革靴クリームはどう選ぶ?種類ごとの特徴と選び方のポイント
2022.12.08
この記事の所要時間:約7分
革靴を美しい状態に保つのは大人としてのたしなみの1つですが、お気に入りの靴を永く愛用するために必要なケアでもあります。
定期的にお手入れをしないと劣化してしまい、ひび割れや色落ちの原因となるためです。しかし、正しいメンテンナンスの方法がわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、クリームの種類や特徴、おすすめのクリームなどをご紹介します。
1. 革靴クリームはなぜ必要?
革靴クリームには、主に以下の2つの効果があります。
- 革靴に栄養を与える
- 革靴に光沢を出す
革靴に使われる革は基本的に牛革がメインです。
次いで馬革も多く使用されています。
特に馬のお尻の部分にあたる「コードバン」という革はキメが細かく、高級靴に使用されます。
このように、革靴に使われている革はもともと生き物です。
そのため定期的な栄養の補給が必要であり、その栄養となるのがクリームです。
栄養を補給しないと表面がカサカサになり、ヒビ割れが発生してしまいます。
また、洋服や靴などは基本的に光沢があるほど高級感が増しますが、クリームを塗らずに放置すると光沢が失われ、革靴ならではの高級感がなくなってしまいます。
革靴を長持ちさせるためにもスマートに履きこなすためにも、クリームは必要です。
ちなみに、フェイクレザーと呼ばれる合皮の靴は近年格段に品質が上がっています。
一目見ただけでは本物の革と見分けがつかない合皮も少なくありませんが、合皮の場合はクリームを塗っても栄養を吸収しませんので、クリームは必要ありません。
ただし汚れは定期的に落とすようにしましょう。
2. 革靴クリームの種類と特徴
革靴クリームにはいくつかの種類があります。
主に使われる乳化性クリームと油性クリームの特徴を解説します。
2-1. 乳化性クリーム
乳化性クリームには、革靴に水分や栄養を与え、革を劣化から防ぐ効果があります。
水分が多くクリームが伸びやすいため初心者にもおすすめです。無色のほか、ブラックやブラウンなど色付きのクリームがあります。
2-2. 油性クリーム
油性クリームは靴にツヤを出す目的で使用されます。
乳化性クリームとは違い、保湿や栄養分の補給といった効果はあまりありません。よりツヤを出したいのであればワックスを使う方法もあります。
3. 革靴クリームの選び方
乳化性クリームと油性クリームの特徴を理解したところで、次は具体的なクリームの選び方について解説します。
●乳化性クリームか油性クリームか
まず悩むのが、乳化性クリームと油性クリームのどちらを選ぶかではないでしょうか。
おすすめの革靴用クリーム使用法は、以下の2通りです。
- 乳化性クリーム+油性クリーム
- 乳化性クリーム+ワックス
先ほど説明したように、油性クリームには保湿効果がほとんどありません。
油性クリームだけを使用すると、ツヤは出ますが保湿が足りず、ひび割れを起こしてしまう可能性があります。
そのため、まずは保湿クリームで水分と栄養を補給した後に油性クリームで光沢を与えるのがよいでしょう。もしくは、油性クリームの代わりにワックスでツヤを出す方法もおすすめです。
●無色か色付きか
無色のクリームを選ぶか色付きのクリームにするかも悩みどころです。
革靴は使用しているうちに色落ちしたり傷がついたりしてしまいますが、色落ちや傷がついた部分に同じ色のクリームを塗ることで傷を目立たなくできます。
ただし、革と同じ色のクリームが手に入るとは限らないため、まずは少し薄い色から試してみると失敗せずに済むでしょう。
傷口の補修や色むらを付ける目的がなければ、基本的には無色のクリームをおすすめします。
間違えて靴の色よりも濃いクリームを選んでしまった場合、部分的に色が変わり、傷がより目立つ結果になってしまう可能性があります。
4. 革靴クリームを使うときの注意点
革靴のメンテナンスはただクリームを塗ればよいわけではありません。以下のことに気をつけながらクリームを使用してください。
●手順どおりに靴のメンテナンスをする
革靴にいきなりクリームを塗っても高い効果は期待できません。次の手順を守ってメンテナンスをしましょう。
1.ブラシで靴表面のホコリを落とす
2.クリーナーで靴の汚れを落とす
3.クリームを塗る
4.豚毛のブラシで全体を強めに撫でる
このように、最初に靴の汚れを落としておかないと、クリームの効果が薄まります。面倒に感じるかもしれませんが、しっかりとメンテナンスすればとても長い間履ける靴になります。
●定期的にメンテナンスをする
靴のメンテナンスの頻度は履く回数によって変わりますが、目安としては1ヵ月に1回程度と考えておきましょう。
頻繁にメンテナンスをしてもクリームが厚塗りになってしまい、逆にダメージを与える可能性もあります。
新品の革靴を購入した際も、使い始める前にはクリームを塗る必要があります。新品の革靴であっても、お店に並んでいる間や倉庫に保管されている間に水分や油分が飛んだり、ホコリが付いてしまったりしている可能性があるためです。
また、雨に濡れてしまった場合も水分や油分が流れてしまうため、クリームを塗りましょう。
●クリームを付け過ぎない
乳化性クリームはよく伸びるため、必要以上に付け過ぎないことが大切です。
付け過ぎるとムラになってしまい、汚れの原因となったり見栄えが悪くなったりします。
5. おすすめの革靴クリーム
靴のメンテナンスを本格的に始めたい方や、新しくメンテナンス用品を購入したい方に向け、おすすめの革靴クリームをご紹介します。
●シューケアスターターセット
靴をメンテナンスするにはいろいろな道具が必要です。「シューケア スターターセット」なら、メンテナンスに必要な道具が一通り揃っています。
- クリーム(ブラック)
- 汚れ落とし用ローション
- 馬毛ブラシ
- 豚毛ブラシ
- クロス
- グローブクロス
メンテナンスの際は、まず馬毛ブラシで靴表面の汚れを落とします。次にクロスに汚れ落としローションを含ませ、靴の汚れや古いクリームを落とします。
そして、クロスにクリームを付けて靴全体に塗り込みます。最後に豚毛ブラシで靴を磨き、グローブクロスで乾拭きすれば完了です。
この道具と手順で靴をメンテナンスすれば、いつもの革靴に高級感あふれるツヤを与えることができるでしょう。
●ブランドケアレザークレンジングオイル
すでに道具が揃っているという方は、汚れ落とし用の洗浄液とクリームを別々に購入しましょう。
こちらは、化粧品のクレンジングオイルから発想を得たレザークレンジングオイルです。
洗浄力に優れており、古いクリームをきれいに除去できます。古いクリームをしっかりと落としてから新しいクリームを塗ることで、保湿力や栄養の吸収力が上がります。
革靴だけでなく、バッグや財布など他の革製品のメンテナンスにも使用可能なアイテムです。
●ブランドケアレザードレッシング
レザーに潤いと柔らかさを与える柔軟・保湿剤です。
購入直後の革靴はまだ革が馴染んでいないため、足が痛くなることがあります。
この柔軟・保湿剤を塗れば、保湿をするだけでなく革を柔らかく馴染ませてくれます。新しい革靴のかたい感じが嫌だという方はぜひ試してください。
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6. まとめ
ここまで、革靴クリームの種類や選び方、使用方法などをご紹介しました。
革靴には定期的なメンテナンスが必要ですが、そのなかでもクリームには保湿や栄養を与えツヤを出す重要な役割があります。
乳化性クリームと油性クリームをうまく使い分けたり、ワックスも活用するなどして、革靴を常に美しい状態に保ちましょう。