コーデュロイとは?どんな生地?種類やポイントを紹介
2024.01.15
この記事の所要時間:約6分
優れた保湿性と個性的な風合いで秋冬に大活躍のコーデュロイ。
畝(うね)のある表面と鮮やかな色彩を楽しめる生地です。
ここでは、豊かな表情をもつコーデュロイの歴史や魅力、お手入れで気を付けたいポイントなどを解説します。
1.コーデュロイとは?
コーデュロイは、畝のある独特の風合いとほどよいカジュアル感が特徴で、世界中に人気が浸透しています。
まずは、その特徴や歴史、種類を見ていきましょう。
1-1.コーデュロイについて
コーデュロイは、丸い円を描いた(ループした)糸を織り出すパイル織りの一種で、ループをカットして毛羽立たせた生地です。
縦に畝があることと表面の毛羽による凸凹した立体感が特徴で、なじみ深いところでは黒板消しの布地にも使われています。
本来の素材は綿ですが、ナイロンとの混紡やウールを使用したものも多くみられます。
摩擦に強く、保温性に優れる性質があります。
別名コール天とも呼ばれています。
1-2.コーデュロイの歴史
コーデュロイの歴史は古く、17世紀、フランス王朝ルイ14世の時代にまで遡ります。
織物業者からコーデュロイを献上されたルイ14世が生地を気に入り、自分の召使の制服の生地に採用したのがはじまりといわれ、そのあと18世紀中半ばに起こった産業革命によりイギリスに伝わって、上流階級のカジュアルウェアとして用いられるようになりました。
1950年代になると、アメリカの名門学生の間で生まれたアイビースタイルの定番素材として定着し、以後長く愛されています。
一方、日本には明治時代頃に伝わり、草履や下駄の鼻緒に使われるようになりました。
そのあとは、1960年代にはアメリカのアイビースタイルの影響を受け、日本でも流行しました。
コーデュロイ(Corduroy)の由来は、フランス語の「Corde du Roi」から来ているという説が有力です。
Cordeは畝、Roiはルイ王朝を指し、「Corde du Roi=王様の畝」の意味となります。
1-3.コーデュロイの種類
コーデュロイは畝の太さによっていくつかの種類があり、1インチ四方の中にある畝の本数でその種類は分けられます。
畝が太いとカジュアルな、畝が細いと上品な印象となります。
主な種類は、畝が太いものから鬼コール(3本以下)、太コール(6本前後)、中太コール(9本)、細コール(15本以上)、極細コール(20本以上)の5つです。
また、太い畝と細い畝がミックスされたものを親子コールと呼びます。
2.コーデュロイの魅力
秋冬物の定番となっているコーデュロイは、暖かい着心地とファッション性の高さで支持される生地です。
その具体的な魅力をご紹介します。
2-1.保温性がある
コーデュロイの大きな魅力は、保温性が高く暖かい点です。
生地の特徴でもある表面の畝の凹凸に空気を溜め込むため、空気の層が身体を包んで暖かさを保ちます。
また、アイテムのバリエーションが幅広く、パンツやスカート、シャツのデザインも豊富です。
インナーやボトムスで取り入れると、重ね着をたくさんしなくても暖かく過ごせるでしょう。
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2-2.ニットとの相性が抜群
コーデュロイはニットとの相性がよく、季節感を演出する素材としても重宝します。
保温性の高いコーデュロイと寒い時期に欠かせないニットの組み合わせは、秋冬のファッションにうってつけのスタイルです。
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2-3.身体に馴染んでいく
コーデュロイは摩擦に強く丈夫な生地です。
毛羽のあるふんわりした質感ですが、目の詰まった厚みのある生地のため、はじめはゴワゴワした着心地に感じる場合もあるでしょう。
しかし、着込んでいくうちに身体に馴染む特徴があります。
時間をかけて変わっていく質感の変化の過程を楽しめるのも、コーデュロイを身にまとう醍醐味です。
3.コーデュロイの気をつけたいポイント
コーデュロイは摩擦に強く丈夫な生地ですが、表面の毛羽は繊細です。
濡らしたり重ねたりすると毛羽がつぶれて畝や光沢が損なわれ、コーデュロイ特有の風合いを楽しめなくなる恐れがあります。
ここでは、コーデュロイの取り扱いについて気を付けたいポイントを3つ解説します。
3-1.ホコリを取る際はエチケットブラシを使う
コーデュロイはゴミやホコリが付きやすい素材です。
ゴミが毛羽や畝に引っかかって取りにくく、濃い色のアイテムでは特に目立ちやすいため注意しましょう。
ゴミやホコリが付いたときは、エチケットブラシを使って取り除きます。
ポイントは、寝てしまった毛羽を立たせるようにエチケットブラシを動かすことです。
粘着テープやガムテープを使うとコーデュロイの毛が抜けてしまい、毛並みが崩れて光沢を失う原因となるため注意してください。
3-2.洗濯表示を確認する
コーデュロイの主な素材は綿のため、自宅で洗濯可能な場合もあります。
ただし、近年はさまざまな素材を使用したアイテムが増えており、洗濯不可のものも少なくありません。
また、コーデュロイは摩擦に強く丈夫な生地ですが、毛羽は繊細です。
水に濡れるとつぶれてしまう可能性があります。
自宅で洗濯可能な場合でも、洗濯表示に従って生地を傷めないように注意しましょう。
3-3.ハンガーに吊るして保管する
コーデュロイのアイテムはハンガーに吊るして保管しましょう。
たたんで衣類を重ねておくと、衣類の重みで毛羽がつぶれたり、畝が寝てしまったりする可能性があります。
コーデュロイの美しい毛並みを保ち、しわやヨレを防ぐためにも、しまうときはハンガーにかけることをおすすめします。
4.まとめ
コーデュロイは、表面の畝と毛羽立ちで独特な風合いをもつ綿織物です。
保湿性に優れ、主に秋冬に活躍する定番の生地ですが、近年は素材のバリエーションが増え、活躍するシーズンやファッションの幅も広がっています。
丁寧にお手入れをすれば長く愛用できる丈夫さも、コーデュロイの人気のポイントです。
ぜひ上手に取り入れて、秋冬ムードあふれるおしゃれを楽しみましょう。