オーダースーツの洗濯マニュアル|自宅で洗濯するメリットや注意点を解説!
2025.03.24

この記事の所要時間:約9分
仕事で日々スーツを着用する方にとって、汚れが気になるスーツをクリーニングに出すのは意外と手間がかかるものです。仕上がりまでに時間がかかったり、費用が気になったりと、ちょっとした不便さを感じている方も多いのではないでしょうか。
「スーツを自宅で洗濯したいけど、失敗してダメにしてしまったらどうしよう」
このように、自宅での洗濯を不安に思う方もいるかもしれません。
本記事では、自宅でスーツを洗濯するメリットやデメリットを中心に、上手に洗濯する方法を詳しく紹介します。最後まで読めば、クリーニングに頼ることなく、自宅で気軽に洗濯できる方法がわかります。
1. スーツは「家庭での洗濯禁止」の表示がなければ自宅で洗濯できる


スーツのお手入れ方法に迷ったとき、スーツのタグに付いている洗濯表示を確認すれば、自宅で洗濯できるかどうかがわかります。「家庭での洗濯禁止」の表示がなければ、基本的には家庭での洗濯が可能です。
ただし、シルクやカシミヤなどのデリケートな素材は、傷みを防ぐためクリーニングに出すのがおすすめです。
また、洗濯表示のマークは平成28年12月1日以降、リニューアルされているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
参照:消費者庁「家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について」
2. スーツを自宅で洗濯する3つのメリット

スーツを自宅で洗濯できれば、時間とコストを節約でき、いつでも清潔な状態を保てます。ここでは、スーツを自宅で洗濯する3つのメリットを紹介します。
2-1. クリーニングに出す手間がない
スーツを自宅で洗濯するメリットとして、クリーニングに出す手間がないことが挙げられます。クリーニングはスーツのお手入れに欠かせないとわかっていても、わざわざ時間を割いて足を運ぶのは面倒なものです。
自宅でスーツを洗濯できれば、好きなタイミングでお手入れができて便利です。ただし、頻繁に洗濯するのは避けましょう。スーツを長持ちさせるにはクリーニングと同程度の頻度が理想的です。
汗をかいて汚れやすい夏は10日に1回、それ以外はシーズンごとに2回程度を目安にするとよいでしょう。
2-2. コストを抑えられる
スーツを自宅で洗濯するメリットの1つは、お手入れにかけるコストを抑えられることです。スーツのクリーニング代は意外と高額で、一着あたり数千円かかることも珍しくありません。特に、頻繁にスーツを着用する方にとっては、クリーニング代が積み重なると大きな出費になることでしょう。
自宅で洗濯すれば、クリーニング代の大幅な節約につながります。
2-3. 洗ってすぐに着用できる

スーツを自宅で洗濯するメリットの1つに、洗ってすぐに着用できることが挙げられます。クリーニングに出す場合、仕上がりまでに数日から1週間程度の時間を要することがあります。
急にスーツが必要になったときや、お気に入りのスーツをすぐに着たいときには、クリーニングの待ち時間はストレスになりかねません。その点、自宅で洗濯できれば、スケジュールに合わせて柔軟にスーツを準備できます。
3. スーツを自宅で洗濯する2つのデメリット

スーツを自宅で洗濯すると、型崩れのリスクや手間などのデメリットが発生する可能性があります。ここでは、スーツを自宅で洗濯する2つのデメリットを紹介します。
3-1. 型崩れする可能性がある
スーツを自宅で洗濯する際、注意すべきデメリットの1つが型崩れです。洗浄や脱水によって、スーツに深いシワが発生してしまったり、縮んだりして形が変形してしまう可能性があります。
大切なスーツを自宅で洗濯する場合は、洗濯表示を確認し、慎重に取り扱うことが大切ですが、型崩れが心配な場合はクリーニングに任せるのも賢明な選択です。
3-2. アイロンをかける手間が発生する

スーツを自宅で洗濯するデメリットの1つに、アイロンがけの手間が発生することが挙げられます。洗濯後のスーツをきれいに着こなすためには、丁寧にアイロンをかける必要があります。
アイロンがけは、スーツの素材や形状に合わせて適切な温度と手順でおこなわなければ、逆効果になってしまうこともあります。高温のアイロンを当て過ぎると、生地にテカリが出てしまい、見た目が悪くなってしまうかもしれません。
また、アイロンがけには時間と労力もかかるため、特に忙しい方にとっては手間に感じることもあるでしょう。
4. スーツを洗濯する前に確認する3つのこと
スーツを洗濯するときは、色落ちやほつれのチェックをあらかじめおこなうことで、型崩れや傷みのリスクを減らせます。ここでは、スーツを洗濯する前に確認することを3つに分けて紹介します。
4-1. 色落ちの危険性はないか

スーツを自宅で洗濯するときは、あらかじめ色落ちの危険性がないか確認しましょう。色落ちしたスーツは、見た目が悪くだらしない印象になってしまいます。
洗濯表示は素材の扱い方を示してはいますが、どれくらい色落ちの可能性があるかまでは判断できません。そのため、洗濯前に目立たない部分で色落ちのチェックをおこないましょう。
色落ちのしやすさをチェックするには、色が落ちても目立たないスラックスの裏側で試すのがおすすめです。洗剤の原液を少量付けて5分ほど置き、そのあとティッシュや乾いた布をあててみましょう。色落ちがある場合は、自宅での洗濯は避けておいたほうが賢明です。
4-2. ほつれや破れなどはないか
スーツを自宅で洗濯するときは、ほつれや破れなどの損傷がないか事前にチェックしましょう。特に、洗濯でダメージを受けやすいシルク素材のものや、薄い素材のものには注意が必要です。なぜなら、洗濯機の遠心力や生地の摩擦により、ほつれや穴あきが一気に大きくなってしまう可能性があるからです。
もし損傷が見つかった場合は、洗濯前に手直ししたり、クリーニングに出す際に相談したりするのがよいでしょう。
4-3. ポケットに物が入っていないか
スーツを自宅で洗濯するときは、事前にポケットの中身を確認しましょう。ティッシュペーパーや紙類を一緒に洗ってしまった経験がある方ならわかるかもしませんが、生地に付着したゴミを取り除くのは大変な手間がかかるものです。
また、ボールペンを一緒に洗ってしまった場合、漏れ出たインクがシミになってしまい、シミ抜きのためにクリーニングせざるを得なくなってしまいます。
クリーニングでの余計な出費や、ゴミを片づける手間を発生させないために、スーツを脱いだあとはポケットの中身を全部出しておくのを習慣づけるとよいでしょう。
5. 大切なオーダースーツを上手に洗濯するための5つのポイント
ここでは、スーツを上手に洗濯するための5つのポイントを紹介します。洗濯するときにぜひ実践してみてください。
5-1. シミや汚れは洗濯前に洗剤をなじませておく

スーツを上手に洗濯するためのポイントの1つが、シミや汚れの前処理です。洗濯前に汚れが気になる部分に洗剤をなじませておくと、汚れが落ちやすくなります。
前処理の方法は、市販のおしゃれ着用洗剤を汚れやシミに直接付けておくだけなので、たいした手間をかけることなくおこなえます。
5-2. ネットに入れて洗濯する

スーツを洗濯するときは、洗濯ネットを使いましょう。スーツをネットに入れることで、生地が絡まり傷んでしまうことを防げます。特に、ボタンやファスナーが付いている場合は、気付かなかった小さなほつれに引っかかり、傷みがひどくなってしまう可能性があります。
実際に洗うときは、スラックスのボタンやファスナーはしっかり閉じて、2つ折りか3つ折りにすると上手に洗えます。ただし、ジャケットの場合は型崩れを予防するため、ボタンは開けておきましょう。
5-3. 手洗い機能を使って洗濯する

スーツを洗濯するときは、洗濯機の手洗い機能を活用し、前処理で使用したおしゃれ着用洗剤で洗いましょう。ドライコースや手洗いコースなど呼び方は洗濯機によって異なりますが、これらの機能を使うことでスーツの生地への負担を減らし、シワも最小限に抑えられます。
手洗い機能がない場合や、洗濯機を使うのが不安な方は、手洗いするのもおすすめです。スーツの状態を確認しながら洗えるため、安心しておこなえます。方法は意外にも簡単で、スーツをネットに入れ、洗剤を溶かした水のなかで押し洗いするだけです。
優しく丁寧に押し洗いをしたら、ひっくり返しながら約10分ずつ水のなかでつけおきしましょう。すすぎの場合も同様に、押し洗いしながら丁寧に洗剤を流すのがポイントです。
5-4. 専用ハンガーを使い日陰で干す

スーツを洗濯したあとは、干し方にも気を配りましょう。干すときは、専用ハンガーを使い、風通しがよい日陰で干すのが理想的です。風通しが悪い場所で干すと、乾きが遅くなり、いやな臭いが発生してしまう可能性があります。また、直射日光の当たる場所で干すと、色落ちの原因になることがあります。
干すときは、スーツの形崩れを防ぐために、専用のハンガーや幅の広いハンガーを使うのがおすすめです。ハンガーにかける際は、生地を軽く伸ばしたり、両手ではさむように叩いたりすると、乾いたあとのシワが目立ちにくくなります。
室内で干す場合は、扇風機を使うのも効果的です。風を当てることで乾燥時間を短縮できます。
5-5. アイロンをかけるときは温度に気を付ける



洗濯したあとのアイロンがけでは、温度設定に気を付けましょう。アイロンをかけるときは、事前にスーツの洗濯表示を確認し、適切な温度に設定することが大切です。生地にテカリが出てしまうのを防ぐために、あて布を使いながら丁寧におこないましょう。
また、アイロンがけはタイミングも重要なポイントです。スーツが完全に乾き切ってからではなく、わずかに湿り気が残る状態でおこないましょう。乾ききっていない状態でアイロンをかけることで、シワをしっかりと伸ばすことができます。
6.まとめ
本記事では、自宅でスーツを洗濯するメリットやデメリットを中心に、上手に洗濯する方法を詳しく解説してきました。
スーツをきれいな状態で長持ちさせるためには、正しい洗濯方法を知ることが大切です。自宅で洗濯する場合は、スーツの洗濯表示タグをしっかり確認し、前処理の方法や干し方のポイントを実践してみてください。 洋服の青山で展開するオーダースーツブランド「Quality Order SHITATE(クオリティーオーダー・シタテ)」では、こだわりを詰め込んだ自分だけの特別な一着を仕立てられます。
大切なスーツを長く着るためにも、オーダーの際は自宅で上手に洗濯するポイントを聞いてみるのもよいかもしれません。
プロのスタッフによる親身なアドバイスを味方に、愛着を持って長く着られるスーツを手に入れましょう。