オーダースーツと既製品スーツの違いは?それぞれのメリット・デメリットを徹底比較
2022.12.20

この記事の所要時間:約12分
スーツは大きく分けると既製品とオーダースーツの2種類があります。
友人や同僚など周囲の方がオーダースーツを着用していたり、SNSでオーダースーツのおしゃれなコーディネートを見たりしたことをきっかけに、オーダースーツに興味が出てきた方もいることでしょう。
しかし、既製品とオーダースーツにどのような違いがあるのかや、オーダースーツを買う意味はあるのかなどが気になり、なかなか購入に踏み切れないのではないでしょうか。
この記事では、オーダースーツと既製品の違いを解説します。オーダースーツの種類ごとの特徴や、既製品とオーダースーツのメリット・デメリットを紹介しているので、スーツを購入する際の参考にしてください。
1. オーダースーツの種類は3つ

オーダースーツはお店によってオーダー方法が異なり、以下の3種類に分かれます。
● パターンオーダー
● イージーオーダー
● フルオーダー
まずは、オーダースーツのオーダー方法ごとの特徴や価格、納期などの違いを理解しましょう。
1-1. パターンオーダー
パターンオーダーとは、ゲージ服(サンプル)からサイズを調整してスーツを作るオーダー方法です。オーダーする前にサンプルが試着できるため、どのようなスーツが完成するのかをイメージしやすいといえます。
納期が2〜3週間とあまりかからず、約3〜5万円のお手頃な価格で作れるため、初めてオーダースーツに挑戦する方でも利用しやすいでしょう。
1-2. イージーオーダー
イージーオーダーとは、サイズ調整だけでなく細かな体型補正がおこなえるオーダー方法です。体型補正ができるため、広めの肩幅や猫背など、体型や姿勢に悩みがある方におすすめです。
納期はパターンオーダーよりも長くなり、3〜4週間が目安となります。相場は約5〜10万円が基準です。
1-3. フルオーダー
フルオーダーとは、一人ひとりの体型に合わせたオリジナルの型紙を用いてスーツを作るオーダー方法です。体型にフィットしやすく、デザインの自由度が高いため、理想としているスーツが作れます。
しかし、型紙を作ったり、手縫いをしたりなどの手間がかかるので、仕上がりまで1〜2ヵ月を要します。相場はお店によっても幅がありますが、最低でも約20万円以上はかかるでしょう。
2. オーダースーツと既製品スーツの違いを比較
今までオーダースーツを作ったことがない場合、オーダースーツと既製品にどのような違いがあるのかわからない方が多いでしょう。
それぞれの違いを表にまとめましたので、参考にしてください。
種類 | 既製品(紳士服量販店) | パターンオーダー | イージーオーダー | フルオーダー |
縫製 | 機械 | 機械 | 機械 | 手縫い |
調整方法 | サイズに合った スーツを選ぶ | ゲージ服を基準に丈を調整する | 採寸結果をもとに型紙を調整する | 採寸後に一から型紙を書き起こす |
補正範囲 | 袖丈、ウエスト、裾上げ | 着丈、袖丈、裾上げ | 丈調整+体型補正 | 丈調整+体型補正+ くせ取り |
相場 | 約1〜8万円 | 約3〜5万円 | 約5〜10万円 | 約20万円〜 |
納期 | 即日(在庫がある場合) | 2〜3週間 | 3〜4週間 | 1〜2ヵ月 |
既製品はすでに販売されているスーツから選ばなければなりませんが、オーダースーツは採寸結果をもとに身体に合ったスーツが作れます。
また、既製品であれば袖丈や裾上げなどの軽い補正しかできない一方、オーダースーツは補正できる範囲が広がります。
型紙から作るフルオーダーであれば、体型補正やくせ取り(アイロンで生地を立体的にする技術)まで対応可能です。
3. 既製品スーツのメリット

多くのビジネスパーソンが普段着用している既製品のメリットを3つ紹介します。
● 欲しいときにすぐ手に入る
● 購入費用を抑えられる
● 店頭で実際のスーツを着用できる
3-1. 欲しいときにすぐ手に入る
既製品はすでにスーツが完成しているため、在庫さえあれば欲しいときにすぐ手に入ります。
持っているスーツに虫食いで穴が開いてしまったり、引っかけて破れてしまったりなどのトラブルがあった際に、急ぎでスーツを買いたい場合でも利用しやすいでしょう。
店頭だけでなくネットショップでも既製品のスーツは販売されており、購入後すぐに配送されることが多いので、手軽さはさらに増しています。
3-2. 購入費用を抑えられる
既製品は標準的な体型の方に合うように大量生産されているため、安価で購入できるのがメリットです。紳士服量販店であれば、1〜2万円ほどの低価格で販売されているスーツもあります。
1点あたりの価格が安いため、スーツを複数持っておきたいときでも購入しやすいでしょう。
3-3. 実際のスーツを着用できる
既製品は店頭にスーツが陳列されているので、購入前に完成品を試着できます。
試着することで着心地に違和感はないか、自分に似合っているかなどを確認できるため、買ってから後悔するリスクを下げられます。
在庫があれば、さまざまなデザインやサイズのスーツを試せるので、納得したうえで購入できるでしょう。
4. 既製品スーツのデメリット

手軽に購入できる既製品ですが、一方でデメリットもあります。ここでは既製品のデメリットを3つ紹介します。
● フィット感が得られないことがある
● 選べる色・柄・デザインが少ない
● 長持ちしないスーツもある
4-1. フィット感が得られないことがある

既製品は標準的な体型を基準に作られているため、人によっては身体にフィットしないことがあります。
肩幅が極端に広かったり、太ももが大きかったりなど身体に特徴がある方は、スーツ選びに苦労するかもしれません。
4-2. 選べる色・柄・デザインが少ない
既製品は誰でも着やすいように作られているので、似たような製品が多く、好みの色・柄・デザインのスーツが見つからないケースがあります。
スーツのデザインにこだわりが強い方にとっては、自分の思い描いているスーツが選べず、満足できない可能性があるでしょう。
4-3. 長持ちしないスーツもある
既製品の多くはコストを抑える必要があるため、生地や縫製の質がよくないことがあります。スーツによっては耐久性に優れておらず、想定していたよりも早くくたびれてしまい、長く着られない可能性もあるでしょう。
また、サイズがあっていない場合はシワが寄りやすくなるため、スーツに負担がかかりやすくなります。
選ぶスーツによっては早い周期で買い換えなければならなくなり、結果的に費用がかかってしまうこともあるため、注意が必要です。
5. オーダースーツのメリット

続いて、オーダースーツのメリットを3つ紹介します。
● 体型に適したスーツが作れる
● 好きな生地やデザインを選べる
● 既製品よりも長持ちしやすい
5-1. 体型に適したスーツが作れる

オーダースーツは身体の採寸データをもとにサイズ調整をするため、自分の体型に適したスーツが作れます。
サイズの合ったスーツを着ることで、着心地に優れているだけでなく、スマートな着こなしができるため、周囲に与える印象もよくなります。
大事なビジネスシーンで身体にフィットしたオーダースーツを着用すれば、会社内や取引先からの信頼性をあげる効果が期待できるでしょう。
5-2. 好きな生地やデザインを選べる

オーダースーツは好きな生地やデザインを選べるので、こだわりを詰め込んだスーツが手に入ります。
どこの生地ブランドにするか、どのような素材や色味の生地を使うかなど、自分の好みに合わせたカスタマイズが可能です。本切羽(ほんせっぱ)、AMFステッチ(手縫風のステッチ)、ジャケットの裏地・ボタンの変更などオプションも豊富なため、既製品では実現できなかった理想のスーツが仕上がります。
また、初めてのオーダースーツでなかなか決められない方でも、スタッフがニーズに合わせた提案をしてくれるので安心です。
スーツのオプションやデザインについてはこちらの記事「スーツをおしゃれに着こなすために抑えておきたいポイントを徹底解説」で紹介していますので、あわせてご覧ください。
5-3. 既製品よりも長持ちしやすい
オーダースーツは身体にフィットしていることでスーツに負荷がかかりづらくなるため、既製品よりも長持ちしやすいのが特徴です。
スーツがピッタリと合っていることで、変なシワができたり、生地がこすれたりといった心配が少なくなります。
また、ブラッシングをしたり、シワを伸ばしたりなど、適切なメンテナンスを行うことで、さらに長い期間着用できるでしょう。
6.オーダースーツのデメリット
次に、オーダースーツのデメリットを3つ紹介します。
- 納品されるまでに時間がかかる
- 購入費用が高くなる
- 完成品がイメージしづらい

6-1. 納品されるまでに時間がかかる
オーダースーツは納品されるまでに時間がかかるため、すぐ手元に欲しいときに不向きです。
お店によって納期は異なりますが、一番早く仕上がるパターンオーダーは2〜3週間、もっとも時間がかかるフルオーダーであれば完成まで1〜2ヵ月を見込まなければなりません。
大事なプレゼンテーションや友人の結婚式で着用したいなど、間に合わせたい日がある場合は、なるべく早めにオーダーすることをおすすめします。
6-2. 購入費用が高くなる
ブランドスーツを除く一般的な既製品と比べた場合に、オーダースーツの購入費用は高くなります。
特にフルオーダーでオーダースーツを作る場合は、相場が約20万円以上となっているため、まとまった予算が必要です。
あまりお金をかけずにオーダースーツを作りたいのであれば、パターンオーダーがおすすめです。パターンオーダーの相場は約3〜5万円と、既製品とほとんど変わらない値段で買えるため、経済的な負担を抑えられます。
6-3. 完成品がイメージしづらい
既製品であれば購入するスーツを試着できますが、オーダースーツは試着できないため、完成品がイメージしづらくなります。そのため、どのような着心地やデザインになるのかを完全には理解できないので、自分の理想通りに仕上がるのか不安になることでしょう。
特にフルオーダーは一から型紙を起こしてスーツを作るため、仮縫い後の試着までは仕上がりがわかりづらくなります。
オーダーする段階で完成品をイメージしたい方は、パターンオーダーが最適です。パターンオーダーではゲージ服(サンプル)を着用してスーツを作るため、どのようなスーツとなるのかを想像しやすいでしょう。
7. オーダースーツを選ぶときのポイント

オーダースーツを選ぶときのポイントを2つ解説します。
● サイズだけでなく生地にもこだわる
● 保証期間を調べる
解説するポイントを意識して、納得のいくオーダースーツを作ってみましょう。
7-1. サイズだけでなく生地にもこだわる
オーダースーツではサイズやデザインに関心がいきがちですが、生地にもこだわりたいところです。オーダースーツではさまざまな生地ブランドがあり、どこの生地を使うかによってもスーツの仕上がりが変わります。
おすすめの生地ブランドとしては以下の4つがあげられます。
生地ブランド | 特徴 |
ロロピアーナ | ● 1924年にイタリアで誕生したテキスタイルブランド ● 高品質な生地にこだわっている ● エレガントな質感と遊び心が感じられる色使いが魅力 ● ファッションブランドとしても有名 |
ゼニア | ● 1910年にイタリアで生地メーカーとして創業 ● 希少性の高いウールだけを使用 ● ウール100%でありながらカシミアに近いソフトな触り心地 ● ラグジュアリーブランドとしても支持されている |
カノニコ | ● 1936年にイタリア・ビエラ地区で創業した名門ミル ● なめらかな肌触りと美しい光沢感を持つ ● 価格帯は幅広い ● ユナイテッドアローズやビームスなどのアパレルブランドで採用 |
レダ | ● 1865年にイタリア・ビエラ地区で創業した名門服地メーカー ● ベーシックから華やかなもので幅広く展開 ● 軽くて柔らかな質感の生地 ● コストパフォーマンスに優れている |
最高級の生地にこだわりたいのであれば、「ロロピアーナ」と「ゼニア」がおすすめです。どちらもイタリアの名門メーカーとして有名で、品質・価格ともに最高クラスを誇ります。
ファッションブランドとしても展開しているため、ネームバリューに優れた生地を使いたい方に最適でしょう。
高品質な生地でありながら、価格をリーズナブルに抑えたい方は「カノニコ」と「レダ」がおすすめです。老舗の生地メーカーであり、品質は申し分ありませんが、コストパフォーマンスに優れています。
このように高く評価されている生地ブランドの生地を用いることで、見た目や着心地に優れたオーダースーツが仕上がりやすくなるでしょう。
7-2. 保証期間を調べる
お店の規定にもよりますが、保証期間内であれば、納品時には気付かなかったほつれや穴などの故意でない不具合は無償で対応してもらえます。
このようなアフターケアが欲しい方は、保証期間の有無について調べておくと安心です。お店によって保証期間の長さや適用範囲は異なるため、購入前に確認しておきましょう。
洋服の青山では、オーダースーツの再補正の対応が可能です。お渡しから1年間は微調整や対応可能な範囲での修理を無償で承ります。 なお、過度な体型の変化や故意による損傷等でのご依頼に関しては、お断りさせて頂く場合や有償でのご対応になる場合もあります。
8.初めてオーダースーツを作るならパターンオーダーがおすすめ

既製品とオーダースーツのメリット・デメリットを比較したうえでオーダースーツを作りたくなった方は、パターンオーダーがおすすめです。
パターンオーダーであれば既製品とほとんど変わらない値段で購入できるため、お試しで作りたい方でも利用しやすいでしょう。
パターンオーダーでスーツを作るのであれば、洋服の青山のオーダースーツブランド「Quality Order SHITATE(クオリティーオーダー・シタテ)」をご利用されてみてはいかがでしょうか。
オーダースーツを1着31,900円(税込)から受け付けており、最短2週間で納品されるため、初めてのオーダースーツにおすすめです。スタッフのアドバイスをもらいながら、200種類以上の高品質な生地から好みの物を選べるので、初心者でも満足のいくオーダースーツが作れるでしょう。
ぜひ、お近くの洋服の青山の店舗で「Quality Order SHITATE(クオリティーオーダー・シタテ)」のオーダースーツについてご相談ください。
9.まとめ
既製品のスーツは欲しいときに手頃な価格で手に入り、完成品を試着できるのがメリットです。一方で、選べるサイズやデザインが少ないことや、長持ちしにくい可能性があることがデメリットとしてあげられます。
オーダースーツは体型にフィットしたスーツが作れるため、着心地に優れており、既製品よりも長持ちしやすくなるのがメリットです。選べる生地やデザインも豊富なため、理想とするスーツが作れるでしょう。
一方、納品まで時間がかかることや購入費用が高くなってしまうこと、完成品がイメージしづらいことがデメリットとしてあげられます。
このような既製品とオーダースーツのメリット・デメリットを比較し、自分のこだわりたいポイントが実現できるスーツを選びましょう。