スーツにダウンは合わない?合わせるときのポイントやコーデ・着回しを紹介
2023.08.31
この記事の所要時間:約8分
「ビジネスでもダウンをおしゃれに着こなしたい。
でも合わせ方がむずかしい」と思っている方は多いのではないでしょうか。
ダウンは冬の定番アウターですが、カジュアルな印象があるため、ビジネスでの着こなしに悩む声はよく聞かれます。
そこで今回は、スーツにダウンを合わせるときのポイントや、コーデのコツを解説します。
1.スーツの上にダウンはダメ?
「スーツにダウンは合わない」と考える方は多いですが、近年はビジネスでもダウンを着用したスタイルが浸透してきています。
大切なのは、浮かないための注意点を押さえること。
その注意点や、他のアウターとの比較を見ていきましょう。
1-1.スーツ×ダウンの注意点
スーツ×ダウンで重要なのは、性質の理解とバランスです。
アイテムの性質を理解していないと、ビジネスにふさわしくないスタイルになりやすいため、注意してください。
ビジネスウェアの代名詞であるスーツと、アウトドアウェアのダウンでは、そもそもの目的と着用シーンが異なります。
スーツは、イギリス貴族の礼服や軍服などの歴史を経て、動きやすさと利便性を追求して変化した、ビジネスパーソンの基本ウェアです。
一方、ダウンは真冬の釣りで凍死寸前になった人の経験がきっかけで開発された、アメリアのアウトドアブランド発祥の防寒着です。
これまで一般的に、ビジネスというフォーマルな場にカジュアルな性質を持つダウンはあまり用いられませんでした。
しかし、クールビズに代表されるように、服装のマナーや常識は時代に合わせて変化します。
洗練されたスーツ×ダウンの着こなしは、最近はおしゃれ上級者として見られる組み合わせの1つとなっています。
1-2.他アウターとの印象の違い
ダウンの圧倒的な暖かさは、デッドエアと呼ばれる対流しない空気を含む構造により生まれます。
そのため、商品自体にボリュームがあるのが特徴です。
ここでは、他のアウターとの印象の違いを、種類ごとに解説します。
1-3.チェスターコート
ボリュームが大きくカジュアルなダウンとスマートで上品なチェスターコートは、シルエット・印象ともに対極といえるほどの違いがあります。
チェスターコートは、テーラードジャケットのようなラペル(下襟)が特徴のロングコートです。
広がりを抑えたストレートな形で、Iラインのシルエットを作ります。
知的で洗練された印象を与えることから、男女問わずビジネスで大活躍の定番アイテムです。
チェスターコートは、礼服用のアウターにも着用できる、最もフォーマル度の高いコートです。
カジュアルな服に合わせてもしっかりとした雰囲気に仕上がります。
チェスターコートの着こなし方を詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
1-4.ステンカラーコート
ステンカラーコートは、ビジネスにもプライベートにも使いやすいアウターとして、世代を問わず人気の高いコートです。
チェスターコート同様、オールマイティーに使えるコートですが、襟の形とシルエットに違いがあります。
ステンカラーコートは、襟の後ろ側を高く、前側は低くしたデザインで、襟を立てて着用できるのが特徴です。
襟の開きも調節可能なため、着回しやすく汎用性の高いアイテムです。
シルエットは、裾に向かって広がるシンプルなAラインが主流です。
また、ボタンを隠す「比翼仕立て」と呼ばれる仕様により、視覚的にもすっきりとした印象を与えます。
ダウンとの違いは、ビジネスシーンへの浸透度です。
ステンカラーコートは正統派アイテムとしてポピュラーなため、万人が受け入れやすい一方、ダウンはTPOに配慮した着こなしが必要です。
相手や場所によってはマナー違反の印象を与える場合もあります。
以下の記事では、ステンカラーコートについてより詳しく解説しています。
1-5.スタンドカラーコート
スタンドカラーコートは、立ち襟が特徴のアウターです。
襟は立てて着用するのが基本で、ステンカラーコートのような折り返しはありません。
コンパクトな襟元と直線的なシルエットが、シャープで都会的な印象を与えます。
ダウンとの違いは、着用時のシルエットです。
スタンドカラーコートは膨らみの少ないストレートなラインが印象的です。
1-6.ポロコート
ポロコートは、他ではあまり見られないディテールとダブルの前合わせが特徴のロングコートです。
上襟が広めのアルスターカラーにアウトポケットの周りにステッチを施したフレームドパッチ、袖の先を折り返したターンナップカフなど、これらは手の込んだ作りになっています。
また、背中にひだを入れたインバーテッドプリーツ、ウエストをほどよく絞るバックベルトは、動きやすさと優雅さの両立をかなえます。
ポロコートのルーツはイギリスのポロ選手が休憩中に着用したウエイトコートで、アメリカで改良され、現在のポロコートとして広まりました。
そのため、クラシカルな重厚感とスポーティーな雰囲気を備え、英国紳士風の貫禄を感じるアイテムとなっています。
ダウンとの違いは、アウトドアの要素を持ちつつ上品で威厳ある印象を与える点です。
1-7.フードコート
フードコートとは、フードの付いたコートの総称で、フーデッドコートとも呼ばれます。
アクティブな印象を作りやすく、定番アウターの次に手に入れる2着目としても人気が高いアイテムです。
商品のデザインは多岐にわたりますが、基本的にはカジュアルなイメージを与えるため、用途に応じた商品選びが大切です。
スーツに合わせる場合は、シルエットや装飾がシンプルなものを選びましょう。
フードの取り外しができるとオンオフで切り替えができ便利です。
ダウンとの違いは、全体のボリューム感です。
フードコートもカジュアルな印象ですが、ボリュームはチェスターコートやステンカラーコートと変わらないため、スーツにも合わせやすいでしょう。
2.スーツにダウンを合わせるときのポイントと注意点
スーツとダウンはアイテムの印象が大きく異なるため、いかにスーツに合うダウンを選ぶかが重要です。
具体的なポイントを見ていきましょう。
2-1.スーツとダウンの生地の相性を考える
ダウンの生地は、ナイロンやポリエステルを使ったものが主流です。
強度があるためアウトドアで重宝しますが、光沢が強いとカジュアルな印象が強くなってしまいます。
スーツに合わせる場合は、ウールなどのマットな素材を選びましょう。
スーツの生地に近いテイストであれば、相性よくまとまります。
素材の印象を合わせることで、ビジネスの場にも馴染む親和性が生まれるでしょう。
2-2.ベーシックカラーにする
ダウンの色はベーシックカラーをチョイスしましょう。
おすすめは、ブラック、グレー、ネイビーです。
また、カーキもビジネススーツと相性がよい色です。
ダウンに限らず、ビジネスやフォーマルな場では落ち着いた色を使用するのが基本です。
着用時に大きな面積を占めるアウターはスタイル全体の印象を左右するため、ベーシックカラーで統一感を出しましょう。
2-3.シンプルなデザインにする
ダウンには、羽根の偏りを防ぐためのステッチがあります。
ステッチはダウンの保温性を支える一方、もこもことした膨らみを作ってカジュアルさが増す要因となります。
スーツに合うのは、装飾が控えめで凹凸の少ない、シンプルなデザインのダウンです。
表地にステッチのないタイプを選ぶと、ダウン特有のアウトドア感を軽減できます。
2-4.ダウンからスーツがはみ出ない着丈にする
アウターの着丈は、短いほどカジュアルな印象になります。
スーツに合わせる場合は、ジャケットの裾がダウンに隠れる着丈を選びましょう。
アウターの着丈が長くなれば、そのぶんフォーマルな印象は強まります。
ダウンを着用するビジネスパーソンの増加とともに、着丈のバリエーションも豊富になりました。
着用シーンに合わせてダウンの着丈を選んでみましょう。
3.スーツ×ダウンのコーデ・着回し
スーツにダウンを合わせたコーディネートの実例を2つご紹介します。
シンプルな形とベーシックな色を選べば、コーデの幅はグッと広がります。
3-1.ブラックのダウン×ジャケパン
アメトラ風のジャケパンスタイルにシンプルなブラックのダウンを合わせたコーディネート。
ネイビーのジャケットにベージュのチノパン、小物にはレジメンタルタイを使用しています。
色数の多いコーディネートでは、アウターにブラックを合わせると全体が引き締まります。
表面にステッチがないブラックのダウンは、ビジネスにもプライベートにも使いやすい王道の一着です。
3-2.ネイビーのダウン×セットアップ
ネイビーのダウンとカーキのセットアップのコーディネートです。
ポイントはインナーのニットです。
ダウンよりやや明るいネイビーを使用し、顔周りに華やかさをプラスしました。
また、色のトーンを合わせることで、まとまった印象となっています。
ネイビーは、上品さを演出したいときに便利な色です。
リバーシブルのダウンを選ぶと、着回し力が上がるためおすすめです。
4.まとめ
ビジネスの場でダウンを着るときは、スーツに合うデザインを選ぶことが重要です。
ビジネスシーンで浮かないよう、以下のフォーマルな要素に着目して選びましょう。
- マットな生地
- ベーシックな色
- シンプルなデザイン
- ジャケットの裾が出ない着丈
スーツに似合う素敵なダウンを着こなして、ビジネスシーンも暖かく過ごしてください。