【レディース】喪服の着こなし方は?弔事の際の持ち物もご紹介
2022.12.02
この記事の所要時間:約8分
お通夜やお葬式に参列する際には「喪服」が必要です。
しかし、突然の訃報の場合、「何から準備すべきかわからない」と不安に感じる方も多いでしょう。
そこで今回は、レディースの喪服について解説します。
マナーを押さえた喪服の着こなし方や弔事の際の持ち物もご紹介します。
1. 喪服の種類
喪服には、正喪服・準喪服・略喪服の3つの格式が存在します。
1-1. 正喪服
正喪服は、喪主と三親等までの親族が着用する最も格式の高い喪服です。
喪主側が着用するものであるため、参列者は着用しないのがマナーです。
洋装では露出と装飾を抑えたデザインで上質な素材を使用したブラックフォーマルドレスを着用します。
ただし、皇室を除き、洋装の場合は正喪服と準喪服に大きな差はありません。
また、最近は葬儀の簡略化にともない喪主側であっても準喪服を着用するケースが増えています。
1-2. 準喪服
準喪服は弔事で最も多く着用される一般的な喪服です。
「準」とありますが、あらゆる弔事で通用する格式高い装いです。
参列者としてお通夜やお葬式に出る際には準喪服を着用するのが一般的と考えて差し支えありません。
洋装では露出と装飾を抑えたデザインのブラックフォーマルスーツを着用します。
前述のとおり洋装においては正喪服と準喪服に大きな差はありませんが、準喪服では平リボン、レースなど控えめな装飾が施されたデザインでもマナー上問題なく着用できます。
1-3. 略喪服
略喪服は、急な弔問(仮通夜)や三回忌以降の法要で一般の参列者が着用する控えめの平服です。
ブラックフォーマル以外の黒、ダークスーツや控えめな色のワンピースがこれに該当します。
仮通夜に招かれた際は略喪服で弔問するのがマナーとされています。
かつてはお通夜にも略喪服で参列することがマナーとされていましたが、最近ではお通夜・お葬式・告別式いずれにおいても凖喪服を着用するのが一般的です。
2. レディースの喪服の着こなし
では、喪服の着こなしについてさらに詳しく見ていきましょう。
2-1. ワンピース
前述のとおり、喪服は立場によって着用する格式が異なります。
しかし、凖喪服のワンピースがあれば遺族側・参列者側どちらにおいても着用可能であるため、一着あると大変便利です。
2-2. ジャケット
喪服は長袖のジャケット+ワンピースが正装です。
夏場であれば袖付きのワンピース一枚で参列することも可能ですが、少なくとも葬儀の際はジャケット着用が正式なマナーであることを念頭に置いておきましょう。
ノーカラージャケット
ノーカラージャケットとは、襟がないデザインのジャケットです。
襟がないため顔周りがスッキリと見え、小顔効果が期待できます。
また、カチッとした印象を抑え、柔らかい印象を与えます。
テーラードカラージャケット
テーラードカラージャケットとは、V字型の前開きを持つ折り襟が特徴のジャケットです。
オーソドックスな襟型であり、カッチリとした印象が幅広い年齢層に人気です。
ショールカラージャケット
ショールカラージャケットとは、首にショールをかけたような襟が特徴のジャケットです。
曲線であることで柔らかく落ち着いた印象を与えます。エレガントな雰囲気で着こなしたい方におすすめです。
スタンドカラージャケット
スタンドカラージャケットとは、立ち襟が特徴のジャケットです。
襟が高いので露出が少なく上品な印象を与えます。
シンプルなデザインであるため、トレンドにも左右されにくいです。
2-3. パンツ
正式な喪服は、濃い黒地のワンピースかスーツ・アンサンブルが望ましいとされています。
喪服にパンツスーツを着用してはいけないという厳格なルールがあるわけではありませんが、参列する立場や状況によってはマナー違反と考えられることもあるため注意が必要です。
3. 喪服以外に必要なアイテム
ここからは、喪服以外に必要なアイテムについて解説します。
3-1. バッグ
服に合わせるバッグは、素材とデザインに注意します。素材は艶の少ない黒色で布製のものを選びましょう。
殺生を連想させる革素材、光沢のあるエナメル素材はNGです。
デザインはコンパクトな形で装飾が少ないものを選びます。
金具の装飾やブランドのロゴなどが目立つデザインは避けましょう。
荷物が多くなる場合は、サブバッグを持つと良いでしょう。
3-2. パンプス
喪服に合わせるパンプスは、素材とデザイン・ヒールの高さに注意します。素材は艶の少ない黒色の素材がベスト。
殺生が連想されるスエードやアニマル柄、光沢のあるエナメル素材はふさわしくありません。
ただし本革は許容範囲とされます。
デザインは、つま先の形が丸いラウンドトゥがおすすめです。
反対に、つま先が露出するオープントゥや先の尖ったポインテッドトゥは避けましょう。
ヒールは幅が太め、かつ高さが3cm~5cmで移動の際にカツカツと音がしないものにしましょう。
ヒール幅が広すぎるウェッジシール、ヒール幅が細すぎるピンヒールはふさわしくありません。
また、装飾はできる限りないものを選びましょう。
リボンや金具が目立つもの、ストラップベルトがあるものはNGです。
3-3. 念珠
数珠は仏式の葬儀や法事で読経や焼香の際に使う法具であり、自身の数珠を持参するのがマナーです。
数珠は略式と本式の2種類に分けられます。略式は別名「片手念珠」と呼ばれ、宗派に関係なく幅広いシーンで使える数珠です。
初めて数珠を購入する方には略式がおすすめです。
3-4. 袱紗(ふくさ)
袱紗(ふくさ)とは、葬儀において香典を包む四角い布のことです。
香典袋にしわができたり水引が崩れたりすることを防ぐため使用するのがマナーです。
袱紗のカラーバリエーションは豊富ですが、弔事では寒色系を選ぶのがふさわしいとされています。
なかでも「紫色」は慶事弔事両方で使用することが可能です。
3-5. パールネックレス
パールは弔事でも着用することができる宝石です。
ただし喪服に合わせる際は、パールが小ぶりなもの、ホワイトまたはブラックの色味、一連のネックレスを選びます。
大粒のもの、ピンクやゴールドの色味、2連・3連のネックレスはふさわしくないため注意しましょう。
3-6. ハンカチ
喪服に合わせるハンカチは、黒または白色であることがマナーです。
デザインは無地が基本ですが、最近ではレースのような多少の装飾であれば問題ないとされています。
4. 喪服のスタイリングマナー
喪服や持ち物は間違いのないものを揃えても、スタイリングがマナー違反では意味がありません。
最後に喪服着用時のスタイリングのマナーについてもご紹介します。
4-1. スカート丈はひざ下が基本
喪服のスカート丈は、膝が隠れる丈を選ぶのがマナーです。
葬儀では、椅子だけでなく畳や床に立つ・座るなどの動作が多くあります。
その際に肌の露出を避けられるよう、一般的には膝下約5cmのものを選ぶのがよいとされています。
以下の記事では、お葬式やお通夜にふさわしい服装について詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
▶【お葬式の服装】男女別のお通夜にふさわしい服装とマナー
4-2. 袖丈は五分丈か七分丈
ワンピースの袖丈は五分袖か七分袖が快適でしょう。
ただし、弔問客や僧侶にお茶や食事などを出すために「手伝い」に入ることも想定されます。
手伝いの際は動きやすいようジャケットを脱ぐことも多いため、ワンピース一枚でも違和感のない7分袖程度にとどめておくのがおすすめです。
4-3. 小物も黒で統一する
カバンやパンプスと同様、髪の毛をまとめるヘアゴムやヘアピンなど、小物もすべて黒で統一するのがマナーです。
4-4. ストッキングは黒もしくは肌色
遺族は黒のストッキングを、参列者は黒または肌色のストッキングを着用します。
4-5. 指輪は基本付けない
葬儀では華やかになることを避けるのがマナーです。
輪は結婚指輪のみ、ネックレスやイヤリングは8mm以内の白か黒の真珠をつけるのが適切です。
5. まとめ
弔事の連絡は突然入るもの。また日常的にあるものでもないため、戸惑ってしまう方も多いと思います。
しかし、その場にふさわしい服装で葬儀に参列することは大人としての最低限のマナーです。
故人と最後のお別れをする大切な儀式。慌てず参列できるようしっかり備えておきましょう。