袱紗(ふくさ)の包み方は?シーン別の包み方・渡し方を徹底解説!
2022.11.23
この記事の所要時間:約7分
冠婚葬祭の場で渡すご祝儀や香典を包む袱紗(ふくさ)。
他に使う機会がないのであまりよく知らないという方も多いかもしれません。
ご祝儀や香典を持参する際に袱紗を使用するのは冠婚葬祭の大切なマナーです。
ここでは、袱紗の種類や包み方、渡し方など袱紗に関するマナーや疑問を徹底解説します。
1. 袱紗(ふくさ)とは
袱紗(ふくさ)とは、ご祝儀や香典などを包むための小さな風呂敷のことを指します。
絹やちりめん素材で作られており、柔らかな風合いが特徴です。現在では主に冠婚葬祭のときに使用されます。
袱紗に包んで持っていくことで、渡す相手への敬意や、祝意、弔意を表せます。
また、カバンのなかで繊細な水引が崩れないという利点もあります
1-1. 袱紗(ふくさ)の形の種類
袱紗には大きく分けて2種類の形状があります。
袱紗をあまり使ったことがない方におすすめなのが、挟むタイプの袱紗です。
金封袱紗といい、封筒が入れやすいように袱紗が縫い合わされています。
機能性に優れますが、袱紗のなかでは格式が低いものとなります。
包むタイプの袱紗は、シンプルに布だけの風呂敷タイプや、閉じやすい爪付きタイプ、台付きタイプなどがありますが、どれも自分で四隅をたたんで封筒を包む必要があります。
1-2. 袱紗(ふくさ)の色や柄の種類
絹の布やちりめん素材で作られた袱紗は、朱色や紺色、紫色などさまざまな色があります。
朱色や桃色の袱紗は結婚式などお祝いの席に、紺色や灰色の袱紗はお葬式など弔事の席に適しています。
紫色の袱紗は慶弔どちらの席でも使えるので、マナーとして袱紗を買おうと考えている方は濃い紫色を選ぶとよいでしょう。
刺繍付きのものや柄付きの華やかな袱紗もありますが、これらは慶事用です。
2. 袱紗(ふくさ)の包み方
袱紗を選んだら、さっそく封筒を包んでみましょう。
慶事は右開き、弔事は左開きというルールがあるので、向きに気をつけながら包みます。
2-1. 挟むタイプの場合
挟むタイプの袱紗は、上下左右の向きに気をつけて封筒を入れます。
慶事・弔事、それぞれの向きは以下のとおりです。
①慶事
慶事は右開きがルールのため、左側にポケット、右側に蓋が来るように開き、ご祝儀袋の表が上になるように挟みます。
②弔事
弔事は左開きがルールのため、慶事と上下を逆さまにして開きます。右側にポケット、左側に蓋が来るように開き、香典の表が上になるように挟みます。
2-2. 包むタイプの場合
爪付きや台付きなど、包むタイプの袱紗も基本の考え方は挟むタイプと同じで、慶事と弔事によって開く向きを変えるルールにしたがって包みます。
①慶事
袱紗をひし形状に広げます。爪付き袱紗の場合は爪が右に来るようにし、台付き袱紗の場合は台が左側に来るよう配置しましょう。
慶事は右開きがルールのため、中心線より少し左側にご祝儀袋を置き、袱紗の左側を折りたたみます。
折りたたんだ袱紗の左端がご祝儀袋の右端に届かない程度の長さだとバランスよく包めます。
ご祝儀袋の右端を超えてしまう場合は、ご祝儀袋を少し左側に置き直すとよいでしょう。
上・下と順に折りたたみ、最後に袱紗の右端を左側に折りたたみます。はみ出た部分をそのまま裏側に折り込んで完成です。
爪付きの場合は爪を留め糸に引っかけましょう。
②弔事
慶事と左右が逆さまになるように包んでいきます。
左開きになるよう、爪付き袱紗の場合は左側に爪がくるように、台付き袱紗の場合は台が右側にくるよう配置しましょう。
香典を中心より右寄りに配置したら、袱紗の右端を折りたたんでから上・下の端を順に折りたたみます。
最後に左端を右側に折りたたみ、はみ出た部分を裏側に折り込んで完成です。
整え方は慶事の包み方を参考にしてください。
3. 袱紗(ふくさ)の渡し方
冠婚葬祭の場では金封を袱紗から出して渡すのがマナーですが、渡し方にも作法があります。
3-1. 挟むタイプの場合
挟むタイプの袱紗の場合は、金封を取り出しても袱紗が崩れないので比較的簡単です。
慶事・弔事ともに自分が封筒の文字を読める向きで開きます。
袱紗から金封を取り出したら、袱紗の上に置きます。
慶事の場合は時計回りに、弔事の場合は反時計回りに180度回転させて渡しましょう。
開ける向きや回し方は袱紗を持つ手を覚えておくと簡単です。
慶事の場合は左手で袱紗を持ち、弔事の場合は右手で袱紗を持ちます。
反対の手で袱紗を開けたら、そのまま上の角を持ち、手前に回します。
そうすると、自然にマナーどおりの渡し方ができます。
3-2. 包むタイプの場合
渡し方は挟むタイプと同様ですが、包むタイプの袱紗は開いたときに袱紗が崩れないように下で押さえておくのがポイントです。
封筒の字が読める向きに袱紗を持ち、開いていきます。
慶事の場合は左手で袱紗を持ち、右左の順に開きます。弔事の場合は反対です。
開いた袱紗は裏側に折り返し、袱紗を持っている手で押さえておきましょう。
上下の布は開かず、金封をスライドさせ横に引き抜き袱紗の上に置きます。
そのあとは挟むタイプ同様、180度回転させて渡します。
4. 袱紗(ふくさ)以外に準備する必要のあるもの
冠婚葬祭の場で袱紗以外に用意したほうがよいものを簡単にご紹介いたします。
4-1. 慶事
男性は礼服やダークスーツ、女性は華やかなドレスを用意しておきましょう。
また、招待状や貴重品、ご祝儀を入れた袱紗が入る小さめのカバンがあると安心です。
結婚式のときに持っていくとよいものは以下の記事でもご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
▶【結婚式のゲストの持ち物】男性・女性それぞれが持っていくべき持ち物
4-2. 弔事
弔事は慶事と違い、ある日突然やってきます。
とはいえ、故人を偲び遺されたご家族に哀悼の意を捧げるためにも喪服は必要です。
準喪服といわれるブラックスーツやブラックフォーマル一式と数珠、ハンカチなどを平時に用意しておきましょう。
喪服の着こなしやマナーについては、以下の記事も参考にしてください。
▶【葬式の服装】通夜や告別式の喪服マナー
5. 袱紗(ふくさ)の注意点
冠婚葬祭以外ではあまり使う機会のない袱紗。
用意できなかった場合の対処法や購入できる場所をご紹介します。
5-1. 袱紗(ふくさ)が用意できなかったとき
袱紗が家になく用意できない場合は、大判のハンカチ等で代用しましょう。
基本的には無地、無色のものを使用します。
アイロンをかけてシワをなくした状態で、袱紗と同じように包みましょう。
5-2. 袱紗(ふくさ)はどこで購入できる?
袱紗は紳士服店や仏具店、デパートのフォーマル服売り場や大きめの文具店などで購入できます。
見つけられない場合はスタッフの方に聞いてみましょう。
6. まとめ
ここまで、冠婚葬祭で使う機会のある袱紗について解説してきました。
冠婚葬祭のような人生の節目となる大切な日には、マナーを守り、言葉だけでなく振る舞いでも気持ちを伝えたいものです。
ここでご紹介した内容を参考にし、ぜひ正しいマナーを知っておきましょう。