スーツは大人のファッション 「香りブランディング」を する人

Leader

10

Shimon
Kawai

河合 史門スーツ姿 河合 史門仕事風景 河合 史門インタビュー風景
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2024.03.13

SHITATE 60 LEADERSは、
洋服の青山60周年を記念した
オーダースーツ企画です。

Profile

株式会社セントカンパニー
ゼネラルマネージャー

河合 史門

10代の頃より、イギリス・カナダに留学。イタリアに拠点を移し、プロゲーマーとしてイタリア代表に選ばれ、ヨーロッパ圏で活動。世界大会4位の実績を持つ。日本国内でインテリアデザイン、ブランドショップデザインを手掛けた後、イタリア・ミラノにてファッション事業に従事。「人間の五感やライフスタイルに携わるものも、ひとつのファッション」という考えから、嗅覚によるブランドロゴを創り上げるオルファクトリーブランディングを全世界に展開している企業「セントカンパニー」日本総販売元社の立ち上げに携わる。ラグジュアリーホテルやハイブランドショップ、イベント会場などでフレグランスを用いた空間演出のディレクターとして、ブランドや企業の香りのブランディングを手掛けている。

河合 史門profile

フォーマル度 : ★★★☆☆

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河合 史門profile02 河合 史門profile03

About Work

仕事について教えてください

河合 史門インタビュー01

人の記憶に直結する“香り”のロゴをブランディング

私がゼネラルマネージャーを務める「セントカンパニー」は、イタリア・ミラノを中心として全世界にオリジナルの空間芳香機器・フレグランス・フレグランス商材を開発、販売展開する企業です。フォーシーズンズミラノホテルなどホテルや、アルマーニ、グッチといったブランドのラグジュアリーな空間を、香りで演出しています。

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香りは人間の五感の中で唯一、“記憶”に直結するものなんです。目には見えない力で、記憶の奥底にある情景や感情などを、瞬間的に思い出させることができる。各企業やブランドにとって、事業内容に応じた嗅覚演出は大きなマーケティング効果をもたらし、セントカンパニーは今や世界で約60拠点ある、香りのブランディング領域のグローバル企業となりました。

河合 史門インタビュー04 河合 史門インタビュー05

日本では「香りを使ってブランディングする」という概念がまだまだ薄いと思いますが、ライフスタイルもどんどん変化する中で、香りの需要も目に見えて高まってきましたね。けれど、まだ様々な場所で香りに接すると、残念だなと思うケースの方が多いです。今まで3~4千種類の香りを嗅いできたので、香りを嗅ぐとそのクオリティーも分かってしまうんです。私たちがクライアントに提供するのは、天然素材から抽出したフレグランスを、空間に合わせてブレンドして生み出す香りです。それをもう一度どこかで嗅いだ時、そのブランドをいいイメージと共に想起することができる…これが私たちが提唱する「香りのロゴをブランディングに」というコンセプトです。

About Suits

あなたにとってスーツとは?

河合 史門インタビュー06

私にとってスーツは、「大人のファッション」

“香り”はファッションの一環でもあるので、時流に沿ったスタイリッシュなスーツをまとうことは、商品の演出イメージにもつながると考えています。ですから商談時は、基本的にスーツですね。目には見えない“香り”の仕事をしているので、付加価値が勝負なんです。私の振る舞いや喋り方、プレゼンテーションのやり方にも十分気を使っています。それこそ言葉の選び方ひとつでも、“香りの価値”を変えてしまうこともあるので、スーツを含め細部まで世界観を大事にしますね。

河合 史門採寸01

イタリアでファッションの仕事をしていた頃は、普段はジャケパンスタイルが多かったです。でも、あちらはファッションウイークやブランドのオープニングレセプションなど、パーティーが多く、その時はスーツでしたね。両親がファッション関係の仕事をしていることもあって、若い頃から世界中で様々なスーツスタイルを見てきましたが、カジュアル化が進んでいるとはいえ、日本ではまだスーツ=仕事着というイメージが大きいと思います。スーツを“ファッション”として着ている人が少ないなと。私は、スーツは「自分をドレスアップ」させるものだと思っているんです。スーツを仕事着としてだけ捉えるのではなく、自分自身を表現するものでもあるし、または会いに行く人のイメージに合わせて選ぶことで、コミュニケーションもスムーズになります。硬い人にはきっちりした格好で、カジュアルでもOKな人であったら、カジュアルスタイルの中にも少しファッションとしての艶を感じさせる部分をプラスしたり。そういう意味では、私にとってスーツは「大人のファッション」という考えがしっくりきますね。

Trying On

試着

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About SHITATE

SHITATEの感想は?

河合 史門スーツディティール 河合 史門スーツディティール

真のエレガンスは目立たない細部に宿る

河合 史門インタビュー07

仕事柄もありますがファッションが好きなので、オーダースーツは毎シーズン3着ほど作ります。世界中の生地メーカーの新しいコレクションを見て、来シーズンに着たい生地を選びます。イタリアで生産開発したフレグランスを扱うからか、スーツもイタリアの生地が多いです。SHITATEでも何着か作ったことがありますが、一度も裏切られたことがありません。

河合 史門インタビュー08

今回は何にしようかと悩みましたが、生地の肌触りとぬめり感が気に入ったTALLIA DI DELFINO(タッリア・ディ・デルフィノ)の生地を選びました。見た目のツヤ感とドレープ感、控えめな光沢感もいいですね。着心地がとても柔らかくて、フィッティングもばっちりです。ナチュラルストレッチ感もいいですね。着ている感じがしないぐらい、締め付けられた感じがまったくない。手を伸ばした時の、背中の感じも素晴らしいです! 私は派手さが前面に出たものが苦手なので、色も落ち着いたダークネイビー系にしたことと、ボタンを質の高いミルキーな本水牛にしたこと、そして裏地の色は控えめに同色系にして正解でした。一見、地味なんだけど、見る人が見れば分かるお洒落感もあり、とてもエレガントに仕上がって嬉しいです。このスーツに合わせる香りを選ぶなら…、真の大人というイメージのウッディノートかな(笑)

河合 史門インタビュー09

スーツは大人のファッション
「香りブランディング」を
する人

河合 史門オーダースーツ姿01 河合 史門オーダースーツ姿02

フォーマル度 : ★★★☆☆

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洋服の青山の印象を教えてください

Aoyama
impression

ファッションに必要な
バランスの良さは唯一無二

「洋服の青山」の最大のイメージは、商品の質の高さと豊富な品揃えだと思います。ベーシックなものからトレンドを取り入れたもの、スーツの最高峰ブランド・サビルロウまで、ターゲットとする年齢層や価格、クオリティーも多種多様なものを扱われていますよね。開発力は他を圧倒していると思います。本当に、価格とクオリティー、品揃えのバランスの良さは唯一無二だと思います。

Material

今回チョイスした生地

エグゼクティブに向けた最高級の素材

Super160's Twill 2Way Stretch

河合 史門生地

ブランド:TALLIA DI DELFINO
着用シーズン:オールシーズン
色:チャコール・グレー
柄:無地
素材:W100%

最高級の原毛であるSuper160'Sを使用したTALLIA DI DELFINOコレクションの中でもひときわ上品なボディです。きわめて繊細で極上の柔らかなタッチが特徴ですが、しっかりとした打ち込みで織り上げているので素材はくたびれず、美しいドレープが動作に合わせて輝きます。エグゼクティブに向けた最高級の素材です。

インタビュー:尚 貴範 採寸スタッフ:鈴木 響
撮影:桑田 和明 構成・文:大塚 綾
CD:ジャン 光栄

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