アイデンティティーを スーツで表現する、 未来へ平和をつなげるキーパーソン

Leader

07

Gensei
Ito

伊東玄聖スーツ姿 伊東玄聖仕事風景 伊東玄聖インタビュー風景
伊東玄聖スーツ姿 伊東玄聖仕事風景 伊東玄聖インタビュー風景

2024.02.21

SHITATE 60 LEADERSは、
洋服の青山60周年を記念した
オーダースーツ企画です。

Profile

ノーベル平和賞受賞者
世界サミット
副会長

伊東 玄聖

スイスに留学後、96年にアメリカの大学に進学。98年には比叡山延暦寺にて得度し、伊東玄聖として修行の道へ。2002年、筑波大学大学院の一貫性博士課程に入学。以降、NPOアスカ海外文化交流会副会長として活動するかたわら、「ノーベル平和賞受賞者世界サミット」にも関わり、12年アジア特別代表、16年理事に就任。19年から副会長を務める

伊東玄聖profile

フォーマル度 : ★★☆☆☆

ビジネスウェアガイドマップはこちら

About Work

仕事について教えてください

伊東玄聖インタビュー01

平和の願いを届け、次世代につなげる取り組みに注力

1990年、当時のソビエト連邦(現在のロシア)の大統領だったミハイル・ゴルバチョフ氏はノーベル平和賞を受賞。それ以降、彼は歴代の受賞者たちとの対話を通じて、それぞれの人が人類にとって重要なメッセージや理念を携えていることに気づいたそうです。そこで彼は未来のためにもノーベル平和賞の受賞者たちが一堂に会し、世界で起こっている問題や挑戦的な課題に対して対話、討論、論議するための場を開こうと決意。その後、1999年には第1回ノーベル平和賞受賞者世界サミット」がイタリア・ローマで開催され、これまで18回ものサミットが行われてきました。

伊東玄聖業務

私はというと、直接ゴルバチョフ氏から任命を受け、2019年からこのサミットにおいて副会長兼アジア統括事務所の理事長を務めさせていただいており、現在もその役割を担っています。サミットでは午前中に受賞者たちの公開討論会が行われ、午後からは主に大学生を対象にしたプログラム「Leading by Example」が実施される流れになっています。このプログラムでは、学生たちと受賞者が小さなグループにわかれてディスカッションを行い、ノーベル平和賞受賞者たちとの対話を通じて世界をより良くするためのプロジェクトを検討していきます。そしてそれを受けて、若者たちがアクションプランを提案するのですが、優れたプロジェクトにはターナー賞(CNNテレビ創設者の賞)が授与され、プロジェクトを推進するための資金提供を受けることも。

伊東玄聖インタビュー2

サミットではさらに、ジャーナリズムクラブも運営しており、学生の皆さんはVIPの方々のパーソナル・ジャーナリストとして活動し、経験を積んでいただきます。このようにサミットでは多面的な経験を提供することで次世代育成に注力しています。サミットを終えた後、対話を終えた学生たちが喜びに満ちた顔で帰る様子を見るたび、他では得られない幸せ、やりがいを感じています。

伊東玄聖インタビュー
        3

About Suits

あなたにとってスーツとは?

伊東玄聖インタビュー04

汎用性と独自性が共存する興味深いもの

世界中から人が集まるサミットでは、男性はスーツ、女性は民族衣装を選ばれる方が多いですね。私は機能的で控えめなスタイルを好むのですが、運営側のスタッフとして走り回わらないといけないときには機能性が高く、華美でないスタイルを選びます。一方で華やかな場で和装などを楽しむことも。服を通じて文化や考え方を表現することは重要ですし、楽しみの一つになっています。

伊東玄聖インタビュー05

世界ではさまざまな洋服が存在しますが、スーツは万国共通ですよね。でも素材選びなどで独自の文化を表現することもできます。それに汎用性と独自性が共存している点が興味深いです。このサミットを立ち上げたゴルバチョフ氏はスーツがよく似合っていて、人柄がにじみ出ているような方でした。一方でムハマド・ユヌス博士は、1970年代からバングラデシュで銀行が融資を行わない農村部に住む貧しい人たち向けに“担保なし”で少額を貸し出して、自立のための起業を促す取り組みを続けてこられました。社会的な課題に取り組む「ソーシャルビジネス」を一貫して提唱し、ノーベル平和賞を受けたユヌス博士は、民族衣装を身に着けておられました。こうしたことから「洋服=アイデンティティー」を表現する方法の一つといえるのかもしれません。

伊東玄聖採寸01 伊東玄聖採寸02 伊東玄聖採寸03

また、スーツを着ることで逆に個性を引き立てることもできるかと。生地選びやサイズ感など制約があるなかで、自分をどのように表現するかを選ぶのは難しい…。でもサミットの本部があるイタリアで、街角で粋な着こなしを見かけるたび、見とれてしまいます。スーツを含めて、信念を持ったスタイルの方々をお手本にしたいです。

Trying On

試着

伊東玄聖オーダースーツ試着01 伊東玄聖オーダースーツ試着02

About SHITATE

SHITATEの感想は?

伊東玄聖スーツディティール 伊東玄聖スーツディティール

取捨選択をするなかで“今の自分”が見えてきた

生地の手触りや色味、採寸時の緊張感のように、いつもとは違う雰囲気のなかで特別な一着を作り上げるのは高揚感があり、心地よかったです。今回、上下のスーツを仕立てていただきましたが、非常に着心地が良く、自分にぴったり。普段は体重の変動があるので、仕立てていただいた際には体形が変わらないように体形維持に注意しました(笑)。オーダースーツを仕立てるとき、ウエストの採寸がカルテのような役割を果たして健康維持に役立つのかもしれません。

伊東玄聖インタビュー06

今回はイタリアの生地を選ばせていただきましたが、ブランドなどこだわりはありません。デザイナーが変わると、同じブランドでもイメージが刷新されてまるっきり変わってしまうこともありますから。絶対にこういうものが作りたいという明確なゴールがないなかで、「本当にこの組み合わせがいいのか」「なぜこの色がいいのか」など自問自答しながら選び、仕立てていただきました。心のなかで葛藤し、取捨選択するなかで自分が着たいものがどんどん明確になり、今の自分が見えてきた気がします。

伊東玄聖インタビュー07

人前に立ったときに安心できるもの…でも地味過ぎない、ちょうどいい精神バランスがたもてるスーツに仕上がりました。2024年に沖縄で開催されるフォーラムで仕立てていただいたスーツを着る予定なので今から楽しみです。

伊東玄聖インタビュー08 伊東玄聖インタビュー09

未来に平和をつなげるキーパーソンは、
スーツでアイデンティティーを表現

伊東玄聖オーダースーツ姿01

沖縄開催 ゴルバチョフ メモリアル 第一回 「人間の安全保障フォーラム」にて

伊東玄聖オーダースーツ姿02

沖縄開催 ゴルバチョフ メモリアル 第一回 「人間の安全保障フォーラム」にて

伊東玄聖オーダースーツ姿03 伊東玄聖オーダースーツ姿04

フォーマル度 : ★★★★☆

ビジネスウェアガイドマップはこちら

洋服の青山の印象を教えてください

Aoyama
impression

日常から非日常のものまで幅広い、業界のリーディングカンパニー

「洋服の青山」といえば、日本のスーツシーンをけん引するリーディングカンパニーという印象があります。昔ほどではないかもしれませんが、現在でもビジネスの場ではスーツが求められるシーンが多く、初めてのスーツからオーダースーツの経験まで、採寸から完成までのプロセスはドキドキとワクワクが交錯するという思い出があります。
日常のスタイルはもちろん、非日常のおしゃれなスーツまで、「洋服の青山」は広範なスタイルに対応できるという印象があるので今後さらに飛躍されることと期待しています。

Material

今回チョイスした生地

Brand

伊東玄聖着用ブランド

レダ(イタリア)

1865年、イタリア・ビエラ地区ヴァレモッソにて創業の名門服地メーカー。原料となる羊の飼育から生地の完成まで全ての工程を徹底管理しています。老舗ブランドならではの蓄積された知識を活かし、最先端の技術力で高品質な生地を生み出し続けています。

REDA渾身の最新生地ブランドREDA FLEXO

REDA FLEXO

伊東玄聖生地

着用シーズン : 秋冬
色 : ブラウン
柄 : ハウンドトゥース
素材 : LY60% W39% PU1%

REDA渾身の最新生地ブランドREDA FLEXO。サスティナブルな天然(ユーカリ)再生繊維リヨセルを使用し、独特なドレープ性、接触冷感性が特徴。旭化成ロイカV550のサスティナブルストレッチを使用し快適性も併せ持っております。

インタビュー:尚 貴範
撮影:本永 創太 構成・文:松葉 紀子
CD:ジャン 光栄

Index