ブランディングのプロが選ぶ 自己表現としてのスーツ

Leader

23

Masaya
Yomaru

2024.06.26

SHITATE 60 LEADERSは、
洋服の青山60周年を記念した
オーダースーツ企画です。

Profile

ウェリズム株式会社
CEO / Branding Partner

用丸 雅也

東京大学法学部卒業後、株式会社電通に入社。クリエイティブ局に所属し、大企業やスタートアップ、国民的アーティストのブランディングディレクターを務める。その後、サステナビリティを主軸においたブランディング支援や電通の事業開発に従事。国内外のクリエーティブアワードを、最高賞を含め10以上受賞。若者インサイトの専門家としても活動し、メディアへの出演・寄稿は100を超える。2023年、電通を退社し、ブランディングブティック ウェリズム株式会社を創業。

用丸雅也profile

フォーマル度 : ★★☆☆☆

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About Work

仕事について教えてください

用丸雅也インタビュー01

砂漠でも暗闇でも前に進む原動力をつくる。それが私たちのブランディング

ウェリズムでは、企業やアーティストといったクライアントの悩みに応じて、さまざまな強みを持つクリエイターでチームを組み、ブランドの思想を改めて言語化するところから始まり、それをベースにWEBや映像やイベント、時には社内制度開発などといった手法を通してブランド資産を蓄積していくためのブランディング支援を行っています。クリエイターとひと言に言っても、いろいろなタイプがいます。例えば、デザインが得意な人もいれば、キャッチコピーづくりが得意な人もいます。僕は前職時代から、クライアントに寄り添い、ブランドの資産を丁寧に作り上げていくことを得意としてきました。いっときは話題になるけれど賞味期限の短いものを生み出すのではなく、ファンや当事者含め関係者全員が中長期で情熱を燃やしていけるような、ブランドのモメンタムを生み出すブランディング支援を目指していたのです。ブランディングは、時間軸でいうと長期的なメリットが大きいですが、短期的にすぐに利益が向上するわけではないかもしれません。損益計算書(PL)だけを見つめると勇気がいるかもしれませんが、たとえそれが49対51の比率でも、目の前の利益よりも長期のブランドビジョンを追求する背中を押していく。中長期で考えたら、それこそがブランドや事業、組織の成長において大切だと考えています。

用丸雅也インタビュー02 用丸雅也インタビュー03

先ほどお客様のことをクライアント、という呼び方をしましたが、クライアントというよりもパートナーとして向き合うことを大切にしています。お客様対応をしようとすると、お客様にとって耳心地のいいことを言ってしまいがちじゃないですか。でもパートナーとして向き合った瞬間にどうなるのか。耳が痛いことも含めて、長期を見据えて話をすることができる関係になる。ブランディングに正解はないのですが、ブランディングの巧拙によって、コミュニケーションやマーケティングの効率は100倍も1000倍も変わります。ブランディングには正解はなく、スタンスしかない世界なので、アウトサイダーや第三者としての世の中視点を持ちながらも、クライアントと同じ感情・目線に立って進めることが大切です。また、仕事は始めから面白い顔つきをしているのではなく、愛して、面白くしていくもの。ウェリズムでは積極的なアウトバウンド営業はかけておらず、基本的にご紹介やお問い合わせいただいた案件のみお受けしているので、頼んでくださった方の愛に対して報いたいという思いも強く、仕事を通じて以前よりも幸せを感じられるようになりましたね。

用丸雅也インタビュー04

僕らは「スピードよりもリズムを。ロジックよりマジックを。」というスローガンを掲げ、パートナー企業単体の急成長だけではなく、企業や行政、環境や将来世代、ステークホルダーなどのような多くの人を巻き込みながら、いいリズムでより善き未来をつくること、みんなで追いかけたくなる未来を描いていくことを目指しています。

About Suits

あなたにとってスーツとは?

用丸雅也インタビュー05

会社員クリエイター時代はあえてカジュアル。でも今は変わった

ファッションは意思表明というか、スタンスがあって選ぶものと捉えています。例えば、ヒップホップカルチャーの方たちは服装選びにおいても意思が感じられますよね。では、20代の頃の自分はどうだったかというと…。クリエーティブ職だからこそあえてスーツは着ないという選択をしていました。服装で自分のスタンスを出す、個性を出すにはスーツではないと当時は考えていました。また、起業したばかりのころは洗濯できて便利な既製品のスーツを買ったのですが、どこかしっくりきませんでした。

用丸雅也インタビュー06 用丸雅也インタビュー07

そのころ、バーで知り合った方がテーラーだとわかり、話の流れでスーツを仕立ててもらうことになったのですが、オーダーメードの良さにびっくり。気分が上がるし、背筋も伸びる。不思議と、自分の中のいい意味で怠惰なものがなくなる気がしてからスーツが好きになりましたね。30代になった今、むしろオーダーメードで自由に表現できるスーツこそ、クリエイティブな衣服だと感じており、積極的に着用しています。

用丸雅也インタビュー08

Trying On

試着

用丸雅也オーダースーツ試着01 用丸雅也オーダースーツ試着02 用丸雅也オーダースーツ試着03

About SHITATE

SHITATEの感想は?

用丸雅也試着ディティール 用丸雅也試着ディティール

オンオフどちらでも活躍するスーツ。作っていくプロセスも楽しめた

用丸雅也インタビュー09

今までシングルのスーツしかつくったことがなかったのですが、カジュアルシーンでもビジネスシーンでも活用できるようなダブルのスーツをつくらせていただきました。仕立てていただいたジャケットは、通常、ジャケットブレザーで使うボタンをあえてセレクト。最近、着ているスーツはほぼオーダーメイドですが、無地が多かったので、千鳥格子の柄で複雑なディティールにこだわったのは初めてです。このスーツのつやは、LONDON SHRUNKと言う最高ランクの仕上げ加工をしたものらしく、仕上がりがかなり美しくて気に入りましたね。最近、自分の身体にフィットしたものが一番洗練して見えると思うので、スーツは必ずオーダーでつくるようになりました。以前はゆったりとしたオーバーサイジングな服装が好みでしたが、年齢を重ねるごとに既製品ではなく、オーダーメードの衣服を着用する喜びを感じるようになっています。

用丸雅也インタビュー10 用丸雅也インタビュー11

ブランディングのプロが選ぶ
自己表現としてのスーツ

用丸雅也SHITATE着用01 用丸雅也SHITATE着用02

フォーマル度 : ★★★☆☆

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洋服の青山の印象を教えてください

Aoyama
impression

人生の転機に必ず、訪れてスーツを手に入れる場所

大学受験を終え、入学式に向けてスーツを購入した18歳の春。それが初めてスーツとの出会いであり、洋服の青山との出会いでした。実家の近くにも店舗があり、スーツといえば、「洋服の青山」というイメージがあり、人生の転機を迎えたときには必ず訪ねるお店ですね。友人の結婚式に「SUIT COMPANY(スーツカンパニー)」でスーツを購入させていただいたことも…。そういう意味では長いお付き合いをさせていただいています。

Material

今回チョイスした生地

ハリが有りながらもソフトな風合い

LONDON SHRUNK

用丸雅也生地

ブランド:MARLING&EVANS
着用シーズン:オールシーズン
色:ブルー
柄:ハウンドトゥース
素材:W100%

英国素材の生産の聖地であるHuddersfield。そこで伝統に裏付けされた最新の技術を有するフィニシャーで、London Shrunkは、特別でユニークな工程を経て MARLING&EVANSの管理のもと生地が生産されています。100年前 Londonのテーラーがスーツを作る際に、最高の生地のコンディションを求めたことから、工夫を重ね、ハリが有りながらもソフトな風合いを可能にしています。

インタビュー:尚 貴範 採寸スタッフ:冨木 聡
撮影:KIMU 構成・文:松葉 紀子
CD:ジャン 光栄

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