崎弘樹インタビュー09

また、せっかくオーダースーツを作るなら、子どもの入学式や成人式などのように家族の人生の節目で子どもと一緒にオーダーするのもいいのかもしれませんね。これまでオーダースーツはすごく高かったので、普通の人にはなかなか手が出しづらいという印象でした。本当に服装にこだわりがある一部の人たちができる特権のような…。でもSHITATEの価格帯は、ちょっと頑張れば手が伸ばせそうです。そして今日、実際、仕上がったものを着てみると、唯一無二の特別な感じがします。これまで裏地について一度も気にしたことがありませんでした。でも今回、シックで華やかな柄を選び、隠れたディティールまでこだわれたので満足です。記念日にちょっといいレストランに行くときなどに、自分の身体にピッタリと合ったスーツを着ていく。思い出を共有するアイテムの一つになる…。そんな文化が根付いていけば、すてきでしょうね。

駒崎弘樹インタビュー10 駒崎弘樹インタビュー11

子育ての未来を刷新する、社会起業家。
スーツは多様性を表す表現方法の一つ

駒崎弘樹SHITATE着用01

認定NPO法人フローレンスの行事にて

駒崎弘樹SHITATE着用02

認定NPO法人フローレンスの行事にて

駒崎弘樹SHITATE着用03

フォーマル度 : ★★★★★

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洋服の青山の印象を教えてください

Aoyama
impression

高い年齢層向けのスーツというイメージがいい意味で覆された

「SUIT SQUARE(スーツスクエア)」では、セットアップと合わせるシャツを頻繁に購入させていただいています。しかし一方で、「洋服の青山」には足を運んだことがありませんでした。というのも正直に言うと、少し年齢層が高めの方たちを対象にしたビジネススーツを販売しているお店というイメージがあったからです。でも今回、『SHITATE』を利用させていただき、ガラリとイメージが変わりました。新卒のフレッシャーズの方たちから年齢層の高い人たちまで、さまざまな幅広い層が愛用できるスーツを手に入れられる場所というのを知ることができ、良かったです。

Material

今回チョイスした生地

Brand

レダ

レダ(イタリア)

1865年、イタリア・ビエラ地区ヴァレモッソにて創業の名門服地メーカー。原料となる羊の飼育から生地の完成まで全ての工程を徹底管理しています。老舗ブランドならではの蓄積された知識を活かし、最先端の技術力で高品質な生地を生み出し続けています。

高級原料独特の艶と柔らかな風合い

MAIOR Super150's

駒崎弘樹生地

着用シーズン :オールシーズン
色:ライト・グレー
柄:オルタネイトストライプ
素材:W100%

SUPER150’Sの2/2綾組織。高級原料独特の艶と柔らかな風合いはオーダー業界で大人気です。繊細な組織違いのオルタネートストライプと定番のヘリンボーン柄を揃えました

インタビュー:小野 一樹
撮影:KIMU 構成・文:松葉 紀子
CD:ジャン 光栄

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