【葬式の服装】通夜や告別式の喪服マナー
2022.12.13
この記事の所要時間:約8分
知っているようで知らない「弔事の服装マナー」。
厳粛な場として、いつも以上に身だしなみが気になりますよね。
最近では時代の変化とともに、通夜や葬式での服装マナーも変わりつつあります。
失礼にならないよう喪服の一般的なマナーや着こなしについて、しっかり押さえておきましょう!
※ここでは一般的な通夜での服装やマナーをご紹介します。一部地域や宗派によって異なる場合がございますので予めご了承ください。
喪服に合わせる靴について知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
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1. 葬式って?「通夜」「葬儀」「告別式」の違い
そもそも葬儀とは、故人の死を弔うために行われる祭儀のことを指します。
葬儀は一般的に、1日目 お通夜、2日目 葬儀・告別式の流れで行われます。
「お通夜」や「告別式」など言葉は聞いたことがあっても葬儀への参列経験がない人は、それぞれの意味や目的を分からないという方も多くいらっしゃいますよね。
時代の流れとともに、葬儀のあり方も変化してきています。
故人を偲ぶ気持ちを大切にし、弔事のマナーを押さえて葬儀に臨みましょう。
1-1. 通夜とは
本来、通夜は遺族や親族・故人と直接親交のあった身内の人たちが集まり故人の冥福を祈り、最後の夜を過ごす儀式のことを指します。
特に親しい関係でなければお通夜には出席せず、翌日の葬儀・告別式に参列するのが基本です。
しかし最近では、仕事関係の参列者や友人知人を招くことが多くなり、日中行われる葬儀の参加が難しいため、夜に開式されるお通夜にだけ参列する方が増えてきています。
1-2. 葬儀・告別式とは
本来、葬儀と告別式は別々の目的があり、宗教的な意味合いを含むかで分かれていましたが、最近では葬儀と告別式を分けずに一体化して行う略式のケースが増えてきています。
そのことから、葬儀と告別式を掛け合わせた総称として「葬式」という言葉が生まれました。
前述した通り、一般参列者はお通夜にのみ参列する傾向にあり、お葬式は遺族や親族・故人と直接親交のあった身内の人たちのみで故人の冥福を祈り偲ぶ式になりつつあります。
2. ふさわしい喪の装いルール
「葬儀へは喪服で参列」が一般的なマナーになります。
しかし、ひとくちに「喪服」といっても以下の3種類に区分されます。
- 正喪服
- 準喪服
- 略喪服
「こんなに種類があると、どうやって選んだらいいか分からない」という方は以下のポイントをしっかり押さえると、ふさわしい喪の装い選びは簡単です。
- 出席するにあたっての立場
- 弔事の種類
以上、2点を基準にチャートから選んでみましょう。
3. 喪服の種類と特徴
2. ふさわしい喪の装いルールで着るべき喪服が分かったら、それぞれの喪服についてご紹介します。
葬儀では、喪主(喪家)が最も格上となります。
そのため、参列者は喪主よりも格上になる喪服はNGです。
時代の変化とともに、最近では喪の装いのルールが変わりつつあるため、事前に基本的なマナーを押さえておきましょう。
3-1. 葬式で喪主や親族が着る「正喪服」
文字通り正しい喪服という意味があり、最も格式の高い喪服。
- 男性の場合は和装やモーニングスーツ
- 女性に場合は和装やブラックフォーマル
正喪服は主に、葬儀や告別式(葬式)で、喪主や親族など葬儀の主催側が着用します。
しかし最近では、和装やモーニングを持っている人は少なくなってきていることや葬儀の簡略化も進み、正喪服を着用している人は少なくなってきています。
最近では喪主や親族など招く立場の方も、準喪服を着るのが一般的です。
準喪服の中でも、失礼のないよう「参列者よりも一段格上」の喪服を着用しましょう。
3-2. 葬式で参列者が着る「準喪服」
一般的な「喪服」を指します。
- 男性はブラックスーツ
- 女性はブラックフォーマル
弔事のシーンで最も幅広く着られるフォーマルウェアです。
最近では喪主や親族、近親者、通夜の参列者など、葬儀に参加する全員が準喪服を着るのが一般的です。
3-3. 通夜や弔問で参列者が着る「略喪服」
準喪服より格が下がる略礼服とは「平服」を指します。
- 男性は地味な色のダークスーツ
- 女性は地味な色のスーツやワンピース
弔問・通夜に参列するとき列席者は「取り急ぎ駆けつける」という意味合いから平服で構わないとされています。
しかし最近では、お通夜にのみ出席する人が増え、喪服を着用するのが一般的になりつつあります。
喪服の用意があるようであれば、喪服を着る方が無難でしょう。
3-4. 喪主や親族・参列者全員「準喪服を着る」が一般的
最近では喪主や親族などの招く立場の方も、招かれる参列者も含め
「全員が準喪服(ブラックスーツ・ブラックフォーマル)を着用する」というのが一般的になりました。
ですが、基本的には喪主(喪家)は参列者より格上になります。
喪主や親族など招く立場の方は、失礼のないよう「参列者よりも一段格上」の準喪服を着用しましょう。
4. 喪服の正しい着こなし
喪服とはその名の通り「喪に服す」という意味を持ち「故人を偲ぶ」というメッセージがあります。
故人のご冥福を祈り、その場にふさわしい服装マナーを心掛けましょう。
4-1. 男性の喪服の着こなしポイント
①喪服
準喪服であるでブラックスーツ(ブラックフォーマル)が好ましい。
生地は黒で光沢素材でないもの。
上着はシングル・ダブルどちらでも構いませんが、パンツは裾がシングルのものを着用します。
②ワイシャツ
白無地のレギュラーカラー。色柄物やボタンダウンのシャツは避けましょう。
③ネクタイ
黒無地で、光沢素材でないもの。
結ぶ際は、お悔やみの場でのマナーとしてくぼみ(ディンプル)を作らないこと。
④ベルト
黒無地でシンプルなデザインのもの。
大きく目立つバックルやクロコやヘビ柄などのデザインはNGです。
⑤靴下
黒の無地。白や柄物は避けましょう。
⑥シューズ
黒の革靴。原則、紐で結ぶタイプのものでないといけません。
エナメルやスエード素材は避け、金具なしのシンプルなものが好ましい。
4-2. 女性の喪服の着こなしポイント
①喪服
準喪服であるブラックフォーマルが好ましい。
パンツやワンピース・アンサンブルのスタイルが基本です。
露出の高いデザインは避け、トップスの袖丈は長袖から5分袖、スカート丈は膝からふくらはぎ丈が上品に見えます。
②アクセサリー
ネックレスやイヤリングは真珠が定番。
連が重なるものや大きいものは派手な印象になるため控えましょう。
③手袋
ネイルをしている方向けや、露出を控えるためのアイテムとして有効。
お焼香の際は外しましょう。
④バッグ
黒の布製が基本で、光沢や飾りのないシンプルなものが好ましい。
数珠や袱紗が入る大きさが良い。荷物の多い場合は、黒のサブバックを持ちましょう。
⑤ストッキング
黒の薄手のストッキングが正式。30デニール以下が基本になります。
厚手、柄物、網タイツなど華美なものはNGです。
⑥パンプス
シンプルな黒のパンプスで、素材は布または革が好ましい。
高いヒールのものやエナメル素材、素足の見えるミュールやサンダルはNGです。
4-3. 学生の場合
学生の場合は、学校の制服を着用しましょう。
学校によっては、「制服の色が明るい」「パンツやスカートがチェック柄」など黒以外の場合もありますが、学生服が正装とされているので問題ありません。
葬儀の場にふさわしい服装として、ワイシャツをズボンの中に入れたり、スカート丈をいつもより長くしたりと、校則に従った着こなしをしましょう。
4-4. 子供・乳幼児の場合
子供の場合は、落ち着いた色合いのシンプルなデザインの服を選びましょう。
白シャツに黒やグレーのズボンやスカートでまとめると好ましいです。
キャラクターなどの絵柄が入っているものは避けてください。
乳幼児もできるだけ飾りのない服を着せるようにしましょう。
4-5. 弔事のマナーとして持っておきたい小物
喪服の他にもマナーとして、併せる小物もしっかりと準備しましょう。
弔事の装いでは小物も慎み深く控えめなものが望ましいです。
①数珠
数珠は各宗派によって決まりがあります。
上記写真①のような一連のタイプの略式数珠ならどの宗派でも利用できます。
②袱紗
紫の袱紗は慶弔どちらでも使え、便利です。
大人のマナーとして袱紗に香典を包みます。香典を渡す際は、袱紗を折り畳み、その上に香典をのせ、両手で渡します。
③ハンカチ
弔事専用の黒または白の無地のもの。色物のハンカチは控えましょう。
4-6. 喪服の着こなしで気を付けたいポイント
貴金属や派手な飾り、目立つブランドロゴなどは避けましょう。
靴やバッグなどに、エナメルなどの光沢のある素材や、殺生をイメージするファーやアニマル柄など選ぶのは、マナー違反です。
華美な印象を与えるものは避け、迷ったら「黒」と覚えておきましょう。
5. 喪服を持っていない場合はどうすればいいの?
喪服を持っていない人や、喪服を持っているものの、突然の訃報で家に帰る時間がなく、出先から直行しなければならない!という方は平服でも構いません。
なるべく暗い色の地味な服装が望ましいです。
スーツは黒や濃紺など無地のダークカラーで合わせ、男性の場合は白シャツに、ネクタイと靴下は黒で揃え、先方に対して失礼のない服装を心がけましょう。
6. まとめ
喪服とはその名の通り「喪に服す」という意味を持ち「故人を偲ぶ」というメッセージがあります。
節目を大切にし、あくまでも故人を偲ぶ場なので、その場にふさわしい服装や持ち物を心がけ、故人に最後のお別れの挨拶を行いましょう。
突然の訃報で慌てないためにも、事前にしっかりと準備しておくと安心です。
※ここでは一般的な通夜での服装やマナーをご紹介しました。一部地域や宗派によって異なる場合がございますので予めご了承ください。