共感と理解の装い、 民族紛争に 光をもたらすスーツ

Leader

22

Akiko
Horiba

2024.06.19

SHITATE 60 LEADERSは、
洋服の青山60周年を記念した
オーダースーツ企画です。

Profile

一般財団法人MRAハウス
理事

堀場 明子

上智大学大学院外国語学研究科で博士号(地域研究)を取得。インドネシアをはじめとする東南アジア各地の紛争地で現地調査に従事。衆議院議員の政策秘書などを経て2015年3月より笹川平和財団の主任研究員に。タイ深南部紛争の平和構築活動、アジアの女性政治リーダーの育成に注力。一般財団法人MRAハウスで理事も務める。

堀場明子profile

About Work

仕事について教えてください

堀場明子インタビュー01

民族紛争の解決を目指すのがライフワーク

“民族浄化”の名のもとに紛争が起こり、行き場を失い難民となった人たちを高校時代にテレビで観ることがありました。学校で民族・宗教紛争について学ぶ機会があるたび、「自分にできることはないのか?」と考えるように…。難民を支援するという話はよく聞くのですが、私は難民が出てしまう紛争の原因を突き止め、それを解決しないといけないという考えに至ったわけです。もちろん、政治や宗教が複雑に絡んでいることから簡単に解決できることではないというのは分かっています。ですから、紛争が起こる背景を理解するためにも宗教について大学院で学び、土台となる知識を身につけました。

堀場明子インタビュー02

世界で起こる紛争の原因は、政治や権力闘争が原因であることが多いのですが、紛争が激化していくときには宗教が旗印に掲げられてしまうこともあって…。一方、日本では大みそかにお寺に除夜の鐘を聞きに行き、元旦には神社に詣でる。日本人は宗教に対してニュートラルじゃないですか。世界を見渡してもこんな風に柔軟に受け入れる民族は珍しい。そういう立ち位置でいられる日本人だからこそ、民族紛争の仲介として最適ではないかと。それにまったく異なるように見える宗教でも共通点は必ずあるので、知識を活かして相手と相互理解をしながら少しずつ信頼関係を築き、紛争を解決するための道筋を探っています。

堀場明子インタビュー03

現在、携わっている平和活動の一部を具体的にご紹介しましょう。例えば、タイ南部の武装勢力に対する意識改革を促す活動です。スペインのバスク地方で分離独立運動があり、ETAという組織はテロ組織とみなされていました。しかし2011年には武器を置いて政治活動を行うように変わりました。この事例は別の紛争を解決するためにも好例です。そこでタイ南部の武装勢力の幹部達をバスクに連れていき、暴力ではない方法で解決する術を学んでいただく機会を設けたりしています。
私は笹川平和財団の主任研究員であるとともに、「一般財団法人MRAハウス」の理事に就任しました。世界の平和と人類の融合というMRAの理念をベースに、アジアで活躍する次世代の育成にも力を入れているところです。

About Suits

あなたにとってスーツとは?

堀場明子インタビュー04

世界中を飛び回るからこそ、機能性を重視

月1~2回のペースで世界各地を飛び回っています。飛行機移動が多く、身体への負担も大きいのですが、4歳から始めたクラシックバレエを月1、2回のペースで行って、ケアをするようにしています。スーツをはじめ、着るものはスーツケースにくるくるっとまとめて入れてもしわになりにくくて、機能性の高いものを選ぶことが多いですね。時には季節が真逆のところに次から次へと移動することも。ですから、かさばらない、しわにならない、ジャブジャブと洗えて清潔感を保つことができるのが何よりも重要です。

堀場明子インタビュー05

基本的に紺色が好きなので、スーツだけでなく、普段の洋服も無意識のうちに紺色を選ぶことが多いですね。以前、カラー診断をしてもらったときに紺色が似合う色であることが判明。そのお墨付きをもらってからは確信を持って選ぶようになりました。オーダースーツは過去に一度だけ仕立てたことが…。議員秘書をしていた時代、友人から「実はそんなに高くないよ」と言われたのでパンツスーツを仕立てました。でもパンツの場合には身体のラインがはっきりと出ます。ストレッチがかかっていない生地で仕立てると、シルエットは確かにキレイ。でも年齢を重ねていくと身体のラインが気になるのですよね。ですからせっかく仕立てていただいたのにあまり着ていません。今回はそのことも考慮して、少しゆとりを持って仕立てていただくことにしました。

Trying On

試着

堀場明子オーダースーツ試着01

About SHITATE

SHITATEの感想は?

堀場明子試着ディティール 堀場明子試着ディティール

コーディネートの幅の広がるノーカラーをチョイス

堀場明子インタビュー06

プレゼンやミーティングなど、人前に出て話をする機会も多いので「SHITATE」を通じてスーツが増えるのはありがたいことです。仕立てていただくにあたり、移動する際にしわになりにくく、快適なものを選ぶようにしました。公の場でも海外の要人たちは案外、フォーマルな装いではないことが多くて…。私もワンピースにジャケットというスタイルが多いのですが、スカートスーツならインナーさえ変えれば、いろいろなクロスコーデができそうで助かります。今回、ジャケットにダーツを入れてもらって少しくびれをつけることで、全体のシルエットが柔らかい印象になりました。裏地はアースカラーのクレージュをチョイス。細かなところでいろいろとアドバイスしてもらいながら、選べたのは楽しかったです。

堀場明子インタビュー07

普段の洋服を含めて、スッキリしたデザインのものが好きなのでジャケットは、ノーカラーのものに。それに合わせてジャケットのポケットもふたのないものにしました。シャツを華やかなものにしたり、ハイネックを選んだり…。インナーを変えれば、まったく異なる印象になる。会談した方たちとの記念撮影をする機会も多いので、同じスーツでもいろいろなコーディネートができそうです。

堀場明子インタビュー08

共感と理解の装い、
民族紛争に光をもたらすスーツ

堀場明子SHITATE着用01 堀場明子SHITATE着用02

フォーマル度 : ★★★☆☆

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洋服の青山の印象を教えてください

Aoyama
impression

シンプルで着回ししやすいスーツを提供してくれる

形はシンプル、かつ着回ししやすくて何でも合うので重宝しています。スーツは預けずに手持ちで機内持ち込みをするのですが、現地に長期滞在するわけではないので洋服をたくさん持参するわけにもいきません。でも「THE SUIT COMPANY」のスーツはしわになりにくいので助かっています。今回、「洋服の青山」がスーツの着こなし方におけるフォーマル具合が分かるビジネスウェアガイドも作成していると聞きました。小物使いでフォーマルにもカジュアルにも、いろいろと装いを変えることができると知れるのはいいことですね。これからの新たな取り組みにも期待しています。

インタビュー:尚 貴範
撮影:本永 創太 構成・文:松葉 紀子
CD:ジャン 光栄

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